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「ハムギョンブクド(咸鏡北道)ムサンで暮らしていたキム・ヒョンジュ(14.仮名)さんは昨年韓国に来たが、まだ私たちの言葉で対話するのに気後れしている。食料を求めるとして中国を出入りしたお母さんについて脱北したのは八才の時の2003年。その後のヒョンジュは中国で漢族と結婚したお母さんと暮らしながら5年間中国人学校に通った。順次激しくなる新しいお父さんの暴力を避けて2008年にお母さんとともに逃げるように韓国に入ってきたが、ヒョンジュには相変らず中国語のほうが馴染み深く、韓国語では基本的な意思表現しかできない。ヒョンジュのお母さん、ハン某(42)氏は"ヒョンジュが幼い時からあちこち転々としながらことばをよく習えなくて学校で遅れをとらないだろうか心配だ"と吐露した。」③
「統一部によれば(今年の)8月末現在、韓国に入ってきた脱北者は総1万9千500人余りだが、この中の20%近い2千700人余りは入国当時19才以下の青少年だった。これら脱北者の中で相当数はヒョンジュのように短く1年、長くて7〜8年を中国や東南アジアを転々としてやっとのことで韓国に入ってくる。特に青少年の場合、成長期に外国現地学校に通ったため韓国語での疎通に気後れする場合が多い。脱北者と多文化家族を助ける財団法人'ムジゲ(虹)青少年センター'が昨年15〜24才男女脱北者896人を対象に調査した結果、北朝鮮を脱出して韓国に入ってくる時まで平均21ヶ月を中国などで生活した。」③ ・・・定着支援機関のキョンギド(京畿道)アンソン(安城)市ハナ院では中国での生活が長かった青少年に対して特別プログラムを実施しているし、その後に通うことになる同市のハンギョレ中高等学校でも別授業で対応しているそうだが、読み書きが普通に出来るようになるまでには時間がかかるそうだ。だが、南北の"教育格差"は相当なものらしく、ことばに大きな問題がない児童や生徒にも'いじめ'の洗礼が待ちうけている。 「脱北後韓国で小学校生活を無事に終えて今年中学校に入学したウンギョン(13.仮名)は学校でことばを一言もしゃべらない。小学校の時から親しく過ごした仲良しと同じ中学校に進学できて喜んだのも束の間、基礎学力が不足したウンギョンは順次授業に遅れをとったし、ウンギョンが脱北者であることを知ることになった何人かの子供たちはウンギョンの語り口をからかい始めた。それまで仲良しだった友人とも徐々に遠ざかってウンギョンは結局'いじめられっ子'になった。」③ 「統一部によれば、昨年脱北中・高校生が学業を途中であきらめた比率が8.8%に達して韓国の生徒(1.4%)の6.3倍水準だった。韓国教育開発院が昨年発表した'脱北学生の教育実態分析'報告書を見れば脱北青少年らが学校をやめる最大の理由は'習う内容がとても難しくて'(24%)であった。・・・教育開発院の報告書によれば、脱北青少年の61.9%、父兄の62%が'いじめ'にあうかもしれないという心配のために北朝鮮出身であることを明らかにしたがらないことが明らかになった。」③ また、「北朝鮮離脱住民定着支援法によれば、北朝鮮で取得した学歴を認められようとする脱北者は各地域の教育庁で学歴と年齢、素養評価(言語・数理能力)の結果を基準として審議を受けるべきなのに、教育庁別に基準が違ううえに現実的な配慮も不足して、20才を越える脱北者が中学校に配置される場合もある。」③ 」 「ムジゲ(虹)青少年センターのユン・サンソク南北統合支援チーム長は、"韓国の人と同じようになることを願うより、特性を生かして能力を発揮することができるように見守ってあげることがさらに重要だ"としながら、"韓国語をできないことがハンディキャップとして作用することもありうるが、中国語の特技を生かして外国語高校に進学したり、大学入試で外国語特技専型に合格した事例もある"と説明した。」③
③ '私たちの言葉'ができない子供たち http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2010/09/27/0511000000AKR20100927183300014.HTML ・・・大多数の脱北者らは厳重な監視をすり抜けて脱出した後、相当期間中国やタイ、ベトナム、ラオス、ミャンマーなどを転々として韓国に入ってくる。その結果、からだと心が傷だらけの場合が数多い。入国した脱北者の47%が最大の困難として'精神的・肉体的苦痛'を挙げたという調査結果もあるそうだ。 「2006年以降、国立医療院とチュンナム(忠南)大病院の'北朝鮮離脱住民診療センター'を訪ねてきた脱北者が3千300人余り(300人余り入院治療)に達したが、これは同じ期間の全脱北者の17%に該当する。ありふれた病気の中の一つが結核だが、1999年から最近まで検診を受けた1万6千340人の脱北者中2.2%(308人)が結核の判定を受けた。また、ハナ院内医療機関の'ハナ医院'が2006〜2009年の4年間に脱北者3千378人にツベルクリン検査をした結果、抗体陽性反応を見せた事例は81%に終わった。残り19%は結核感染の危険に無防備に晒されているという話だ。肝炎にかかった事例はさらに多く、2004〜2010年にハナ院に入所した脱北者1万3千124人の10.8%にあたる1千306人が陽性反応を見せた。問題は、こういう慢性疾患を直そうとするなら、以後の粘り強い診療が必要だが、ハナ院出所後にはほとんど体系的な治療を受けることができないということだ。全脱北者の78%を占める女性たちは各種婦人病で苦痛を受けている。ハナ院によれば、毎月入所する200人内外の女性脱北者中半分程度が産婦人科疾患を訴えていて、完全に正常な人の数は10%前後に過ぎない。」④ ・・・こうした慢性疾患等の病気は、過酷な脱北生活で得たものもちろんあるだろうが、北韓(北朝鮮)の劣悪な保健衛生状態がその根本要因だと自分は思っている。ピョンヤン(平壌)あたりの外部宣伝用の医療期間を除いて、方方の病院等では薬品や医療機材はおろか、満足な消耗品も備えていないところがほとんどではないかと想像している。 「こういう身体的病気も問題だが精神的疾患はさらに深刻だ。一例で、2007年に入国した40代女性脱北者のキム某氏はハナ院出所後、定着地保護担当警察の助けで食堂に就職しながら一週間を通うことができなかった。キム氏がずっと頭痛と腹痛を訴えて食堂をやめるほかはなかったのだ。だが、担当警察と共に病院に行って診察を受けてみると身体的には全く異常がないことが明らかになった。ハナ医院のチョン・ジンヨン公衆保険医(神経クリニック担当)は、"こういう症状を'身体化'というが、ストレスによる心理的反応が身体的苦痛として現れるもの"と説明した。脱北者の4分の3を占めるほど女性脱北者の数が増えながら、うつ病患者も急増している。脱北過程で受けた激しいストレス、北朝鮮や中国に置いてきた家族に対する懐かしさと罪悪感、国内入国後体験する社会・文化的衝撃などがうつ病として現れるということだ。・・・実際に、先月(8月)14日現在、国立医療院に入院中の脱北者11人中4人が精神科治療を受けていた。」④ 脱北者医療サービス団体の'新しく一つになった祖国のための集い'(略称 セソウィ)の「シン・ミニョ代表は、"痛みを治療するのも重要だが、南北間の社会・文化的差異から生じる問題を解決できるように助ける現実的対策が緊急だ"としながら、"例えば脱北者が死亡した時に葬儀を助けるシステムを運営すれば、この社会で'捨てられた存在'でないということを感じることができるだろう"と語った。」④ ④ "心身がみな病気にかかった"脱北者 http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2010/09/27/0511000000AKR20100927186400014.HTML ・・・脱北者は二万人を超えたが、韓国社会での彼らの居場所は寒寒としているようだ。彼らを眺める国民の視線は暖かいというより冷たいほう近いというのが専門家たちの現実診断だそうだ。「彼らが半世紀を経過した'分断の溝'を少しでも埋めるという期待感がなくはないが、何の助けになるのかという式で冷笑する雰囲気も厳存するということだ。」⑤
「ソウル大統一平和研究所が去る7月、19才以上の男女1千200人を対象に調査した内容を見れば、国民5人中3人(59.3%)は脱北者らが韓国、北朝鮮の異質化解消に役に立つと答えた。これは2007年の調査時(53.8%)より多少高まったのだ。また、'韓国に入ってくることを望む脱北者は全部受け入れなければならない'という意見の比率が52%から43.6%に低下した反面、'選択的に受け入れなければならない'という応答は37.2%から47.9%に高まった。 政府の脱北者支援と関連して、去る7月調査の'さらに多い支援が必要だ'という応答が55.7%で2007年より多少低くなった反面、'支援に反対する'という応答は44.3%と小幅で高まった。」⑤
「当研究所のパク・チョンラン選任研究委員は、"世帯所得水準で月200万ウォン以下と400万ウォン以上の'支援に同意する'という応答比率が、これまで200万〜399万ウォン台より高かった"としながら、"中間所得層で脱北者支援の必要性に共感する割合が低いという意味であって、中産層の社会経済的不安定性が広がった結果として見ることもできる"と分析した。合わせて、'脱北者らに親近感を感じない'という応答の比率は少し低くなったが、相変らず57.5%で半分を上回った。'町内の隣人や職場の同僚のように相対的に距離をおく関係では脱北者らを敬遠しない'と答えた人々が半分に達したが、'結婚相手や同業者では避けたい'という応答が'そうではない'よりさらに多かった。'組織内で脱北者らが同じように競争しなければならないか'という質問には、67.8%が'そうだ'と答えて、脱北者らをひたすら弱者としてしか見てはいないことが明らかになった。この調査結果だけ見れば、私たちの国民は統一が達成された時、脱北者らが社会統合に寄与するという'漠然とした'期待を持っているが、財政的負担と心理的距離感もだいぶ感じていると分析された。⑤
」 「脱北者らは誰でも基本定着支援金の他に住宅、職業訓練、大学特例入学、登録料などの支援を受ける。しかし、統一部が韓国職業能力開発院に依頼して作成した'2009北朝鮮離脱住民経済活動実態調査'報告書によれば、韓国に定着して6ヶ月を越えた15才〜64才の年齢帯の脱北者599人中、経済活動をしている場合(291人、48.6%)よりそうではない場合(308人、51.4%)がさらに多かった。また、非経済活動人口中、45.7%は韓国に定着したあと金を稼ぐために仕事をしたことが一度もないと調査された。就職脱北者の場合、'食堂や工事現場補助のような単純労務職'(31.5%)または'機械操作および組み立て'(23.2%)等の仕事をしているが、月平均所得は127万ウォンに過ぎなかった。母集団全体の637人中、基礎生活費受給世帯(生活保護を受けている世帯-訳注)は52.3%で2008年の調査の時(60.2%)よりは減ったが、相変らず自立を期待するには難しい水準だった。こういう現実の底辺には自立の必要を切実に感じることができない脱北者らの認識が作用しているが、脱北者らを敬遠する私たちの社会の雰囲気にも問題があるという指摘がたくさん出ている。それと似た脈絡で、もう脱北者らを'移住民(外国人労働者や外国人配偶者-訳注)'のひとつの形態として眺めなければならないという意見が強く提起されている。」⑤ |

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