李英愛研究

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李英愛の時代

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 全国八ヶ所で実施された7・28国会議員 再・補欠選挙の投票が28日午後8時に終了し、全体有権者136万4999人中46万5190人が投票に参加して34.1%の暫定投票率を記録したと中央選挙管理委員会が明らかにした。 これは今回の選挙同様に休暇シーズンに行われた2006年7・26再・補欠選挙での投票率(24.8%)より9.3%ポイント高い数値とのこと。

 全八ヶ所の投票率を[朝鮮日報]の記事によって高い順に並べると以下の通り。

 ①カンウォンド(江原道) チョルウォン(鉄原)郡、ファチョン(華川)郡、ヤング(楊口)郡、インジェ(麟蹄)郡・・・47.5%
 ②カンウォンド(江原道) テベク(太白)市、ヨンウォル(寧越)郡、ピョンチャン(平昌)郡、チョンソン(旌善)郡・・・45.1%
 ③チュンチョンブット(忠清北道) チュンジュ(忠州)市・・・43.6%
 ④ソウル特別市 ウンピョン(恩平)区乙・・・40.5%
 ⑤カンウォンド(江原道) ウォンジュ(原州)市・・・28.7%
 ⑥光州(クァンジュ)広域市 南区・・・28.7%
 ⑦忠清南道(チュンチョンナムド) チョナン(天安)市乙・・・24.3%
 ⑧仁川(インチョン)広域市 ケヤン(桂陽)区乙・・・23.2%

 [聯合ニュース]の開票速報を参照して当選者を上の投票率順に並べると以下の通り。すべて男性である。

 ①ハン・ギホ(韓起鎬−ハンナラ党)
 ②チェ・ジョンウォン(崔鍾元−民主党)
 ③ユン・ジンシク(尹鎭植−ハンナラ党)
 ④イ・ジェオ(李在五−ハンナラ党)
 ⑤パク・ウスン(朴宇淳−民主党)
 ⑥チャン・ビョンワン(張秉浣−民主党)
 ⑦キム・ホヨン(金昊淵−ハンナラ党)
 ⑧イ・サングォン(李商權−ハンナラ党)

 イ・ミョンバク(李明博)大統領の側近といわれるお二方(③と④)の得票率は60%前後で、堅い勝利であった。選挙戦終盤の呼び物だった野党の候補単一化は遅きに失して力を持たなかったようだ。
 
 進歩系の地盤である⑥では民主党に対抗して民主労働党候補が善戦した。これまでクァンジュ広域市で民主党でない候補が当選したのは民主党を離党した無所属候補だけだった。しかし今回は民主労働党と進歩新党など進歩陣営が市民社会と協力してクァンジュの地域主義に挑戦し、‘野党圏改編’の新しい流れを作ったのだそうだ[ソウル新聞]。
 
 チュンチョン道は二つともハンナラ党が取った(③と⑦)。セジョン(世宗)市問題が一応収束しつつあるので、野党側は攻撃材料に窮したのかもしれない。問題はカンウォン道である。伝統的に保守が強い地域であったが、6月の全国同時地方選挙では地殻変動を起こした。今回も、三ヶ所のうち民主党が二つ取った(②と⑤)。ハンナラ党は最高の投票率を記録した①だけしか取れなかった。こじつけて言うなら、これがいわゆる『カンウォン道のちから』というやつであろうか。

 投票率だけ見ると、①〜④、⑤〜⑧ときれいに二分される。従来の感覚で、投票率が低いと保守系に有利なのかなあと思っていたが、ハンナラ党が候補を立てなかった⑥を除いても、⑤は民主党が取った。こういう選挙に「適正投票率(?)」の如きものがあるのかどうかよくわからないが、保守有利の境目は25%あたりだろうか。6月に民主党の市長が誕生したインチョン広域市でハンナラ党が勝っている。
 
 今回の投票率は平均で34.1%ということなので、休暇期間中の選挙にしては有権者の関心が比較的高かったようだ。ただし、6月の全国同時地方選挙の時のように若年層が積極的に参加したかどうかは疑問である。野党側が相変わらず「政権の審判」または「政権への牽制」という謳い文句を並べても、若年層にしてみれば6月の選挙がその役目を果たしたはずなのに何をいまさら、という話になるような気がする。
 
 ハンナラ党はクァンジュ広域市を捨てていた。7分の5の戦績である。このあと選挙違反の話が出てくるはずなのであくまで暫定的結果であるが、結局、与党/ハンナラ党 対 野党/民主党は 5対3で、薄氷を踏むような神経戦選挙は一応、与党/ハンナラ党の勝利に終わった。

[朝鮮日報](7月28日)[投票終了]恩平(ウンピョン)乙40.5%、夜11時頃輪郭出てくるようだ
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/07/28/2010072801888.html?Dep1=news&Dep2=top&Dep3=top
[ソウル新聞](7月28日)[7・28補欠選]‘ミニ総選挙’3大特徴を見ると
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100729005005
[聯合ニュース]今回の選挙の特集ページ
http://www.yonhapnews.co.kr/issues/1203010001.html
[聯合ニュース]今回の選挙の候補者一覧
http://www.yonhapnews.co.kr/issues/1203030000.html

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 本日、全国八ヶ所で実施される国会議員の再・補欠選挙は、"ミニ総選挙"などとも呼ばれている。ソウル特別市ウンピョン(恩平)乙、カンウォン(江原)道3ヶ所、チュンチョン(忠清)道2ヶ所、インチョン(仁川)広域市ケヤン(桂陽)乙、クァンジュ(光州)広域市南区がその八ヶ所で、全国に散らばっている。

 このうち、クァンジュ広域市南区は進歩系勢力の地盤であり、野党内部で熾烈な公認争いが展開されたりした。ここは野党側が取るとして、残りの7ヶ所で候補を立てたハンナラ党がどれだけ議席を確保できるかが興味の中心である。なにしろ伝統的に再・補欠選挙は"与党の墓"と言われるし、6月の全国同時地方選挙でハンナラ党は敗北した。その後の情勢の変化は如何に。

 MBNニュースを書き起こした[毎日経済]の記事によると、"観戦ポイント"は三つ。

 <観戦ポイント1> 最大の勝負所はソウル ウンピョン乙で、'政界の実力者'であるハンナラ党のイ・ジェオ前国民権益委員会委員長が出馬して政治的意味が大きいところとのこと。ただし、野党側は選挙戦終盤に候補単一化に成功し、大激戦の地と化した。

 <観戦ポイント2> 野党圏の単一化効果がある程度影響を及ぼすかも観戦ポイントだそうで、上のソウル ウンピョン乙とハンナラ党のユン・ジンシク候補が出馬したチュンブク(忠清北道)のチュンジュ(忠州)で野党候補単一化がなされている。ハンナラ党のニ候補は共にイ・ミョンバク(李明博)大統領の腹心ともいえる方々で、相変わらず「政権審判」を前面に出して戦っている野党側としては負けられない戦いだというわけだ。ただし、、野党圏単一化が選挙直前に妥結して時間が不足したぶん効果は微小だという評価も出ているようだ。

 <観戦ポイント3> 今回の補欠選でも'与党の墓'というジンクスが続くかどうかが最後の見どころだそうだ。

 というような話を念頭に置き、事前の世論調査を調べようと探してみたが、どうも様子がおかしい。細かい数字の出てくる「予想記事」の類がほとんど無いに等しいのである。

 [朝鮮日報]によれば、「政界と言論が世論調査にほとんど言及さえしないのは、去る6・2地方選挙を控えて実施した大多数の世論調査がソウルと一部接戦地域開票結果と大きい差を見せて、正確性論議を引き起こしたせいだ。この渦中に中央報道機関中で唯一、放送会社が先週発表した世論調査結果を置いても与野党政界が同時に不満を吐き出して、世論調査は'のけもの'の境遇を免れなかった」とのこと。結局、'真っ暗闇の選挙'になっているようだ。

 さらに、与野党ともにセコい計算が働いているようだ。「支持層らに'勝つ'といえば油断をして投票場に出てこないのを防ぐために'危機をあおる'戦略を使い、今度は'負ける'とだけずっと話せば支持層が自暴自棄になって投票場に出てこないのを防ぐために'勝負が分からない'という'ブラックボックス(Black box)'戦略に変えたのだ。結局、与野党が各自支持層をかき集めるための'策略'と見ることができる」のだそうだ[朝鮮日報]。

 「世論調査会社のある関係者は、"政界ではこの頃も選挙状況を把握するために世論調査をたくさん依頼している"とし、"その一方で有権者らに公開される報道機関世論調査を一方的に罵倒するのは結局、'状況は政界だけでわかれば良い'という式の傲慢が底にある"と語った。キム・ヨンウォンスンミョン(淑明)女子大 統計学科教授は、"事前世論調査は全体有権者が投票をするという仮定のもとに実施するから、正確な投票結果を予測するのに多少無理がある"とし、"だが、今のところは世論調査が大まかな状況の流れを把握するのに役立つから、政界が便宜的に世論調査の効用性を裁くのは正しくない"とした。」[朝鮮日報]

[朝鮮日報](7月27日)[明日再・補選]世論調査失踪 '真っ暗闇の選挙'
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/07/27/2010072700143.html

アンサン(安山)

 キョンギ(京畿)道アンサン(安山)市はソウルの南西、シファ(始華)湖に面している。シファ湖は黄海(西海)に面した入り江の部分をを仕切って作った人工湖で、シフン(始興)市とファソン(華城)市をつなぐ、いわば大枠を仕切る大防潮提が完成したのが1988年、アンサン市等、湖に面した地域の防潮提は1994年に完成した。

 アンサン市は近隣に工業団地を抱える、いわゆる計画都市で、工業団地で働く外国人労働者が多いことで知られる。ソウルから地下鉄なら4号線。Googleの地図で見ると、正六角形のダイヤモンド公園というのがあり、そこから放射状に広がる区域がある。緑の多い町のようだ。そういえば、あの漢陽大学にはアンサン・キャンパスというのがある。また、地図を眺めていて気づいたが、アンサン市の西、インチョン(仁川)空港のあるヨンジョンド(永宗島)の南にはあのシルミド(実尾島)がある。

 そのアンサン市の近隣の山でちょっとした事件が起きた(以下は、[中央日報]の記事による)。

 「グンジャ峰上空に落下傘のような物体が浮かんでいます。四十個以上のようです。」ある中年男性が切迫した声で112(警察)に通報してきたのは16日午後8時15分頃。アンサン市内のある山に落下傘のようなものが見えるという。彼は「妻も共に見ました。写真も撮りました。」と、震える声で話した。

 通報は近隣警察署のアンサン ダンウォン警察署で受け取られた。警察が直ちにこれを近隣軍部隊に通知し、当該部隊とダンウォン警察署が総出動して近隣の捜索と聞き込みに出た。警察関係者は、「雰囲気がいたずらではなかった。北朝鮮が挑発を宣言した時点だし極端な可能性もあるということが現場の判断だった」と、雰囲気を伝えた。北朝鮮軍の空中浸透を仮定したということだ。

 16年ぶりに北朝鮮が「ソウルを火の海に」という脅し文句を持ち出している昨今である。また、とくに天安艦沈没事件以降、国防の肝心要となるはずの軍部の安保意識の弛みが指摘されている昨今でもある。軍は深夜12時に危機措置班を稼動した。キム・テヨン国防長官とイ・サンウィ合同参謀本部議長が緊急招集され、バンカーで捜索を指揮した。

 同12時頃、捜索班が証拠写真の中の飛行物体と見えるものを山で探しあてた。破裂した風船だった。風船には子供の文字で願いを書き入れたリボンがついていた。風船の色などが証拠写真の物体と一致した。軍による調査の結果、この風船は近隣にある子供の家で『願掛け(ソウォン ピルギ)』行事を行って飛ばしたものだった。子供たちの願いを書いたリボンを風船に縛って10ヶずつ連結して飛ばしたとのこと。これが山を漂って住民たちに目撃されたのだった。

 17日午前1時45分、軍は「対空容疑点なし」として、この風船ハプニングを終結させた。

[中央日報](6月17日)'アンサンに北朝鮮落下傘が?' 軍、明け方まで危機措置班稼動
http://news.joins.com/article/750/4249750.html?ctg=1200&cloc=home|piclist|piclist1

 天安艦沈没事件以降、韓国国内では、弛みきった安保意識を批判する保守勢力と、北朝鮮と「同じ船」に乗っているのではないかと見まがうばかりの進歩勢力との対立が先鋭化している。ことに進歩勢力は、国内外の専門家による調査結果を頭から信じていない。いまだにわけのわからない与太話を全面に持ち出して、調査結果自体の信憑性にイチャモンをつけ続けている。

 それは例えば、海底から回収された魚雷の一部と天安艦の破断部分に付着していた酸化アルミニウムについて、そんなものが魚雷から出てくるのはおかしい、といった、床屋談義に近いイチャモンである。草の根の素人による発想でエリート連中にはだまされまいとするその志はわからないでもないが、国連の安全保障理事会にまでメールを送るような根拠のある『疑惑』ではない。自分は魚雷の専門家でも水中爆発の専門家でもないが、例えば、今回の事件の合同調査団長のインタビューを見ると、進歩勢力が北朝鮮と一緒になって攻撃できるほど恣意的で作為に満ちたものとは到底思えない。このあたりの『怪談(与太話)』を見ると、BSE騒動のころの流言飛語を思い出す。

 中国あたりの論調に、天安艦が北朝鮮の魚雷攻撃で沈没して『漁夫の利』を得るのは米国だ、という話もある。南北がこれを機会に緊張状態の強度を上げれば、第一に「駐韓米軍の存在価値を強化して韓半島(朝鮮半島)での米国の影響力を拡大できる良い機会」になるし、緊張の高まりは第二に「米国としては武器を販売して巨額を稼ぐ機会になる」。また、第三に「韓半島(朝鮮半島)の緊張は韓・米・日軍事同盟強化を助けるから米国の立場で東北アジア内の過去の地位を回復するのにも有利だ」というわけだ。

 韓国の進歩勢力、とりわけ反米志向の強い左派が北朝鮮の出先機関のように韓国政府を攻撃するのはなぜだろう。また、左派全部が主体思想の権化とも思えないが、最近は北朝鮮と歩調を合わせているようにしか見えない主張も目立つ。民主党や親盧勢力などは、自分たちが政権を握っていた10年間のいわゆる太陽政策(対北融和政策)を無効化しかねない安保意識の高まりはなんとしても回避したいだろう。北朝鮮との「共同戦線」にしても、韓国での報道や発言を北朝鮮側が巧妙に利用しているとも考えられる。ただし、南北が休戦状態だという事実は何も変わっていないし、北朝鮮にいくらカネを貢いでも、向こうの立場や行動が微塵も変化しなかったことは多くの例証によって明らかである。

 威勢のいい脅し文句で恐喝する北朝鮮の手口は相変わらずだ。しかし、万国博覧会が開催されている間は北朝鮮は大規模な軍事衝突を起こし得ないし、仮にDMZ(非武装地帯)に設置された拡声器がいわゆる「対北心理戦」を開始しても極小規模の挑発が起こるぐらいだろうと思われる。北朝鮮の軍部が暴走しなければ小さな挑発も起こるかどうか疑わしい。一つの仮定として、将来、北朝鮮が全面戦争をしかけてきても、三日から一週間もあれば向こうの軍事施設は根こそぎ破壊される。韓国国内の主体思想派・浸透工作員の蜂起やゲリラ活動があったとしても、パトロンの中国は置いて、金王朝だけを対象にするなら、これを軍事的に潰すことは比較的容易であろう。しかし、万国博後であっても中国がそういう事態を避けようと動くことは間違いない。

 自分などは、北朝鮮の長距離砲の脅威にさらされていない、さしあたり安全なところで暢気に構えている。46名の兵士が海の藻屑と消えた北朝鮮の魚雷攻撃へのイ・ミョンバク(李明博)政権の対応は至極当然で、あれが何で「対北強硬姿勢」なんだろうと訝しく思ったりしていた。だが、長距離砲の射程圏内に暮らすソウルやキョンギ道、カンウォン(江原)道などの人々にしてみれば鬱陶しいことこの上ないだろう。

 地方選挙の結果を見ると、与党・保守勢力にとって「北風」は「逆風」になったようで、「独善的な政策遂行や対北強硬政策に対する牽制」として民心を理解する論調が多い。地方選挙の少し前に読んだ[朝鮮日報]のコラムに、こうした状況のもと、市井の人々の意識を代弁するような話が紹介されていた。

 「今回の地方選挙渦中に子供が軍に行った家族らの周辺では'戦争'が話題になる場合が多かったという。軍に行った子供が家に電話をかけてきて、"オンマ(母さん)、恐ろしくて"と言ったという話を聞いた。その部隊員らの中には泣いた兵士たちもいたという。別の人の子供は部隊から電話をかけて、"アッパ(父さん)、イ・ミョンバクが戦争をするっていうけど、何でどうしてそうしなきゃいけないの? こうしてじっとしていればどうなるの?"と言ったそうだ。」「(以前、このコラムの筆者は、子供の兵役を避けるために米国へ遠征出産に行く世相を批判する文を書いたが)その文を読んだある女性が、"遠征出産が何が悪いのか"と言った。それで、"国は誰が守るのか"と尋ねたところ、"今までのように北朝鮮にお金を与えれば良いのではないか"という答えが帰ってきた。」

 ・・・金持ち喧嘩せずとでもいうべきか。。韓国の進歩勢力はこうした市井の人々の感覚をよく心得ているのかもしれない。韓国には「市民」はいても「国民」は少ないのかなあ、などと余計なことを考えてしまう。戦争が始まったら、米国の駐留軍に戦ってもらって、韓国の軍人は休暇(?)をとってオンマやアッパのところに逃げ帰りそうな勢いである。まあ、そんなことにはならないだろうし、誰も好き好んで戦争など始めるはずもない

[朝鮮日報](6月8日)[ヤン・サンフン コラム] "軍人の父母"が部隊の前で横になる日
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/06/08/2010060802560.html?Dep1=news&Dep2=headline1&Dep3=h1_06
[朝鮮日報](5月31日)[朝鮮インタビュー]ユン・ドクヨン天安艦合同調査団共同団長
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/05/30/2010053001242.html
"南北争えば得するのは米国"<中国の専門家>
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2010/05/31/0503000000AKR20100531196600083.HTML?template=2087
 今回の選挙の全体投票率は暫定値で54.5%と出た。これは今まで行われた同時地方選挙中、去る1995年の第1回(68.4%)に続いて二番目に高い数値だそうだ[ニューシス]。また、去る大統領選挙当時の63%に比べると少し低いが、前回の第4回地方選挙投票率51.6%より少し高く、第18代総選挙の46.1%に比べて8.4%も高い数値になっている。
 
 投票率を重視する立場からは投票率55%が保守・進歩(保・革)対決の分かれ目という話もあった。投票率が高い場合、若年層がより多く参加したことを意味し、進歩陣営にとって有利な選挙になる。その意味で、54.5%というのは微妙な数字である。地方選挙では伝統的に野党側が優勢な選挙結果を残している。確か、前回の地方選挙では野党のハンナラ党が圧勝したと記憶する。
 
 KBS・MBC・SBSの地上派3社が共同で実施した出口調査と、YTNと韓国ギャラップが共同で実施した出口調査の結果が大きく食い違い、話題になったりした[YTN]。
 
 投票率をざっと見渡すと、大都市部では2番目に高い投票率のソウルが接戦になった。接戦の要因として若年層の投票が増加したことがあると思われるが、年齢別の投票率が発表されればはっきりする。単純に投票率だけ見るなら首都圏はむしろ低目とも言える。そもそも、1特別市・6広域市の大都市部はキョンギ道を除く8道に比べて投票率が低いのである。ただ、そうした投票率であっても進歩勢力に有利な数値だったのかもしれない。首都圏の保守・進歩(保・革)対決といえば、昨年の10.28 再・補欠選挙でスウォン(水原)市やアンサン(安山)市は民主党が勝った。これは、進歩勢力に潜在的な勢いがあったと見るべきかもしれない。
 
[ニューシス](6月2日)[6・2地方選挙][総合]最終投票率54.5%(暫定)…15年ぶりに最も高い地方選挙投票率
http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20100602_0005341092&cID=10301&pID=10300
[YTN](6月2日)YTNと地上波共同予測調査比較
http://ytn.co.kr/_ln/0101_201006021831445670
 
 新聞各紙のトップページには16の特別市・広域市首長選挙、道知事選挙の開票結果がリアルタイムで表示されていた。『地方の働き手』四千人近くを選ぶ選挙とはいえ、やはり主要な市・道の首長選の結果は選挙全体の様相を如実に物語る。ということで、とりあえずこの16の首長選挙に注目した。
 
 首都圏では、キョンギ(京畿)道はハンナラ党候補が開票序盤から優位を占めつづけたが、ソウル市とインチョン市は大接戦になった。また、伝統的に保守の強かったカンウォン(江原)道とチュンチョン(忠清)道で民主党が勝利を収めた。セジョン(世宗)市問題で多くの住民の反感を買ったチュンチョン道ではハンナラ党と自由先進党で保守票を食い合った模様である。保守の嶺南、進歩の湖南という地域構図にも変化の兆しが見られるようだ[聯合ニュース](6月3日 02:10)。
 
 開票結果はソウル市とチュンチョンナム(忠清南)道が明け方まで予断を許さぬ接戦を展開した。とくにソウル市は90%の開票を経ても決着がつかなかった。
 
結果は、
(市・道名−投票率(%)−当選及び当選確実(所属))-午前8時20分現在
ソウル市−53.8−オ・セフン(ハンナラ党)
プサン(釜山)市−49.5−ホ・ナムソク(ハンナラ党)
テグ(大邱)市−46−キム・ボムイル(ハンナラ党)
インチョン(仁川)市−51−ソン・ヨンギル(民主党)
クァンジュ(光州)市−49.8−カン・ウンテ(民主党)
テジョン(大田)市−52.8−ヨム・ホンチョル(自由先進党)
ウルサン(蔚山)市−55.1−パク・メンウ(ハンナラ党)
キョンギ(京畿)道−51.8−キム・ムンス(ハンナラ党)
カンウォン(江原)道−62.3−イ・クァンジェ(民主党)
チュンチョンブッ(忠清北)道−58.8−イ・シジョン(民主党)
チュンチョンナム(忠清南)道−56.5−アン・ヒジョン(民主党)
チョルラブッ(全羅北)道−59.4−キム・ワンジュ(民主党)
チョルラナム(全羅南)道−64.3−パク・ジュンヨン(民主党)
キョンサムブッ(慶尚北)道−59.4−キム・クァンヨン(ハンナラ党)
キョンサムナム(慶尚南)道−61.9−キム・ドゥグァン(無所属)
チェジュ(済州)道−65.1−ウ・グンミン(無所属)
 
 ハンナラ党の地盤であったはずのキョンサムナム(慶尚南)道で当選したキム・ドゥグァン候補は『色ある無所属』を旗印に、進歩勢力を代表するかたちで選挙に臨んでいた。チェジュ道で当選したウ・グンミン候補はこれまでにチェジュ道の知事職を4回務めた実力者で、一応民主党所属だったが、今年の3月にセクハラ疑惑で民主党の公認を取れず、無所属で出馬したという経緯がある。つまり、無所属のお二方はさしあたり進歩陣営ということになりそうである。
 
 午前1時半の段階で、地方自治体長選挙でもハンナラ党はソウルで25箇所の区庁長中、カンナム(江南)圏3箇所以外では事実上完敗するなど、全228箇所の選挙区中、78箇所だけで1位を守って苦戦を強いられた。反面、民主党は90箇所で先頭を走っていて、自由先進党は14箇所で各々優勢だった[聯合ニュース](6月3日 01:37)。
 
 今後、選挙違反の話が出てくるはずなので、あくまで暫定的結果であるが、特別市首長・広域市首長・道知事の選挙は保守対進歩の色分けをするなら7対9、与党対野党なら6対8で、与党ハンナラ党の敗北に終わった。その他、全228箇所の地方自治体長選挙でも同様の結果と思われる。
 
 イ・ミョンバク(李明博)大統領ヘの支持率は50%近いようだが、この選挙結果をふまえて、哨戒艦「天安」沈没事件の後始末やセジョン(世宗)市問題、4大河川事業等々の政策課題への取り組みがかなり難しくなるであろうと予想される。ただし、進歩陣営で特別市・広域市・道で当選したり接戦を展開した候補のうち4〜5名は自他共に許す親ノ(親盧)派人士であり、野党第一党の民主党が一枚岩で今後の政局に影響力を行使できるかどうかは不明である。
 
[聯合ニュース](6月3日 02:10)<有権者、与野党地盤安住に'鞭'>
http://www.yonhapnews.co.kr/election/2010/06/02/3014000000AKR20100602147000001.HTML
[聯合ニュース](6月3日 01:37)地方選挙、ハンナラ敗北・民主勝利・・・政局波紋予告
http://www.yonhapnews.co.kr/election/2010/06/03/3014000000AKR20100603018600001.HTML
[聯合ニュース](6月3日 00:26)<'地方選挙=与党の墓'というジンクスを再確認>
http://www.yonhapnews.co.kr/election/2010/06/02/3014000000AKR20100602140400001.HTML
 
 
(6月3日 最終段落の一部を訂正)
誤:「進歩陣営で特別市・広域市・道で当選した候補のうち4〜5名」
正:「進歩陣営で特別市・広域市・道で当選したり接戦を展開した候補のうち4〜5名」
 
(付録)
[ソウル新聞](
http://www.seoul.co.kr/index.html)のトップページにあった表
(6月3日午前7時30分現在)
<政党別 一位 現況>
政党-広域団体-基礎団体-広域議員-基礎議員
ハンナラ党-6-82-254-1088
民主党-7-91-308-818
自由先進党-1-14-36-98
民主労働党-0-3-16-68
創造韓国党-0-0-0-1
進歩新党-0-0-2-16
国民参加党-0-0-4-16
未来聯合-0-0-2-13
その他-2-38-58-394
合計-16-228-680-2512
 
提供:中央選挙管理委員会
 
[中央選挙管理委員会]トップページ
http://info.nec.go.kr/main/main_load.xhtml
 明日、六月二日は第五回全国同時地方選挙の日である。韓国では臨時の休日になる。
 
 哨戒艦「天安」の沈没事件が今月二十日に解明され、官・民合同で米・英・豪・スウェーデンなどの専門家も含む調査団が北朝鮮による魚雷攻撃と断定した。これにより、保守政党は安保問題の議論を前面に打ち出し、中産層やとくに高年齢層に訴えかけるいわゆる「北風」ということが言われた。
 
 また、二十三日は昨年自殺した故ノ・ムヒョン(盧武鉉)前大統領の一周忌にあたり、進歩勢力は親盧勢力(国民参加党及び民主党の親盧派)を中心に、主として貧困層やとくに若年層に訴えかけるいわゆる「盧風」ということが言われた。
 
[聯合ニュース](5月22日)与野党、最初の週末遊説戦・・北風・盧風激突(総合) いったい選挙ポスターが何枚なの?
http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2010/05/22/0502000000AKR20100522053900001.HTML?template=2086
 
 選挙スケジュールとしては立候補者登録の後、五月二十日から公の選挙戦(五月二十〜六月一日)に入った。二十七日と二十八日には不在者投票も行われた。地方選挙とはいえ、イ・ミョンバク(李明博)政権への中間評価と位置付けられる選挙ゆえ、今年の初めから与野党ともに事前の準備が活発だった。
 
 民主党・民主労働党・創造韓国党・進歩新党・国民参加党の野党5党は予備候補者登録が行われる3月に「地方選挙連合」という形をぶち上げた。そして、共通の政策課題を策定し、候補の単一化を図るべく、その地域と方法のすり合わせを行った。
 
 一方、3月下旬には親朴系(パク・グンヘ(朴槿恵)氏系)政党の未来希望連帯(旧親朴連帯)が与党のハンナラ党との無条件合併を宣言したりした。
 
[ソウル新聞](5月3日)[地方選挙D-30]選挙戦の状況を左右する超大型イシュー(争点)
http://election2010.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100503004012&spage=17
[東亜日報](日本語版 3月25日)旧親朴連帯、ハンナラ党と無条件合併 徐清源元代表が獄中宣言
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2010032574518
[プレシアン](3月8日)野党5党の '地方選挙連合'、 弾みをつけるか?
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=60100308121350
[中央日報](日本語版 2月24日)【社説】遠くで飛躍、近くでもたつく李大統領
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=126580&servcode=100&sectcode=110
 
 今回の選挙では、特別市や広域市の首長・道知事16人、市長・郡守・区庁長228人、広域議員761人、基礎議員2888人、地方教育長16人と教育議員82人など3991人を選ぶ。投票用紙は8枚にもなるそうだ[朝鮮日報]。また、投票所の数が13388ヶ所、開票管理人員が延べ32万人で、歴代最大規模の選挙になる見とおしだそうだ[ソウル新聞]。
 
 韓国では、地方自治体の選挙は『草の根民主主義』などという冠と一緒に語られることが多い。それもそのはず、ウィキペディアによれば、地方議会議員と地方自治団体長を選出する最初の地方選挙は1952年に初めて実施され、1960年まで続いたが、1961年以降はパク・チョンヒ(朴正熙)政権によって地方自治が中断された。 以後、1991年になって地方選挙が再開され、1995年からは地方自治体長と地方議会議員を一度に選出する全国同時地方選挙が実施されている。
 
 地方選挙投票率は1998年52.7%→2002年48.9%→2006年51.6%という推移である[朝鮮日報]。
 
 なお、今年の選挙は5回目の全国同時地方選挙であるが、前回の第4期民選地方自治体長234人のうち半数近くが各種不正と違法行為で起訴されている[ソウル新聞]。
 
 韓国の地方自治は中央の政治の縮約版的なところがある『擬似地方自治』だ、などという話もある。「私の故郷と私たちの町内の働き手を選ぶのに全国的なイシュー(政策課題)が過度に氾濫する現象がこれを物語る。天安艦事態とノ・ムヒョン前大統領の遺志が選挙構図を左右しているというのがそのあらわれだ[ソウル新聞]」、というわけだ。一部の例外を除いて、保守の地盤である嶺南(慶尚道)や進歩(革新)の強い湖南(全羅道)では順当に事前の下馬評が出ている[東亜日報]。
 
[朝鮮日報](6月1日)[社説]選挙公報だけでも読んで地方の働き手を選び出そう
http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2010/05/31/2010053102609.html
[ソウル新聞](6月1日) [ソウル広場]おとなの地方自治に行く道はまだ遠い
http://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100601031004
[ソウル新聞](6月1日)[地方選挙D-1]激戦地域以外深夜12時ぐらいに輪郭…選管委“開票は遅れるようだ”
http://election2010.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100601005014&spage=1
[東亜日報](日本語版 5月18日)ハンナラ8選挙区、民主3選挙区で優勢 地方選挙中盤情勢
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2010051843498
 
 向こうのマスコミで最も注目しているのは、やはり首都圏。キョンギ(京畿)道知事・ソウル市長・インチョン(仁川)市長の選挙である。この三地域ではハンナラ党の現職候補が善戦している。
 
 キョンギ道知事選挙はハンナラ党のキム・ムンス現知事と、進歩新党を除く野党4党の選挙連合で臨んだ国民参加党のユ・シミン候補の争いである。ただし、どういう経緯かは不明だが、選挙間際の三十日になって進歩新党から出馬していたシム・サンジョン候補が突然、候補を辞退したため、ユ・シミン候補は進歩新党を加えた野党5党による単一候補のかたちで投票日を迎える。
 
 ソウル市長選挙では事実上、ハンナラ党のオ・セフン現市長と、第一審の判決が出て収賄疑惑を振り切った民主党のハン・ミョンスク元総理の対決になっている。このお二方以外に、あのシム・ウナの夫君であるチ・サンウク氏が自由先進党から立候補しているし、進歩新党のノ・フェチャン代表も立候補している。ノ・フェチャン候補にも「単一化」への圧力がかかっているようだが、候補を辞退することはないと明言している。
 
 インチョン市長選挙はハンナラ党のアン・サンス現市長と民主党のソン・ヨンギル候補の対決である。
 
 哨戒艦「天安」の沈没事件はいわゆる「北風」を吹かせて、相対的に保守陣営に有利な選挙戦になっているという話もあるが、これを黙ってみている進歩勢力ではない。何かにつけ流言蜚語に事欠かないお国柄のせいか、なりふりかまわぬ「心理戦」まで展開している。三十一日、ソンドング(城東区)、ソンスドン(聖水洞)にある大型スーパーとオクス(玉水)駅近くで葉書大のカラー・チラシが大量にばら撒かれた。チラシには『'天安艦証拠操作 通り過ぎた犬が笑う』、『地方選挙用北風操作直ちに中断しなさい!』という文句と子犬が笑う姿、米国の原潜等が印刷されている[聯合ニュース]。まず「天安」が座礁し、そこへ米国の原潜が衝突したとか誤爆したとかいう『怪談』(与太話)であるが、進歩派が集まるネット・カフェ(フォーラム)なんかでは真面目に議論しているところもある。だが、市井の人々にすれば、戦争を煽るかたちにもなりかねない「北風」は諸刃の剣である。扱い方を一歩間違えば保守・進歩(保・革)双方にとって、「逆風」にもなりかねない。
 
 今回の選挙の結果は投票率次第だ、という話もある。選挙の投票率といえば当日の天気。保守勢力を支える高齢層(50代以上)は天気にあまり左右されないと思われる。しかし、進歩勢力が頼みとする若年層(20〜30代)は天気が良いと遊びに出かけてしまう。なにしろ投票日はお休みなのだ。天気がよくても、投票してから遊びに出かけるという若年層が多ければ進歩派にとっては願ったりであろうが、どうなるだろう。
 
 中央選挙管理委員会は三十日、『有権者意識調査』の結果報告書を通じて、4年前よりは投票率が若干上がると見とおしている。"必ず投票する"という積極的投票意向層が59.5%で、4年前の同じ時期の調査(46.8%)より高かった。地方選挙に"関心がある"という有権者も64.4%で、4年前の56.6%より多少高かった。特にソウルの積極的投票意向層は61.2%で全国平均を上回った[ソウル新聞]。
 
[ソウル新聞](6月1日)投票率55%-接戦地区勝敗基準線?
“北風も、盧風もない。 今は投票率だ。”
http://election2010.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100601003005&spage=1
[聯合ニュース](5月31日)'天安艦調査'誹謗印刷物大量散布(総合2報)
http://www.yonhapnews.co.kr/election/2010/05/31/3015000000AKR20100531215500004.HTML
[レディアン](5月31日) "シム・サンジョン、苦悩の決断でも残念だ"
ノ・フェチャン"ハン・ミョンスク問題がなぜ進歩新党の責任?"
…ジン・ジュングォン"心、理解"
http://www.redian.org/news/articleView.html?idxno=18623
[ソウル新聞](5月28日)ソウル・キョンギ・インチョンの世論調査支持率を4年前と比較してみると
http://election2010.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20100528010007&spage=5

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