李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

韓国の映画

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韓国映画愛国民連帯

  <保守対進歩>
  「映画発展基金はスクリーンクオーターと無関係に造成されなければならないし客観的で透明でなければならないし公正でなければならない」−映画監督協会。
  「スクリーンクオーター縮小の対価として造成される1000億ウォンの基金を我が国の映画人たちは決して願わない」−「文化侵略阻止及びスクリーンクオータ死守」映画人対策委。

  上の二つの引用は[プレシアン]の記事に出ていたもので、文化観光部の映画産業中長期計画に対する映画人内部の二通りの対応を紹介している。この記事自体は雑誌『movieweek』に掲載されたものらしい。いよいよ映画人の内部でも対立が始まりそうな様相である。新たな執行部で活動を始めた映画監督協会は、左に寄りすぎて反米闘争に深くコミットしすぎたスクリーンクオータ原状回復運動を少し右に寄せることになるのだろうと思っていた。この点は以前の書き込みでも触れた。

  しかし、この記事を書いた映画人は、映画監督協会が主催する映画賞(「第14回春史大賞映画祭」
http://www.chunsafilmfestival.com/ )の今年の授賞式にハンナラ党のパク・グンヒェ(グネ?)女史が出て祝辞を述べたことを問題にしている。これはあの春史ナ・ウンギュにちなむ映画祭である。この映画祭は今年から大衆向きに路線変更したという話もある。「何人かの元老映画人たちは今までの韓国映画発展は故朴正煕大統領の徳があったから可能だったという話をした」のだそうだ。「この日の発言をじっくり何度もじっくり考えて見ればこれらの人々が本当に願うのはパク・グンヒェではなく、"過去の朴正煕の時代に帰ることだ"という考えをふり離すことができない。これははっきりと過去への回帰で、したがって一種の歴史的反動にあたるのだ。監督協会が今の"映画振興委員会を解体しなさい"と主張したのはそのためだ。」

  …かなり強引な決めつけであるし、このリクツを頭から信じる人はよほどの世間知らずか何らかの政治的偏向を持ち合わせた人だろう。左に寄りすぎた映画人の政治参加を右寄りにしようという動きを好ましく思わない映画人も多いのである。確かに春史大賞映画祭では映画「韓半島」が最優秀作品賞をとったし、映画「ムクゲの花が咲きました」のチョン・ジンウ(ジヌ)監督が大賞を受賞した。どちらかというと反日志向が目立つようにも思えるが、右寄りと言えば右寄りなのかも知れない。しかし、この記事は、「右寄りの映画人」を批判するだけでなく、「映画界進歩主義者」たちも次のように批判している。

  「国民の政府から今の参加政府まで、国内の映画政策は紆余曲折も多くて試行錯誤も多かったが、"支援はするが干渉はしない"と言う原則が"比較的"合理的に貫徹されて来たということが大方の評価だ。それにもかかわらず、いわゆる"映画人対策委"は現在、過ぎるほど反政府的な戦術に進んでいる。その戦術は今の政府を他の政府で取り替えようとすることか、ではなければ今の政府を教化しようとすることか。クオーター問題に"オールイン"しているが、それさえも友軍を失えば以後の混乱がどんなに手におえなくなるのかまことに心配になるのである。」

  …なかなかまっとうな批判である。それなら監督協会に対してどうして上のような一方的決めつけをするのだろう。同記事の次の言葉がヒントになる。「右派は右派のみを心配する。しかし左派は世の中を心配する」…うーむ。これは向こうの進歩派勢力や進歩派的な考え方の人々の通念なのであろう。「右派にも左派にも、世の中を心配する人もいれば、自らの属する集団の利害を優先する人もいる」というふうには考えないのだ。そう考えることは一種の裏切りなのかも知れない。

[プレシアン](11月24日)「スクリーンクオータ運動が変わらなければならない理由」
http://www.pressian.com/scripts/section/article.asp?article_num=60061124180127
[連合ニュース](10月28日)「第14回春史大賞映画祭」の記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006102721210914901&newssetid=489

  <韓国映画愛国民連帯>
  [連合ニュース]によれば、「韓国映画愛国民連帯」というNGオ団体が29日に発起式を行った。この団体は、「スクリーンクオータ縮小などによって韓国映画が危機に瀕したと判断、観客の力で韓国映画の危機を乗り越えていこうという主旨で発足した」のだそうだ。「イ・ヨンフン準備委員長はあいさつの言葉で、"これから韓国映画製作発表会、現場公開行事などに韓国映画愛国民連帯の会員たちが参加し、韓国映画を応援して広報するなど韓国映画の危機を打開するのに力を加える"と語った。この日の行事にはNGO団体関係者、学界人士、映画人など150人余りが参加した。

  この発起式にはあのニューライト連合の共同代表など中道保守系の人士が大挙参加したとのことである。早まった言い方をすると、「映画監督協会側の団体」というふうに色分けされてしまうかも知れない。「韓国映画の危機を打開するのに力を加える」と言われてもディレクターズカットのメンバーやスクリーンクオータ文化連帯を支持している映画人にしてみればありがた迷惑な話であろう。いや、反動的な勢力だとして攻撃するかも知れない。なにしろ、スクリーンクオータ縮小を既定の事実として、危機を乗り越えようという設立趣旨なのだ。今後の動きが興味深い。

[連合ニュース](11月29日)「韓国映画のサポーターが生まれた」
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20061129/090201000020061129132708K6.html

  <11月22日>
  映画人がにぎにぎしく参加して「韓米自由貿易協定阻止汎国民総決起大会」が開催された。この大会、何で11月22日に開催したのかが疑問である。以前、金日成の誕生日にソウルで大規模な集会があって、映画人も参加していたが、11月22日は何の日だろう。国際反戦デーは10.21だし、北朝鮮の大きな記念日ではないようだ。この日生まれた人ではフグ田サザエ(1922年[推定])が有名だ。亡くなった人は、徳川慶喜(1913)、ジャック・ロンドン(1916)、ジョン・F・ケネディ(1963)、サンダー杉山(2002)などたくさんいらっしゃる。韓国では「学園浸透スパイ事件」が起きた日で、徐勝他18人の留学生が国家保安法違反容疑で逮捕された(1975)。この日は「1122」が「いい夫婦」と読めることから、「いい夫婦の日」に制定されている(1988)。大相撲の朝青龍が幕内初優勝を決めたのもこの日(2002)だが、これも絶対に違う。謎である。

  <韓米自由貿易協定阻止汎国民総決起大会>
  この日の集会とデモは民主労総が主導したゼネストの一環で、今年に入って最大規模である。キムジャン(キムチの漬け込み)で忙しいこういう時期に最大規模の集会・デモをやるところがいかにも韓国の反政府運動らしい。[連合ニュース]によると、民主労総と全教組などの参加者はソウル市庁舎前のソウル広場やソウル駅などで事前集会を行った後、ソウル広場で韓米FTA汎国民対策本部が主催する反FTA集会に合流し、総決起大会を行った。この日、教職員労組は5000人余り、民主労総は3500人余りが集会を行った。韓米FTA汎国民対策本部も同じ場所に5000人余りを集め、乙支路入口駅を経て清渓広場までのデモ行進を行った。

  今回、全国で197労組14万5千名余がゼネストに参加したと民主労総側は発表した。これが正確ならば、全組合員58万6千名(投票権者基準)の中の24.7%が参加したことになる。ただし、労動部は、“92労組5万8千名余が参加しただけ”と発表した。この日全教組は教員評価制絶対反対を掲げて年次有給休暇を利用した違法闘争のかたちで参加している。民主労総はこの日8時間の全面ストを行い、23〜28日は毎日4時間ずつの部分ストを、29日と来月6日には再び全面ストに突入する予定だ。民主労総としては今年に入って7番目のゼネストで、きわめて政治色の濃い闘争である。それで北朝鮮との連携を調べてみたのだが、直接のつながりはないようだ。先日の国連での北朝鮮人権非難決議に反対する声明も、仮に出ているとしてもネットの記事では見つからなかった。読み落としたのかも知れない。例えば、統一連帯あたりが参加していればどさくさまぎれに発表しているはずなのだが。

  [ハンギョレ]その他によれば、ソウル駅前広場で開かれた「韓米自由貿易協定反対集会」では、全国貧民連合・露天商連合などのデモ隊3千名余が見守る中、息子をイラク戦で失って反戦活動家になった米国の"反戦の母"、シンディー・シヘンさんが演説した。この後デモ隊はソウル市役所前広場に移動して、民主労総や全教組所属のデモ隊とともに「韓米自由貿易協定締結反対汎国民総決起大会」に参加した。人気ドラマ「朱蒙」の登場人物をかたどった大きな張りぼてがあしらわれた会場では、女性団体連合代表とボン・ジュノ(ジュンホ?)監督が決議文を朗読し、“アメリカが韓国に屈辱的な譲歩を要求しているが、韓国政府は交渉に反対する声にそっぽを向いたまま、妥結することにだけ汲々としている”と批判した。

  ボン・ジュノ監督はいまや時の人である。新作の脚本はできたのだろうか。この集会にはボン監督以外にも、アン・ソンギやチェ・ミンシクなど多くの映画人が参加していると思われる。なにしろ、この集会への映画人側の参加母体である映画人対策委は6540余名の映画人の署名を集めたそうだ。現場スタッフの労組は民主労総傘下だ。若手映画監督の集まりであるディレクターズカットや映画制作者協会、映画振興委員会等の構成員には民主労働党の党員が多い。きっと晴れ晴れとした顔で赤いカードを振ったのだろう。[オーマイニュース]の添付写真を見ると、ワールドカップの時の人の群れを思わせる市役所前広場である。もちろんあのときより参加者は少ないが、集まっている人の多くがあのときと似たような感覚ではないだろうか。かけ声は「テーハンミングッ」ではなく、「ハンミエプティエーチョジ」というわけだ。

  <無法天下>
  今回の集会・デモで、さすがソウルでは大きな暴力衝突や有形の破壊行為はなかったようだ。しかし、無形の破壊行為は成就したようだ。[世界日報]によると、デモ行進は無秩序に進められ、退勤時間に車道にあふれたデモ隊は、乙支路や清渓川路などソウル都心部でひどい交通渋滞を発生させた。このために一部区間では帰宅途中の車とデモ隊がもつれて道路をふさぎ、タクシー運転手とデモ隊の間で体当りのけんかが起ったりした。最近は、交通渋滞を引き起こすデモ行進については各種言論がアンケート調査を援用して警告を行っていたし、警察当局も厳重対処を言明していた。政府も事前に違法なデモに警告していた。だが、馬の耳に念仏だったわけだ。なにしろゼネストというぐらいだから、生産活動を阻害し、社会経済に影響を与えることがさしあたりの目標である。おまけにきわめて政治色の濃い闘いである。ソウル市民は大いに迷惑した。一応の成果はあったのだろう。

  一方、[連合ニュース]によれば、光州・大田・春川・大邱などの地方都市ではデモ隊と警察との衝突が起こった。特に大田では忠南道庁が襲撃された。植え込みに火が放たれ、100メートルにわたり植えられた木はすべて燃えた。デモ隊は木材やパイプ、石などを利用して施設を破損したため、警察は消火器、放水車を動員してこれに対応した。光州市庁前広場では1万2000人余りが集結し、デモ隊と警察の衝突で双方で約30人が負傷した。光州市庁舎への侵入を試みたデモ隊によって3億5000万ウォン相当の物的被害が発生した。春川市の江原道庁でも、集結した約3000人の参加者らが施設侵入をくわだてて警察と衝突し、破損被害が続出した。大邱市では、労働者、農民、学生ら7000人余りが参加して集会やデモ行進を行い、道庁庁舎に侵入した一部デモ隊が警察と衝突したものの、大きな騒ぎとはならず解散した。

  うーむ、大邱市で道庁庁舎に侵入したデモ隊が警察と衝突しただけでも「大きな騒ぎ」だと思うが…、むこうの感覚では、庁舎の門や建物のドア、窓などを破壊したり、負傷者がでたりしなければあんまり気にしないのかな。暴力に対する感覚が麻痺しているのだろう。なにしろ、泣く子も黙る民主労総のデモなのだ。[東亜日報]によると、民主労総の事務総長は公開の討論会で集会・デモの暴力性を批判され、竹槍(竹棒)や鉄パイプを使った衝突を「偶発だった」と弁明した。それに対して、「ソウル市内に竹林はない。事前に準備していない竹槍や鉄パイプは、どこから出てきたのか」と質問され、口を濁したりしたこともある。世論を意識して「遵法集会」を約束しても上の有様、わかっちゃいるけどやめられないわけだ。

  <余計な付け足し>
  この闘い、ちょっと気になるのは民主労総の闘争目標に「反ピョンテク」が出てこない点だ。自分が見落としているのだと思うが…。平澤米軍基地拡張阻止闘争では、チェ・ミンシクがピョンテクのテチュ里まで出かけて行って現場の団結テントで歌を歌ったりして強く連帯した。チェ・ミンシクはソウルの東亜日報本社前でリュウ・スンワン監督とともに反ピョンテク集会に参加し、サイン会を行った。たしかあのイヴェントの名前には「野が泣く」とい文言が含まれ、チェ・ミンシク主演、リュウ・スンワン監督の昨年の映画「拳が泣く」が客寄せコンセプトだったはずだ。スクリーンクオータ文化連帯は、民主労働党の党員とともにたびたびピョンテクでの集会やデモに参加してきた。どうなっちゃったんだろう。駐韓米軍の完全撤退まで具体的な視野に入ってきた最近の情勢である。反ピョンテクは反米闘争としてはアピール力が落ちたので、まあ、いいか、と思っていそうだ。

  そもそもの韓米FTA交渉にしても、スクリーンクオータ等、スタート時点で韓国側が譲歩した点を除けば米国側の一方的な押しつけという感じではない。むしろ難航していると言ってよい。時間の限られた交渉であるから今後の展開を見ないと何とも言えないが、反FTA団体がバカにするほど韓国側に交渉力がないわけではない。国益を顧みず妥結を急いでいるとも思えない。米国は伝家の宝刀「スーパー301条」を持っているのだから、仮に交渉が妥結しない場合、将来的にはそちらの方の心配をしたほうがいいだろう。なにしろ中間選挙で民主党が勝ったのだ。国益を守ることに関して、米国は老練である。

  また、APEC域内でFTAを相互に締結しようなどと米国側が言い出している。日本が今年の夏に提案した「東アジアEPA(経済連携協定)」をつぶそうという作戦かもしれない。今後APECを舞台に米中の露骨な覇権争いが起きそうな気配である。韓国は中国とのFTAの話も出ていたと思うが、あれはどうなっているのだろう。国内経済に与える影響はこちらの方が深刻だと思う。だからこそ韓国政府は乗り気でないようだ。ただし、この韓中FTAに対して進歩派勢力が何かコメントしたのを見たことがない。しかし、韓中FTAなら映画人はむしろ歓迎するのではないかと憶測している。中国映画に対して妙な自信を持っているように自分には思えるからだ。それに、国を丸ごと投げ出すにしても、歴史的に見て米国ではなく中国なら、まあ、いいか、と思っていそうだ。


[連合ニュース](日本語版 11月22日)「全国で反韓米FTAなどデモ集会、ソウルも混乱」
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=042006112206900
[世界日報](11月22日)「全国あちこちで猛烈デモ、'無法天下'」
http://www.segye.com/Service5/ShellView.asp?TreeID=1052&PCode=0007&DataID=200611222137000468
[ハンギョレ](11月22日)総決起大会の記事。
http://www.hani.co.kr/arti/society/labor/173498.html
[オーマイニュース](11月22日)総決起大会の記事。
http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=375289
[韓国映画人会議](11月17日)総決起大会の告知記事。
http://www.kafai.or.kr/asapro/board/show.htm?bn=screenquota&fmlid=113&pkid=205
[東亜日報](日本語版 11月10日)[オピニオン]都心の竹槍
http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2006111062248
[朝日新聞](11月5日)「米がAPEC自由貿易案 日本に検討打診」
http://www.asahi.com/international/update/1105/004.html

参考:スーパー301条 スーパーさんびゃくいちじょう
[ウィキペディア](日本語版)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC301%E6%9D%A1
[たまたまヒットしたページ]途中からスーパー301条の話になる。
http://www004.upp.

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新作の妄想その他

  <韓日合作の妄想>
  このまま行くと年内に新作情報が出てくる可能性も低そうなので、勝手に次回作を妄想する。日本との合作という想定である。したがって、まずあり得ない話だと思う。設定等もあり得ない話なので、あくまでも罪のない妄想である。

  ・・・日本橋にある和菓子屋「江戸菊」の総領息子は大学の食物科を出てソウルに留学している。この男、キムチが大好物で、卒業論文は「白菜キムチの発酵・成熟過程についての一考察」という。研究熱が昂じて本場で食べまくっている。ただし、酒が飲めないのでもっぱらキムチだけ食うか、ご飯と一緒に食う。

  ニ百年前から続く「江戸菊」は、はるか昔、築地に店があった頃、あの八百善に品物を納めていたこともある老舗であった。一家は、この息子のおばあさんとお母さん、それに、亡くなったお父さんの妹とこの息子の4人家族である。ご多分に漏れずこの老舗も経営は楽ではない。今は病気がちのお母さんとしっかり者の叔母さんが協力して何とか切り盛りしている。菅原文太に似た顔つきの頑固者の親方以外に職人が三人いる。この老舗の息子とキムチの結びつきはといえば、実は叔母さんが大の韓国ドラマファンで韓国びいき、そして向こうの食べ物の大ファンなのであった。

  この菓子屋の息子が恋をする。相手は留学先の大学の独文科助手をしている女性で、年上である。学内の食堂で隣り合わせになり、ちょっとしたきっかけで知り合ったのだった。菓子屋の息子はキムチだけおかわりするほどここのキムチに惚れ込んでいる。なにしろ、留学先をこの大学にしたのもこの学食のキムチを食いたい一心だったのだ。だが相手の女性はキムチが苦手で、タクアンの方が好物である。学食のトンカツセットにはキムチとタクアンが付いている。そしてある日、助手の女性が残したキムチに菓子屋の息子がつい手を伸ばしてしまって・・・。

  こうして、キムチが取り持つ縁で親しくなった二人はおいしいキムチ巡りのデートをしたりする。もちろん助手の女性にそんな穴場がわかろうはずもなく、すべて菓子屋の息子が探し出した店なのだった。一方、助手の女性はイタリア料理に目がないし、ケーキ屋の知識は玄人はだしであった。休日に清渓川の橋で待ち合わせて、三清洞、仁寺洞、大学路、南山パーク、フランス村、南大門市場、弘益大学界隈・・これらのデート場面は、ミニ・ソウル観光という趣で展開される。

  ある日、助手の女性の家に菓子屋の息子が招待される。この家は、おじいさんが日本統治下で抗日運動を行い、検挙・投獄されたときの病気がもとで亡くなったという家族史を持つ。今でも元気なおばあさんやお父さん、お兄さんは、まあ、大の日本嫌いである。唯一、東京の大学に留学したことがあるお母さんだけは色眼鏡抜きで菓子屋の息子と相対する。自分が留学していた頃のことを語り、東京を懐かしむ。一家5人に菓子屋の息子が加わり、食事になる。心づくしのソルロンタンや海苔巻き、各種キムチとともにタクアンが出てくる。この家のお母さんが自分で漬けたタクアンなのだった・・・。

  …うーむ、設定説明の場面だけでこうなってしまった。軽いロマンティック・コメディーのつもりだったが、キムチとタクアンにこだわりすぎているかも知れない。この後、菓子屋の息子の叔母さんが急に縁づいて嫁に行くことになり、息子は留学を断念して帰国する。ここで周囲の反対を押し切って助手の女性が日本に行く。そして周囲の反対を押し切って二人は結ばれる。菓子屋の息子は菓子職人になるために京都の老舗に弟子入りする。助手の女性は姑とともに菓子屋を切り盛りする。…実は、和菓子屋を切り盛りさせるというアイデアが最初に浮かんだのだ。そして、願わくば、和服を着て切り盛りしてほしいのである。目が眩むほど似合うに違いないと想像している。

  <最近の話題−中国の記事から>
  最近の消息としては、フィリピンのマニラで開催されたシネマニラ映画祭で主演女優賞を受賞したというめでたい話があった。[sina.com]で中国の記事を調べると、最近の韓国での人気投票に関する話題を紹介した記事や、化粧のベースにBobbi Brown( http://www.bobbibrowncosmetics.com/ )を使っているという美容ネタ、その他諸々のネタが出てくる。そうかと思うと、映画「インシャラー」(1996)のDVDが来月日本で発売されるということがちょっとした話題になっている。こちらはめでたくない話である。この映画を紹介した記事が20本以上出てくる。同一の記事がネタ元になっているようだ。そして、おかしな誤解をしている。まるで成人映画のように興味本位で紹介しているのだ。一応メロ映画だからそういう場面がないわけではないが、15歳以上観覧可の映画だ。妙な期待をしてもがっかりするだろう。この映画は現在渋谷の「アップリンク」で公開されている。一日2回、一週間程度の公開の後、確か18日から24日まで午前11時のみの公開が続いているはずだ(火曜日は休み)。この映画の話は黙殺しようかとも思ったが、中国の馬鹿馬鹿しい記事を見て、あえてここで触れた。

  中国で出てくる記事には期待に基づくものが多いので次の話も注意しなければならない。[東北网](11月17日)によれば、「ハルビンの氷雪祭り」というのがあるらしい。この第23期「氷と雪の祭典」(第8回目という記事もあり)は、中韓友好を前面に押し出し、旅行、文化、経済と貿易、スポーツのなど各方面の共同発展を促進する計画だそうだ。韓国からの観光客を誘致したいようだ。で、今年はイメージ大使になって氷と雪の祭典の現場で観衆と一緒に娯楽に参加し、韓国の伝統芸能も披露される、などと書かれている。…うーむ。どうなっているのだろう。また広報大使(イメージ大使)の話である。

[東北网](11月17日)「ハルビンの氷雪祭り」の話。簡体中国語。
http://heilongjiang.northeast.cn/system/2006/11/17/050607814.shtml
[sina.com]搜索。簡体中国語。
http://www.iask.com/n?k=%C0%EE%D3%A2%B0%AE%A1%A1

新作の憶測その他

  最近、映画雑誌が実施した未来の映画人(映画学科の学生947人)によるアンケート結果が出て、イ・ヨンエはキャスティングしたい女優の第6位に選ばれていた。昨年も似たようなアンケートがあった。やはり業界うけはよくなさそうだ。そうかと思うと、テレビ局が実施した調査(19歳以上大人男女709人を無作為抽出して電話で調査)では興行力(チケットを買う気にさせる力)で第1位に選ばれている。素人の観客にはうけている。昨年、忠武路の映画制作者相手で似たような調査があったが、あそこでも100万人以上動員できると評価されていた。

[連合ニュース](11月10日)「イ・ヨンエが出れば映画見ます」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006111018013828101&newssetid=746
[JES](11月10日)「キム・ヘス、キャスティングしたい女優1位」
http://news.media.daum.net/entertain/movie/200611/10/jes/v14671059.html

  最近はイ・ヨンエの次回作の憶測記事が全然出てこない。以前、新聞連載マンガが原作の「大物(テムル)」や現在放送中の「黄真伊(ファン・ジニ)」といったテレビドラマでの憶測記事は出たが、その後ばったりと途絶えた。今後は映画に専念したいと中国で発言していたし、次回作は映画だと自分は思っている。先日、上のような記事が出てきたので何か動きがあるのかなと期待したが、まだ憶測記事すら出ていない。実は、もし次回作が韓国映画なら監督に心当たりがある。それはボン・ジュノ(ジュンホ?)監督である。ものすごく安直な心当たりで少し恥ずかしい。そして、これはもちろん完全な憶測である。

  この憶測は単純な連想に基づいている。ボン監督は次に小さな映画を一本撮り、その次に、フランスのマンガを原作とする「雪国列車」という映画を考えている。この次々回作の話は7月からネットの記事になっており、かなりの大作になるという話がその後たびたび取り上げられた。そして、9月に入って製作をパク・チャヌク監督が担当するという話が出た。シナリオを英語圏の人に依頼し、全編英語になるようだ。スタッフも国際的に集め、ハリウッドで製作するような話も出ている。こうして、気が付いたらイ・ヨンエを思い出していたのだ。

  「雪国列車」はフランスのアングレーム国際漫画フェスティバル( http://www.bdangouleme.com/ )で1986年にグランプリを取ったマンガだそうだ。ジャック・ロブとジャン・マルク・ロシェによるこのマンガは、苛酷な寒波が近づいた時代に人類最後の生存者たちが乗り合わせた列車を描いており、政治的・経済的・社会的(そしておそらく人種的)に多様な人間階層の人々が集まり、ドラマを繰り広げるらしい。"Fluide Glacial"という作品が原作ではないだろうか。韓国では3巻シリーズで読まれたマンガとのこと。日本でも出版されているのか、全くわからない。面倒なので調べなかった。

  「雪国列車」は現在キャスティング中だそうで、この映画にイ・ヨンエが起用される可能性も高いと思うが、これは版権は取得済みながらCG制作に時間がかかり、2008年公開を目指しているそうだ。そして、もし韓国映画ならばと自分が考えるイ・ヨンエの次回作はこの映画ではない。ボン監督がこの映画の前に作ろうとしている小さな映画の方である。10月13日付の記事ではまだシナリオ執筆中とのことで詳しいことはあまり語られていないが([スターニュース])、オーソドックスな母子もの(お母さんと息子の話)の感動作らしい。イ・ヨンエはキャスティング系列からいえばベ・ドゥナのような「ボン組」ではない。しかし、現在の韓国映画で組む監督といったらパク・チャヌク、ボン・ジュノ、リュウ・スンワンの人気三羽烏のうちの誰かだろうと自分は思っている。そして、ボン監督とパク監督が組むという話を読んで、その後の大作の前哨戦にもなるし、手っ取り早くボン監督の次回作に出るのではないか、こう思ったのだ。ちなみに、上記三人は上で触れた未来の映画人のアンケートで人気監督の第1位から第3位までを占めている。…まあ、どうなるかわからないが、早く次回作を見たいものだ。

[朝鮮日報](11月3日)「パク・チャヌク-ボン・ジュノ、一心で "ハリウッド攻略"」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006110312120195933&newssetid=1352
[スターニュース](10月13日)「ボン・ジュノ "次回作は感動与えるドラマになる"」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20061013193208916b6&newssetid=83
[ニュースエン](9月18日)「ボン・ジュノ監督 "5番目作品は’雪国列車’、パク・チャヌク製作者と手を取り合う”」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20060918160054973e7&newssetid=83
[マイデイリー](7月13日)「ボン・ジュノ監督、フランスマンガ"雪国列車"を映画で製作」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006071310271236994&newssetid=83

  ところで、第27回青龍映画賞授賞式( sports.chosun.com/bluedragon2006 )が12月15日に開かれるそうだ。[スポーツ朝鮮](11月8日)によれば、今度の青龍映画賞は韓国映画賞史上最多である103編が審査対象作で、これまでのどの年よりも熾烈な競争を予告しているのだそうだ。公正な審査のために、評論家・監督・製作社・投資配給社など総900余の映画人たちのアンケート調査を土台にして候補作を選定する予定だとのこと。

  主催が[スポーツ朝鮮]で後援が[朝鮮日報]その他である。KBSが独占中継する。うーむ。確か以前、映画制作者協会と若手監督の集まりであるディレクターズカットが[朝鮮日報]を攻撃したとき、[朝鮮日報]の取材を拒否し、この映画祭には出品しないと明言していたのに、どうなっているんだろう。あのときの話では告訴寸前という剣幕だった。その後[朝鮮日報]側から謝罪なりがあったのだろうか。もしあったとしたら自分は見落としている。…まあ、蛇の道は蛇だ。この業界にはこの業界なりのやり方があるんだろう。

  [スポーツ朝鮮]の告知記事を見ていたら興味深い話があった。12月7日に昨年の青龍映画賞の主役たちの姿を見ることができるハンドプリンティングのイベントが行われるというのだ。全世界のファンの参加問い合わせが殺到しているという。これはちょっと気になる。イ・ヨンエは先月、CF出演している会社の内輪のイヴェントに参加して、「**化学とともに成長します」などと発言していたが、もしこの「手形を残す」行事に出てくれば、一般のファンの前に実に久方ぶりに姿を現すことになるからだ。大鍾賞授賞式以来だろう。…元気な姿を解像度の高い写真で確認したいが、これも不参加ではないかと自分は予想している。手形ならすでに残しているし、各種行事にキャンセルが続いているからだ。

[スポーツ朝鮮](11月8日)「第27回青竜映画賞12月15日開かれて」
http://sports.chosun.com/news/news.htm?name=/news/entertainment/200611/20061108/6bh01005.htm

アメリカンドリーム

  <AFI映画祭>
  最近、韓国映画界の情報に「ハリウッド」という言葉が数多く見られるようになった。ハリウッド映画を輸入する話ではない。ハリウッドで映画を作ったり、韓国映画を売り込もうという話だ。[連合ニュース](10月30日)に「'怪物'など韓国映画3本、AFI映画祭の招請」という記事がある。AFIとは「米国映画協会(American Film Institute) http://www.afi.com 」である。ことし20回目を迎える映画祭、'AFI FEST 2006'は11月1日から12日までハリウッドのアークライト劇場で開催され、全147本の長・短編作品が紹介されている。そういえば、第35回AFI特別功労賞を俳優アル・パチーノが受賞するという話をどこかで読んだことがある。

  この映画祭のアシアンニュークラッシック部門(8本)でキム・ギドク監督の「時間」とキム・テヨン監督の「家族の誕生」が招請され、ダークホライズン部門(6本)でポン・ジュンホ監督の「怪物」が上映された。ダークホライズン部門にはジャンルの壁をこえて社会政治的問題を探求する映画が集まるそうだ。配給社がリサーチしたうえでこういう「売り方」にしたのだろう。反米的な政治色の強い映画でも日本と違って固定客が存在するのかもしれない。この映画祭は、北米最大映画市場である第27回アメリカンフィルムマーケット(サンタモニカで11月1日から8日まで)と連携して開催されているのだそうだ。


[連合ニュース](11月4日)第27回アメリカンフィルムマーケットの記事。
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20061104/040700000020061104102753K5.html
[連合ニュース](10月30日)「'怪物'など韓国映画3本、AFI映画祭の招請」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006103011014834301&newssetid=491

  <キム・ギドク監督の新作>
  その第27回アメリカンフィルムマーケットでキム・ギドク監督の新作が紹介された。米国の雑誌「ヴァラエティ」(29日付)を引用した[スポーツカン(京郷新聞)](10月29日)の記事に、キム・ギドク監督の「息(Breath)」という14番目の映画のプロジェクトがここで公開されるという話が出ている。そして、11月4日になって、この新作の話題がネットでいくつか報じられた。

  キム・ギドク監督はてっきり故郷の山林かなんかで荒行でもしているのだろうと思っていた。今年の夏にいろいろあったからだ。冬に向かう枯れ木の間をランニングして…などと妄想していた。それが、まさかこんなに早く次回作の話が出てくるとは思っていなかった。10月21日に、映画「時間」が第42回シカゴ国際映画祭の「ブラック賞」を受賞した、という記事を見てから、ネットで記事を調べていなかった。やはりこの監督は油断できない人だ。…米国のフィルムマーケットでプロジェクトを初公開したのだ。今後自分の映画を韓国国内では封切りしないと語っていたことが思い出される。

  映画雑誌「スクリーンデイリー」(4日付)を引用した記事によれば、その新作「息」は、夫が浮気する現場を見てしまった女性と死を待つ死刑囚との愛話で、台湾のスター、チャン・チェンが死刑囚を演じるそうだ。その他のキャスティングも中国や韓国の俳優を対象に現在進められており、来年の初めにクランクインする予定だという。…これ、台湾の資本なのかな。ギャラの方は大丈夫なんだろうかと、余計なことがまた気になる。

  映画「息」は最小のせりふのみを用いて独特のビジュアルを見せる計画だそうで、大いに期待が持てる。映画「空き家(うつせみ)」のような感じになるのだろうか。だとしたらいいなと思う。最新作の映画「時間」はこの監督のベスト5に入りそうな秀作であったが、自分にはやや重く、やるせない映画であった。まあ、あれこれ詮索してもつまらないので、己を空しくしつつ映画が完成するまでこまめに情報をチェックしていくとしよう。

[朝鮮日報](日本語版 11月5日)映画「息」の話。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/11/05/20061105000025.html
[マイデイリー](11月4日)映画「息」の話。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006110411123373394&newssetid=83
[スポーツカン(京郷新聞)](10月29日)映画「息」の話。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20061029221011968d5&newssetid=1352

  <ハリウッドの方へ>
  一方、[東亜日報](11月4日)に「時来たれり…われらは今'ハリウッド'に行く」という記事がある。韓国映画界の「ハリウッド志向」を多角的に紹介した記事である。ネットで目にする韓国の映画雑誌の記事には、映画紹介の提灯記事か奥歯に物の挟まったような歯切れの悪い話が多い。映画評論家でなく文学者や演劇人の話の方が面白い。むしろ一般紙やネット誌のほうに自分にとって有益な記事が多い。チェ・ジヨン記者によるこの記事もそうである。

  まず、上に出てきたアメリカンフィルムマーケットで、「ディー・ウォー(D-WAR)」(ショウボックス配給)という映画の完成版が公開された話が出てくる。これはシム・ヒョンレ監督が5年前から製作していた映画で、今年の釜山映画祭で予告編が公開されたそうだ。秘宝を抱いて生まれた朝鮮時代のある女性がアメリカで生まれ変わり、悪い妖怪たちが彼女を探し出してロサンゼルスの都心で大血闘が起るという内容だそうだ。CGはすべて韓国のスタッフによる制作だが、俳優とその他のスタッフはすべて米国人で、「100%英語の台詞」なのだそうだ。

  以前このブログでも触れたLJフィルムのイ・スンゼ代表による「ジュリア・プロジェクト」の苦労話もこの記事に出ている。現在は主演のキャスティングの最中で、撮影は来年の8月からだそうだ。また、MKピクチャーズのカン・ジェギュ監督がハリウッドで英語のみの台詞による近未来SFブロックバスター(製作コスト1000億ウォン台)を準備しているという話が出ている。その他、CJエンタテイメントが米国進出の「テスト商品」として投資製作する映画や、ナウフィルムが米国の会社と共同製作した映画(映画「時間」のハ・ジョンウが出演)の話も出てくる。そして、ハリウッド進出を現実的に狙えそうな俳優として、チョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イム・スジョンの三名が言及されている。

[韓国日報](11月6日)「米"韓国映画が群がって来る"と連日特筆大書」-LAタイムズの記事を紹介した記事。
http://sports.hankooki.com/lpage/cinet/200611/sp2006110612302558470.htm
[東亜日報](11月4日)「時来たれり…われらは今'ハリウッド'に行く」
http://www.donga.com/fbin/output?n=200611040022&top20=1

  <アメリカンドリーム?>
  上の[東亜日報]の記事に興味深い表があった。わずか2年分であるが、韓国映画の海外諸地域への輸出状況を示す数字である。一見して、アジアでしか商売が成り立っていないことがわかる。韓国の工業製品はこれほどではないにしても、やはりアジアがお得意様だったはずだ。映画の方はアジア以外の多くの地域で輸出額が減少している。2004年から2005年にかけてのブームで、次々と日本に高額で売れたことが主たる要因だろう。日本市場での人気が冷え込むと輸出額に直結する構造になっている。中華圏にももちろん売れているのだろうが、輸出額の大半が日本市場での実績であると考えられるからだ。

  「その他」がどこかよくわからないが、金額的にはここと北米およびヨーロッパでの落ち込みが少なくない。作品の質が全般的に落ちているのかもしれない。あるいは、「コリアンエクストリーム」の物珍しさで最初は観客を集めたが、すぐに飽きられてしまった、ということか。…どうなのだろう。例えば韓国のテレビドラマの人気に便乗したり、例えば分断の悲劇や組織暴力団等の韓国固有の話題を盛り込んだりしても、欧米のお客さんはあまり見てくれないということだろうか。今年の釜山映画祭のアシアンフィルムマーケットでは韓国映画が日本に1本も売れなかった。韓国での話題作やヒット作は一応日本で次々に公開されているから、さしあたり2006年のアジアへの輸出額は2005年とそれほど大きく変わらないだろうが、先の見通しは暗い。

  アジア地域といっても、巨大な市場のインドは特異な映画大国で輸出先にならない。中華圏を見ても、同じく巨大な中国本土の市場には厳しい国外映画制限があり、共同製作にしてもおおごとになってしまう。香港映画界は巻き返しを図ってかつての栄光を取り戻そうとしている最中だし、台湾は我が道を行っている。…結局、ここ数年、韓国にとってくみしやすかったのは比較的大きな日本の市場なのだ。そこへ一過性のブームが来て、去ったか、あるいは現在去りつつある最中だ。そこで、映画輸出の日本依存体質から脱却するためにも、何かしなければならない。台詞が英語のみの映画の構想は、今の韓国でちょっとしたはやりのようだ。映画のグローバル化はまず台詞から、ということか。…米国で字幕付きの映画は即芸術映画と見られてしまうらしい。一般うけしないのだ。やはりハリウッドで夢を見なければ、というわけだ。

  韓国と日本でもっと密接に映画作りをしてくれるといいなと自分は思っている。日本映画はアニメだけではない。日本を映画輸出の市場として見るだけでなく、ともに映画を作って楽しむ仲間として見てくれればよいのだ。その理由はきわめて単純である。韓服と和服のどちらを着ても違和感のないのはこの二つの国の役者だと自分は思っている。中国俳優が芸者さんの役を見事に演じているのは、また別の話である。

付表:2004、2005年韓国映画地域別輸出現況(輸出額の単位:ドル)-(見にくくてすみません)

      2004年        2005年
地 域   輸出額   シェア  輸出額   シェア
アジア   45,327,500 77.8%  66,143,686  87.0%
北米    2,900,000  5.0%  2,014,500   2.7%
南米    141,500   0.2%  235,600    0.3%
ヨーロッパ 8,245,250  14.1%  7,315,970  9.6%
オセアニア 152,850   0.3%  147,830    0.2%
アフリカ  0      0.0%  35,320    0.0%
その他   1,517,500  2.6%  101,674    0.1%
 計    58,284,600     75,994,580


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