李英愛研究

ネットの記事でイ・ヨンエさんに迫ります

韓国の映画

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  キム・ギドク監督が久しぶりに韓国の言論人の前に姿を現した。8月7日午後4時、ソウルジョンノ(鐘路)のスポンジハウスで開かれた映画「時間」の記者試写会及び懇談会である。この会には主役の男優は姿を見せず、1人の女を演じた2人の女優、主演のソン・ヒョナとパク・ジヨンが黒いサングラスをかけた監督と共に登場した。この試写会及び懇談会の様子は多くのネット言論によって報道された。60〜70本ほどの記事が乱れ飛んだ。以下にまとめてみた。

  キム・ギドク監督と記者達の問答はぎこちなく、監督は終始一貫短答式の返事を繰り返した。映画に対する紹介を頼んだ質問には、「12時に始まって12時に終わる映画です」という返事が帰って来た。'時間'という簡単な題名を付けた理由に対しては 「含みのある題名です」と反論したし、「言論との距離を置いたのはイメージコピーがあまり気に入らないから」と返事した。映画に盛られたメッセージが何かと言う問いには「見る方が捜さなければならない」と言った。そうした彼が、20分余りの会見末尾に、「どうして返事をしないようにするのか」と言う質問が出た直後から俄然しゃべり出した。

  キム・ギドク監督は、国内封切りをしない点について、映画「空き家(うつせみ)」公開の時から国内公開に懐疑的になったそうだ。「『空き家』が良い成績を出すことができなかったので、『弓』はハナから封切りしないほうが良いと思った」と語った。「『弓』を単館封切りしたが一週間にならない時点で全国巡回上映が腰砕けになりました。その後心に決めたことは『時間』は封切りしないということでした。そう心に一度決めればれば絶対後に戻らない性格です。どんな良い条件が与えられてももう遅いのです。韓国社会で私の映画にどんな意味があってもこれからは封切りをしないでしょう。」その後、国内映画製作と配給マーケティングシステムに対して否定的視覚を持って来た監督は、このすべてのものに対する問題を解決する方法として国内封切りではなく海外での封切り方式を確固にするという考えに至った。「ならば『時間』はどうして封切りするかと言えば、外国に販売したのと同様に韓国でこの映画を輸入したからです。『空き家』『サマリア』などの映画が20ヶ国以上に輸出されました。大韓民国も『時間』を輸出した30ヶ国の中の一つだと思います。今日記者会見に参加したこともアメリカで私の映画を封切りする時のプロモーションに参加したようなものです」と説明した。「今度の成績も良くなければ、次には初めから販売もしません」とまで言った。

  キム・ギドク監督は、国内の観客への失望とともに、釜山映画祭をはじめとして国内の映画祭には今後出品しないということも明らかにした。「このような決定が自ら障害物を作るのだということが分かりました。それを乗り越えなければ映画監督をこれ以上やっていけませんね。多分他の職業を探さなければならないでしょう」とも語った。そして監督は、この会にサングラスをかけて登場した理由について、「サングラスをかけてインタビューしたことは一度もありませんでした。今日サングラスをかけたのは私が知っている方々をきちんと眺めて話ができないからです」と明らかにした。こうしたことを語る監督の声音は震えていたし、濃いサングラスの奥に赤くなった目頭まで見えた。

  キム・ギドク監督は、国内で一緒に作業したい俳優達は多いものの、「これから私が障害物を乗り越えることができなければ国内で封切りすることができない映画に俳優たちが出演することができるか疑問です」と打ち明けた。また、監督は自分のこのような話が無礼に聞こえるとか不満・脅迫のように聞こえるとか哀訴のように聞こえるかもしれないという点も分かっていると語った。しかし、最後に監督は、「それにもかかわらず望むことがあるとしたら、この映画が観客20万名ぐらい入ったら良いなということです。『春夏秋冬そして春』がアメリカで32万名入ったし、『空き家』がフランス20万名以上、ドイツとイタリアで15万名以上入りました。それでこの映画が国内で20万名入るように願うのです。そのようになったら私の考えが変わるかもしれません」(8月7日の[聯合ニュース]、[ノーカットニュース]、[マイデイリー]、[朝鮮日報]等から構成)

  うーむ、結局、とんがって懇談会を終えたわけだ。「今日は私の葬式(祭祀)みたいな感じです」と語ったキム・ギドク監督は、世渡りが下手な人だなあとつくづく思ってしまう。しかし、この線で映画が作れなければほかの仕事を探すと言いきれる覚悟には頭が下がる。せせら笑うヤツは笑えばいい、陰口をたたくヤツには言わしておけばいい。外国の資本で映画を作ることを憐れむヤツがいたらそうさせておけばいい。この線でどんどん突き進んでほしい。


[朝鮮日報](8月7日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006080723300465634&newssetid=1352
[聯合ニュース](8月7日)
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20060807/090201000020060807195619K1.html
[ノーカットニュース](8月7日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006080719505997370&newssetid=1352
[マイデイリー](8月7日)
http://www.mydaily.co.kr/news/read.html?newsid=200608071858161120
[ニューシス](8月7日)
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=63&newssetid=487&articleid=2006080719064073080


  <付録:小さな映画を上映するソウルの映画館>
  ソウル市内で小さな映画(いわゆる芸術映画)を上映する映画館の記事があった([文化日報]7月29日)。結構あるようにも見えるが、これしかないとも言える。鐘路に多い。こうした劇場は最新式の音響設備でガンガン…というわけにはいかないだろうし、上映予定が変更されることも多いようだ。だが、あまり混んでいないのが利点だそうだ。

・スポンジハウス( www.spongehouse.com )−鐘路区・鴨鴎亭洞
・シネキューブ光化門( www.cinecube.net )−鍾路区
・フィルムフォーラム( www.filmforum.co.kr )−鍾路区
・ソウルアートシネマ( www.cinematheque.seoul.kr )−同上場所
・ハイパーテックNADA( www.dsartcenter.co.kr )−鍾路区(ドンスン(東宗)アートセンター内)
・ソウルアニメシネマ( cinema.ani.seoul.kr )−中区
・CQN( www.cqn.co.kr )−中区
・ドリームシネマ(02-362-3149)−西大門区
・極東劇場(02-2266-3810)−中区
・アリランシネセンター( cine.arirang.go.kr )−城北区(公営の劇場でアリラン坂の近く)
・その他、シティ劇場( www.citycinema.co.kr )−江南区、リュミエール( www.lumiere.co.kr )−江南区、名宝劇場( www.myungbo.com )−中区、などの映画館がある。

 [文化日報](7月29日)いわゆる芸術映画を上映する映画館の紹介。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006072909035686516&newssetid=746

  現在韓国ではポン・ジュノ監督の新作SF映画が記録破りのヒットを記録している。これより前に封切られた'ヒット屋'カン・ウソク監督の映画との二本だけで韓国全土のスクリーンのほぼ半分を制した。こうした「大きな映画」以外に、イ・ジュンギが出演したリメイク物の「フライダディ」、ハリウッド流の愛馬物語「角砂糖」、奔放に生きる少女の話「多細胞少女」等々の「ふつうの映画」もある。観客動員状況は今年前半のハリウッド映画主導から完全に逆転し、韓国映画が映画館を席巻している。ただし、上記二大ブロックバスター以外の韓国映画は若干影が薄いようだ([OSEN]8月4日)。

  上半期に上映された韓国映画は48本で昨年比41%も増えている。今年は100本以上が上映される見込みである。また、観客動員数はハリウッド映画と韓国映画を併せて96〜97%に達している([聯合ニュース]7月27日)。うーむ、この国で映画といえばハリウッドの大作か自国の映画なのだ。しかも、自国映画の方でも大作がヒットしている。大作のハリウッド化である。上の二本は「王の男」のヒットの時とは異なり、いきなり500〜600の上映館を確保し、大量の観客を動員している。上半期にハリウッド映画ばかり見た観客たちが韓国映画を応援してバランスをとっているのか、単なる偶然か、何か話題になるとみんなでワッと飛びつく国民性なのか、面白い現象である。しかし、ハリウッド化した「大きな映画」にお客さんを持って行かれた「ふつうの映画」を作っている人々はたまらないだろう。

  一方、短期間の上映で消えていった映画の再上映の動きもあった。海外で賞をとったチョ・チャンホ監督「ピーターパンの公式」やソン・イルゴン監督の実験作「魔術師たち」が6月から7月にかけて「レイトショー(late show)」方式で再上映された。ホールの空き時間や深夜の時間帯を利用して映画を上映するこの方式は、興行成績と無関係に長期上映が可能だということが利点だそうだ([中央日報]6月7日)。また、相変わらず短編映画祭や独立映画祭などの開催はにぎにぎしく行われている。だが、街の映画館で日常的に独立系の「小さな映画」は上映されているのだろうか。

  「小さな映画」の配給について、[文化日報](8月1日)に面白い記事があった。2002年に設立された輸入配給社「スポンジ」のソ・ソンギュ代表(38)へのインタビュー記事である。ソ・ソンギュ氏がスポンジを設立する以前の2000年から輸入した映画はすでに150編をこえているそうだ。スポンジは韓国でも話題になった「メゾン・ド・ヒミコ」などを輸入した会社である。また、今年の7月1日から今月8月16日まで開催されている「日本インディーフィルム・フェスティバル」を映画振興委員会と共同主催している。鐘路と鴨鴎亭洞には自前の映画館「スポンジハウス」があり、ホンイク(弘益)大学地近くに3番目の直営館を計画している。

  ソ・ソンギュ氏による「小さな映画」の定義は、「韓国とアメリカを除いた第3世界の映画。もちろん5大メジャー製作社ではないインディシステムで作られたアメリカ映画も含まれる。国内シェアが5%にもならなくて、10前後の劇場で封切りする作品だ」とのこと。また、小さな映画の損益分岐点(収支とんとんの観客数)については、「ある映画は5000人だけでも損益分岐点を越え、別の映画は1万名をこえても収益を出す事ができなかったりする」との説明である。こういう映画の観客層は、「20〜30%がマニア層で、残りは文化的欲求が強く20〜30代で大卒以上の学歴を持つソウル居住独身女性だ。劇場にやって来る観客たちを注意深くよく見ると女性しかいなかった。一人で来る女たちも多い。我が強そうで男にあまり関心なさそうな女たちだ」とのことである。うーむ、そうなのか。やはりカギは女性客だったか。しかも、ソウル以外の地域では今のところたやすく見られないようだ。

  こういう「小さな映画」に固執する理由を聞かれてソ・ソンギュ氏は、「普通、映画にかかわる人々は大当たりを夢見るが、私は大当たりに未練はない。私が好きな映画を輸入して損をしなければやっていける。他の人みんなにわかる名作よりは他の人たちにはわからない珍しい作品をやっていきたいという心理だ。少数のための文化がなければならないと考えている。『見たい人だけ来て見て下さい』という考えで、それで広告もしない。どう見ても不親切なことではある」と答えている。

  [ニュースワイア](7月25日)その他によれば、キム・ギドク監督の新作「時間」の一般公開日が正式に決まった。映画「時間」はスポンジが国内版権を買うという異例の方式で国内封切りが決まった。8月7日にキム・ギドク監督も参加して記者発表会及び懇談会が開かれた後、8月24日から全国10〜15の映画館で封切られる予定だ。先月韓国に行ってしまったが、この映画を見るためにまた行かなければならない。どんどん深みにはまっていく。

  
[OSEN](8月4日)「映画界'怪物'興行で内紛の兆し」という記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20060804081920990a4&newssetid=83
[聯合ニュース](8月3日)7月に入って韓国映画の観客動員数が急増したという記事。
http://www.yonhapnews.co.kr/news/20060803/090201000020060803185135K1.html
[文化日報](8月1日)「スポンジ」のソ・ソンギュ代表(38)へのインタビュー記事。
http://www.munhwa.com/news/view.html?no=20060801MW073857664965
[スターニュース](8月1日)8月7日の映画「時間」記者発表会及び懇談会について伝える記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20060801160705831b6&newssetid=1352
[聯合ニュース](7月27日)韓国映画の公開が昨年比41%も増えたことを伝える記事。ログインが必要。
http://www3.yonhapnews.co.kr/cgi-bin/naver/getnews_new?0820060727024001627+20060727+1627
[ニュースワイア](7月25日)スポンジによる映画「時間」の一般公開の広報。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20060725184032712b3&newssetid=83

(続)韓国映画監督協会

  <監督協会の声明>
  [聯合ニュース](7月24日)によれば、新執行部による運営がスタートした韓国映画監督協会(理事長ジョン・インヨプ)が24日声明を出して、スクリーンクオーター縮小阻止闘争を独自的に展開すると明らかにする一方、映画振興委員会の解散を主張した。監督協会は「韓米FTA阻止運動と連携しながらスクリーンクオータ阻止運動が理念闘争化されている」「これ以上スクリーンクオータ文化連帯指導部を信頼しなくなったし、本協会は独自的立場でスクリーンクオータ縮小阻止闘争を展開して行く事にした」と明らかにした。また、「莫大な予算を浪費しながら映画振興どころか一部勢力の利益だけ先に立っている映画振興委員会は一日も早く解散しなければならない」と主張して「映画人たちの署名を受けて国会に請願する」と付け加えた。

  これは、左に寄りすぎた映画人の政治活動をもう少し右に寄せようという動きであろう。ただし、<ムラの若い衆>が年長の先輩の助言を聞くかどうかはまだわからない。「理念闘争化」というのはもちろん<若い衆>の活動方針、民主労総−民主労働党のパラダイムのことだ。映画振興委員会を牛耳っている「一部勢力」というのも、もちろん民主労働党員たちだ。この声明に対して、民主労働党員で映画振興委員会の副委員長と同時にディレクターズカットの中心人物であるイ・ヒョンスン監督は、「監督協会の名前で声明が発表されたりしたが総会ではない取締役会で採択した意見だと理解している」「しかしなにしろ早いうちに解決方案を捜す」と明らかにした。軽くいなしている感じだ。

  <映画人の政治活動>
  ピョンテク(平沢)米軍基地拡張阻止汎国民対策委員会(氾国民対策委)は22日午後ピョンテク駅で'基地移転反対第4次汎国民大会'を開いた。主力は民主労総と民主労働党である。スクリーンクオータ文化連帯も参加している。ピョンテク以外でも現在韓国ではハト(夏闘)の真っ盛りで、民主労総が主導するデモやストライキが全国的に行われている。そして、労働者の権利のための闘いに加えて韓米FTA反対を前面に出している闘争現場もあり、反米を旗印にした政治闘争の色合いが濃くなっている。慶尚北道浦項のポスコ本社占拠事件のように一層過激にもなっている。そして、過激な暴力闘争に対して世間の風当たりも強くなっている。

  一方、7月1日にソウル光化門で開催した「文化祭」の実態は政治集会ではないか、ということで、スクリーンクオータ死守映画人対策委員会(以下対策委)の共同委員長である映画俳優アン・ソンギら3名が「集示法(集会及びデモに関する法律)」違反の疑いをかけられ、ジョンノ(鐘路)警察署から出頭命令を受けている。7月初めに出頭命令が出たものの、対策委はこれを無視し、現在は二回目の出頭命令が出ている。これは7月31日までに出頭せよという内容であるが、これには応じる気配である。

  [ニュースエン](7月24日)によれば、アン・ソンギは24日午前、ニュースエンとの電話通話で「弁護人や出頭要求を一緒に受けた映画人対策委ヤン・ギファン代弁人などと今月末、警察側への出頭と係わった事項を伝達し合った後、8月初めの適当な時期を選んで出頭することができる」と語った。しかし彼は、「出頭以前に書面で調査を受けることができたらそれがもっと望ましいことだ」と付け加えた。二回目の出頭命令を無視して三回目の出頭命令が出るとやっかいなことになる可能性もあり、出頭に前向きになっているのだろう。映画人対策委の弁護にあたるのは名うての民主弁護士会(民主社会のための弁護士の集まり)の面々である。あくまでも対策委側で状況をコントロールする形で、必要なら裁判闘争に持ち込むつもりのようだ。

  スクリーンクオータ死守闘争はまず全農と連帯し、コメと映画で共闘した。昨年末の香港WTO反対デモの段階ではスクリーンクオータ縮小は発表されていなかったが、逮捕者の釈放嘆願で映画人は強く連帯した。あの時映画人の窓口となったのはスクリーンクオータ文化連帯である。今年に入ってスクリーンクオータ縮小が決まると映画人対策委は本格的な闘争に入り、ピョンテク基地移転反対闘争にも連帯した。そして怒濤のような韓米FTA阻止闘争は映画人対策委を前面に立てて闘われてきた。反FTAの掛け声の下、全教組とも強く連帯してきた。チェ・ミンシクやアン・ソンギの八面六臂の活躍はこのブログに書き込んだ通りである。

  <まとめ>
  反FTA闘争がこのまま行くと、民主労総−民主労働党の人寄せ部隊としてこれまで以上に闘争の全面に立たなければならないだろう。なにしろ、韓米FTA交渉を始めるための条件作りでスクリーンクオータ縮小など4項目の要求を韓国側が呑んだことを大統領が認めた。MBCテレビの報道番組(PD手帳)もこのFTAに批判的な番組を放映し、世論に大きな影響を与えた。世論は韓米FTAに対して賛否拮抗から反対へと傾きつつある。闘争はますます勢いづくだろう。問題は、特にピョンテクの闘争と連帯したことによって闘争がますます政治的かつ反米的になっていることだ。

  運動の方針転換といえば、韓国シナリオ作家協会は5月中旬に「韓米FTA阻止汎国民運動本部(汎国民運動本部)」から抜けることを決めた。その後しばらくしてスクリーンクオータ文化連帯のホームページからシナリオ作家協会へのリンクは消されてしまった。映画監督協会の、少なくとも取締役会も、スクリーンクオータ文化連帯−民主労総−民主労働党の闘争の環から抜けることを決めたわけだ。これが<村の年寄り>の反動的な分派行動なのか、穏やかな闘争に向かわせる動力なのか、今のところわからない。いずれにしても、スクリーンクオータ文化連帯を何年間も支援してきた俳優や映画人がこうした情勢をどう考えているのか知りたいものだ。


[聯合ニュース](7月24日)映画監督協会の決別声明を伝える記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006072410390624901&newssetid=491
[ニュースエン](7月24日)アン・ソンギらへの出頭命令の記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20060724095851226e7&newssetid=83
[スターニュース](7月23日)アン・ソンギらへの出頭命令の記事。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=20060723152145268b6&newssetid=83

  イ・ヨンエが7月21日午後8時55分、ソウルサムソンドン(三成洞)KOEXコンベンションホールで開かれる第43回大鐘賞映画祭授賞式に参加した。テレビ中継されているのでリアルタイムにネットに記事が流されるとは思えない。のんびり眺めた。イ・ヨンエは今年から設けられた海外人気賞がすでに確定している(国内はカン・ソンヨン)。

  今日のイ・ヨンエの衣裳は深緑色のイヴニングドレスであった。金色がアクセントになっている。ネックレスも金。イヤリングはしていない。百想賞の時に落としたので大事をとったか…、そんなはずないな。右手の人差し指にエメラルドの指輪。ドレスと同じ色だ。髪は後ろでまとめず、自然に垂らしている。しかし、この髪型はかなり時間をかけたと思われる。最近よくやる正官庄イヴェントの時のような髪型でこのドレスだと野暮ったくて地味になるだろう。メイクもしたかしないかわからない感じにしている。口紅もその線だ。豪華なドレスに対してナチュラルな「地」で勝負している。勝負はもちろんイ・ヨンエの勝ちである。

  このドレスは'Vera Wang'( http://www.verawang.com/ )というブランドだ。このブランドといえば、あのシム・ウナやキム・ナムジュ、ヴィクトリア・ベッカム、ジェニファー・ロペスなどのウエディング・ドレスのデザインで有名である。先日の正官庄イヴェントで、暇な時は料理をするという発言があったし…。うーむ。イ・ヨンエは韓服だと思っていたが…、しかし、お色直しに韓服で式はウエディングかなあ…。去年、40歳までには決着をつけたいという発言があったし、いよいよその日が近いのだろうか。心の準備をしなければならない。正式な発表があったら平静でいられる自信がない。しばらく禅寺にこもる必要があるかもしれない。しかし、理由を聞かれて門前で追い払われるだろう。さて、どうするか。

  と、余計な話は置いて、肝心の映画賞の結果は、下にあるとおりである。アン・ソンギはデビュー50周年を祝って映画発展特別功労賞を受けた。自分にはこれは「敢闘賞」のような気がする。あとは、映画「王の男」のほぼ一人勝ちである。こんなもんだろう。イ・ヨンエが次の作品でノミネートされたらこの映画祭に出かけてみたい。会場に入れなくて、レッドカーペットの姿を見るだけでもいい。早く次回作が見たい。

<付録−第43回大鐘賞映画祭の受賞者(不完全に網羅)>
海外人気賞(女優) イ・ヨンエ(親切なクムジャさん)
最優秀作品賞 「王の男」(イーグルピクチャーズ)
監督賞 イ・ズンイク(王の男)
主演男優賞 カン・ウソン(王の男)
主演女優賞 チョン・ドヨン(君は僕の運命)
助演男優賞 ユ・ヘジン(王の男)  
助演女優賞 カン・ヘジョン(ドンマック村へようこそ)
新人監督賞 ハン・ゼリム(恋愛の目的)
新人男優賞 イ・ジュンギ(王の男)
新人女優賞 チュ・ジャヒョン(死に物狂い)
映画発展特別功労賞 アン・ソンギ
音楽賞 ミヒャエル・シュタウド(青燕)
シナリオ賞 (王の男)
編集賞 (拍手する時去りなさい)
企画賞 (君は僕の運命)

<写真:レッドカーペット>
[ニュースエン]「イ・ヨンエ緑のドレスを着て派手な登場」
http://www.newsen.com/news_view.php?news_uid=66464&code=100600
[ニュースエン]「清楚なまなざしのイ・ヨンエ」
http://www.newsen.com/news_view.php?news_uid=66456&code=100600
[ニュースエン]「髪をなびかせがら入場する」
http://www.newsen.com/news_view.php?news_uid=66458&code=100600
[ニュースエン]「イ・ヨンエ長い髪をなびかせて力強くレッドカーペットを踏んで」−履き物の様子が一応わかる。この写真は二番目に気に入った。
http://www.newsen.com/news_view.php?news_uid=66468&code=100600
[マイデイリー]「美しいヨンエさん」
http://www.mydaily.co.kr/news/read_photo.html?newsid=200607212052091120&photo_section=Y
[マイデイリー]「深緑の美女イ・ヨンエ、今日は私の日!」
http://www.mydaily.co.kr/news/read_photo.html?newsid=200607212049451120&photo_section=Y
[OSEN]「イ・ヨンエ、'チャングミも来ました'」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20060721210652425a4&newssetid=1352

<写真:お立ち場>
[ニュースエン]「明るい微笑み 輝くイ・ヨンエ」
http://www.newsen.com/news_view.php?news_uid=66469&code=100600
[スポーツコリア]「明るく手を振るイ・ヨンエ」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006072121000036182&newssetid=83
[OSEN]「たおやかな趣が漂うイ・ヨンエ」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20060721210915457a4&newssetid=1352
[ニューシス]「イヨンエのたおやかな微笑み」
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006072121462897980&newssetid=1352
[ニューシス]「変わらぬ美しさ イ・ヨンエ」−自分はこの写真が一番気に入った。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=2006072121424497380&newssetid=1352
[スポーテインメント]女優がたくさん出てくる。ムン・ソリもいる。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20060721222522684d9&newssetid=1352

<写真:授賞式>
[ニュースエン](海外人気賞)イ・ヨンエとイ・ジュンギのツーショット。もしかするとこのツーショットのために今日の髪型にしたのか、と余計な心配をしてしまう。
http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=4&articleid=20060721221157638e7&newssetid=1352

韓国映画監督協会

  韓国映画人の団体として、大鐘賞映画芸術祭を主催しているのが「韓国映画人協会( http://www.koreamovie.or.kr/ )」である。いわば<ムラの庄屋様>の集まりのようだ。最近は右寄りの団体と共に韓国剣道の大会を後援して、民族精神の鼓舞に余念がない。この協会のホームページを見ると、あの「JSA」のポスターがトップページのFlash画面で使われている。おやおやと思い、この協会の系列と思われる「韓国映画監督協会( http://www.kfds.org/ )」の方も覗いてみた。ここの組織図を見ると、6月26日現在、何年も前の古い組織構成が載っている。理事長はイム・ウォンシク監督で、パク・チャヌク監督が副理事長の1人になっている。顧問団にはイム・グォンテク監督や最近亡くなったシン・サンオク監督の名前が見える。キム・ギドクという監督も顧問団に入っている。この方はお歳を召したキム・ギドク監督だろう。

  [連合ニュース](6月26日)に、この韓国映画監督協会の新しい理事長にジョン・インヨプ監督(67)が正式に決まったことが報じられている。映画監督協会は理事長職について前理事長側とジョン理事長側が争って来たが、イム前理事長が先月中旬にソウル地方法院に出した『社団法人韓国映画監督協会名称使用禁止仮処分申し込み』が今月8日に棄却され、ジョン理事長が新任理事長として最終確定されたとのこと。任期は3年だそうだ。新しい理事長のジョン監督は1939年に釜山で生まれ、1965年にシン・ソンイル、キム・ヒェジョン主演の「怒れる英雄たち」でデビュー。以来、「結婚教室」やキム・ブソン主演の「エマ婦人」シリーズなど60余作品を演出したそうだ。

  昨年11月末に任期が満了したイム前理事長は、去る1月25日の定期総会を通じて第22期理事長に再選任されたもものの、ユ・ヒョンモク・ジャン・イルホ、ビョン・ジャンホ、キム・ギドク、ジョン・ジヨン、パク・カンス・イ・ジュンイック、イ・ヒョンスン監督など会員120余名がこれを”不法総会”と主張して争いが始まった。以後、ユ監督などが「映画監督協会正常化のための非常対策委員会」を構成し、3月24日に開催した非常総会で新しい理事長にジョン理事長を選出したのだそうだ。([連合ニュース]より)

  一方、3月24日に開催した非常総会の様子は[Paranニュース](3月27日)の記事で知ることが出来る。この日の非常対策総会にはユ・ヒョンモク、ジャン・イルホ、ジョン・ジヌ、ビョン・チャンホ、キム。ヨンヒョ、ジョ・ムンジン、キム・ホソン、イ・ドゥヨン監督など専任委員とイ・ジャンホ、ペ・チャンホ、ジャン・ソヌ、パク・カンス、イ・ヒョンスン、ジョン・ホンスン、ジョン・チョシン、ジョン・ジヨン、パク・ジョンウォン監督 など、全118名(委任27名)が参加した。特に「マラソン」のジョン・ユンチョル監督、「女人天下」などのキム・ジェヒョン監督が人目を引いたし、元老監督ユ・ヒョンモク監督に対してジョン・ジヌ臨時議長が丁寧な挨拶をして尊敬の念を表したそうだ。

  91名が参加した選挙で協会新理事長に選ばれたジョン・インヨプ監督は、”大韓民国映画発展とその映画を作る監督たちのために献身するつもりです。韓国の映画監督の自尊心回復のために献身し、今度の総会をきっかけとして、沈滞していた監督協会の正常化をはかることを優先します。現在、社会問題にまでなっているスクリーンクオータ問題を第一線で処理します”と所感を打ち明けたそうだ。([Paranニュース]より)

  <余計な感想>
  結局、「前理事長側と新理事長側の争い」というのは、「保守対進歩の政治的な対立」であろう。今年初めの定期総会に反対する勢力が作ったのが「非常対策委員会」で、これは向こうの進歩派勢力の命名法に忠実である。元老監督たちを担ぎ上げて反対運動の音頭をとったのは386世代の監督達である。反対派で名前の挙がっているイ・ヒョンスン監督は1998年にあのディレクターズカットを創設した立役者だ。ただし、ニュース記事では反対派に前副理事長のパク・チャヌク監督の名前が出てこない。どうしたんだろう。新作映画が忙しくてそれどころではないのか。あるいは、この監督は別格なのだろうか。…また、[連合ニュース]では反対派の1人としてキム・ギドク監督の名前が挙がっている。お歳を召した方だろう。

  韓国映画人協会の一角は進歩的な386世代によって掌握されつつあるようだ。<ムラの世代交代>は着々と進んでいる。これで韓国映画監督協会はディレクターズカットなどと歩調を合わせて、ということは民主労総−民主労働党のパラダイムの下で政治闘争を活発化するのだろう。まだまだ野合という印象が強いが、新理事長の語る「沈滞していた監督協会の正常化」というのは、政治的な旗色を鮮明にして反体制左翼運動に連帯する、という意味にもとれる。映画人のスクリーンクオータ死守闘争は何よりも韓米FTA阻止闘争として先鋭化しているし、米軍基地ピョンテク移転阻止闘争にも深く関わっているからだ。あるいは、左に寄りすぎた映画人の政治活動をもう少し右に寄せる動力として働く可能性もないではない。ただし、<ムラの若い衆>に年長の先輩の助言を聞く耳があれば、だが。


[連合ニュース](6月26日)韓国映画監督協会の新しい理事長が決まったことを伝える記事。
[ http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=16&articleid=2006062619075949101&newssetid=491 ]
[フロンティアタイムス](6月21日)6月10日、富川で行われた韓国剣道大会の記事。
[ http://kr.news.yahoo.com/service/news/shellview.htm?linkid=10&articleid=2006062109501497074&newssetid=455 ]
[Paranニュース](3月27日)「映画監督協会正常化のための非常対策委員会」が3月24日に開催した非常総会の様子を伝える[ニューシス]配信の記事。
[ http://news.paran.com/snews/newsview.php?dirnews=596773&year=2006&pg=1&date=20060327&dir=393 ]
[韓国映画監督協会]の組織図(Flash画面)。近いうちに変更されるだろう。
[ http://www.kfds.org/josic/ ]


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