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ずいぶん前の[スターニュース](4月18日)に映画「親切なクムジャさん(Lady Vengeance)」の米国封切りの話が出ていた。4月28日にニューヨーク、5月5日にデトロイト、5月12日にロサンジェルス、6月16日にアトランタ、そして7月28日のサンディエゴまで全国19地域で公開されるということだった。その後、[ニュースエン](5月3日)に米国での興業の好調なスタートを伝える提灯記事が出た。「『親切なクムジャさん』はベニス映画祭などを通じてアメリカ国内でもよく知られていて、アメリカの有名日刊紙ニューヨークタイムズがパク・チャヌク監督に対して大々的な報道をするなど高い関心を見せている」とのことである。本当かいなと思い、向こうのボックスオフィス・サイト[Boxoffice Mojo( http://www.boxofficemojo.com )]を覗いてみた。このサイトは基本情報を得るためには登録が必要だが、メール・アドレスだけでよい。
5月10日時点で'Lady Vengeance'は$23,181の興行収入をあげている。ニューヨークとデトロイトを合わせた数字だ。ニューヨーク公開時は最初の週末(Opening Weekend)に$9,850(2つの劇場で上映)という数字で、いわゆるRatingはR、17歳未満観覧禁止である。この数字がどういうものかよくわからないので同じパク・チャヌク監督の「復讐者に憐れみを(Sympathy for Mr. Vengeance)」と「オールドボーイ(Oldboy)」の数字を見てみた。
'Sympathy for Mr. Vengeance'は2005年8月19日公開でRatingはR、Opening Weekendは$9,827(3つの劇場で上映)、今までのところ6つの劇場で公開されて119日(17週)で$45,289という興行収入だ。これは完全な失敗である。公開劇場数が拡大していない。また、'Oldboy'は2005年3月25日公開でRatingはR、259日(37週)で上映終了、$707,481という興行収入だ。公開劇場数は28である。Opening Weekendの数字は出ていなかった。一応の目安の100万ドルに達していない。なお、これら2つの映画の配給は'Lady Vengeance'と同じところである。
'Lady Vengeance'は全国19地域で公開されるそうなので、単純に考えて2つの劇場×19=38という公開劇場数が予想できる。もちろん、客が客を呼べば柔軟に公開劇場数は増える。米国で興行収入トップの韓国映画、キム・ギドク監督の「春夏秋冬、そして春」の場合、2004年4月2日公開でRatingはR、Opening Weekendが$42,561(6つの劇場で公開)、196日(28週)で上映終了、$2,380,788という興行収入だ。公開劇場数は74である。客が客を呼んでこの数字になったことが伺える。こちらはSony系列の配給社だ。
'Oldboy'は公開を延ばしに延ばして上の数字に持って行ったようだ。公開劇場数が28しかないからだ。韓国や日本でのこの映画の神通力は米国では発揮されなかったようだ。韓国の映画人お得意の「映画の成功は配給で決まる」という議論で行くと、配給社の市場での力が相対的に弱かった、ということだろうか。広報に問題があったのか…客を呼ぶ映画なら拡大上映されると思うのだが…、詳しいことは不明である。'Lady Vengeance'の方はこの週末のロサンジェルスが書き入れ時だろう。巨大なコリアン・タウンを抱えているからだ。この映画には感心しなかったが、イ・ヨンエの一世一代の入魂作である。せめて100万ドルの線は超えてほしい。この先どうなるか興味津々である。
<余計な計算>
韓国で大ヒットした映画が米国でどれくらい興行収入をあげているのか気になったので目についた作品について調べてみた。
「殺人の追憶」(Memories of Murder)$15,357
「シルミド」(Silmido)$298,347
「シュリ」(Shiri)$98,452
「ブラザーフッド」(Tae Guk Gi:The Brotherhood of War)$1,111,061
スクリーンクオータ縮小に映画人たちが大反対する理由の一つがわかったような気がする。上の4つに「オールドボーイ」を加えても以下の数字である。こりゃ大変だ。がんばれ、クムジャさん。
「シュリ」+「シルミド」+「ブラザーフッド」+「オールドボーイ」+「殺人の追憶」=$2,230,698
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