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「カワユイ姫ちゃんを置いて日本を出て、寂しくないのか!?」
はい、とっても恋しくて切なくて寂しかったです。
姫はいつも私のベッドで一緒に寝ていました。
寝る時間になると、ベッドへと歩き出し時々後ろを振り返って「ほら、もう寝るわよ」とでも言わんばかりに私を就寝に誘いました。
私が布団に入ると、姫は必ず私の左脇に頭を置き、右前足をぐいっと布団から出してくれるのです。
どういうことかと言うと、実は私はニャンコやワンちゃんの肉球が大好物で、にぎにぎしているととても幸せなまま眠りにつけるのです。
そんな私に自分の肉球を握りやすい様に自ら前右足を上げ、私がそっと肉球をモミモミし出すと、姫は変な顔をしながらも次第にウトウトとしてきて、二人で朝までそのままグッスリと寝ていました。
私が世界で知ってる中で一番暖かく、一番柔らかい命が宿る器が「姫」でした。
「この世で一番愛しいもの」に形があるとしたら、それは「姫」の形をしている、と本気で心の底からそう思っていました。
毎日毎日姫の写真を眺めては、溜め息をついてました。
まるで思春期の女子高生です(笑)
そして一年経って再び日本に里帰りの時が来ました。
私はもう帰国する3ヶ月前からトランクを引っ張り出し、衣服を詰めて、帰国するまでの3ヶ月の間は、トランクをタンスがわりにするほど、帰国を待ちわびていました。
もちろん、家族に会いたい、友人とお酒を飲みたい(もうアルコールはドイツでデビューしてました 笑)という気持ちも強かったのですが、何と言っても、「姫に会える!!」母との電話では姫はどうやら健康に過ごしているとの事だった。
帰国当時、私は別れを惜しんでくれるホームパパに「もう、また3ヶ月後に帰ってくるから!」と挨拶もそこそこに(←酷い 笑)日本への飛行機に乗り込んだのです。
そして再び18時間かけて帰国。
実家に着いて私ははやる心を押さえながらも、「ひめ〜〜vv」と玄関をくぐりました。
その時姫は、私の部屋にいました。ベッドの上でまぁるくなって。ショボショボと瞬きを繰りかえす。
ドイツでの母からの国際電話では「姫は一日の殆どの時間をあんたの部屋で過ごしてるよ」との事だった。
私は必死に姫の名を呼び続けました。すると姫は不思議そうな表情で私をジッと見つめると。
しゃーっ!
はい?
しゃーっ、しゃーっ!
姫?どうしたの?
しゃーっ!!
………。
激しく、威嚇されました(涙)
背中の毛はこれ以上ないくらい逆だってます。
しゃーっ!!
どうやら、姫は私をすっかり忘れていた様子…。
ガッカリ。
ションボリ。
はぁ〜。
もう、やってらんね〜よ。
しかも、諦めきれずに姫に触ろうと必死に延ばした右手はー。
ガブリ。
思いっきり噛まれました(泣)
血、出ました(泣)
姫のばか(泣)
私が居なかった一年間。父が姫の面倒をみてくれてました。
餌やり。トイレの掃除。
これらは私がお願いしていった事。
でも父!! あんた姫をどう教育したんだ!
よくよく見れば父にもガブガブと噛み付き、バリバリと爪を立てていて、彼は血だらけの傷だらけ。
「これこれ、姫〜痛いがね〜(訳 痛いでしょ〜 ←名古屋弁です 笑)」と、へらへら笑っているだけで叱らない。
このっ、駄父がっ!
姫と別れて一年後に感動の再会を夢見ていた私は、自分の愛する大切な生き物がとんでもなく「高慢チキ」になっていた、という事実にただただ項垂れるという結果になったのです。
日本に帰国したその夜、私は時差のせいで中々寝付けませんでした。
姫は父と寝ているらしく、私のベッドにはいません。
また一緒に寝れると思ったのにな。
私の左脇に頭を乗せて、私は姫の前右足の肉球をにぎにぎしながら二人でウトウトできると思ったのにな。
同じ家にいるのに、ドイツに居た時よりも、姫がとんでもなく遠い存在な気がしてその日はいつのまにか眠りに着きました。
翌朝。
姫は私の足元でまぁるくなって寝ていました。
続きはまた近い内に。
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