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戦闘状態に置かれた人間が精神的に病んでしまうという話はよく耳にする。
そのもっとも悲惨な結末が、これ─自殺。
こうした尋常ではない状況に置かれた人間のメンタルケアが一応は行われているようだが、
結果的には功を奏していない模様。
アメリカの顔を立てたいがために、自国民の心身の安全と健康を犠牲にする政府を、
我々はどうやって信頼すればいいのか……。
──≪引用ここから≫──
1年半で3人が自殺 イラク派遣の陸自隊員
イラク復興支援特別措置法に基づく人道復興支援のため、
同国南部のサマワに派遣され帰国した陸上自衛隊員に、
2004年初めから05年夏までの約1年半に3人の自殺者が出ていたことが9日、
防衛庁関係者の話で分かった。
陸上幕僚監部広報室は
「3人の自殺がイラク派遣によるものかは分からない。
プライバシーの問題があり、詳細は明らかにできない」としている。
関係者などによると、3人が自殺した約1年半の間に派遣を終え帰国した隊員は約2800人。
内訳は、本隊が北海道の部隊が中心の第1次隊から、
中部方面隊第10師団(司令部・名古屋市)中心の第5次隊まで約2500人。
本隊以外に、現地との連絡調整などに当たる業務支援隊も、
北海道の部隊中心の第1次要員から中部方面隊が中心の第3次要員まで約300人が活動した。
一方、全国の陸自隊員約14万7000人のうち、04年度の自殺者は64人。
自殺率を単純に比較するとイラク派遣隊員の方が高い計算になる。
陸自は、派遣隊員がテロへの恐怖などで大きなストレスを受けることを想定し、
メンタルヘルスの専門教育を受けた隊員をサマワに派遣、カウンセリングなどに当たらせていた。
帰国した隊員にも「心のケア」対策を取っているという。
現在、イラクへは陸自第1師団(司令部・東京都練馬区)が主力の第9次隊が派遣されている。
東京3月9日
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イラク陸自、帰国後3人自殺 防衛庁「原因特定できぬ」
人道復興支援のためイラクに派遣された陸上自衛隊員のうち、
幹部ら3人が帰国後に自殺していたことが分かった。
部隊の安全確保の責任者である警備中隊長の経験者も含まれている。
防衛庁は「イラク派遣に原因があるのかどうか特定できなかった」としているが、
自殺だけでなく強いストレスから職場に順応できなかったり、
自殺を図ったりしたケースも報告されている。
防衛庁は正確な実態を把握しておらず、隊員のメンタルヘルスの見直しなど対応が急務になりそうだ。
イラクから帰国した隊員は04年1月の派遣開始以来、8次隊までに約4500人。
防衛庁は「プライバシーの関係上、明らかにできない」(人事教育局)と詳細を公表していない。
関係者によると、3人の自殺者のうち1人は30歳代の元警備中隊長(3佐)で、
昨夏、車に練炭を持ち込み一酸化炭素中毒死した。
元中隊長は派遣期間中、日本に残した2人の部下が起こした不祥事や交通事故を気にかけ、
帰国後も問題の処理に追われていたという。
警備中隊長の職務は百数十人の警備要員を束ね、指揮官を支える要職。
元中隊長の部隊は現地でしばしば危険にさらされ、宿営地がロケット弾などの攻撃を数回受けたほか、
市街地を車両で移動中、部下の隊員が米兵から誤射されそうになったこともあった。
元中隊長は一昨年に帰国後、地方の総監部の訓練幹部に異動。
昨年あった日米共同訓練の最中に、
「彼ら(米兵)と一緒にいると殺されてしまう」と騒ぎ出したこともあった。
知人は「イラクでテロの巻き添えを避けるため、『米軍に近づくな』と言われていたのが
トラウマになったのかもしれない」と話す。
自衛官全体の自殺者は、約24万人のうち04年度は過去最高の94人(0.04%)、
今年度は70人(0.03%、1月末現在)。派遣隊員は0.07%と2倍近い。
派遣隊員の中で自殺未遂で入院したり、不眠症などで職場に復帰できなかったりするケースも報告され、
帰国隊員を抱えるある師団では
「数十人が似た症状を訴え、2人が職場復帰できていない」(幹部)という。
複数の症例を診療した医官は
「イラクでのストレスだけでなく、帰国後の異動や転勤など急激な環境変化も要因と考えられる」
と指摘している。
朝日2006年03月10日07時44分
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