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日本国憲法施行60周年を迎えた今、その憲法が存続の危機に面している。
安倍首相の憲法改定宣言により、国民投票法案が衆議院で強行採決され、現在参議院でも審議が行われている。
そもそも安倍は、民主主義とは不可分である立憲主義──国家権力の行使を憲法により、政治権力の構成と限界を定めて、法の支配の適正化を図る原理──の何たるかを理解しておらず、権力の座にある自らの都合に合わせて憲法を改定しようと目論んでいるに過ぎない。
戦争と武力の放棄を謳った第9条を改定し、同盟国=アメリカとともに戦闘を可能にしようとするのは、喩えて言うなら「殺人事件が多発しているから、殺人を合法化しよう」としているに等しい。
憲法擁護義務を果たそうともせず、また、人間らしい生活も送れず日々の暮らしにも窮している国民に手を差し伸べることもしないような国会議員に、憲法改定に手出しをする資格はない。
また、現在の憲法に盛り込まれていない「環境権」や「プライバシー権」などを書き加えるべきだという意見もあるが、元来の憲法の役割を考えるとそれは不必要である。
現憲法には「生存権」が謳われており、国家は国民にこれを保障するように定めている。
「環境権」や「プライバシー権」などはこの「生存権」に含まれており、これらの権利を具体化するためには、憲法ではなく法律で定められるべきである。
したがって、崇高な理念を持った現憲法を修正する必要などはない。
強いて手直しするとすれば、翻訳調である表現を洗練された日本語に書き換える程度であり、内容については一切変更すべきではない。
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