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4年の歳月

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4年前……。
ある写真展で1枚の写真に引き寄せられた。
水平線に向かって海と見まがうほどの大河の河岸を歩く男。
その佇まいに孤高の旅人を感じずにはいられなかった。
たぶん自分の姿を重ね合わせていたのだと思う。
あまり物欲はないほうなのだが、どうしてもその写真が欲しくなった。
しかし、その作品はすでに売れてしまっていた。
写真なのだから簡単に焼き増しできそうなものなのだが、
特別の印画紙を使っていて、その印画紙の製造は中止になってしまっていて、
もう同じものは、できないのだ。
「そんなに気に入ったのならば、なんとか同じような印画紙をヨーロッパから取り寄せてみます」
その写真を撮った横谷宣氏はそう言ってくれた。
その時に書いたブログは、以下のとおり。

横谷さんは、膨大な紙を大量にヨーロッパやアメリカから取り寄せ、
その紙質にあった現像液を調合したり、塗り方を変えたりした。
しかし、既製の紙では、満足のいくものはできず、
最終的に、自分で印画紙をつくることからはじめることにしたのである。
そこに費やした膨大な労力と時間……。
そして4年の歳月が経った。

ギャラリーからできあがったという連絡が入った時、
手に入る喜びと同時になぜだか寂しさを感じた。
待つという行為が、かげがえのないものになっていた。
時間をかけて生み出されるホンモノを待つ至福の時間だった。

多摩丘陵に引っ越してから4年の歳月が過ぎようとしている。
待ちながら至福の時間を過ごした部屋に、孤高の旅人がやってきた。

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初めてご訪問させていただきました。
一度見たら忘れられない、出会い。奥の深い一枚の写真と記事です。
貴ブログを今後も拝読したいと存じます。
勝手にお気に入りにさせていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

2013/6/15(土) 午前 10:45 kara_hana_5

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カラはなさん、コメントありがとうございます。最近、あまり更新していませんが、日々の気づいたことを今後も綴っていければと思います。

2013/7/2(火) 午後 6:03 [ 旅烏 ]


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