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【監督】柳町光男
【出演】柏原収史、前田愛、吉川ひなの、中泉英雄、本田博太郎、田口トモロヲ ほか
以前からここでも何度か名前を出していた来年1月公開予定の作品。
一般公開を待ちきれず、東京国際映画祭で観てきました。
見終わった後の率直な感想は…やられた!でした。
実はこの作品、ずっと気になっていた事もあって
いろんな情報を事前に仕入れ過ぎてしまっていたんです。
もちろんその情報の中にはネタバレ?と思う様なモノも含まれていて
観る前から「内容が解ってしまったかも…」と思っていました(^^;
ところが観てみるとそんな想像は何の役にも立たず
巧妙な演出に翻弄され、こっちでしょ?えっ、そっちなの?
いや、やっぱりこっち?ん?どっち〜??と
最後の最後まで結末が見えず、緊張しっぱなしでした。
(観てない人にはサッパリ解らない表現ですみません(^^;))
勝手に結末を決めつけていた部分があったので
それを根本から揺さぶられて
混乱させられてしまった衝撃は大きかったです(笑)。
そういう意味でも、個人的にはすっごく楽しめました。
しかし、あの予告編や事前情報が人の想像力までをも
計算し尽くして作られたモノだったとしたら
凄いな〜と思ってしまったんですが
実際の所はどうなんでしょうね?
どういう想像をしていて、最終的にどうだったかは
ネタバレになるので書けませんが(ウズウズ・笑)
どちらに転んでも想定内であるはずなのに
見せ方次第であんなに引き込まれるんだ!という事に感動しました。
予定調和ですんなり終わってしまう様な安易な映画ではないですね(^^;
あと、クライマックスにかけての衝撃的な映像も
大体の予想はついてしまっていたのですが(大汗)
想像するのと実際の映像で観るのとでは大違い!
こういう映像があるんだなーという心構えが出来ていても
充分、緊張感と衝撃と恐怖を味わえました(^^;
実際に起こった事件が背景にあるので
余計にリアルに思えてしまうのかもしれませんが
ここまで持って行かれてしまうとは。
演出といい、役者さんの名演技っぷりといい、圧巻でした。
ネタバレを見てしまっていても面白い!と思わせてくれた
数少ない映画の中の1つになりました。
そしてこの作品を観て、改めて感じた事が
やっぱり私は青春群像劇が大好きだ〜という事(^^)
一応、中心的に描かれていく人物は存在するけれど
誰が主役って言うことは明確には語られず
登場する人すべてが魅力的に描かれて行く。
それが青春群像劇の素敵な所だと思うのですが
この作品に出てくる登場人物も
みんな個性的でそれぞれの光や色を放っている。
出てくる人、出てくる人、こーいう人、いるいる!状態。
1つの仕草でその人の性格が解ってしまうぐらい
それぞれのキャラクターがしっかり確立されていて
それらをそつなく演じている役者さん達に大拍手!
きちんとお芝居ができる役者さんばかりを集めた
奇跡的なキャスティングだとも思えました。
感情移入できるキャラ、できないキャラ、いろいろいますが
殺人者の心理について討論するシーンなどでは
「それは違うでしょ〜」とか「私もそう思う!」とか
私自身も答えを見つけようとしてしまい(笑)
気が付けば、どっぷりその世界に入り込んでいました(^^;
ちょっと考えさせられてしまったり
クスクスっと笑ってしまったり
緊張感や恐怖感に襲われたりと
場面場面でいろんな感情を引き出される作品でした。
また、この作品の中では名作と言われている映画の名前や
それらにオマージュを捧げた描写がたくさん出てくるので
よほど映画に詳しい人じゃないと
「??」となってしまう部分が多い気がしますが
逆に映画マニアにはたまらないネタが満載なのだと思います。
私も事前に「 アデルの恋の物語」は観ましたが
「ベニスに死す」を観てなかった事を後悔(苦笑)。
「異邦人」(アルベール・カミュ著)は読んだけど
「退屈な殺人者」(劇中劇の題材になった原作本)を
読んでなかった事を後悔(苦笑)。
まぁ、これらを知らなくても充分楽しめるのですが
事前チェックしておいた方がより楽しめる様な気はしました。
(特に「ベニス〜」は観ていないと意味不明かも?(^^;))
だから来年公開したら観に行こう!と思われる方は
これらの作品は要チェック!です(笑)。
私も遅ればせながらではありますが
「ベニスに死す」と「退屈な殺人者」は
後追いして観よう&読もうと思います。
そして一般公開したらもう一度観に行きたいなぁと思います。
もう一度観たら、また違う感想を抱くかも…
そんな事を感じさせられる深みのある作品でした。
【私的評価】★★★★
余談ですが、この作品はカンヌ国際映画祭、ニューヨーク映画祭、
今回の東京国際映画祭に続き、台北で行われる金馬映画祭での上映も決定し
そして来年には、全米7都市で公開される事も決まったそうです!
日本映画がこんなにたくさんの国々で上映されるなんて素晴らしい事だし
日本映画ファンにとっても非常に嬉しい事ですね(^^)
でも、そういう世界に通用する作品にも関わらず
日本国内ではあまり話題にならなかったりするのは
マスコミの報道・宣伝の仕方に大きな問題があると思うのですが(^^;
その辺りがこれからどれぐらい改善されて行くのか気になります…。
もっと話題になって、国内でもたくさんの人の目に触れると
良いのになぁ…と願って止みません。
いえ、私は「カミュ〜」の関係者でも何でもないですが…(爆)。
ミニシアター系の映画の中には上質な作品がたくさんあるし
小規模な作品にも、もっと注目して貰いたい!と常日頃思っているので
この作品もその代表格として頑張って頂きたいと思います♪
【追記】
↑の、第18回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」にて作品賞受賞!
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