千愚傑作選

最近は花の写真ばっかり

全体表示

[ リスト ]

七月十四日(月曜)

七月十四日(月曜)

昨日の夜のテレビ授業は「認知心理学」第14章。
「社会的認知」

具体例は「日本人論」。
この手の本は、私もかなり読んだ。
職業柄。
どれも胡散臭くはあった。
それなり面白くはあった。
韓国人による「縮み志向の日本人」(かな?)における「軽小短薄」説。(李御寧だったかな)
アメリカ人の「ジャパンアズナンバーワン」(エズラ・ヴォーゲル)も。
ベネディクト「菊と刀」持ってたけど、真面目に読んだかどうか。
中根千枝「タテ社会の人間関係」。
土居健郎「甘えの構造」。
中国人の書いたのも読んだ。題名は忘れた。

放送内容は、80年代にあった「日本人論批判」(当時顧みられなかった)と心理学の調査結果。
日本人論は、自分の思い込みに対して都合のよい事例を集めている、という批判。
たとえば、
「日本人は、本当に集団的か」。


戦争。いじめ。高度経済成長。
「日本人は集団主義だから」という説明がなされた。

社会学者マオアと杉本は「日本人が集団主義的ではない事実」を集めた。(著書「日本人は日本的か」1982)。
「終身雇用」について。統計によると、勤続年数15年以上は、アメリカのほうが高かった。
労働争議。オーストラリアより日本のほうが多かった。
日常生活。欧米のナイフフォークは家族全員の集団的共有物だか、日本の箸も茶碗も個人の私的所有物。
などなど。

いじめ。「集団主義的な日本社会に特有の現象」と言われたが、イギリス、アメリカでも、いじめは深刻な社会問題である事実。

心理学では、80年代、集団主義・個人主義についての実証的国際比較研究が行われた。

「日本人論」では、日本人は集団主義の典型、アメリカ人は個人主義の典型になっているが、日米の比較研究では、質問調査と行動実験17件。
「日本人のほうがアメリカ人より集団主義的」1件。
「日米の差はない」11件。
「日本人の方がアメリカ人より個人主義的」5件。
同調行動の実験。
NHK「プロジェクトX」では、企業命令に逆らって、個人がこっそり新製品の実験(ヤミ実験)をする。

外的状況ではなく、内的特性を行動の原因と考える傾向が、人間にはある。
実際には状況の影響力が大きく、アメリカ人に対する「服従実験」(エール大学)も行われた。
命令されると、普通の(アメリカ)市民も知識人も、残虐なことをすることの証明実験。(ミルグラム「服従の心理」河出書房。1975年)

「日本人=集団主義」説は第二次大戦後定着。
しかし、その集団主義には、「状況」があった。
戦争も。戦後の復興も。

「人間の集団には、外敵の大きな脅威を受けた時には、内部の団結を強めて自己防衛をはかろうとする普遍的な傾向がある」。

個人主義とされるアメリカ人も。
太平洋戦争において日系アメリカ人12万人以上を強制収容所に隔離。強制連行。
冷戦時代の「赤狩り」。
2001年テロ攻撃を受けた後。

アメリカは、外敵の脅威を感じていたと言っても、その外敵がアメリカより強力な軍事力を持っていたことは一度もなかった。日本は、ペリーの砲艦外交によって開国を余儀なくさせられて以来、100年近く欧米諸国の軍事的圧力にさらされ続けた。

「それでも、日本は特に集団主義的なのだ」と言いたい方は、
高野陽太郎先生と討論しに行ってください。
私は、一介の学生なので、よくわからない。
「文化」や「国民性」を固定したものとして考えるのは危険だ、とは感じる。

著者いわく、
「文化論や国民性論は、ステレオタイプや偏見につながる危険性を常にはらんでいる。そうした危険を回避するためには、人間集団の行動を理解しようとするとき、安易に「文化」や「国民性」といった内的特性に頼らず、生態学的、歴史的、社会的、経済状況によって理解できないかどうかを常に考えてみる必要がある」。

ルース・ベネディクト「菊と刀」については、当時和辻哲郎(「風土」等の著者)が反論したそうである。
鶴見和子とかも。
う〜ん、わからない。
「菊と刀」には、日本内外支持者がいるようである。

開く トラックバック(1)


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事