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斐川町在住の、池田敏雄先生の著書です。報光社からの出版です。
池田先生は長く中等教育に携わられ、中学校の校長などを勤められました。文化財の審議委員など、文化に深い造詣をお持ちです。荒神谷遺跡発見の折には、見学者のためのトイレの増設など、身近なことにも多く配慮され、そのお心遣いのきめ細かさには、みな感服するところです。その、繊細なお気持ちと、深い洞察力、そして学識にもとづいた観察力で、この本を書かれています。
斐川で生まれ育ち、斐川を愛する人でなくては書くことのできない指摘や、推論や論証がたくさん詰まった本です。
また注目すべき内容として「イズモ」の語源は、出西の斐伊川が斐川平野に出る出口から湧き上がる水雲の様を、雲がわき出るようだとして説明されています。また、斐川に多い難解な地名「求院」「神氷」「宇屋」「学頭」「軍原」などの由来や、神話と関わる斐川の神社「神代神社」「御井神社」など、また山々「高瀬山」「仏経山」「大黒山」、そして古道などを丁寧に説明されています。適切な地図や写真も挿入されています。
さらに、荒神谷遺跡についての紹介、私見も載せてあります。地名がこれほどまでに深い意味をもつものかと、改めて身近な地名について考えてみようという興味を呼び起こしてくれる好著といえます。
この本は、現皇太子様も荒神谷遺跡を見学された際、元の「原郷館」で、買い求められたということです。今は、新しくオープンした「荒神谷博物館」で求めることができます。
現在も、荒神谷遺跡を取りまく諸問題にご発言・ご提言をされる一方、先生はNPO法人「金太郎の家」で、「金太郎大学」の講師として、多くのお年寄りに、わかりやすく出雲の歴史や文化を説明したり、実際の現地に皆様と出かけて行き、生きた歴史文化の語り部を勤めておられます。受講生のお年寄り達は、生き生きと先生の講義に耳を傾けておられます。みなさんも参加されませんか。
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