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古代史家の「古田武彦」先生は、古代出雲におけるあまり注目されてはいないが重要な出土物について、次のように論じておられます。

「出雲をめぐる出土物に関し、従来看過されていた。あるいは軽視される傾きの多かった問題点の若干につき、識者の注意を喚起させていただきたい。」

「従来、出雲の出土物を論ずるとき、古墳時代以降に関して著目されることが多かった。しかし、古代出雲が一個の文明中心の位置を有しえたのは、弥生期である。したがって当の弥生期と、その前提としての縄文期に注目すべきこと、けだし当然ではあるまいか。」

※まず、古代出雲の弥生期そしてそれに先立つ縄文期の重要性を指摘されます。そして、二つの問題を取り上げられます。

「その第一は、黒曜石問題である。出雲の隠岐島中の島後(どうご)が、西日本屈指の当該物出土地であることは知られている。日本列島内でも信州の和田峠と並ぶ質・量をもつ。その材質で作られた石器は、出雲本土、すなわち宍道湖周辺領域に濃密に分布している。(中略)西日本の日本海領域という、讃岐(※ここでは、サヌカイト製の石器が産出されていました)以上に中国・朝鮮半島に近接し、良質の石器材質(黒曜石)出土中心地たる出雲が、やがて大陸の金属器の伝播・流入初源期の一中心となりえたこと、その点あえて他奇とすべきところではないのではあるまいか。」

※今は少し話題が薄くなっている「隠岐の黒曜石」を取り上げられます。古代出雲の金属器の発展の基礎を縄文時代に石器の中心地だったことに求められます。次に、

「その第二は、弥生の古代楽器問題である。日本列島西半部、日本海沿いの各地に「弥生の土笛」と呼ばれる土製楽器が出土している。綾羅木地方(山口県下関市)、出雲地方(島根県松江市等)」、丹後地方(兵庫県峰山町)、筑紫地方(福岡県宗像市)等である。この古代楽器が、実は中国において殷・周以来伝統されきたった「土薫*(=土員*)」(音ケン)と呼ばれる祭式楽器であることが確認されている(後代名、陶土員*)。」

※このblogの、『古代出雲のよくわからないもの』で採り上げた「土笛」を、中国との交流の証しとされます。 http://blogs.yahoo.co.jp/shigechanizumo/10406071.html?p=5&pm=l を参照。

「したがって、出土の弥生前半期、この地帯に、中国古代文明(殷・周・秦・漢)の祭式楽器が伝播流入し使用されていたこと、これは疑うべからざる史実なのである。
このような祭式土器は、庶民の日用器具ではない。一定の政治制度が存在し、その支配層があり、彼等(※古代出雲の人々)が一定の儀礼を行っていたからこそ、この伝播流入がありえた。そのように見なす以外の道は存在しないであろう。」

※中国の祭式土器を取り入れたのは、古代出雲の人々がそれを必要とする祭儀を行っていたからだとされるのです。そして、

「以上のような周朝の儀礼制度を、たとえその一部にせよ、日本列島中、もっとも早い時期に伝播・継承した地域、それが右の日本海岸(西半部)領域であったこと、その事実をわたしたちは疑うことができないのである。そしてこの印象的な領域、中国文明伝播の草創の地域、その中心が古代出雲にあったこと、それは出土量から見て肯定せざるをえぬ、そういう出土状況がしめされているのである。」

※このように、古代出雲を「中国文明伝播の草創の地域」として位置づけられるのです。わたしが述べた一連の『徐福伝説』が、あながち架空のものではないと、少し勇気づけられたような気がします。

古田説の詳細は、http://www.furutasigaku.jp/jfuruta/kokuzou/kokuzou3.html を参照してください。


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