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私たちは、「スサノヲ」や「アマテラス」といった神様のことを、『古事記』や『日本書紀』などに書かれていることから、粗筋的に、あるいは物語的には知っているのですが、もうちょっとという意味で、深読み・裏読みをしてみると、意外なことが浮かんでくるように思われます。
上田正昭先生などは、そうした現代の合理的な考え方で、勝手な解釈をしてはならないと主張されますが、日本書紀や古事記を書いた人たちも、書いた時は、その時が現代であり、最先端だったでしょうから、「神代」のことを自分たちの知識や理性で整理していたのでしょう。とすれば、今の時代の目から見て、合理的な解釈をほどこしても良い部分もかなりあるのではないかと思われます。今回は、スサノヲを取り上げてみたいと思います。
実は、『古事記』でも、『日本書紀』においても、スサノヲの役割と行動は、とても分かりやすく書いてあるのです。分かりにくい神様についてのことが、なぜスサノヲについてはとても分かりやすいのでしょうか。まずその分かりやすさについて、具体的にみて見ましょう。
スサノヲは『日本書紀』では、イザナギとイザナミの間に産まれたとされています。三貴子の末子に当たります。三貴子とは、アマテラス、ツキヨミ、スサノヲの三神です。この三神にイザナギは、アマテラスに高天原を、ツキヨミに夜を、スサノヲに海原を治めるように命じました。
高天原とか夜を治めろといったことは、抽象的でよく分かりません。しかし、海原を治めろというのは、かなり私たちでもイメージできることです。航海や、海路、航法や海を使った交流がスムーズに行くように統制しなさいということでしょうか。あるいは、海・海洋に関する統治をしなさいということでしょうか。
しかし、スサノヲはそれを断り、母神であるイザナミのいる根の国に行くと言い始めました。その理由はよく分かりませんが、母のいる国へ行きたいというのですから、子供が母を慕う気持ちで、これも良く分かる話です。
スサノヲは根の国へ向う前に、姉のアマテラスに暇乞いをしようと高天原へ行きますが、アマテラスはスサノヲが高天原に攻め入って来たのではと考えて、武装してスサノヲに応対します。スサノヲは疑いを解くために天の安川をはさんで、アマテラスと誓約(うけい)を行います。
この誓約で、スサノヲの剣から三柱の女神が生まれ、誓約の内容が女神が生まれたら潔白だというので、そのとおりに身の潔白が証明されます。この女神が宗像の三女神だとされるのも、現実に今も宗像で祀られている女神たちですから、分かりやすいことです。
ところが、アマテラスの勾玉を、スサノヲが噛み砕いて吹き出して生まれたのは、天忍穂耳神、天穂日神、天津彦根神など、五柱の男神ですが、あまりなじみのない神様たちなのです。
ここまでを見ても、与えられた統治の対象、その拒否、母のいる国への思慕、暇乞い、姉からの疑い、身の潔白の証明、生まれてきた三女神など、全くすっきりとストーリーが作られているのです。次回にしましょう。
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すばらしいお話有難うございます!また遊びにきます!
2006/9/30(土) 午前 10:52 [ mayumomo ]
すばらしい!ところで、私、昔から抱えている疑問があるのです。「歳をとって暇になったら研究してみよう」と密かに抱えていたのですが、どうも暇になりそうにないので、ご存知であれば教えてください。その疑問とは、「山」のことについて、普通は「やま」とか「さん」と呼称することが多いのですが、岡山と鳥取の県境にある山は「せん」と発音しますね。蒜山(ひるせん)大仙(だいせん)氷ノ山(ひょうのせん)・・どうしてここに集中しているのでしょう?
2006/9/30(土) 午後 0:47
イザナギイザナミは旧約聖書のイザヤの事だと依然聞きました。 日本の神道は謎だらけですね。
2006/9/30(土) 午後 0:59
sizuku82828さん>喜んでいただいて幸いです。これからも遊びに来てくださいね。
2006/9/30(土) 午後 2:52 [ shigechanizumo ]
ご隠居さん>確かにおっしゃるとおりです。扇ノ山(おうぎのせん)もありますね。私は、この夏、扇ノ山の近くの雨滝に行って来ましたが、その時同じ話題が出ました。山を「やま」といわず他の呼び方をするのに、「岳」(ダケ)というのもあります。中部地方に多いですね。ある人に言わせると「セン」と呼んだり「岳」呼んだりするのは、山岳仏教と関係するというのです。といっても、東北などでは、出羽山、月山、羽黒山などは、「セン」と呼びませんね。調べてみましょう。
2006/9/30(土) 午後 3:01 [ shigechanizumo ]
ともくんさん>旧約聖書と結びついたり、メソポタミアと結びついたりする、超古代を考える人もたくさんいらっしゃいますよ。面白いですね。もうちょっとしたら、そういうところまで書いてみようかなと思っています。これからもよろしくお願いします。
2006/9/30(土) 午後 3:06 [ shigechanizumo ]