|
かなり話がややこしくなっていますので、今回は少し柔らかい題材を書いていきたいと思います。
以前、出雲にはあまり妖怪のようなものは登場しないと書いたのですが、全くそうというわけではなく、いくつかの興味深い不思議な登場人物がいます。今回は、「阿用の一つ目の鬼」と、「鬼の舌震のワニ」と、「ウムカイヒメ・キサカイヒメ」、「アシナヅチ・テナヅチ」、そして最後に「ヤマタノオロチ」を採り上げたいと思います。
その前提として、現在の私たちからは不思議なものとか、怪しげなものと考えられるものでも、古代の人たちからは、別にそうではないと思われるように取り扱われていたのではないかと思われることがたくさんあります。
そのひとつに、何でも擬人化したり、比ゆ的に具現化していると思われるものが数多くあります。例えば、「雷」にしてもそうです。雷の持つ属性のいくつかを、それぞれ別のものに例えているのです。「雷」の雷光を、蛇のクネクネとした蛇体に例えています。さらに、「雷」は時として「慈雨」をもたらすことから、豊作の予兆と例えられたりします。そして、ある時は、落雷によって大きな建造物さえ壊れたり炎上することから、怨霊の祟りをもたらすものだともされたりしています。
このように、同じ対象が、恩恵となったり怨念の現われとなったりするのは、なぜでしょうか。古代人の想像力や空想が、私たち以上に豊かだったとか、全くそれとは逆に、非科学的な根拠しか持っていなかったからだといって済まされるものでしょうか。今回採り上げる出雲の不思議なものについても、様々な解釈がすでになされています。重複するようですが、少し別の観点などから解釈していきたいと思います。
「阿用の一つ目の鬼」については、たたら製鉄との関係が語られていますが、本当にそうなのでしょうかという観点、「鬼の舌震のワニ」については、その他にも出てくる出雲の「ワニ伝説」との関係、「ウムカイヒメ・キサカイヒメ」についても、出雲と医薬の関係だけだったのだろうかという観点で採り上げたいと思います。
「アシナヅチ・テナヅチ」については、「ヅチ」ということから「蛇」ということとの関係付けが有力ですが、それの持つ意味とは何かという観点、そして、「ヤマタノオロチ」については、「スサノヲ」と「アシナヅチ・テナヅチ」およびその娘である「稲田姫(イナタヒメ)との関係を深読みしてみたいと思います。
|
鬼のしたブルの言葉は話の中で昔聴いた覚えがあります。 宇都宮のちょん丸じじい
2007/5/21(月) 午後 1:23 [ - ]
harupinjknanakaさん>確かに、舌震は奇観です。
2007/5/21(月) 午後 3:59 [ shigechanizumo ]
古代の人はイマジネーションが豊かだったんですね。伝説によく出てくる怪物を「自然現象」ととらえると、「おとぎ話」はおとぎではなく、たとえ話にされた史実が多かったのじゃないかと思えます。梅原猛さんの本にも似たような解説がありました。
2007/5/23(水) 午前 9:25 [ - ]
meursaultcharmesさん>コメントありがとうございました。西郷信綱さんなんかも「古代人と夢」という本を書いておられますね。私たちは何かを見失っているのでしょうか。
2007/5/23(水) 午後 3:46 [ shigechanizumo ]
古事記記載のイザナミの神陵があると言われる、山陰の島根県安来市へいったことがありますが、そこは出雲国風土記の伝えるところによると、大穴持(大国主)大神がヤマタノオロチを退治したとあるそうです。しかも、その地の「安来」という名を命名したのがスサノオであるともされています。
そこは「もののけ姫」で有名になったたたら製鉄が紹介されている和鋼博物館があり、かつてこの地は大規模な出雲式製鉄が行われていたときかされました。日本庭園が世界一と言われる足立美術館もこの地にあり、横山大観の神代を題材とした絵には圧倒されました。不思議な大地の力を感じたようでした。
2007/6/9(土) 午後 11:12 [ 天田 ]
天田さん>安来市(安来・広瀬・伯太)と、鳥取県日南町・日野町・南部町は、一体の地域だったでしょうね。
2007/6/11(月) 午前 11:26 [ shigechanizumo ]
最近司馬遼太郎が言った「古来、精妙な鋼の材料になってきたのは出雲砂鉄であり、とくに雲伯国境のそれである。」ということばがなんとなく分ってきました。
2007/6/28(木) 午後 8:47 [ エボシ ]
エボシさん>確かに、雲伯鉄は最高です。
2007/6/29(金) 午後 2:30 [ いずものしげちゃん ]
ここって何年か前、NHKのプロジェクトXという番組で、日立金属と日本美術刀剣保存協会がたたら製鉄を復活させた話が出ていたところでしょう?復活させた主人公だった方は人間国宝になられたらしいですね。
2007/7/5(木) 午後 11:31 [ 浅野 ]
浅野さん>確か、安部さんという伝説の「村下」ではなかったかと・・・。
2007/7/6(金) 午前 10:15 [ shigechanizumo ]
え・・・と。木原さんでは?
ところで私は金属加工業に勤めていますが、そちらで出来る特殊鋼の品質がいいため使っております。今も昔も雲伯鉄ですかね。
2007/7/6(金) 午後 10:54 [ 浅野 ]
浅野さん>失礼しました。品質が良いのは、砂鉄自体が良質なのと、製鉄の技術の過程が良いからでしょうか。
2007/7/7(土) 午前 9:08 [ いずものしげちゃん ]
さあ私は、金属自体の性能がどうして
生まれるのか本当のところは分りません。
もっぱら、金属を曲げたり、削ったりなもので。
2007/7/8(日) 午前 11:49 [ 浅野 ]
わたしは、安来というとなんだかトーマス・ホッブスの「リバイアサン」を思い出してしまいます。人間が文明的暮らしをするためにある種の国家的規制を人々に押し付け始めたリバイアサン=ワニなのです。
なんとも奥深い説話ですね。
2008/7/18(金) 午前 0:31 [ 鹿屋 ]
「人間が文明的暮らしをするためにある種の国家的規制を人々に押し付け始めた」・・・その国家的規制を独占資本主義といって国家からの開放を唱えた人がいて、今また、ネオコン・新自由主義などといって規制緩和をしようと唱える人達もいる・・・よく分かりませんね。
2008/7/18(金) 午後 3:50 [ shigechanizumo ]
そうですね。別に悪気があって秘密にしているわけではないのです。
2009/9/11(金) 午後 7:59 [ 安来語部 ]
安来語部さん、安来のかたですか。ジブリアニメの中では「もののけ姫」が一番ファンです。あと、古い司馬遼太郎の「生きている出雲王朝」というエッセイを最近読んだことがあるんですが、安来と関係があるらしいですね。よければ教えてもらいたいなあ。
2009/12/28(月) 午後 11:39 [ 梶谷 ]
ヒントは神避黄金鋼。
2009/12/30(水) 午後 6:25 [ magic錬金術 ]