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1998年岩波新書からの出版です。¥672(税込)
レビューには次のようにあります。
・・・『中世に日本神話が創造されていた。律令体制後の社会において、神仏習合とともに思想的変動を物語るおびただしい中世神道書が著わされた。そこには、記紀神話とは別の神話的世界がある。「天地開闢」「国生み」などの物語が、未知の神々をキャスティングしてどのように変奏されたのか。中世びとが構想した神話空間への誘い。』
・・・『伊勢神宮外宮に祀られる豊受大神。イザナギ・イザナミが国生みで使った天の瓊矛。この記紀神話に登場しない神と国生みの呪具を主人公にして、「天地開闢」「国生み」「天孫降臨」の物語が中世的変容を遂げる!中世神話創造の謎を解くスリリングな文献探究。』
目次は次のとおりです。
序章 中世神話への招待
第1章 屹立する水の神(中世の開闢神話)
御饌の神から開闢神へ
水徳の神=(豊受大神の成立)
第2章 天の瓊矛と葦の葉(大日如来の印文神話)
天の瓊矛のシンボリズム
葦の老王の物語
地主の神と今来の神
第3章 降臨する杵の王(稲の王から杵の王へ)
天の瓊矛とその行方
猿田彦大神と大田命
終章 伝世されなかった神器
前提となる『記・紀』の知識が無ければ難しい本かなと思いましたが、様々な雰囲気だけは伝わってくる内容でした。
読者の感想に次のようなものがありました。
・・・『新書とは入門書である、という前提を採るならば、あるいはこの本は狭き門かもしれない。しかし、この門を叩いた者はゆたかな果実を手にすることだろう。 神話といえば、まずは古代だが、それが中世において如何に変容し、跳躍していったか。神話の宇宙論的・コスモロジー的意味に焦点を絞っているのでとてもイメージがゆたかだ。水の神、天のぬ鉾、葦の葉、稲の王、…といったキーワードの中に日本人のこころの鍵が秘められている。度でも繰り返し読みたくなる新書は、そうはない。もっとひろく読まれていい本だと思う。なお、本書はもっぱらイメージの世界を探究している。最近ちくま新書から出版された佐藤弘夫『神国日本』は中世における現実認識をも射程におさめている。併読をお薦めしたい。』・・・私も同感です。
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