いずものこころ

みんなで古代出雲を探検しましょう!

古代出雲の謎

[ リスト | 詳細 ]

古代出雲にはたくさんの謎があります。みんなでその謎に想像の翼を広げましょう。
記事検索
検索

全363ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 前のページ | 次のページ ]

巨石と石神12

さて、江上波夫先生は、・・・『弥生時代から古墳時代前期までの日本列島の倭人の民族的・社会経済的・国際的なあり方、動向』・・・と、それ以降の変化を、騎馬民族の日本列島進出・侵攻という視点でとらえられています。

しかし、スサノヲやニギハヤヒの神話・伝承を考えると、少し違うのではないかと思うところが出てきます。

まず、スサノヲとニギハヤヒは、確かに騎馬民族の持つ特性ともいえる属性を持っていると考えられます。しかし、彼らは、決して出雲の支配、河内・大阪湾岸の支配を目的として、勇躍乗り込んできたものではないのです。

スサノヲは、『日本書紀』の一書では、高天原を追放され、零落し、落ちぶれた様に出雲に到来したとされています。また、他の記述では、三神の御子神(イソタケル・ツマヅヒメ・オオヤツヒメ)と共に随伴者も無く、少数で到来したとされています。

ニギハヤヒも似たようなものだったのではないでしょうか。確かに、天神から授かった弓矢や神宝を所持して河内に到来したのでしょうが、地元の王ともいえるナガスネヒコと相争うこともなく、到来後も実質的権力はナガスネヒコが握っていたと読める記載があるのです(ナガスネヒコを誅殺することによって神武天皇に帰順した)。

このようなことから、スサノヲもニギハヤヒも支配権の奪取を目論んでいたというどころか、到来した当初は、その地の有力者の庇護の下にあったのではないかと空想することができます。スサノヲは、アシナヅチ・テナヅチから、「そなたはどなたですか」と聞かれ、「アマテラスの弟だ」と答えて初めて「それはそれは」と信認されています。

ナガスネヒコは、自分たちは天神の子孫であるニギハヤヒの臣下だから、この国を東征して来た新来の神武天皇に譲り渡すことはできないと抵抗したとされていますが、その根拠は、ニギハヤヒの侵攻によって服従したから臣下となったという理由からではなく、天神から授けられた神宝を持って到来したからだという理由からなのです。

では、スサノヲがアマテラスの弟だと言ったこと、ニギハヤヒが天神からの神宝を持っていたことから、到来した首長や王から信認され、後を託すとされたということは、どのようなことを意味するのでしょうか。

巨石と石神11

さて、前回の江上波夫先生の説を、もう少し易しい言葉で考えてみましょう。・・・『呪術宗教的農耕神崇拝』・・・とありますが、まず「呪術宗教的」とは、弥生時代になって始まったものではありません。

それ自体はアニミズム・精霊信仰として、日本列島に縄文の時代から連綿と続いてきた信仰形態です。「農耕神崇拝」も、特に水稲農耕だけに関わるものではなく、稲作以前からあったものと思われます。

そして、それらの信仰は、豊穣の祈念として、厄災の忌避として、またある時は、雨乞いなどといった具体的・現実的な儀礼として、各共同体や集団によって受け継がれていたのです。そうした推移の中で、各共同体が水稲農耕を中心として規模を拡大するうちに、「その祭祀、儀礼を司った神官、大地主らの呪術宗教的・神権的・権威主義的支配」を生み出していったと考えられるのです。

ここで、巨石・磐座の問題に戻ります。前述の信仰は、それぞれに精霊・神の依り代としての象徴的な対象物を持っていたと考えられるのです。私はその対象物こそが、巨木・巨石・神体山などだったと思うのです。そして、それらは各共同体や集団ごとに存在していたのですが、それぞれの共同体や集団が統合されるたびに、より象徴的な対象物にまとめられて数を減らしたり、また、あるものはより序列の低いものとして存続し続けたと空想できるのです。

開く トラックバック(1)

巨石と石神10

それまでの日本列島内の地域支配の形態について、江上波夫先生の次のような指摘が参考になります。

・・・『北九州にはじまった水稲農耕中心の社会経済の全列島的拡大と、それら住民の上をおおった呪術宗教的農耕神崇拝、その祭祀、儀礼を司った神官、大地主らの呪術宗教的・神権的・権威主義的支配が地方別に、またときには全国規模で伸長していったことである。これらが弥生時代から古墳時代前期までの日本列島の倭人の民族的・社会経済的・国際的なあり方、動向であった。』(『日本民族と日本文化』「日本民族の成立過程と統一国家の出現」)・・・。

なるほど、そうした傾向は地域の支配形態・統治形態にも深く浸透していたと思われます。先に挙げた卑弥呼は、「鬼道によって人を惑わす」という呪術的・巫女的な能力を持っていたために、倭国の女王に推戴されています。しかし、決して、ある高貴な系譜に連なっていたからという理由で女王に推戴されたわけではないのです。

ところが、・・・『呪術宗教的農耕神崇拝、その祭祀、儀礼を司った神官、大地主らの呪術宗教的・神権的・権威主義的支配』・・・には、限界があったのです。その結果が、小国の乱立と絶え間ない抗争にとつながり、その鎮静には卑弥呼のように飛び抜けた能力を持つ特定の者にすがるしかなかったのです。つまり、あくまで属人的なものにすがっているに過ぎないのです。卑弥呼が死んだら、再びクニグニが乱れ抗争が始まったとされている所以です。

そうしたことから、新しい支配形態・統治形態を待ち望んでいた、あるいは招来したいと思っていた人々や集団が出現したのではないでしょうか。その期待に沿うように登場したのが、スサノヲ・ニギハヤヒだったと空想できるのです。

巨石と石神9

では、外来のスサノヲとニギハヤヒが、どのようにして支配者、統治者として認証され、その系譜が王統として受け継がれるようになったのか、検討してみましょう。

先に、スサノヲとニギハヤヒはとても類似しています、と書きました。埴船、磐船に乗って到来したこと、出発点は西方であること、共に由緒ある系譜に連なっているらしいこと、到来した土地において支配者、統治者となったこと、始祖として神として崇められ、その系譜は後々まで尊貴なものとして受け継がれたということです。

しかし、最も重視すべきは、スサノヲもニギハヤヒも到来した後に、そこの有力者の親族を妻(姫)としたとされていることです。スサノヲは「アシナヅチ・テナヅチ」の娘(イナタヒメ)を妻とし、ニギハヤヒは「ナガスネヒコ(長髄彦)」の妹を妻としているという点です

たぶん、彼らが到来した時の出雲や河内には、その他にもその土地・地域を競い合いながら支配しようとする有力者・集団がいたはずです。そこからすると、外来のスサノヲやニギハヤヒが、到来した土地の有力者・集団の親族を妻(姫)にしたからといって、そこから直ちに支配権・統治権を獲得できたとはいえないことになります。

考えられることは、先に指摘した、スサノヲやニギハヤヒが受け継いでいた支配形態・統治形態といった政治思想が、ある人々・集団に受け容れられ、支持され、その結果の反映が彼らを始祖として崇める、その系譜に連なるものだけが支配権・統治権という王統を受け継ぐということになったのだということです。

巨石と石神8

前回、・・・『しかし、そうした政治体制がすんなりと受け入れられるはずはありません。では、どういった経緯を経たのでしょうか。』・・・としました。

まず、スサノヲとニギハヤヒが天(海、アマ)降るように、出雲と河内に到来し、しかも、由緒のある系譜に連なる一群だったことは間違いありません。スサノヲについては『古事記・日本書紀』に、アマテラスの弟だとされており、ニギハヤヒは、天神から授けられた弓矢を持っていたとされ、そのことは神武も認めたとされています。

そのような形で、ある系統の系譜を受け継ぐという仕組みが当時の日本列島にあったのでしょうか。同じく、その系統の範囲にある一族の誰かのみが、支配者としてその系統を受け継ぐという仕組みがあったのでしょうか。

たとえば、卑弥呼の場合を考えてみましょう。卑弥呼の擁立は系譜に基づいたものではありません。倭国が乱れたために、他の王たちから共立された女王だとされています。卑弥呼の死後に男王が登場しますが、再び倭国が乱れ、卑弥呼の係累である台与が擁立されますが、一定のルールに基づいた継承ではありません。

これらのことから分かることは、当時の日本列島の国々には、王とみなされるような有力者や、統治者がいたのですが、それらの王や、統合された国々の頂点に立つ統率者になるのに、正統性を持つとされる系譜に連なる必要があるという要件は無かったということなのです。

しかし、スサノヲとニギハヤヒは、そうした要件を満たす者こそが、国の支配者、統率者になるべきだという統治制度、支配制度をもたらしたと空想するのです。

次により具体的な経緯を空想しましょう。スサノヲとニギハヤヒの到来とその後の推移はとても類似しているのです。

全363ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
いずものしげちゃん
いずものしげちゃん
男性 / A型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事