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トルコ共和国が債務不履行になってから何年か経っていましたがまだ国際市場から調達が
困難な時期でした。最初の取引はトルコ電信電話公社向け総額US$4千万ドルの
割賦販売案件でした。大手リース会社2社に幹事を委任し契約のアレンジをしました。
次は公共事業庁が管轄する高速道路建設資金にともなうファイナンスでした。
1987年と1988年に代表幹事4社別々の契約を総額約200億円アレンジしました。
私のことを親しいリース会社の人は「ミスター・トルコ」と呼んでいました。
いつもトルコ案件の紹介をリース会社の人達に熱心にしていたからでしょう。
(余談ですが後にトルコ共和国・日本大使館が日本で当時この国の名前で呼んでいた
特殊浴場の呼び方を変更するように強く要求していました。)
篭脱け(カゴヌケ)の変形のスキームをとりRound Trip という仕組みでアレンジしました。
多分Round Tripはこのトルコ公共事業庁案件だけだと思います。
ちなみに普通の篭脱けリースは英語ではSquare Trip と呼ばれます。
ストラクチャード・ファイナンス(Structured Finance)の初期のスキームです。
最初の代表幹事会社3社の調印式は東京で開催しトルコからは公共事業庁長官 E 氏が調印者として来られ成田空港まで出迎えに行きました。彼は当時海外の雑誌で将来の大統領候補と言われていた重要人物でした。英語が流暢で体格がよく見栄えがよかったです。駐日トルコ共和国大使も出席されました。
各々の代表リース会社の担当者3人とロンドンでClosingをしました。
(ロンドンの法律事務所CTの担当者は彼が東京事務所にいた頃に知り合った
PP氏でした。彼は後に東京オフィスのパートナーとして再び日本に駐在しました。
私も初めて実際に資産として金の取引をロンドンの金取引マーケットで
行うのに参加しました。金の取引を仲介にして実際はトルコ公共事業庁に
シンジケート・ローンをアレンジするものでした。
取引が完結して出席者全員でシャンパンを飲んで喜びを分かち合いました。
マーチャント・バンカーとしての至福のひと時でした。
トルコの高速道路建設に関するファイナンス案件は日本のリース会社のアレンジ
業務だけでも数百万ドルの手数料収入でしたがトルコの建築会社などからも
アドバイザー・フィーなどが入り総額14百万ドルぐらいの収益をCM社に
もたらしたと後日聞きました。
(元会長であったデイビッド・ロックフェラー氏がトルコに寄った後に東京のオフィスを訪れた時に彼と会って話す機会がありました。
握手をしながら挨拶をした際に私の名前を彼がCM銀行イスタンブール支店で聞いたと言ってくれました。
本当かどうかは分かりませんが嬉しかったです。今彼は93才ですがロックフェラー・ファミリーの当主のようです。日本がG5に加入出来たのはロックフェラー氏の口利きのおかげだとある本で読みました
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