四国の星

「四国の星」とは、空海が見た明けの明星。これを真理探究の旗印とした、玉井彰のコメント。論理性なき書き込みは削除する場合あり。

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愛媛新聞が三セクの評価基準を「赤字か黒字か」に単純化していることを指摘した上で、赤字容認論とも受け取れる意見を昨日述べました。しかし、赤字を不用意に容認してしまうと、財務規律を確保できなくなります。では黒字ならいいのかというと、黒字なのに会社が突如倒産する事例があります。粉飾があるからです。会計情報の正確な開示がなされた上で黒字・赤字が議論されることは当然ですが、それを前提としても、黒字・赤字はつくられるものであるとの認識が必要です。

どういうことかと言うと、三セクにおける施設管理委託料等の収入が三セクと自治体との契約で決まるからです。平成15年の法改正により公共施設の指定管理者に、民間企業やNPOも名乗りを上げることが可能になりました。そこでの適正な競争により、合理的な「価格」が決まるはずです。

しかしながら、まちづくりの分野における「競争相手」を探すことは極めて困難であり、結果として伊予市の三セクが市からの業務委託を受けざるを得ないのです。その「価格」は、伊予市の場合かなり低いところから出発しています(昨日述べた数値を参照してください)。可能な限りのローコスト経営を行った上で、適正な「価格」を探っていくのが妥当な考え方だと思います。その過程での試行錯誤による「黒字」「赤字」は、「価格設定」の見積もり変更要因であると考えます。

マスコミの批判を恐れる余り、当初から高めの価格設定を行うと、経営努力に水を差すことにもなりかねません。丼勘定の「黒字決算」の場合は却って、経営のモラルハザードを起こしかねないのです。(株)まちづくり郡中の場合、商業者がボランティアで経営・管理の部門を支えている要素が強く、余分な「贅肉」はほとんどありません。商工会議所にも協力していただき、従業員の皆さんにも薄給で我慢してもらっています。世に言う「天下り」の余地もありません。経費削減可能な分野は限られており、そこでの経費削減を成し遂げた上での「赤字」であれば、「赤字」解消のための価格見直し要求が正当にできる環境が整います。

「町家」開業2年余を経過して、どのくらいが「適正価格」であるのかが、見え始めたところです。平成18年度に赤字予算を組んだのは、「最大限経営努力しても、これだけ不足しますよ。」「しかし、ここまでは頑張るつもりです。」という「見積もり」のようなものです。

三セクに関わり合ってみて、未体験ゾーンでの営業活動であることは仕方がないとして、行政と民間との調整、意思決定のやり方等、なかなか大変であることが分かりました。しかしながら、行政の信用により、各企業の協力が得られ、農業者、漁業者の協力も得やすいという極めて大きな利点があることもよく分かりました。この三セクの利点を活かしつつ、弱点を補強する努力をしていけば、有効適切な企業活動ができるのではないかと思います。

企業活動が有効適切であるかどうかの指標は、まちづくり分野においては、各種経営数値に加え、市民や来街者の評価という要素が重要です。市民・来街者の支持なくして、まちづくり分野の事業は成り立ちません。市民から見て、これだけの費用を掛けてやるべき事業ではないと判断されるようであれば、事業継続の必要がないということになります。市民の誇りにつながり、暮らしやすさの向上という成果が得られるなら、継続すべき事業であるということになります。

なお、「商店街への波及効果」ということで言えば、拠点施設1つで「回遊性」の確保は困難です。拠点施設は複数必要であり、中心市街地活性化基本計画やTOM構想でも複数拠点を予定しています。商店街が拠点施設での集客効果を活かす努力をする必要もあります。私は、商店街(伊予市商業協同組合)の役員でもあるので、その努力もしなければならない立場です。愛媛新聞の指摘(「町家」開業後、商店街への波及効果が確認できない)は、まちづくり会社に向けられるのではなく、商業者と商業団体に向けられているのであれば、適切かもしれません。

ところで、「三セクは自立すべし」という声が行政内部からも聞こえてくるようになりました。「愛媛新聞の暴走」というタイトルはこれで一応やめにして、明日は「三セク自立論」とでも称すべきものに対する意見を述べる予定です。


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