四国の星

「四国の星」とは、空海が見た明けの明星。これを真理探究の旗印とした、玉井彰のコメント。論理性なき書き込みは削除する場合あり。

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「完封主義」の罠

「賢い子供のケンカ作法」続き。

国土には蟻一匹、ネズミ一匹侵入させない。洪水被害が絶対に起きないダムを造る。

こういった「完封主義」の考え方があります。

コスト無視の発想です。

仮に洪水被害を完封するダムを造るとします。超巨大ダムになる可能性があります。そのコストは?維持費は?

「そこそこ」のダムを造り、あるいはダム以外の洪水防止策(緑のダム構想など)で、ある程度の防御をする。

防御しきれない部分については、洪水を受け止めるエリア(田畑など)を想定して、そこに洪水を誘導する。10年に1度洪水が発生するとして、この場合には地域住民に十二分な保証をする(そして、その部分には新築を認めない)。そうした場合の総コストは安くなるでしょう。

防衛における完封主義はどうでしょうか。国境で完封するのか、それとも国境防衛のために広域の防衛エリアを構想するのか(戦前の「満州・蒙古は生命線」という発想)。前者の場合でも高コストの防衛予算になります。後者の場合には巨額の軍事費が必要です。「福祉」を考えなくてもよかった戦前ならともかく、福祉国家日本における防衛予算には限度があることを前提に考えるべきでしょう。

アメリカは太平洋戦争後、日本に面白いスポーツを教えてくれました。プロレスです。プロレスでは相手に先制攻撃をさせ、それを受け止めたうえで反撃を行います。これをショー的にうまく演じたのが力道山でした(知らない人が多いかな)。彼は国民すべてが怒りだすまでガイジンレスラーの反則攻撃を受け続けました。誰もが「力道山、頼むからアイツをやっつけてくれ」と叫びだすころ、彼は猛然と反撃し、空手チョップで相手を倒しました。

多少やられてからやりかえす。その場合の(国際的な)応援団を日頃の努力でつくっていく作業が必要です。この場面で憲法9条は最強の「平和的武器」になります。軍事で勝負するのではなく、外交を含めた総合力で勝負するのです。戦前の日本のように「敵性国語(英語など)を勉強するのは国賊だ」などという偏狭な発想では、国の総合力は減殺されます。あらゆる発想を尊重する。他国の研究を怠らない。「友人」づくりに励む。これが国家防衛の基礎になければなりません。

戦前の軍は「先制攻撃主義」でした。「先に攻撃しないとやられる」という余裕のない発想。その極致が真珠湾攻撃でした。アメリカは「やられたからやり返す」という正当防衛的正義の御旗を大切にしました。我が国も先制攻撃という手段を考えない防衛思想を持つべきだと思います。

防衛における完封主義を克服し、平時の余力ある国家経営を行うことが国民の幸福度を最大化する方法ではないでしょうか。


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