9月10日(土)に、「ともに働くということ」をテーマにした「障がい者とともに働く現場づくりを考えるつどい」が行われました。この第二部が、映画「人生ここにあり(邦題)」の上映で、この作品は観てみたいと思っていました。
ここの所、色々な場所で行われる集会は、映画の上映がセットのようになっていて観てみたいと思う作品もあるのだが、手伝いなどで入るとなかなかきちんと観ることもかなわない状況であったり、実はあんまり興味をひかないものもあったりということもあったのです。だが今回は映画も観るつもりで出かけました。
この映画「人生ここにあり」は、実話をもとに、障がい者がともに働くことを通じて社会に参加するイタリアの社会的協働組合について描かれています。簡単に紹介するとこんな感じになるのでしょう。
2008年の制作、タイトルの直訳はもっと解りやすくて「やればできるさ」、約2時間弱の作品です。ストーリーは1983年のイタリアを舞台に、労働組合に入っている組合員の男性が人事異動で精神病患者が組織する組合の所長になり、薬漬けの組合員たちとともに新しい仕事をつくり出して成功をおさめるというものです。イタリア協働組合を解りやすく紹介しており、組合員のこと、会議のあり方、労働のことなど、法制化を実現するための材料の一つとしてはちょうどいいのではないかと思いました。
以下、感想ですが、障害を描くということはかなり神経を使い、障害者を演じるということも力を必要とするものだと思いました。年齢のせいかタイトルを忘れてしまいましたが、以前に韓国の映画で障害者を主人公にした作品を観た時も本当の障害者が出演しているのかと思ったほどだったのですが、演出の中で全く素顔の本人を登場させたので演技なんだと理解したくらいでした。その出演者も障がい者施設に通い、顔の表情から行動、心理まで学んだというインタビューを聞いたことがありますが、演じることの難しさというものを感じました。
これからこの映画を観ることになる人もいるのでしょうが、ストーリーの中で感じた幾つかの気になったことも紹介してしまいます。あらすじそのものは簡単で解りやすくハッピーエンドを迎えるのですが、主人公の家庭内の問題をもう少し描いて同時に進行させていくと障がい者の悩みと健常者の悩みを描けたのではないか、家庭を犠牲にして仕事と障がい者の自立に奔走する主人公が家庭での妻との行き違いによる対立をどう解決していくかも必要なのでは無いかと思ったのです。それから障がい者の中でもリーダー役を果たす男が暴力的で薬の量が他の人より多いという設定で、画面上では極めて健常者のようにリーダーシップをとっていくのですが、この辺りも薬を減らしたいと悩む心理などが加味されると全体に話が深まるのではないかと思います。
驚いたのは字幕に「労協」や「社会連帯」が出てくることで、説明材料だと考えればこれでいいのでしょうが、出来過ぎという感もあります。仕事によって得られる価値が対価である賃金だけではなく、精神病患者の社会的な評価やその治療の在り方、ともに働くという労働の内容まで解りやすく描かれているので機会をみてごらんいただきたい作品です。
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