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書庫耕作地・路傍の草

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秋の調査でやっかいなのが、服にくっつく実、いわゆる「くっつき虫」です。子供の頃、センダングサ類の実を投げて遊んでいたけど、無邪気だったな〜。秋の現場に入ると、その頃とは比べものにならないくらい「くっつき虫」がついてきて、草むらに入るのに躊躇する時も・・・。そんな迷惑者の「くっつき虫」を紹介します。まずはチカラシバ。

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愛知県設楽町にて(11月2日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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実だけ取り出すとこんな感じ。見た目は普通のイネ科の実。

カラシバは「くっつき虫」としてはマイナーな部類だと思います。見た目に目立つ付着器官はないのですが、チカラシバの実は柄や長い毛の部分に肉眼では見えない細かな硬い毛がついています。この硬い毛は触る分には全然痛くありませんが、服にひっかかるには十分なサイズのようです。

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チカラシバの実が多数くっついた自分の足。背中やおなかに入るとかなりチクチクします。

不思議なことに、チカラシバが繊維に入り込む際は、実の先端ではなく、根元(柄)のほうが入り込みます。普通に考えれば、服にさわりやすい先端側から入り込みそうなものですが・・・。謎です。ところが、チカラシバにとっては謎ではなく想定どおりのようで、入り込む柄の部分の硬い毛が釣り針の「返し」の役割をはたしていて、繊維の中に実が入るとなかなか抜けない形になっています。そのため実を取り除くと、結構繊維が傷みます。実を取り除かないとチクチクするし・・・本当にやっかいな奴です。

チカラシバはイネ科チカラシバ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道西南部から琉球に分布します。この属の植物では、在来種はチカラシバしかありません。道路沿いなどに多く、放棄耕作地や河川敷などでは群生することもあります。

チカラシバの特徴は次の3点です。花序があれば間違える植物はないでしょう。
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①個体サイズと容姿:膝丈より少し高いくらいで、大きな株になります。素手では引き抜けないほど根がしっかり張ります。名前の由来はそのあたりからきているようです。
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②花序:黒っぽい試験管ブラシのような花序(かじょ:花の集まり)を茎の先に一つつけます。花序は長さが15cm前後、幅は毛の部分を含めて3-4cmです。たまに毛や実が緑色で花序が白っぽくなるものがあり、アオチカラシバ(品種)と呼ばれます。色違いの試験管ブラシのような感じです。
③実:実は細い紡錘体で7mmほどの長さ、花序からは柄の部分で切り離されます。実と柄の境界に1.5-2cm程度の長さがふぞろいの毛が10本前後出ます。

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朝早く草むらにでかけると、チカラシバの穂に水滴がついて、とても幻想的な風景になっていました。晩秋の素敵な風景ですが、写真をとるのに近づきすぎると大変なことになりますよ〜。皆さんも注意して下さいね

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