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1枚目 ベートーヴェン/交響曲「田園」 アバド指揮/ウィーンフィル
2枚目 モーツアルト/交響曲40番41番 レヴァイン指揮/ウィーンフィル
3枚目 モーツアルト/後期交響曲 バーンスタイン指揮/ウィーンフィル
私は、ウィーンフィルのメンバーの音楽に対する自負は相当なものがあると推察しています。
特にベートーヴェンやモーツァルトは、「自分たちの音楽」という気持ちが強いようです。
指揮者がどうであれ、自分たちの伝統を守っていくというスタンスを持っているということ
のようです。
レコーディングに関して重要なレパートリー、例えば、ベートーヴェンやモーツァルトの
シンフォニーの全集になるとウィーンフィルは、指揮者を選びます。私は、そのことに
ことのほか驚きました。楽団が指揮者を選ぶなんて!他の楽団では、考えられないことないですか?
まず、ベートーヴェンです。クラウディオ・アバドとの全集もウィーンフィルからの要請です。
みなさまもご承知の通り、アバド、ウィーンフィルの演奏は、キビキビとしたテンポで透明感の
ある演奏だったと思います。
アバドが、6番の田園のリハーサルをしていた時の話です。たしか第2楽章だったと思いますが、
アバドが、「もう少しテンポを早く」と指示しました。しかし何度かやってもテンポが早くなりません。
それでもアバドは、「テンポを早くして!」と要求します。それに対しウィーンフィルのメンバーが
(そういうドイツ語だったかわかりませんが)「テンポを早くすればいいんでしょ」と言ってようやく
従ったと聞いています。自分たちの伝統を守ろうとする意識の表れだと思います。
自分たちが任命した指揮者に対してでさえこうなのですから、若手指揮者の苦労は、想像できますね。
モーツァルトの交響曲全集も要請がありました。「ジェームスと録音したい」ということで、全集に
なりました。第2ヴァイオリンを一番右に配して演奏していました。そういう柔軟性は、あるんですね。
モーツァルトのシンフォニーを指揮してCDにもなっていますバーンスタインは、彼らに演奏前で
「モーツアルトは、あなたたちの音楽です。どうかあなたたちの音楽を奏でて下さい。」と言ったそうです。
懐の深い言葉ですね。で、聴いてみますと随所にバーンスタイン節が出てくるんですよ。ウィーンフィルと
いかに良好だったかと思わせます。
ウィーンフィルのすばらしいところは、上記の指揮者は、必ずしもドイツ系の指揮者じゃありません。
むしろイタリア人やアメリカ人です。でも「伝統とは新しい空気を入れること」と言わんばかりに
すばらしい人、良いと思われるものを取り入れようとします。そういう現場の気概は、すばらしいと
思っています。
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