築地市場

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テーマ:現状見ると築地市場「移転」計画は破たん《2015(H27)年3月16日 予算特別委員会》


○志村委員
 次は、築地市場の移転問題です。

 先日も、当委員会で築地市場の移転ができるのだろうかという委員からの発言もありましたけれども、現状では、移転は無理というのが答えではないかと思います。施設の問題では、豊洲新市場の物流及び施設運用に関する調査を三菱総研が実施して、その報告書には、物流方法の検討、物流計画の素案作成、当面検討すべき主な課題について記述もされています。しかし、業界紙によると、この調査報告書について、市場関係者からは酷評を浴びているそうです。例えば、当初導入を計画していた車両誘導システムが行き詰まったため、駐車スペースが大幅に不足している、車の整理をどういう責任体制でやるのか、また、現在、週1回程度の低頻度利用の買い出し人の方は場外の区営駐車場などを利用しているけれども、それらの機能を豊洲の新市場でどうするのか、茶屋機能を妥当かつ公平な料金で利用できるようにするのかなどについて、どういう形で解決するのか見通しが立っていない状況です。10年前から課題となっていた6街区からの搬入・搬出のあり方や、6街区から7街区への荷の配送、6街区の加工・パッケージ施設と市場機能の連携、徒歩での買い出し客への対応、5街区の青果部と水産部の買い回りなど、無視できない重要な物流の課題についても触れられていないという状況。市場のことを知らない企業が机の上でつくった成果であり、現在のところ、豊洲新市場で円滑な市場流通、業務ができる見通しは立っていません。

 千客万来施設についても、これも先行きが不透明な状況です。施設の事業予定者から大和ハウス工業が辞退しました。辞退の理由は、千客万来施設の入搬出の道路が青果市場関係者と共用できないことと、債務が発生した場合に、喜代村と連帯保証する条件があることです。東京都は来年11月の新市場開場に5街区の千客万来施設が間に合うのは難しいとしています。一方で、東卸の側は調理器具などをそろえた千客万来施設の同時開場を求めています。ですから、同時開場も今のところ、可能性は低いようです。喜代村単独では千客万来施設に出店できる資格を持っていないため、大和ハウス工業にかわる別の事業者を探しているといいますが、この大和ハウス工業が辞退した2つの理由、これを他の事業者が簡単に解決できるのかというのは疑問です。

 仲卸の事務所ですけれども、築地市場は中央区のまちに支えられてきました。例えば、路上で荷さばきしていても、まちの人から見逃してもらえる雰囲気もあるし、また、ターレットが大きな音を立ててまちを走っても迷惑がられることもありません。さらに、仲卸の事務所はまちの中にあり、住まいと事務所が一緒の業者も少なくありません。しかし、豊洲の新市場では事務所をどこに置けるかはっきりしていないのです。千客万来施設に事務所を置きたいと東卸がそのことで交渉したいと思っても、先ほどの千客万来施設の状況ですから、交渉できる状態ではない。今、仲卸の方たちの事務所をどこに持つのかということがはっきりしていない。これも経営にとっては大変重要な問題です。経費としても施設使用料などが幾らになるかも明確になっていない。移転のメリット、採算性の見通しが立てられない。だから、さまざまな準備がおくれているという状況も生まれています。

 土壌汚染問題も、ベンゼンはモニタリングの箇所の48%で、ヒ素は74%で検出している。基準値以下といいながらも、実際に汚染物質が検出されています。3月9日に開かれた土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会でも、業界委員が舛添知事の安全宣言を求めているのですけれども、これは東京都はいまだに安全宣言を出せない状況なのですね。安全は確認されたという言い方で、安全宣言が出せない。それは、土壌汚染対策法による2年間のモニタリングを終えなければ出せないからという状況で、この土壌汚染問題についても今、大変深刻な状況です。

 交通の問題でも、豊洲の新市場が開場したとしても、公共交通機関によるアクセスはゆりかもめしかない。そういう中で開場することになります。環状二号線の仮設ルートができたとしても、BRTの運行は非常に困難な状況です。

 また、環状二号線が市場の中で掘り割りになって地下を通るという汐留に至るルート、これが全面供用されるまでの間は築地大橋から汐留の汐崎橋交差点、ここまで地上の仮設道路での供用となります。途中、新大橋通りと一緒になりますけれども、今でさえ汐崎橋交差点は渋滞が発生しています。そこに豊洲・勝どき方面から車両が流入すれば、この新大橋通りと交差点の混雑は激しくなるというのが必至です。この新大橋通りが渋滞すれば、場外とか、また、晴海通りの交差点、こういうところへの影響も大変なものになるのではないか。BRTも、例えばここを通ったとしても、この大渋滞に巻き込まれて会社や学校の遅刻者が続出するということも予想されます。環状二号線が当初の計画のように地下でつくっていれば、こんなことにならなかったのですけれども、強引に計画を進めてきたツケが浮き彫りになっているのではないかと思います。

 そこでお聞きしますけれども、このような豊洲の新市場計画の現状をどう認識しているのでしょうか。また、築地新市場への影響をどう考えているのでしょうか、お聞かせください。

○梅澤企画部副参事(都心再生・計画担当)
 築地市場の移転についてでございます。委員が今、さまざま御指摘いただいた、例えば、物流ですとか千客万来施設、そういったものにつきまして、移転に向けたさまざまな取り組み等もしているところでございますけれども、現時点において、そういったさまざまな課題があるということは区でも認識しているところでございます。

 また、委員御指摘の土壌汚染対策につきましても、区といたしましては、食の安全・安心の確保というのは市場移転の大前提であると考えてございまして、こうしたさまざまな移転に向けた取り組みにつきましては、都の責任において、しっかり確実に実施して対応されるべきものと考えているところでございます。

 本区といたしましては、豊洲移転の現実ということに即しまして、築地の活気とにぎわいを移転後も継承していくといった立場から、築地新市場の開業に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 都の責任においてということで、いつも繰り返しそういう答弁がありますけれども、この時点になって市場関係者の皆さん、また、東卸の方たちの東京都に対して批判の声がますます強まっているということは、都が責任をきちんと果たしていないということのあらわれです。都の責任においてとずっと言っておりますけれども、全く責任を果たしていない。建物はつくっているかもしれないけれども、実際、中身を責任を持ってつくろうとしていないという声をしっかり見なくてはいけないと思います。

 また、資料68をいただきました。ここでも仲卸の業者が減り続けています。水産の仲卸は2010年の730店舗が4年間で82店舗減っている。11.2%が廃業しています。今年の2月に、守ろう!築地市場パレード実行委員会がアンケートを行いました。日刊食料新聞の記事によりますと、築地市場の全仲卸業者の経営者を対象に実施、回収率は約40%、主な結果は、まず、豊洲新市場での諸問題につき、特に説明が不足していると感じる点については、引っ越し・移転後の施設使用料・ランニングコストなど、費用の問題を挙げたのが回答者の74%で最も多く、以下、土壌汚染や食の安心・安全63%、設計、物流など59%、交通アクセス57%、移転しない・できない事業者の問題44%と、主催者が用意した全ての項目で半数近く以上が不満を抱いていることがわかった。施設面への不安を聞く項目では、ダンベ、ストッカー等の備品が67%で最も多く、以下、物流導線、引き取り・配達の経路65%、ろ過海水の使用40%、物流の効率性34%、冷蔵庫と解体所等の供用施設34%などが挙がった。土壌汚染問題については、汚染は完全に除去すべき、完全にとは言わないが今の対策に不満があるを合わせると88%に上り、汚染除去の確認が終わるまで建設工事を中断すべきとする回答は70%を占め、都への不信感が根強いことがわかったとしているという報道があります。

 そのほか、このアンケートの結果では、豊洲新市場の施設に業者の意見が十分に反映されているかについては、あまり反映されていないが44%、全く反映されていないが44%と、反映されていないと考えている人が9割近くに上っています。また、オリンピックのために移転の強行など本末転倒であると思う業者は73%でした。そして、本当のところ、あなたは築地と豊洲どちらで営業を続けたいですかとの質問には、当然築地が49%、できれば築地が37%、できれば豊洲は5%、当然豊洲は2%でした。

 このアンケートの結果から見えてくるのは何だと区は思いますか。

○梅澤企画部副参事(都心再生・計画担当)
 アンケートについてでございますけれども、移転に向けまして、まだ現実に定まっていないところもあるということで、そういった仲卸業者様の御認識もあるということは理解しているところでございます。区といたしましては、事業者さんの移転支援ということにつきましては、しっかり都の責任で対応していただくべきものと考えてございますので、そういったところをしっかり注視してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 このアンケートを見ても、多くの仲卸が築地市場移転について納得していないし、不安感が蔓延しているという状況を示しているのではないかと思います。この業界紙にも、豊洲市場への不安 依然蔓延という見出しで記事が出ているのを先ほども紹介させていただきました。

 結局、この築地市場の移転計画は破綻しています。都は本当に責任をとっていない。2020年のオリンピックがなければ延期せざるを得ない状況であるにもかかわらず、オリンピックに合わせよう、間に合わせようと築地市場をどかそうとしている状況だと思います。市場の主役となるべく仲卸の方たちの不安を解消できないにもかかわらず、強引に計画を進めようとすれば、問題をさらに深刻化させ、流通面でも、実務面でも、財政面でも、安全面でも、破綻の道を歩み出ざるを得なくなり、市場流通にとっても大混乱を引き起こすと思います。そこで、区にお聞きしますけれども、区は東京都に対して、この矛盾を深める強引な移転計画は中止し、現在地築地での営業を続けながら、市場関係者や都民、消費者、そして、地元自治体中央区と将来の築地市場のあり方について、時間をかけてコンセンサスをとるべきだと要求する、そういうことを求めますけれども、いかがでしょうか。

○梅澤企画部副参事(都心再生・計画担当)
 移転についてでございますけれども、現実、今、東京都が豊洲の移転に向けて進めているところでございますので、区といたしましては、そういったさまざまな課題については今後しっかり対応していただくということをお願いしたいと考えているところでございまして、そういった移転の現実に即しまして、区といたしましても、活気とにぎわいの継承ということで、築地新市場をしっかり開業させていきたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 長々と私が話したのは、移転の現実がもう破綻している。東京都も責任をとれない状況に今、陥っているということ、それが現実だと思います。こういう中で、中央区が動けば移転計画はストップし、築地市場を守ることができます。断固反対の立場への方針転換が求められる。それこそが行き詰まった豊洲新市場計画に対応する現実的な対応だと思います。将来に禍根を残さないためにも決断すべきということを指摘させていただきます。

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