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昨日(1月30日)封切りになった山田洋次監督作品「おとうと」を観ました。
吉永小百合は「母べえ」そのままという感じで、全体として落ち着いた良質の作品でした。

でも、今までの山田洋次作品を期待していた私としては何か物足りない映画でした。

これまでの山田洋次作品である「男はつらいよ」「家族」「学校」などのシリーズから最近の「武士の一分」や「母べえ」に流れていたのは、
一生懸命努力したり、生きていても、報われない不条理が、「悲劇」や「不幸」になり、それを「喜劇」にさせてしまう。
寅さんなんかはまさにその典型です。
さらに、その「悲劇、不幸」を生み出す背景にある社会的な問題を静かに批判する監督の目があり、最後は、「それでも希望を持って元気に生きていこうよ!」というエールが投げかけられる。
というものだったと思います。

しかし、この「おとうと」には、それを感じませんでした。
(何回か観れば、しみわたってくるのかもしれませんが…)

鶴瓶演じる「おとうと」は、どんな幼少期を過ごし、死ぬまでどんな精一杯の生活をしてきたのだろう、とか、イントロが安保デモや高度成長期の日本に触れているのに、その後の日本社会の問題が、おとうとにどのような影響を与えたのか、など、分からず、もやもや感が残りました。

吉永親子にかかわる話は簡略にして、鶴瓶おとうとのエピソードをふくらませた方が良かったのではないでしょうか。
その方が、亡くなるシーンやエンディングにもっと感情移入できたと思います。(最後に山田洋次監督に泣かされることを期待していたので…)

山田洋次監督らしい、多様な個性、人間性が認められない社会に対する批判と社会に疎外されてしまう弱い人間へのあたたかいメッセージがもっと伝われば良かったと思います。

これは私の個人的な感想です。
もう一度観たら、また、違って見えるかもしれません。
でも、2月になったら、もう映画館で観る機会もなくなるので、TVでの放送を待つとします。

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志村たかよし
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