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テーマ:アジアヘッドクォーター構想について 《20148H26年3月20日 予算特別委員会》
○志村委員
時間もないので、次、結局、このアジアヘッドクォーター構想では、グローバル企業を誘致するといいますけれども、利益と効率を優先する多国籍企業というのは、中央区で育った地場産業の企業意識とは異なるのではないか。こういう多国籍企業というのは、時代の変化でほかの国に必ずや移動する。だから、中央区に集積しようという多国籍企業は、現在は、別の国、別の拠点で、都市で、そこを捨てて中央区に来るわけですから、状況の変化で中央区を捨てる可能性、これは大いにあると思うのですけれども、その点はいかがですか。
○吉田副区長
日本の大企業は既に多国籍企業化しているので、とりますよというと、きっとどこかに出ていってしまうので、なかなか難しいところです。現実問題として、私は、中央区については、現実にそういう心配はしておりません。日本のよさが都市として一番あらわれているのは、私どもの日本橋であり、銀座であり、築地であるというふうに自負しております。ただ、そこに一回来てくれれば中央区のよさがよくわかるけれども、大変残念なことに、世界中の人がこの東京に来る機会が少ない。お話の中で私が大事だと思っているのは、パリには観光客が8,000万人来るのだと。東京はことしようやく1,000万人を超しました。それはやはりだめだろうと。来る機会をふやして、リピーターをふやして、中央区を味わってくれさえすれば、日本のよさというのを一番よくわかってもらって、やはり中央区いいねということになると思う。それは8,000万人を目指せとはいいませんけれども、1,000万人をさらに目指して、どんどんふやしていく、そういう仕掛けをやはりつくっていかなければいけないだろうと思っています。
○志村委員
吉田副区長の発想というのは、地場産業の町工場の人だったら中央区、いいねでいるのですけれども、今、他資本で多国籍企業というのは、いろいろなところを移動するわけなので、そんなに甘くないと思いますよ。
いくら中央区がいい町だとしても、例えば、多国籍企業に影響を与える状況の変化として、大地震、収束しない福島原発事故の影響、また、再稼働してしまえば新たに起きる原発事故の不安、日本と中国や韓国など北東アジアの緊張の激化、集団的自衛権の行使による海外で米軍と一緒に戦争する日本、こういうものがあれば、いろいろな敵対関係になったり、いろいろな状況の中で正常な企業活動ができない、阻害すると思えば、出ていってしまう。ですから、このアジアヘッドクォーター構想というものは、全て万能だというふうには言えないと思います。
例えば、首都直下地震に備えた首都機能移転案というのもあるぐらいですから、現実的な発想ですし、3・11のときは、米軍は兵士と家族をいち早く日本から退避させたということもあるわけですから、このアジアヘッドクォーター構想でどんどんそういう業務ビルをつくるというのは、大変なことになるというふうに思います。
そういうのを昨日の3月19日の朝日新聞で、2016年暴落心配の声 大規模開発相次ぎ完成という記事が出されました。不動産業界では、早くも都心の2016年危機がささやかれ始めたということで、略しまして、次に行けば、三井住友トラスト基礎研究所の試算では、2016年に東京23区内で完成するオフィスビルの床面積は、2013年の1.8倍に当たる約74万6,000平方メートル、一方、企業などのオフィス需要は、2013年の6割に当たる40万1,000平方メートルにとどまる見通しだ。不動産大手の幹部は、供給過剰と日銀の緩和縮小が重なれば、リーマンショック後のような地価の暴落が起きかねないと心配するという記事も読めば、23区といっても中央区は大丈夫だというふうに副区長は言うかもしれないですけれども、本当に不安になる。今のままだと林立する超高層の建築物、これからつくろうとする建築物も、将来入居者のいない空のテナントビルが、本当にお墓のように集積する町になるのではないかと危惧しています。日本橋上空の高速道路と同じような、負の遺産として残ると思いますけれども、今の朝日新聞の中での三井住友トラスト基礎研究所の試算を含めて、見解をお聞かせください。
○吉田副区長
私は中央区に勤めてまちづくりをやらせていただいて大変幸せだったと思ったのは、正直言うと、つい5年前まで、私ども、例えば、ここで住宅をつくる、事務所をつくる、埋まらないという心配はしなかった。ただし、リーマンショック後は、現実の問題として本当に埋まるのか、価格はどのくらいに落ち着くのだということについては、実は非常に悩みました。この中央区において、実は、事務所についても、住宅についても、本当に埋まるのかどうかということは、やはり懸念しなければならない状況にある。だから、先ほど申し上げたように、実は、この区の中でどういう産業構造をつくって、この地域を全体としてどう豊かにしていくのだということを常に考えないといけない。
その意味で、これは申しわけありませんけれども、我々一つまちづくりを通じて、最低やらないといけないと思っているのは、きちんと、例えば日本の技術を生かした産業、そしてまた、地場の産業という意味でいったら、製薬を大事にしないといけないなと。あるいは、兜町とか茅場町を中心としたもともとの金融業というのも大事にしないといけないなと。21世紀後半についても通用する産業として、製薬とか金融というのは大事にしないといけない。その上で、なおかつ、我々のポテンシャル、土地のポテンシャルというものを大事にしないといけないとすれば、それは基本的に、東京駅というもの、陸の玄関東京駅というものをきちんと羽田と結びつけたり、あるいは、私どもが築地とか銀座とかというところでつくっているにぎわいを、これまで以上に維持して、東洋一の盛り場にするとか、そういうことを産業構造として考えていかないといけない。全然心配ありませんなどと思っていません。つくったものをちゃんと埋めるためには、そこに何が入っていただいて、経済効果をどう生み出すか、それを真剣に考えながらまちづくりをしないといけないと思っています。
○志村委員
今、アジアヘッドクォーター構想に沿ってまちづくりを進めているわけですから、その上位計画を否定することはできませんけれども、吉田副区長、私はこのアジアヘッドクォーター構想の限度があるということも指摘させていただきます。
ところで、こういう形でいろいろなところで区道を廃止するとか、区道を挟んで街区の組みかえをやるとか、そういう開発がある。また、特定街区の開発とか総合設計の再開発事業、いろいろ開発がやられていますけれども、こういう中で、行政として土地転がしなどの不正をチェックするシステムがあるのか、行政側にそういうシステムがあるのかお聞かせください。
○平野地域整備課長
土地の売買についてでございます。土地の売買については、純粋に民間の売り買いでございますので、そういったものをチェックする機構というのは、基本的にはございません。
○志村委員
いろいろな再開発事業で、それこそ民間企業は利益を求めて動いている。そういう中で、以前も土地転がしとか、さまざまな不動産の中での不正行為とかも報道もされておりますけれども、行政側にチェック機能がないというのも、何かしないといけないなと、そういうシステムも構築しなければならない。とりわけ、税金を投入して取り組む事業には必要性があるのではないかと思います。
また角度を変えるのですけれども、一方、次々と再開発事業も計画されております。30年後、40年後、都市整備部以外の部署にツケを回すおそれを感じるのです。超高層マンションに町会や地域とのつながりが薄い孤立した高齢者の方や老老介護の方の世帯が増加すると、福祉施策は困難さを増すのではないか。例えば、一つの例ですけれども、このように、今の中央区のまちづくりが将来的に都市整備部以外の他部署へ深刻な影響、また、その負荷が相当深刻にかかっていくのではないかというふうに私は危惧するのですけれども、その点はいかがでしょう。
○田村都市整備部長
当然、こういった開発ということをしていく中で、今、お話がございましたように、都市整備部だけで完結するお話では当然ながらないと思っております。そういった中で、本区ではまちづくり基本条例を制定させていただいてございまして、計画段階から庁内関係部署がそれぞれ集まって、計画の内容等について協議をしながら、また、事業者に対して指導していく、そういう取り組みの中で、そこにおける開発の内容等については、それぞれがしっかりと理解をしながら取り組んでいるという状況でございます。
○志村委員
取り越し苦労ならいいですけれども、今でも少しずつそういうのも超高層の中で生まれつつあるというようなことも聞いておりますので、全体としても中央区の将来を考えた取り組み、身の丈に合ったといいますね。伊藤滋先生は全員協議会で、どんどん人口がこれだけ中央区はいくのだという数字も示しておりますけれども、必要な丈をどんどん越して高くいってしまうと、本当の身の丈に沿ったという意味とは違う、丈だけ行ってしまうと引っくり返ってしまいますから、そこの点は本当に心配いたします。
それと、上位計画に特別措置法なり緊急指定地域ということで中央区はありますけれども、こういう上位計画はあるのですけれども、私は、地方自治法の第1条の二、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとするというふうにあるのです。だから、上位計画があったとしても、地方自治体の自主的で住民が主人公となるためのまちづくりへの転換を望みます。
このオリンピック自体はきっと子供たちに夢を与えると思いますけれども、今、話したような中央区のまちづくりが通じてしまって、今の子供たち、将来の区民、行政の職員の方たち、この人たちに悪夢を与えていけないと思っております。経済成長に頼らないで幸せになっていく道、これを探らなければならないと思います。
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