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 安倍首相はじめ政府は戦争法強行の目的として、「抑止力」の向上を前面に掲げてきました。しかし、NHKが13日に発表した世論調査結果によると、国民の多数はその説明に反発しています。改めてこの問題について考えてみました。(小泉大介)

6割の人たちが「納得できない」

 NHK世論調査では、「安全保障関連法の成立によって抑止力が高まり、日本が攻撃を受けるリスクが下がる」という政府の説明に納得できるかとの問いに対し、「大いに納得できる」は6%、「ある程度納得できる」は28%にとどまりました。一方、「あまり納得できない」が34%、「まったく納得できない」は25%に達しました。

 安倍政権が昨年7月に集団的自衛権行使を容認する「閣議決定」を行って以来、呪文のように唱えてきた「抑止力」。その一般的な意味を辞書で調べると、“活動をやめさせる力”“思いとどまらせる力”などとなっています。しかし、軍事的にはそんな生易しいものではありません。

 「抑止というのはあからさまな暴力の話。敵が1発でも撃てばこちらは100発で撃ち返すというのが本質」「抑止を多少なりとも効かせようと思えば、恐ろしく軍備を増強しなければならない」

 ある軍事研究者がこう解説するように、「抑止力」とは危険極まりない概念です。これを本気で強化するということは、まさに日本という国の生きざまを根本から変えてしまうことを意味します。

 さらに、「抑止力」を発揮するために軍拡をすれば、「敵対国」にそれ以上の軍拡で対抗する口実を与え、軍事対軍事のエスカレーションも生み出してしまいます。これは学問的には「安全保障のディレンマ」と呼ばれ、常識ともいえる理解となっています。

 にもかかわらず安倍首相は、「抑止力」について“バラ色”の説明をするだけで、その本質や危険性について国民に何一つ語っていません。沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設も、「抑止力」の理屈で推し通そうとしており、その罪はあまりにも深く重い。

中国「脅威」論を振りまいた政府

 安倍首相が「抑止力」の柱に位置付けているのが、「米軍との一体性」です。ところが―。

 かつて自衛隊のイラク派兵を仕切った柳沢協二・元内閣官房副長官補は15日に都内で開催した会合で報告し、「(戦争法で)日米が一体であることが示されるから抑止力が高まるというが、これは何なんだ」と根本的な疑問を表明しました。

 同氏は、安倍首相訪米を控えた2013年2月、米軍準機関紙「星条旗」が尖閣諸島をめぐり、「無人の岩のために俺たちを巻き込まないでくれ」という論評記事を掲載したことを紹介しました。

 政府は戦争法強行成立のため、中国「脅威」論も振りまいてきました。しかし実際には、「(日米の)双方が感じる脅威には隔たりがある」(柳沢氏)というのです。

 なるほど、昨年4月に来日したオバマ米大統領は安倍首相との会談後の会見で、「日本の施政下にある領土は、尖閣も含めて安保条約第5条の適用対象となる」と述べつつも、「安倍首相との議論で私は、この(尖閣領有をめぐる)問題を平和的に解決することの重要性を強調した」「挑発的な行動はとるべきではない」と釘を刺しました。

 米政府は中東地域で「対テロ戦争」を継続・強化する一方、中国については「関与」政策を基本的に維持しているとみられます。日本が中国の「脅威」をもって「抑止力」を強化しても、肝心の米国にはしごを外される可能性があり、この点でも政府の言い分は破綻しています。

 柳沢氏は、戦争防止のためには経済などソフトパワーのさまざまな手段を発掘することが重要だと指摘した上で、こう力説しました。「軍事的抑止に頼らない思想のアセット(資産)をしっかりつくらなければならない」


「しんぶん赤旗」2015年10月20日(火)

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 大企業は2014年度、過去最高の利益をあげ、内部留保や株主への配当を増やしています。とりわけ外国人株主への配当が国内投資家をはるかに上回り、2年間で1・7倍と、最も増えていることが本紙の調べで分かりました。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)によって最ももうけたのが、マネーゲームに熱狂する海外投機筋だったことが浮き彫りになりました。


 集計対象企業の社員の2年間の賃金(1人当たり年収)上昇率はわずか4・4%。実質賃金の算出に使われる物価上昇率(持ち家の帰属家賃を除く)4・6%を下回り、実質ではマイナスです。大企業があげた巨額の利益は、労働者、国民に還元されていません。

 上場企業ならびに有価証券報告書を提出した非上場企業のうち、2014年度の連結経常利益が50億円以上で、しかも12年度に比べて利益が増加した企業830社について、有価証券報告書をもとに集計。安倍政権が発足した12年度から14年度までの2年間を比較しました。

 配当金総額はこの間、2兆3200億円、47・8%増と大幅に増えました。集計対象企業の社員の給与総額は7600億円増。給与総額の増加額の3倍が株主に配分されました。

 うち、海外投資家に対する配当は67・2%増。国内企業は42・7%増、国内個人投資家は30・4%増と、いずれも海外投資家にはるかに及びませんでした。

 日本の上場企業の株式のうち30%以上は、海外投資家が保有しています。東京証券取引所で行われる株取引も、最近は70%以上が海外投資家によるものです。多くは短期間の利益を狙って、すばやく売買する投資です。日本の経済成長を支える投資ではありません。

 安倍首相は13年9月に訪米した際、ニューヨーク証券取引所で「バイ・マイ・アベノミクス(私のアベノミクスを買ってください)」と海外投資家に呼びかけました。また、海外マネー呼び込みのために法人税を減税。日銀に金融緩和を実施させ、公的年金資金も株投資につぎ込んで株価つり上げに躍起になってきました。


「しんぶん赤旗」2015年10月18日(日)
 15日に日本外国特派員協会で行われた日本共産党の志位和夫委員長の講演をうけての出席者との一問一答を紹介します。発表にあたって、若干の修正・加筆を行っています。


他の野党とどう協力していくか? 合意できるか?

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記者の質問を聞く志位和夫委員長(右から2人目)=15日、日本外国特派員協会


 問い 他の野党とどう協力していきますか。志位委員長は他党とも会談していますが、民主党のなかには異論もあるように思いますが、合意できると思いますか。

 志位 この間、各党の党首の方々と、会談を行ってきました。

 民主党の岡田(克也)代表との会談では、まず私から、「戦争法廃止の国民連合政府」の「提案」を説明しました。岡田代表からは、「思い切った提案に敬意を表する」との発言があり、「提案」の内容について、熱心かつ真剣な質問・意見が寄せられ、私は丁寧に考えをお伝えしました。両党首として「引き続き話し合っていく」ことで一致しました。良いスタートが切れたのではないかと思っています。

 社民党の吉田(忠智)党首との会談では、私の説明に対して、先方から「たいへん大胆で踏み込んだ提案をいただいた。前向きに受け止めて、積極的な選挙協力ができるように、しっかり議論を進めていきたい」「さまざまな困難はあろうが、連立政権の方向性も賛同する」との発言がありました。心強いことです。

 生活の党の小沢(一郎)代表との会談では、私の説明に対して先方から「従来の方針を大転換した共産党の決断を高く評価する」「手を携え選挙に勝ち、政権を打ち立てるという目標に向かって、自分も努力したい」との発言がありました。両党が方向性を共有できたことはうれしいことです。

 維新の党の松野(頼久)代表とも、会談することになると思います。

 岡田代表についていいますと、ブログのなかで、「共産党との政権協力はハードルが高いが、候補者調整は重要」と述べたうえで、「志位さんは、政治家として、人間として、私は信頼していい人だと、今までの長い交流の中で感じています。しっかり話し合っていきたい」ということが述べられていました。

 私も、岡田さんに同じような信頼を感じています。互いに信頼感を大切にして、誠意を持って話し合っていけば、合意できる可能性は大いにあると考えています。いろいろな困難はあると思いますが。話し合いがスタートしたところですので、温かく見ていただけるとありがたいと思います。

本当の民主主義とはどのようなものと考えるか?

 問い 「戦争法廃止の国民連合政府」の「提案」には、「主権者としての力を行使して、希望ある日本の未来を開こう」というくだりがあります。国民の反応、学生のすばやい反応、年配の方々の反応にも言及されました。彼らはみんなで力を合わせる戦略を実践してきました。本当の民主主義とはどのようなものだとお考えですか。

 志位 この間、国民の中で安保法=戦争法に反対する戦後かつてない新しい国民運動が起こっていることに、私たちはたいへん励まされています。とりわけ若者と女性が素晴らしい役割を発揮していることは、日本の未来にとっての大きな希望です。もちろん年配の方々の大奮闘もあります。学生のみなさんと話していますと、これまで自分の父母や祖父母の世代が守りぬいてきた憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を、しっかりと受け継ぎたいということを言います。世代を超えた国民的連帯が広がっていることを感じます。

 本当の民主主義とは何かというご質問でした。国会前の抗議行動では若いみなさんが「民主主義って何だ?」というコールをしています。彼らはこの問題を深く考えています。安倍首相は、選挙でいったん多数を得たら、何でも多数決で決めていい。国民がどんなに反対しようが、多数決で決めていい。これが民主主義だと言ってはばからない。しかし民主主義というのはそういうものではありません。たとえ選挙で多数を得たとしても、自らに対する異論や批判には真摯(しんし)に向き合う。誠意をもって議論をつくす。そういう不断のプロセスが民主主義ではないでしょうか。安倍政権には、この姿勢が決定的に欠けています。くわえて、国会の多数といっても、昨年の総選挙で自民党の得た得票は17%にすぎず、もっぱら小選挙区制のおかげで得た「虚構の多数」をもって、半数を超える国民の多数意思を踏みにじることは、国民主権の民主主義を根幹から破壊する行為です。

 いま若いみなさんが、安倍政権の政治について、憲法の平和主義、立憲主義を壊すとともに、民主主義のまっとうなあり方を壊すものだと批判しているのは、私は非常に深い批判だと思います。私たちは、「国民連合政府」をつくることは日本に本当の民主主義を取り戻す第一歩にもなると考えています。

安保条約のあつかいをどうする? 政権をめざすタイムスケジュールは?

 問い 民主党の岡田代表は、安保条約の廃棄には反対のように思います。岡田氏や民主党の多数や維新の党にたいして、安保条約廃棄をどう説得していくのでしょうか。政権を目指すタイムスケジュールはどうなっていくのでしょうか。2018年を前に、自民党を打倒することは可能なのでしょうか。

 志位 日米安保条約については、日本共産党と民主党の立場は異なっています。どのように説得するかというご質問でしたが、私は、違いは違いとして相互に尊重し、横に置くということが一番現実的なやり方だと思っています。違いをなくして合わせようとなったら、いつまでたっても合意はできません。

 日米安保条約についての立場は異なっていますが、野党5党が、安保法=戦争法の成立を阻止するために結束してたたかったという事実があります。一致して安倍内閣不信任案を提出したという事実があります。内閣不信任案の提出を決めた9月18日の野党党首会談では、「今後どういう事態になろうとも、憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を守るために協力しよう」ということも確認しました。私は、この野党党首会談の席上で、「仮に安倍内閣不信任案が可決されたら、ここにいる野党5党と不信任案に賛成した人たちで連立政権を構成することになりますね」と言いました。不信任案の共同提出というのは論理的にはそういうことになります。今回の「提案」は、そういう野党共闘の積み重ねのうえにつくったものです。ですから日米安保条約についての見解が異なっても、この「提案」の方向での合意は可能だと考えています。

 「タイムスケジュール」についてご質問がありました。私たちの「提案」では、「安倍政権を追い詰め、すみやかな衆議院の解散・総選挙を勝ち取ろう」とよびかけています。こうした構えでのぞみますが、解散・総選挙とならなかった場合には、来年の7月の参議院選挙がまず重要なたたかいになります。参議院選挙に向けて、私たちの「提案」の方向で、野党間で政治的合意、政権合意、選挙協力の合意――この三つの合意をぜひ達成して、そのもとで選挙をたたかいたいと思っています。

 とくに32ある1人区のたたかいが非常に重要になってきます。私たちとしては、32の1人区のすべてで、野党が相互に選挙協力を行い、自民党を打ち負かして勝利を勝ち取る、そのくらいの構えでのぞみたいと考えています。そういう勝利を勝ち取ることができれば、自公は参議院で過半数を割ることになるでしょう。次のステップで解散・総選挙に追い込んでいく。そういう流れをつくっていきたいと考えています。

連合政権で閣僚ポストを要求するのか?

 問い 連合政権をつくるにあたって、共産党は、閣僚ポストを要求するのでしょうか。共産党が内閣に入るかどうか、これは他党との協力、また有権者にとっても高いハードルになる可能性があるのではないでしょうか。

 志位 「国民連合政府」がつくられる場合に、日本共産党がどういう形で関与するかというご質問ですが、私たちの「提案」では、閣内協力か閣外協力かという条件を、最初から設定しているわけではありません。「提案」では、「閣内協力でなければいけない」と最初から条件をつけているわけではないんです。それは選択肢がいろいろあるでしょう。その時点で最良の選択肢を取ることになると思います。

アベノミクスをどうみる? 民主党政権をどう評価する?

 問い 第1次安倍政権は、1年あまりで失脚しました。そして5年後に以前より、より戦略的に、「アベノミクス」など国民受けする政策をもった政治家として戻ってきたわけですが、第1次政権での教訓から学んでいるようです。民主党の3年間の政権から、野党はどのような教訓を学ぶべきでしょうか。

 志位 まず「アベノミクス」について一言申し上げたい。私は、日本経済の現状は、「アベノミクス」の失敗を証明していると思います。とりわけ消費税を8%に引き上げて以降、日本のGDP(国内総生産)はマイナスを続けています。消費税を上げて1年を経過した今年の4〜6月期のGDPもマイナスです。国民の実質賃金は低迷が続き、消費も冷え込んだままです。国民の多数に景気回復の実感はありません。「大企業をもうけさせれば、いずれは家計にまわる」という経済論が破たんしているのです。安倍政権はまず、「アベノミクス」のこの現状についてきちんと総括すべきです。この総括なしに、「新3本の矢」などと言っても、何の説得力もありません。

 民主党政権からどういう教訓を学ぶべきかとのご質問でした。民主党政権については、いろいろと考えるところはありますが、いま話し合っているパートナーですので、今日はコメントを控えたいと思います。(笑い)

 ただ、私たちの提案している「国民連合政府」についていいますと、国民のみなさんにはっきりと達成すべき目標を示しています。戦争法の廃止、立憲主義と民主主義の回復という目標です。これはシングルイシュー(単一の課題)ではありますが、非常に大きなイシューです。この目標をしっかりお示しし、これを必ず実行する。これは日本の政治のあれこれの部分の問題ではありません。根幹、土台を立て直すという大事業です。国民に約束したこの目標をしっかりとやりとげれば、国民の政治に対する信頼は大きく回復することになることは間違いないと考えます。

「共産党への懸念」をどうみる? 自衛隊をどうする? 民主集中制は?

 問い 民主党の岡田代表は、選挙協力については否定しませんでしたが、政権をともにすることはハードルは高いといいます。共産党と政権をともにすることについての懸念があるようです。その懸念とは共産党側から見ると何だと思いますか。それを払拭(ふっしょく)するために何をしますか。また、共産党が政権に入った場合に、(日本)有事がおきたときに自衛隊を出動させるのでしょうか。共産党の民主集中制の問題についてどうするのでしょうか。

 志位 岡田代表との会談で、先方から、民主党内には、共産党と政権をともにすることはハードルが高い、難しいという議論があるというお話がありました。私からは、なぜ連立政府が必要なのか、これは安保法=戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻すということを本気でやろうとすれば、どうしても必要になるということをお話ししました。懸念ということでいえば、たとえば天皇制をどうするのか、自衛隊をどうするのか、日米安保条約をどう扱うのか。こういう問題への懸念もあるかもしれません。しかし、一つひとつについて丁寧に私たちの考え方をお伝えすれば、政権協力の障害にはならないということが理解いただけると思っています。

 「共産党アレルギー」ということがよくいわれます。私たちも「アレルギー」をなくしていくための努力をします。しかし、いまは、互いに、過去のいろいろな問題を乗り越え、「アレルギー」を乗り越えるべき時ではないでしょうか。未来に向かって団結しようという立場で話し合っていきたいと思います。

 つぎに「国民連合政府」が安全保障の問題にどう対応するかというご質問についてです。私たちは、日米安保条約にかかわる問題は、先ほど述べたように、連合政府の対応としては「凍結」という対応をとるべきだと考えています。すなわち戦争法廃止を前提として、これまでの条約と法律の枠内で対応する、現状からの改悪はやらない、政権として廃棄をめざす措置はとらないということです。

 戦争法を廃止した場合、今回の改悪前の自衛隊法となります。日本に対する急迫・不正の主権侵害など、必要にせまられた場合には、この法律にもとづいて自衛隊を活用することは当然のことです。

 わが党の民主集中制についてのご質問がありました。民主集中制というのは、私たちは特別のことではないと考えています。それは、「民主的な討論をつくし、決まったことはみんなで実行する」という当たり前のことです。この原則は近代政党として当然のものだと考えています。何よりもこうした問題は、それぞれの党の運営のあり方の問題であり、党の内部自治に属する問題です。その種の問題は、お互いに連立政府をつくるさいに障害にしてはならないし、また障害にならないと思います。それぞれの党の理念、政策、あり方の相違は、相互に尊重しあって、一致点で結束することが大事ではないでしょうか。

ユネスコへの拠出金停止、削減の動きをどうみる?

 問い ユネスコ(国連教育科学文化機関)が中国の申請した「南京大虐殺の記録」を世界記憶遺産に登録したことを受けて、日本政府がユネスコへの拠出金の停止を検討する考えを示していますが、日本共産党はどう評価していますか。南京大虐殺に対してどのように見ますか。

 志位 日本政府が、自分たちの意見がいれられなかったからと言って、ユネスコへの拠出金の停止の検討という方策をとることは、国際社会の理解を得ることはできないと考えています。いわば強権的なやり方であって、とるべきではありません。

 南京大虐殺については、虐殺の規模、数については、さまざまな推計がされていますが、私たちは、大虐殺があったということは動かしがたい歴史的事実だと考えています。それは当時の日本軍関係者のさまざまな証言などを見てもあきらかです。それを否定することは許されないことです。

参院選での1人区での選挙協力の対応は?

 問い 次回の参議院選挙の選挙協力について。全国32の1人区が重要と言いましたが、32のすべてで1人に集中する場合、共産党が1人も出ないという可能性はあるのでしょうか。その場合も選挙協力をすることがあるのでしょうか。

 志位 私たちが選挙協力といっているのは、まさに「協力」であって、相互的なものです。すなわち、ある選挙区では私たちが立てないで他の野党の候補者を応援する。ある選挙区では他の野党が立てないで私たちを応援してくれる。あるいは無所属の候補者を共同で推すということもありえるでしょう。いずれにせよ選挙協力ですから、これは相互的なものです。そういう相互の協力を本気になって追求してこそ、一番力が発揮されると思います。

TPPの「大筋合意」をどうみるか?

 問い TPP(環太平洋連携協定)について賛否両論がでています。米国でも、民主党の大統領候補の討論会でも、賛成の立場だったクリントン候補が反対を表明するという事態も起こっています。安倍首相は、たいへん重要な、日本社会全体にとって素晴らしい合意だと称賛しています。日本共産党はTPPをどう考えていますか。合意について他の野党と考えを共有していますか。

 志位 私たちはTPPについては、厳しく反対するという立場で一貫しています。

 この間の「大筋合意」されたという内容をみても、日本が一方的な譲歩につぐ譲歩をやっているという内容になっています。とりわけ一連の重要な農産物について、関税の引き下げと撤廃、輸入枠の一方的な拡大などがはかられようとしていることは、日本の農業、食料自給にとって破壊的な影響を及ぼすものです。

 TPPについては、国会決議が、自民党も賛成して採択されています。農林水産分野の重要5項目については、「聖域の確保を最優先」するとされています。今回の「大筋合意」の方向は、この国会決議にも明らかに反すると考えます。わが党以外の野党も、この国会決議にてらして、TPPの「大筋合意」のような内容での決着には賛成しかねるという方向で一致しうるのではないかと考えています。

 アメリカ国内の状況をみましても、大統領選挙の過程で、民主党のサンダース候補がTPP絶対反対を唱えて支持を伸ばし、クリントン候補も反対を表明するという状況があります。TPPは、米国と日本を中心とする多国籍企業が各国国民を収奪する体制です。ですから、関係する各国国民のなかから反対の声が広がる。

 わが党は、TPP交渉からの即時撤退、調印の中止を強く求めています。多国籍企業の利益を最大化する国際経済秩序ではなくて、各国の経済主権を尊重し、各国の国民生活を最優先にする新しい国際経済秩序が必要です。

「国民連合政府」のもとで日本有事のさいの在日米軍の出動をどうするか?

 問い 「国民連合政府」で、(日本有事のさいには)自衛隊を出動させるということでしたが、(同様の場合に)在日米軍への出動要請についてはどうするのでしょうか。共産党は反対するということでしょうか。

 志位 「国民連合政府」の対応としては、日米安保条約にかかわる問題は「凍結」するということになります。先ほど述べたように、戦争法廃止を前提として、これまでの条約の枠内で対応することになります。日米安保条約では、第5条で、日本に対する武力攻撃が発生した場合には(日米が)共同対処をするということが述べられています。日本有事のさいには、連合政府としては、この条約にもとづいて対応することになります。

 もちろん、日本共産党としては、国民多数の合意を得て日米安保条約を廃棄し、それに代えて日米友好条約を結ぶという綱領で掲げている大方針、大目標を一貫して追求します。しかし、「国民連合政府」にそのための措置を求めることはしません。「凍結」というのはそういう意味です。

沖縄・米軍新基地問題をどうみるか? 沖縄周辺の緊張をどう考えるか?

 問い 沖縄について、翁長(雄志)知事の要求を否定する安倍政権の動きをどう考えますか。沖縄周辺での戦争の準備につながる軍事化の進行についてどう考えていますか。

 志位 まず、沖縄の米軍基地の問題について見解を述べます。いま問題になっているのは、名護市辺野古に海兵隊の最新鋭の基地を建設するという問題です。この動きに対して、昨年、沖縄県民の総意として、これを拒否するという審判が、明確に下されました。この総意のもとに、翁長新知事が生まれました。翁長知事は、勇気をもって、公約を実行するという姿勢を貫いています。

 13日、翁長知事は、前知事が行った辺野古の埋め立て承認を取り消すという決定を行いました。私たちはこれを強く支持します。翁長知事は、この決定を明らかにした記者会見で、「日本の民主主義が問われている」と訴えました。私も、いま問われているのは、文字通り、日本という国の民主主義だと思います。いったい沖縄県が、島ぐるみで繰り返し「ノー」を突きつけているにもかかわらず、政府がその声を一顧だにせず、強権をもって新基地建設を強行するなどということが民主主義の国で許されるのか。これが問われています。この問題を、日本全体の問題ととらえ、沖縄の決意に日本国民全体が応えなければなりません。沖縄に連帯するたたかいを日本全体でおこしていくことを私たちは呼びかけます。

 名護の新基地建設はきっぱり中止すべきです。それでは普天間基地をどうするのか。「普天間の固定化をしていいのか」。安倍政権はそう恫喝(どうかつ)しています。これに対して翁長知事は、理の通った断固たる反論をしています。普天間基地は一体どうやって造られたのか。沖縄県民が「どうぞ」と差し出したものではない。米軍による軍事占領のもとで、強奪した土地のうえに造ったのが普天間基地ではないか。沖縄県民から無理やり取り上げておきながら、反対するなら「固定化」だと、こういう言い分は許しがたいというのが翁長知事の反論ですが、私は、まさにこの反論にこそ道理があると思います。普天間基地が「世界一危険」というならば、日本政府は、その無条件撤去を求めて対米交渉を行うべきです。沖縄県民に押し付けるのではなくて、アメリカに「返せ」と言うべきです。

 いま一つ、沖縄周辺の緊張の問題について質問がありました。おそらく尖閣諸島をめぐる問題だと思います。私たちは、中国が、尖閣諸島の日本領海内に公船を入れてくる、そのような物理的な力によってことを進めようというやり方には反対しています。こういうやり方はやめるべきだと、中国大使と会談したときにわが党の見解を伝えています。

 同時に、こうした緊張を、自衛隊の海外での活動拡大の理由とすべきではありません。冷静に見る必要があるのは、中国が公船を領海に入れるという乱暴なことをやっているのは事実ですが、軍艦を入れているわけではありません。そのときに日本が海上自衛隊で対応するということなったら、中国は海軍で対応するということになりかねない。この問題は、決して軍事対軍事の悪循環に陥ってはならないというのが、私たちの主張です。

 わが党は、尖閣諸島に対する日本の領有権の主張は、国際法上も、歴史的にも、まったく正当なものだという詳しい見解を発表しています。この問題は、何よりも、外交の場において、日本政府が、領有の正当性を、中国政府に対しても、国際社会に対しても、道理をもって説くことによって解決すべきです。もちろん、領海を守るうえで海上保安庁が対応することは当然ですし、必要なら強化も当然です。繰り返し言いたいのは、軍事対軍事のエスカレーションを起こしてはならないということです。そういう方向に陥ることが、日本の平和にとっても、地域の平和と安定にとっても一番危険なことです。


「しんぶん赤旗」2015年10月17日(土)

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