まちづくり・再開発

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 横浜の大型マンション傾斜に端を発した杭(くい)打ちデータ偽装問題で、元請け・三井住友建設の設計前の地盤調査や施工管理の責任を問う声が広がっています。同マンションと同じ杭打ち「工法」のトラブル56事例を分析した専門書によると、計画・設計が要因のトラブルが14例にのぼることが分かりました。

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傾きが見つかったマンション棟のつなぎ部分の手すりのずれ

地盤工学会

 これは土木、地質、建築などの専門家でつくる「公益社団法人 地盤工学会」(東京都)が編集した『杭基礎のトラブルとその対策』(2014年11月発行)で指摘されています。トラブル事例は同学会が建設会社や基礎杭関係団体にアンケートを送り、13年3月までに収集したものです。

残った基礎が杭高止まりに

 問題の工法は「プレボーリング工法」。事前に所定の深さまで地盤を掘削し、その孔(あな)に、既製のコンクリート杭を埋め込む方式。近年、この工法は大幅に増加し、施工実績の約85%(12年度)を占めています。国土交通相の「大臣認定」工法でのトラブルや周辺地盤の沈下例もあります。

 計画・設計に起因する14例のトラブルは、杭が支持層(固い地盤)に届かない「杭の高止まり」が6件。要因は、計画段階で地盤条件の把握が不十分なものが3件、支持層選定ミスが3件でした。また、杭の「傾斜・偏心」が14例中10件。その要因のすべてが、計画段階での地中障害の把握不足でした。

 同学会は、地中に残された躯体(くたい)や杭(既存杭)の問題は、今回の調査で「最も注目される」と強調。基礎撤去後の空洞へのコンクリート流出、杭の傾斜、杭心のずれ、残存基礎が障害となる杭の高止まりなどが多く報告されているとしています。防止策として(1)土地売買に伴う(既存杭などの)情報伝達の義務・規格化(2)基礎撤去跡の埋め戻し手法の統一などをあげています。

予算に合わせ調査数削減も

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傾斜が見つかったマンションの渡り廊下部分=横浜市都筑区


 また同学会は、地盤調査の精度の向上や適正な調査数量の確保にも言及。「トラブルの大半は地盤の要因が関与」しているが、建築業界の低コスト化の影響で「予算に合わせ地盤調査数量が削られるケースが多い。しかし、杭基礎の設計・施工においては…適正な調査数量の実施が望まれる」としています。

 同書の編集担当者は「横浜もそうだが、凸凹や離れたら深さが違うような地盤では、地盤調査を密にしようということと、既存杭が地中のどこにあるのか、情報を収集しようということを強調した」といいます。

 同書の出版企画委員会名簿には、幹事長の欄に横浜の杭打ち偽装の当事者である「旭化成建材」の名も見えます。

 横浜のマンション杭打ち偽装問題では、元請け三井住友建設の地盤調査の不十分さが当初から指摘されています。杭が支持層に届いていない場所は、支持層が深さ14メートルと想定していましたが、16メートルと分かりました。ボーリング箇所数、土質試験などはどうだったのか―。

 三井住友建設は、マンションを建設する前に解体された建物の杭が18メートルだったことを事前に知っていたことも判明。同社の地盤調査や設計・施工管理のずさんさが露呈しています。三井住友建設や業界団体は徹底して事実を明らかにするとともに、再発防止のために政府・国交省は実態把握に全力を尽くすべきです。


「しんぶん赤旗」2015年12月26日(土)より

 横浜市の大型マンションの傾斜に端を発した杭(くい)打ち工事のデータ偽装は、民間建物だけでなく病院や学校など公共施設に広がるなど深刻化しています。データ偽装は、業界トップの会社で行われていたことなども次々と判明、業界全体にまん延していることを浮き彫りにしています。

 根本にあるのは、建物の安全性確保が民間企業任せにされ、国や地方自治体が責任を負わない仕組みになっていることです。

効率優先の規制緩和で

 1998年の建築基準法改定で地方自治体の建築主事が建築確認・検査を行っていたものを、民間の「指定確認検査機関」に門戸を開放しました。建築基準を仕様規定から性能規定に転換し、柱の太さなど個々の仕様は問わずに建築物全体で性能が確保されればいいと「簡略化」したのです。効率を優先した建築行政の規制緩和が背景です。

 一定規模以上の建築物の工事の際、建築士である工事監理者が設計通りの施工で実施されているのかを確認する必要があります。しかし、多くの施工主(元請け)は自社と密接な関係の会社に任せているのが実態です。3日の参院国土交通委員会の閉会中審査で国交省は、横浜の偽装問題では、施工主の三井住友建設の3人の建築士が工事監理者で、設計者も同じだったことを認めました(日本共産党の辰巳孝太郎議員への答弁)。これでは安全性確保のチェック機能がはたらく保証はありません。

 建設業界の多重下請け構造も、責任の所在を不明確にしています。横浜の場合では元請け(三井住友建設)から1次下請け(日立ハイテクノロジーズ)、2次下請け(旭化成建材)、3次下請け業者と「多重下請け」となっており、責任が下へ下へと転嫁されていました。

 施主の三井不動産レジデンシャルは発注価格、工期などを指定し、同系列である三井住友建設に発注した際、徹底したコスト削減と厳しい工期設定を求め、それがデータ偽装につながったと指摘されており、事実解明が必要です。

 横浜のマンション杭打ちは、旭化成建材が独自に開発した工法が採用されましたが、杭本数や残土量を減らすためといわれており、工法の適否の検証も求められます。

 なにより必要なことは、徹底した調査を国と地方自治体が行い、問題の構造を明らかにすることです。3日の衆院国交委で日本共産党の本村伸子議員が「業界任せの自主点検では、住民、利用者の安全が二の次だ」と批判しました。国は姿勢をあらためるべきです。

 マンションや公共住宅で生活している居住者、病院・学校など公共施設の利用者などは、建物の安全性を信頼し購入・賃借したり利用したりしています。国民の信頼を裏切った業者の責任は重大です。

第三者のチェック体制を

 政府・国交省は全容解明と実態把握に努めるとともに、再発防止への抜本策を講じるべきです。地方自治体の検査体制を拡充し、建築主事を確保するなどの体制強化が求められます。独立性・非営利性を原則とした第三者によるチェック体制の創設が不可欠です。

 あわせて、多重下請け構造を是正し、低単価・低労働条件、利益をあげるための無理な工期短縮といった建設業界の構造そのものの改善が急務です。


「しんぶん赤旗」主張 2015年12月7日(月)より

テーマ:市街地再開発の手法が通用しなくなることについて《2015(H27)年3月11日 予算特別委員会》


○志村委員
 次に、市街地再開発についてなんですけれども、この市街地再開発事業というのは採算の見通し、収支のバランスがとれないと成り立たない手法だと思いますけれども、どのような条件になったら採算がとれなくなる、つまり、この手法が通用しなくなるのでしょうか。

○松村地域整備課長
 市街地再開発事業の収支のバランスについてのお問い合わせでございます。再開発事業の収支につきましては、まずは事業費、支出に相当する部分についてでございますけれども、再開発の最初の段階につきましては、計画の策定でありますとか、地権者の合意形成に資する、そういった調査費の計上がございます。また、組合を設立して、いよいよ建物を除却するというころになりますと、それまでの権利者の方々やお住まいの方々の補償の費用でありますとか、建物を解体する費用というのがかかってまいります。また、建物を工事する際、いわゆる工事費というものが出てきます。

 また、あわせて準備組合、それから、再開発組合の中に事務局を担っている方々がいらっしゃいますので、そういった方々の事務費。それから、いろいろな資金を銀行等からお借りするということも含めて利息。そういったものが事業費、支出のほうで構成される要素でございます。

 一方、いわゆる収入側のほうでございますが、基本的には保留床というものを売却して得ていく。その中に公共側の助成金、補助金のほうも一部入っていくという構成でございます。

 こういったバランスの中で、例えば工事費、現在高騰しているところでございます。3割、4割、以前より高くなっている状況でございますので、そういったものをカバーするだけのことを収入側で得ていく必要があるということが出てきますし、一方で、本区ではございませんけれども、地方のようなところにおきましては、今度、保留床の売却について見通しが難しくなってくるというケースも多々あるというふうに聞いてございます。そうなってきますと、かかっている工事費を回収するのが難しくなる、そういったことも事業が難しくなる1つの理由だと思っております。

 以上でございます。

○志村委員
 この収支のバランスがとれなくなると、進めている中でも権利変換というのがうまくいかなくなるというリスクが生まれないのか。バランスが崩れても、現在の居住や営業等の継続が可能なのかどうか、その点はいかがでしょうか。

○松村地域整備課長
 バランスがとれなくなりますと、権利変換にも支障が出てくるものと認識してございます。そうならないように、例えばその権利変換の前におきましては、建築計画を多少見直しまして、建築計画の合理化でありますとか、工事費の削減に資するような工事計画の合理化といった計画上の努力、工夫をしてまいって、支出を減らすというような取り組みを現在でもいろいろな地区でしているところでございます。

 そういった中で地権者の方々の合意がなされるような権利変換計画をつくっていく、そういった取り組みを現在しているところでございます。

 また、いろいろなそういった経済状況のリスクもございますので、なるべく最初の段階においては余裕のある計画をつくるよう、準備組合のほうを指導してまいっているというところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そういう地権者の中で零細の土地の権利者の方というのは、住めるだけの権利交換がなかなかできないのではないかと。あと、そういう零細の土地の権利者でも権利変換して入居できるような、そういう仕組みはあるのでしょうか。

○松村地域整備課長
 国のほうのいろいろな権利変換の基準等もございます。そういった従前の評価をする中で、従後の評価に基づいて権利変換計画を立てているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 今、新川のほうでも地上げが行われている場所も幾つかありまして、そういう中で相談を受けている方は、権利変換してしまうと、本当に狭くなってしまうということで悩んでいる方もいます。これだと、泣く泣く売却せざるを得ないのかということで、結局、転出せざるを得ないというような状況も生まれるというふうに思っています。

 それから、賃借人ですけれども、やはり借家権があっても、家賃が前より高くなるということで、再開発されたこのビルで住み続けるということが可能なのかどうか。コミュニティ・ファンドが全てのそういう再開発事業に適用できるとは思わないんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○吉田副区長
 大変恐縮ですが、新川地区で私ども大手の再開発事業はやっておりません。民間の事業の中での権利変換の話は私どもの承知するところではございませんので、それは了解していただきたい。

 それから、私どもその立場で申し上げますけれども、先ほど前委員のお尋ねもございましたけれども、私どもは法定再開発事業で公共がかかわる再開発事業において、再開発事業が理由になって転出する人がふえては困るということでコミュニティ・ファンドの制度を開始しておりますので、大変恐縮でございますが、私どもが関与していない民間の開発事業について居住継続ということはいたしておりません。

○志村委員
 区内でいろいろ開発事業が行われている中で、やはりこういう賃借人の方たちも出ていかざるを得ない。湊二丁目の開発でも、吉田副区長はあの開発で泣いた人がたくさんいることを知らないらしいんですけれども、私はこういう賃借人の方たちから相談も受けて、向こうの組合とも話し合いもしながら、しかし、結局は家賃が高くなるということで転出せざるを得ないという方たちが1人じゃない。そういう方たちがいらっしゃるということで、まさに住民追い出しの開発が進められているというふうに思っています。

 こういうことで、バランスがとれなくなると、さまざまな変更もする。そして、そういう中では、事業が変化すれば権利変換等の中での中身も大きく変わってくると思いますけれども、先ほどの工事費、建築費が高騰する。工事費が膨らむということで、先ほどいろいろな努力もするということですけれども、そういう努力というのは地権者の方たちの負担をなしに進めるということを前提にさまざまなそういう工夫をしていくということなのかどうかお聞かせいただきたいと思います。

○松村地域整備課長
 先ほど申し上げましたいろいろな工夫につきましては、権利者の皆様のもともとのそういった合意について変更しないように工夫するということを区のほうから指導しているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そういう中で、どこまでできるかということもありますけれども、湊二丁目の東地区の事業で、おととしの暮れですけれども、建設費の高騰が理由と聞いておりますけれども、その計画がしばらくストップして、年明けて3カ月ぐらいで動き出しました。そういうことで、この事業が再開できたその理由は何だったのでしょうか。

○菅沼副参事(都市計画事業・特命担当)
 湊二丁目東地区につきましては、今、委員の御指摘のとおり、工事の高騰のあおりといいますか、影響を受ける形で、組合側と特定業務代行者である大成建設側が綿密な事業フレームの再チェック、再点検をした上で、ほぼ現在の水準に、これまでの水準、権利変換を守る水準でリスタートを切れるんだという形の話し合いを重ねた結果、また無事に着手できたというふうに伺ってございます。

 以上です。

○志村委員
 国からの援助というのが行われていたと思うんですけれども、その点はいかがですか。

○菅沼副参事(都市計画事業・特命担当)
 さまざまな工夫という中に、今、御指摘の国が新たな工事費の高騰ベースを補完するような形の補正予算を組んだ部分での補助金の導入はしてございます。

○志村委員
 この当時の年末の閣議決定でそれが急遽決められたわけですけれども、それは資材とか人件費、建設費が高騰したことに伴って、進んでいる事業がとまらないようにということで国が助け船を出したわけだと思います。

 ですから、これは今、当たり前のように建設費が高騰して、そういう中では、例えば収支のバランスがとれなくなったというときにはもうこの税金の投入というのは通用しないというようなことですから、本当にこの収支のバランス、採算の仕組みというのが大変重要になってくるというふうに思います。

 そういう中で、先ほどもこのバランス、採算の仕組みの中での保留床の部分がありました。ですから、この保留床というものをちゃんと計画どおり売却できなければ、そのしわ寄せが支出のほうに回ってくるということになるわけですけれども、今、マンションの賃貸市場の状況を見れば、需要と供給のギャップが拡大していると言われています。いわゆるマンションの供給過多、マンションのほうがたくさんつくられているということが言われております。

 国立社会保障・人口問題研究所が2013年に発表した推計によると、日本の世帯総数は2019年の5,307万世帯でピークを迎えて、35年には4,956万世帯まで減少すると見込まれる。この2019年を境に不動産は縮小マーケット時代に突入する、この19年ごろに住宅の建設需要がピークアウトするという、そういう指摘が専門家たちから共通して挙がっています。

 この世帯数の減少による供給過多、マンションの供給過多という問題について、区はどう考えているんでしょうか。

○松村地域整備課長
 日本の人口が減り始めまして、また、世界のほうも間もなく減り始めるということは認識しているところでございます。日本全体で見回した中で、やはり地方のほうから空き家が多くなってきているというのは私のほうもテレビ等、報道等で把握しているところでございます。

 ただし、本区におきましては、人口が14万人に達する勢いというところもある中で、やはり都心区の利便性を享受するという方々、それから、江戸以来の文化の享受、それから、水際のそういった自然との触れ合い等を含めて、そういった中央区の魅力を感じて希望される方もまだまだいらっしゃるのかというふうに認識しているところでございます。

 再開発事業を通じまして、いろいろなところで需要についてはリサーチしているところでございますけれども、現在、中央区の中で住宅需要が厳しいという話は聞いていないところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 中央区では減らない。ふえるのではないかといっても、結局、全体としてこのように世帯数が減るということは周辺の地域、首都圏であれば、首都圏周辺の空室がふえる。そういう不動産の価格も下がってくるという中で、不動産業界の全体の足を引っ張るということも予測できます。

 この中央区などの湾岸部についてなんですけれども、専門家からは、晴海や豊洲などの湾岸部は、そもそも開発業者たちが頭で設計図を引いたようなまちで魅力が薄い。吉祥寺や下北沢のような、自然に形成されてきた魅力あるまちに比べると価格が落ちるのも早いだろうという指摘もあるわけです。

 また、今のマンションなどが売れているという背景には、住むのが目的でない、外国人を中心とした投資家たちが円安を背景に新築マンションを買いあさっているということであるわけです。

 ですから、総世帯数が減る中で、そのような投資家たちが持っているマンションが賃貸に出されるということによって、都心の賃貸市場というのは完全に供給過多になると言われているんですけれども、その点についての認識はいかがでしょうか。

○松村地域整備課長
 いろいろな情報の中で湾岸地域の魅力がすぐ衰えるのではないかというところもございました。確かに大規模な団地の中でコミュニティが手薄になっていくような団地の中では、いろいろな問題も生じてきているものと思っております。

 今後のそういった開発の中には、住宅づくりに加えて、そういったコミュニティを含めた活動の場をあわせてつくりながら、地域の交流が継続的に続いて、地域の魅力が継続できるようなまちづくりをすることが大事であるというふうに認識しているところでございます。

 また、昨今、海外の投資家が日本の不動産市場に投資をしていくという話も聞いているところでございます。そういった中で、賃貸住宅で供給されるということもあろうかと思っておりますが、需要につきましては、先ほど申し上げましたとおり、本区の利便性のよさから、当面そういった需要は継続するものと認識しているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 このような中で、今、2019年問題というのが不動産業界で言われております。海外の投資家たちは、結局、自分たちが住むためとか、または、長期的に誰かに貸そうというようなことで買っているのではなくて、売りやすいブランドに目をつけているわけです。不動産に投資をして、そこから利益を上げるということです。

 ですから、オリンピックを今、視野に入れて、円安を背景に買いながら売りどきを見ているというのが今の状況で、その売りどきというのが2019年、その前後だというふうに言われて、この2019年前後で不動産の大暴落が起こって、これが2019年問題と言われているわけです。日本の税制では、取得して5年以内の不動産の売却益は39%の税金がかけられますが、5年以上保有すると、税率は21%に下がる。ですから、投資用にマンションを買った人たちは5年を過ぎると一斉に売り始めるというような状況になるわけです。

 外国人投資家たちが大量に東京の物件を買ったのは2013年から14年ごろと言われております。キャピタルゲインを狙って物件を売り始めるというのは購入から5年後、つまり2018年から2019年ごろというふうになるわけです。

 オリンピック後の値崩れを警戒する人たちが早目に売り抜けようとするこの2019年の問題、このような問題についての不動産の価格の暴落、これが保留床の販売価格への引き下げということにもつながると思うんですけれども、その点の認識はいかがでしょうか。

○吉田副区長
 再開発事業という事業自体も、現実に今の日本の状況の中で、正直、都心の港区、中央区、それから江東区の一部で成立する事業であって、また、この中央区においても現実の問題として、つくれば売れる、つくれば貸せる、そういう状況はリーマンショック後はない。このまちをどういうふうにつくっていって、どういう環境づくりをするんだ。このまちでどういうふうにして、まちの経済と住民の生活の豊かさをつないでまちづくりとするのか。つくれば何でも売れる、貸せるという時代ではないということは我々はもう十分承知している。

 その上で、かつ、大変残念なことに、これは現実にそうなんだけれども、マンション自体の価格について言えば、中古のマンションであっても、中央区のマンションは値崩れしない。しかしながら、町場の10坪や15坪の土地は、例えば東京駅前であっても10坪の大きさ、15坪の大きさというだけで、実は売れていない、売れない。

 だからこそ、逆に言うと、住民の方々は自分の資産を守るためにそれでは共同化して再開発しようかというようなことで、再開発を考えてくれというような方向に今、町場はなっている。

 その中で、かつ保留床の問題については、やはり昔と違って、つくれば売れる、つくれば貸せるという状態ではないから、そこのところに何を持ってきて、何をまちとしてつくっていくんだということを十分検討しながらまちづくりというものはやっている。そういう状況でございます。

 ですから、大変恐縮ですが、先ほど御引用がありました環境建設委員会のときのお話についても、再開発事業を区役所が地元に持ち込んで、住民の方々を苦しめているような御発言がございましたので、そういうことはないんだ。まちの実況の中で住民の方々が自分たちの生活を再建するために、住民の人たちが自分の資産をキャピタルとして再開発事業の中に参加してきて、その人たちが主人公で進めているのであって、私ども区役所はそのサポートをしているだけですから、そこのところを誤解しているようなので、御訂正を申し上げただけでございました。

 常に我々としては主人公は区民なんです。このまちづくりの主人公は区民なんです。その区民の人たちが、私たちはこういうことを考えたいんだけれどもどうだろうかというお話があるから、私どもそこへ出かけていく。そういうことなわけですから、逆にその辺は十分御理解いただきながら、かつ、我々も委員が御研究になっているような不動産のさまざまな情報についてはあらゆるベースで知っておりますから、そういうことを工夫させていただきながらやらせていただきたいというふうに思っています。

○志村委員
 前半の吉田副区長の答弁を聞いていたら、ああ、いい方向に行くかと思ったら、結局は後のほうはこれまでどおり進めますということで、砂上の楼閣を追い求める、そういうのがありました。

 再開発の勉強会をする中で、こういうやり方、ああいうやり方、これだと時間がかかります、これだと自己負担になります、自己負担なくて早くできる、こういうのが再開発事業ではないですかという、そういう誘導している実態をやはり見なくてはいけないと思います。

 吉田副区長が最初に言っていたようなまちづくりをすれば黄金時代になるかもしれないけれども、今の話を聞いて、やはりこの黄金時代どころか、暗黒の時代に進んでいくというふうに思いました。建設費の高騰、そして、先ほどありました幾つかの要因による不動産の大暴落が起これば、中央区だけが高く売れるという状況もない。やはり専門家の人たちもそういう、先ほど湾岸部の指摘もありましたけれども、こういう中で保留床の売却、販売価格の引き下げなどのツケは結局は住民に回される。移転補償の引き下げとか、こういう権利書の価格の引き上げなどを通じて、結局は、いろいろ変更したとしても、住民のほうにツケを回されるという状況になってしまいます。

 こういう中で、結局多数の住民が再開発事業によって追い出されるということはこれまでも経験済みですし、これも必至です。成長戦略が破綻して、こういう不動産の価格崩壊が起これば、これまでの都市計画の手法が一挙に崩れるとともに、建てられた高層住宅でも空室が増加していくと思います。オリンピックをてこにつくろうとしている黄金時代は1964年東京大会の日本橋の上の高速道路のような、そういう負の遺産、これを中央区中に残すことになると思います。巨額の投資をしても、東京全体の経済を浮揚させる効果はなく、むしろ施設維持負担が重くのしかかる危険性が高いと言われている中で、黄金時代だと思ってこれまでのようなまちづくりを進めていけば、実はバブル景気がはじけるような暗黒時代に突入するだろうと思います。

 いま一度立ちどまって中央区のまちづくりのあり方を考え直すときが来ているのではないでしょうか。中央区に求められるまちづくりは、中央区の事業所の大半を占める小規模企業と、地域コミュニティを大勢にする地域産業振興、商業振興と区民生活が結合した人と環境に優しいまちづくりだと考えます。

 以上の意見を述べて私の質問を終わります。

テーマ:緑地と都市計画の規制緩和について《2015(H27)年3月11日 予算特別委員会》


○志村委員
 では、まちづくりについてお聞きします。

 中央区のまちづくりは地域貢献を口実にした容積率のアップなどの規制緩和が次々と行われておりますけれども、昨日の予算特別委員会の衛生費の款で吉田副区長が広い緑地を確保するためのまちづくりを考えるという内容の発言をしました。それはこれまでの地域貢献や環境貢献に基づく規制緩和と違う感じがしました。この環境貢献に基づく規制緩和については、2008年に容積率特例制度の活用等についてが出され、2013年12月に国土交通省の都市局都市計画課の低炭素まちづくり実践ハンドブック、ここでも再度指示されているところです。

 昨日のお話も聞いて、似ていると思ったのが川崎市の取り組みです。川崎市は低炭素都市づくり、都市の成長への誘導ガイドライン案を、先ごろパブリックコメントが終わったばかりですけれども、ここで容積率特例制度運用基準として新たな評価の視点及び評価方法というのを示しています。そこには、これまで緩和容積率を算出する際は、総合設計制度等に基づき創出される空地のみを評価して算出しているが、新たに低炭素都市づくりに資する取り組みとしての環境配慮、都市の成長に資する取り組みとしての都市機能・都市防災・都市空間の4項目を追加するということで、この4項目をそれぞれ評価を行って総合評価としてS、A、B、Cの4段階のクラスに分け、この容積率をそれに沿って乗っけて、Sクラスでは基準の1.6倍というところまで引き上げよう。さらには、都市再生特別地区については、この容積率アップの上限を設けないという、そういう驚くべき規制緩和の大サービスがこのガイドラインとして今、策定されようとしております。

 吉田副区長にお聞きしますけれども、昨日のお話で、環境配慮というのは既に行われている、そういう形での容積率アップというのは行われていると思うんですけれども、昨日、言及してきたのは、これまでと違うのかどうか。また、今、川崎市のこのガイドラインも紹介いたしましたけれども、このような内容を想定しているのか。さらには区が今、進めているこの容積率のアップなどは、このような、川崎市のような評価の仕方、総合的な中でこの容積率のアップというのを決めているのかどうかもお聞きしたいと思います。

 さらに区の職員で研究するようなお話もあったんですけれども、この市街地再開発事業などがこれまで進められてきたように、全国市街地再開発協会にこのような具体化については丸投げするのではないか。そうでなければ、区職員というのがどのような役割で参画するのかお聞かせいただきたいと思います。

 また、きのうの話を聞いていて、東京駅前の開発と日本橋川の周辺の開発をリンクさせる、そういう計画に使うのか。空中権トレードとカーボントレードを組み合わせるような、そういう使い方をするのかと思ったんですけれども、昨日、お話ししたような緑地を確保する、そういうことを区内で想定している開発というのはどの地域なのかお聞かせください。

○吉田副区長
 私が昨日発言したのは、まとまった緑地とかというものをどういうふうにこの都心中の都心で確保していくかという話を申し上げているので、大変恐縮ですが、私ども区のほうで容積緩和の権限は持っていません。都市計画については基本的で大変申しわけないですけれども、我々はそれも逆に悔しい話かもしれませんけれども、これは東京都の基準なり、国の基準なりで容積が緩和されているのであって、我々はその計画を持っていって、東京都の中で、ある意味でお認めいただいてどうのこうのするわけでございます。

 ただし、私どもとして、昨日、発言させていただきましたのは、実は決まりきった都市計画の手法の中で、実際のところ、単純に申し上げますと、タワー・イン・ザ・パークという手法なんですけれども、いわゆる周辺に帯状に空地をとって、その空地を評価して容積率を積み上げるようなやり方で、実はかなり地域にとって有効性が低い、交通環境を改善するということはできるんでしょうけれども、有効性が低い空地を続々と並べていくような開発というのがある。

 そういうものでいいのか。逆に言ったら、そういう切れ切れの緑地というのを1つにまとめて、少しまとまった空地をつくるようなことがうまくできないのかというようなことは我々として考えると言っているわけです。そういうことをどういうふうにしたら実現できるのかを考えようという。

 我々としては、この開発を通じて、まちづくりを通じて、やはり公園面積を少しでも減らすことがないように、そして、より広げていけるように、そういうふうにまちづくりは考えていきたいし、実際に子供たちが大声を出しながら遊び戯れるような空地を何とかつくり出したい、そういう思いを含めて検討させていただいているということです。

 それから、丸投げ云々の話がございましたけれども、大変恐縮でございますが、私どもの区役所としては、いわゆる調査の実務上の事務的な整理だとかそういった部分について調査機関を活用しております。それから、ある意味で、プレゼンテーションといいますか、絵をまとめるとかという部分については調査機関を使っておりますけれども、基本的な頭脳の部分につきましては、私どもの区としては、これは大変尊大に聞こえるかもしれませんが、日本で最初の事例のまちづくりに挑戦しておりますので、我々、アイデアの部分とか考え方の部分については、私どものほうがいろいろと考えて、常に考えて、そして、それを作図させたり何かしているわけでございまして、丸投げは今までもしたことがない。

 そういう意味で、日ごろそういう訓練を職員とさせていただいておりますから、私どもとしては、そういう中で緑地の確保とか何かの新しいまちづくりの仕様についても職員とともに考えたいというふうに申し上げている。

 それから、お尋ねの最後の、具体的な地域の想定があるのかということでございますけれども、この件については、今、地域の想定はございません。

○志村委員
 区に権限はないという中で、川崎市がこのようなガイドラインを今、つくっている背景がここに書かれているんです。地球温暖化対策として、低炭素都市づくりに係るガイドラインや法律が策定される。国土交通省成長戦略として、民間事業者の都市の成長に寄与する幅広い環境貢献の取り組みを評価して、容積率を大幅に緩和する方針が示される。

 つまり、今の流れ、安倍政権の成長戦略の中で、このような容積率を大幅に緩和するという方針が示されるというそのことを背景にしてガイドラインが今、川崎市ではつくられてきているわけですから、そういう建設業界とかまちづくりに詳しい吉田副区長はこのことを知らないはずはありません。そういうことで、私はこのような流れ、よその自治体にあるような流れが背景にあるというふうに思っています。

 やはり行政にとっては財政負担ゼロでも、事業者にとっては今後追加された容積率で土地代ゼロでどんどん建物を建てる。土地を購入したと同じような、そういう建物が建てられるという中で莫大な利益を苦労しないで手に入れることができる、今、そういう制度が規制緩和のもとで進められているというふうに思います。

 そのような大企業の利益追求のためのまちづくりを行政が手助けして進めているというふうに思っています。そういうようなまちづくりはやめるべきだと思います。

 あわせて、3月2日の環境建設委員会で吉田副区長は、我が党の奥村委員への答弁で、中央区のまちづくり、また、再開発にとって区道が邪魔であるかのような発言をしていました。まさに大企業やディベロッパーの立場に立った区道の改廃についての考えを示したものと思います。我が党がこの区道を区民共有の財産というのは、物理的な面とともに江戸時代からの文化遺産とも言える価値を感じるからです。昔からの人のなりわいが染み込んでいる。中央区は古地図を持って楽しめるまちではないかと思います。そんなまちはそう多くありません。

 私が10年ほど前、委員会で中央区は、まちじゅうに江戸からの歴史や文化を感じるところがあり、まちじゅうが博物館のようではないか、地域資源として大事にすべきという趣旨の提案もしました。それがまるごとミュージアムへとつながったのだと私は思っておりますけれども、私としては、まるごとミュージアムの中で江戸・明治の古地図を持って区内を歩くようなイベントをやれば、中央区の歴史の魅力を知ってもらう機会になるし、また、地域資源の活用にもなると思っております。

 区道を改廃するまちづくりは、大企業に奉仕するとともに中央区の歴史と文化を破壊するものだ。区民の立場から見れば、まち壊しそのものだということを指摘させていただきます。

 横浜市の大型マンション傾斜を発端に杭(くい)打ちデータ偽装が深刻化し、不安が広がるなか、国会は3日、衆参両院の国土交通委員会を開き、基礎くい工事問題等に関して閉会中審査を行いました。日本共産党の本村伸子衆院議員と辰巳孝太郎参院議員が、全容解明・実態把握を求めるとともに、建設業界における工事の監理体制や行政等の検査の強化、第三者によるチェック体制創設の必要性を訴えました。


 今年は耐震強度偽装(姉歯事件)問題から10年。本村氏は当時、マンションから退去を強いられた住民の「建設業界のモラルの低さに驚く」との言葉を重く受け止めるべきだと迫り、全容解明と実態の把握を求めました。石井啓一国交相は「コンクリートパイル建設技術協会の報告で約2800件以上の自主点検の結果、業界の実態を把握するという目的にあった情報を得られた。再発防止につなげていきたい」と実態把握は“十分”できたとの認識を示しました。

 本村氏は、業界任せの自主点検について「限界がある」との指摘があるとし、「業界全体への調査を実施すると新規工事がストップする」ため、国交省が「建設業界へ配慮」しているのではないのか、住民、利用者の安全を二の次にしていないかと詰め寄りました。

 辰巳氏は、横浜市のマンションのデータ偽装をした旭化成建材だけでなく業界最大手などで相次ぎ不正が起こったことは重大だと指摘すると同時に、「ずさんな工事施工に対しては元請けの責任は免れない」と強調しました。

 一定以上の建築物の工事をする場合、建築士である工事監理者は、設計通りの施工が実施されているかを確認する義務があります。辰巳氏は、当該マンションで工事監理者は誰が務めたかを質問。国交省は「(元請けの)三井住友建設の3名の建築士で、設計者も同じ」としました。

 辰巳氏は、工事監理業務の適正化と第三者性の実効性確保が必要だと強調し、「チェック機能が働かない構造的問題を放置してきたのではないか」と追及しました。

 本村、辰巳の両氏はそれぞれ最後に、元請けも含めた参考人招致をして審議することを求めました。


「しんぶん赤旗」2015年12月4日(金)より

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