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テーマ:都市再生について
《2012(H24)年10月15日 決算特別委員会》
○志村委員
次は基本計画2008、このサブタイトルは「『生涯躍動へ 都心再生―個性がいきる ひととまち』の実現」と書かれております。その都心再生、アーバンルネッサンスについて、話を進めたいと思います。
この都市再生の主な流れは、次のようにまとめられると思います。1980年代初頭の中曽根政権のとき、景気の低迷や国際貿易摩擦解消を求めるアメリカなど諸外国の圧力を社会的背景にして、アーバンルネッサンスの名のもとに、一連の都市改造政策が始まりました。都市計画行政の分野では、規制緩和と民間活力の導入を目標としてゾーニングの緩和などの都市計画建築規制の緩和、国有地の民間への払い下げ、都市再開発への公的資金の集中という、いわゆる3本柱の政策が打ち出されました。そのため、大量の民間資金が都市開発や建設分野に流れ込み、1980年ごろからバブル経済を引き起こしました。1988年には大規模土地利用転換に対応した制度として再開発地区計画制度が創設され、都市改造を大きく進めました。
バブルが破綻した後の1990年代にも、都心居住、都市再生をキーワードとしてのさらなの規制緩和が進められ、都心部における超高層住宅建設ラッシュが起こり、1990年代後半からは、中央区のみならず都心人口の回復、住宅供給量の都心回帰が起こっています。2001年には首相官邸本部に都市再生本部が設置され、2002年には時限立法である都心再生特別措置法が制定され、都市再生に法的な根拠が与えられ、都市再生本部は2007年に地域再生本部等とあわせて、地域活性化本部に統合されました。
一方で、この都市再生を実現させる手段として、総合設計制度、特定街区制度、高度利用地区制度、緩和型地区計画制度など、さまざまなインセンティブ手法がとられてきました。総合設計制度では、事業計画が一定の条件を満たした場合、条件に応じて一般的規制値を超える建ぺい率や容積率、高さが許可されるというものです。
緩和型地区計画制度としては、用途別容積型、再開発等促進区、街並み誘導型などがありますが、2002年に創設された再開発等促進区は、公共施設の整備とあわせて、容積率、高さ制限などの一般規制を緩和するものです。また、2000年の都市計画法、建築基準法の大改悪により実現した特例容積率適用区域制度は、規制市街地における容積率移転を可能にする制度で、大都市で高度利用を進める規制緩和策でした。2002年に制定された都市再生特別措置法において、都市再生緊急整備地域が指定されました。中央区のほとんどの地域が対象となっていますが、ここでは地域整備方針を定めることにより都市計画の規制を大きく緩和した都市計画決定や、開発業者による都市計画の提案を可能とするものになっています。
そこでお聞きしますけれども、この都市再生の流れについて、このような認識でいいのでしょうか。訂正や補足があれば、簡単にお願いします。
○岸田都市整備部長
都市再生の流れについてということでございます。委員お話しの流れの中で、大きな流れとしましてはそれほど認識が違う部分はないのかなと思いますが、例えば総合設計制度でございますとか特定街区制度でございますとか、これは委員おっしゃる中曽根民活時代より後にできたものではなくて、昭和30年代からあるような制度でございまして、一部、そうした制度面では御認識が違うのかなと。
また、再開発地区計画に加えて再開発等促進区といった制度があるような御説明でございましたけれども、こちらは制度が変わったものでございまして、特に新しく制度化がされたものではございません。また、特例容積率適用地区の話がございました。こちらにつきましては、改悪だという御指摘がございましたが、中央区では活用されておりません。
以上、事実関係を申し述べさせていただきます。
○志村委員
補足ありがとうございました。このような中で、中央区でも大規模再開発事業が次々と進められています。そこには、住民の顔が見えません。あるのは、制度改悪による規制緩和と、中央区の支援のもとで大手ゼネコンやディベロッパーたちが我が物顔で利益をむさぼっている姿です。
建設政策研究所によると、上位ゼネコン27社の2009年度の内部留保、つまり貯金は、2兆7,857億4,300万円です。トップクラスに位置する清水建設の内部留保は、2,798億円。同じく中央区に本社がある松井建設、これも219億円の内部留保、こういうことをしているということです。このアーバンルネッサンス、都市再生の路線というものが、今の現状を見ても景気回復にはつながらない。そして、ゼネコンの懐を潤す、こういう結果になっているのも、この内部留保を見ればわかるかなと思います。
なお、2002年に制定された土壌汚染対策法。これは、有害物質使用特定施設でも住宅や事務所などの開発を可能にするためにつくられたものだと認識しています。これによって豊洲の東京ガス跡地も開発できるようになったわけですけれども、この土壌汚染対策法でも、食べ物を扱う市場などの施設は想定外だった。想定外であるというのは当然のことだと思います。ですから、東京ガス自身が、あの東京ガス跡地に市場を建てるというそのときに猛烈に拒否した、反対したというのも、やはりこういう背景があった、そのように理解しております。
中央区は、このような都市再生の流れに乗りながら、大規模開発事業に対して地域コミュニティを支える施設の整備とか福祉や防災に配慮した、こういうことを理由に、容積率をアップするなどの過大なサービスをしています。こういう地域貢献という形で、よくやってくれるからというボーナスのようですけれども、これは例えれば、ボランティアをすれば多額の報酬が得られるというようなものに、私には見えてしまいます。
これまでも指摘しておりますけれども、区民の財産である区道を改廃したり、区道をまたいだ複数の街区を1つの街区にしてしまうという、この街区という概念を壊すトリックのような手法、これをもって開発事業者にサービスをしてきました。
この街区という言葉を広辞苑で引くと、街路に囲まれた一区画、ブロックと書かれております。街路というのは、これも引くと、市街の道路というものです。この道路で囲まれた、その一区画を街路という。しかし、条例で区道として定められているものを、ディベロッパーとか一企業のために条例まで変えて、街路に囲まれた一区画としての街区の概念を大きく逸脱したサービス、それをしているんですから、あいた口が塞がりません。
法という言葉も調べてみました。広辞苑によると、物事の普遍的なあり方、しきたりになったもの、社会秩序維持のための規範などと記されています。しかし、都市計画における法は、この普遍的なあり方やしきたりを覆すもので、庶民常識とはかけ離れています。法を変えれば何でもできるというような社会秩序を乱すものになっているのではないかと思います。大人の世界でこのような御都合主義が通じることを知ったら、子共たちはどのように大人たちを見るのか、心配です。
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