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「輸出大企業は消費税の還付を受けていると聞くが、どういう制度なのか」という質問をいただきました。 事業者が輸出を行った場合、仕入れ段階で支払った消費税を還付する制度があります。これは俗に「輸出戻し税」とよばれています。 付加価値税など消費税と同様の税を導入している国は、日本以外にもあります。消費税を「輸出品に課税しない」ことが国際的なルールです。輸出品に課税しないのは、海外の消費者から消費税をとることはできないというのが理由です。 輸出に消費税を課さない場合、輸出業者は仕入れの際に払った消費税分が「損」になってしまいます。その分を税務署が輸出業者に還付する仕組みになっています。「輸出戻し税」の還付は、大企業に限らず、輸出を行うすべての業者が受けることができます。 仕入れ税額控除 法律上、消費税を「負担する」ことになっているのは消費者です。一方、実際に税務署に「納める」のは事業者です。生産、流通、販売などの各段階の事業者が税務署に納める税額相当分を確保するのが「仕入れ税額控除」です。これは「販売時に受け取ったとされる消費税」から「仕入れにかかった消費税」を差し引いた額を納税する仕組みです。 図1は、メーカー(製造業者)が5万円で出荷し、卸売り、小売りを経て10万円となった商品を消費者が購入すると想定した取引を示しています。 商品用の原材料製造業者がメーカーに2万円の原材料を、2万円の5%、1000円の消費税を上乗せして2万1000円で売ります。原材料製造業者は受け取った消費税1000円(A)を納付します。 メーカーは2万円で仕入れた原材料を加工して5万円で卸売業者に出荷します。その際5万円の5%、2500円の消費税を上乗せして売ります。メーカーが納める消費税額は、卸売業者から受け取る2500円から仕入れ時に負担した1000円を差し引いた1500円(B)です。 卸売業者は5万円で仕入れた商品を7万円で小売業者に売ります。そのとき7万円の5%、3500円を上乗せして売ります。卸売業者が納付する消費税額は、3500円から2500円を差し引いた1000円(C)です。 小売業者は7万円で仕入れた商品を10万円で売るとき、5%、5000円を上乗せして消費者に売ります。小売業者の消費税納税額は、消費者から受け取る5000円から仕入れ時に負担した消費税3500円を差し引いた1500円(D)です。 消費者はこの商品の購入時に5000円の消費税を負担します。 この取引に関わった事業者(原材料製造業者、メーカー、卸売業者、小売業者)が各段階で納めた消費税額の合計(A+B+C+D)5000円は、消費者が負担した5000円の消費税でまかなわれているという考え方です。国税庁はこの仕組みをもって「消費税による事業者の負担は生じない」としています。 輸出の場合、海外の消費者からは消費税をとらないルールなので、事業者は10万円しか受け取ることができません。しかし仕入れ段階で3500円の消費税を卸売業者に払っているのでその分が損になってしまいます。この「3500円」分を還付するのが「輸出戻し税」です(図2)。 身銭切る下請け 一部の大企業は取引の実態として、中小企業や下請けに対して納品の際に「消費税分を安くしろ」などと単価を買いたたく場合があります。国内販売が中心であれば、下請けに払わなかった消費税分も販売価格に転嫁され、その分を懐に入れることができます。輸出大企業の場合は、下請けに「払わなかった」消費税分まで税務署から還付されます。問題は、消費税の還付制度そのものにあるのではなく、大企業が下請けに消費税分を押し付けていることにあります。 大企業が下請けに消費税分を押し付けている場合、この「輸出戻し税」は下請けが身銭を切って負担した税金です。大企業が消費税を下請けにきちんと払うようにさせ、下請けの負担をなくすことが重要です。 「しんぶん赤旗」2013年10月23日(水)より
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税金
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総務省は18日、2013年の政党助成金(年総額約318億円)の第3回分として、計79億8755万円を自民、民主、日本維新の会、公明、みんな、生活、社民、新党改革の8党に支給しました。7月の参院選で改選議員全員が落選し政党要件を失ったみどりの風にも、助成金額が月割りで計算される「特定交付金」1156万円が支給されました。 国民の税金を原資とする政党助成金は、国に受け取りを申請した政党に対し年4回に分けて支給されます。3回目の支給額は、参院選の議席・得票結果を受けて9月に変更された各党の年間配分額から、既に年内に受け取った1、2回分の政党助成金を差し引いた半額です。 日本共産党は、政党助成金は支持してもいない政党に強制的に献金させられるもので、憲法に保障された国民の思想・信条の自由を侵すものだと批判。一貫して受け取りを拒否し、政党助成金の撤廃を主張しています。 「しんぶん赤旗」2013年10月19日(土)より
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読者から「大企業は消費税を負担していないといいますが、納税していないのですか」という質問をいただきました。 大企業は税務署に消費税分を納税しています。しかし負担はしていません。大企業は、価格支配力があるので、消費税をすべて消費者に転嫁することができるからです。 負担は誰が 消費税の場合、「払うこと」と「納めること」、「負担すること」は違います。消費者は買い物のたびに「消費税分」を含んだ価格を支払っています。もちろん大企業も仕入れの際には「消費税分」を支払う形になっています。 一方、消費者は消費税を税務署に「納める」わけではありません。消費税の納税義務者は事業者と定められているからです。課税売上額が年間1000万円超の事業者であれば、販売で受け取ったとされる消費税から仕入れにかかった消費税を引いた額を税務署に「納めて」(仕入れ税額控除)います。 問題は消費税を「負担」しているかどうかです。財務省の説明によると消費税の「税金分は事業者が販売する商品やサービスの価格に含まれて、次々と転嫁され、最終的に商品を消費し又はサービスの提供を受ける消費者が負担する」「事業者に負担を求めるものではありません」となっています。つまり消費者だけが負担する税金という建前になっているのです。 割引と競争 販売価格に消費税分を転嫁できる大企業と違い、中小規模企業や下請け業者の場合は、取引先との力関係によっては「消費税分の割引」を求められることがあります。小規模な小売業者であれば、スーパーなど大規模店舗との競争上、消費税分を値下げして販売せざるを得ないこともあります。 販売の際に消費税分を受け取ることができなかったからといって、税務署に消費税を納めなくてよくなるわけではありません。結局、業者が本来受け取るべき「もうけ」(適正利潤)から消費税を納めることになります。 中小企業4団体(日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会)の調査では、消費税が引き上げられた場合、販売価格に転嫁できるかとの問いに、売上高1000万〜1500万円の企業では71%が「転嫁できない」と回答。1億〜2億円という比較的大きな規模でも半数が「転嫁できない」です。 また、消費税が8%になった場合の年間負担額は平均24万8953円(年収685万円)です。とりわけ年収200万〜250万円の世帯では年収の7・6%(17万940円)、250万〜300万円の世帯で5・6%(15万4245円)となるなど低所得者層ほど重くなるのです。 消費税増税は事実上、大企業にとっては痛くもかゆくもない一方で、消費者と中小業者には耐え難い負担を押し付けるものとなります。 「しんぶん赤旗」2013年10月17日(木)より
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「消費税増税には反対だが、財源はどうしたらいいのか」という問題を考えます。 |
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「世界も注目」「“歴史的”会見」―テレビ各局は、安倍晋三首相が来年4月から消費税を8%に引き上げると表明した1日の記者会見を大々的に報じ、その後の生出演を含めて、まさに“安倍演説”を垂れ流しました。消費税増税法を強力に後押ししてきた全国紙も翌日の社説で、首相への“支援”を表明。巨大メディアがあげて増税を支援する異常ぶりです。権力の監視というジャーナリズムの使命はどこにいったのか―。 消費税を8%に上げると宣言した1日、安倍首相のテレビ対応は二段構えでした。 まず夕方6時に増税表明の記者会見を設定。NHKと民放全局がいっせいに生中継し、「“歴史的”会見」(日本テレビ)と銘打って、増税をアピールする首相の姿がテレビを占拠しました。 これに先立つ時間帯には、各局ともニュース・情報番組が並んでいます。これらの番組で、記者会見への前宣伝が仕掛けられていったのも見逃せません。 「消費税増税について世界も注目」(日本テレビ)、「総理は重要な政策は、自ら説明する形をとってきた」(TBS)と持ち上げ、フジテレビは「ついに決断!」と特集を組みました。 安倍政権の二つ目の策は、夜のニュースへの満遍ない対応です。NHKの「ニュースウオッチ9」に続いて、10時からはBS日テレ「深層NEWS」に生出演。11時台のTBS「NEWS23」とテレビ東京「WBS」には収録した単独インタビューで応じ、日本テレビ「ニュースゼロ」はBS日テレ分を借用して放送しました。 いずれも番組の基調は、申し合わせたように「首相の決断と、5兆円の経済対策」。そこには消費税増税への批判的検証はありません。首相は、復興特別法人税減税で企業に活力が戻れば賃金が上がる、法人対個人という考え方はナンセンス(ばかげている)、と繰り返しました。 来年4月から消費税増税をすることについては依然、国民の多くが反対・慎重の態度です。各局の番組が伝えた街の声は、増税の負担がのしかかることへの「不安」「やっていかれない」という切実なものがほとんど。とくに被災地からは「生活必需品もいる。消費税増税は絶対に反対」(宮城県石巻市)と強い叫びが届きました。この声に立った報道がなぜできないのか。 国民の気持ちに耳を傾けず、政権にコントロールされ、増税を後押しする大手メディアの異様さが際立っています。 ゴルフ・会食 密接会合いまも 異常な消費税増税垂れ流し報道の裏で、巨大メディア幹部と安倍首相の密接な会合が続いています。(表参照) 参院選が終わるやいなや、7月22日には、「朝日」の木村伊量(ただかず)社長や日本テレビの大久保好男社長らが首相と会食。首相の夏休み中には、日枝久フジテレビ会長や杉田亮毅前日経新聞会長らが首相とゴルフを楽しみ、その後に会食しています。 消費税増税法の旗振り役だった「読売」も渡辺恒雄会長が、国際オリンピック委員会(IOC)総会から帰国した首相と会食しています。会食はいずれも2時間から3時間をかけており、高額な料金で知られている高級店ばかりです。 こうした会合を続けているトップに、消費税増税に悲鳴をあげる庶民の痛みや不安、怒りがわかるのか―。首相の消費税増税表明の翌2日、全国紙は国民への負担増を解説する記事を載せたものもありましたが、社説ではこぞって支持。「日経」「産経」は1面で礼賛論評も載せました。「読売」や「朝日」も、「受け止める」「やむを得ない」などとしました。 全国紙には、参院選の結果を踏まえた国会での審議も抜きに首相が消費税増税を「決断」したことへの批判も皆無で、権力監視の役割は消し去られたかにみえます。 「しんぶん赤旗」2013年10月5日(土)より
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