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テーマ:教育委員会の制度改悪について 《2014(H26)年3月17日 予算特別委員会》


○志村委員
 まず最初に、教育委員会の制度改悪について質問します。

 3月12日、自民党と公明党の与党で教育委員会改革案をまとめました。この案によると、大きく変わるのが首長の権限です。これまで教育委員会が決めていた教育の方向性が首長の権限のもとに移され、教育行政の基本的方針となる大綱は、首長が主宰する総合教育会議で教育委員会と協議して首長が策定するようになるといいます。重大なことは、大綱に首長が何でも盛り込めることで、教科書採択や個別の教職員人事など、教育委員会の専権事項としていることも、大綱や方針に縛られて、首長の支配・介入が強まることになります。現在、教育委員長は教育委員の互選、教育長は教育委員会の任命ですが、教育委員長と教育長を統合した新教育長を設け、首長が直接任命することも大き な変化で、教育委員会が存在しても、首長の支配が強まることになります。新教育長の任期も3年で、現行の4年より短くし、首長の任期中に必ず任命できるようになります。

 そこでお聞きしますけれども、教育委員会が存在するとしても、首長が任命して教育長の権限を強化し、首長と教育長を軸とした教育行政は、教育委員会を最高決定機関から、諮問機関どころか、首長の附属機関にしてしまうのではないかと思いますけれども、その点の認識はいかがでしょうか。

○有賀教育委員会庶務課長
 今、委員からありましたとおり、今回3月に政府与党の新しい案が出されたわけでございますけれども、その中では、今、委員からいろいろ御説明があった件について、制度を修正するという形になっております。ただ、委員からは、執行機関として残すけれども、実際は附属機関化するのではないかといったお話もございましたが、私たちとしましては、そのようには考えておりませんで、あくまで執行機関として合議制の教育委員会が残って、その中で必要なことについては議論させていただくということ。それから、教職員人事とか教科書採択あるいは教育課程などについても、教育委員会の専管事項として残るという形で今回報道がされております。これから国会で審議されるわけですので、またその経緯を見守らなくてはいけませんけれども、現在そういう方向で、教育委員会の権限がこれまでよりも弱まるといった中央教育審議会の答申に対しての修正がここでかけられているということなので、教育委員会としては、これまでの執行機関としての実際の中身、それと各教育委員の考えがそこに反映していけるといった形になっていて、制度として、非常にいいのではないかと考えているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 教育委員会が執行機関なのですけれども、行政から独立した執行機関ではなくなるわけです。教育長と教育委員長が一つになって、それを首長が、中央区で言えば区長が任命すると。ですから、区長のかわりに教育委員会の責任者、長がつくということですから、執行機関は変わらないのです。しかし、中心に座るのが首長の意向を受けた、そういう人物になる。諮問機関だったら、首長が諮問しますと、それによって座長なり会長はいろいろな方がやる。しかし、こういう今の流れでは、執行機関には変わりないのだけれども、中身的には首長の影響が強まると私は思います。こういう性格上、例えば首長が交代することとか、政治情勢が変化することによって、教育が不安定になるのではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

○有賀教育委員会庶務課長
 確かに、今回、教育長は首長が直接選べるわけでございますけれども、これまでは、教育委員を任命するという形で、その中でまた互選という形でございました。いずれにしろ、最終的には、教育委員の任命も首長の権限として、首長が教育委員を任命してきたという経緯がございますので、多少制度設計に変化はあるかと思いますが、ただ、これは、これまで問題になってきていました責任の所在といったものが不明確で、いろいろといじめ問題等について問題があったということの中で、制度設計が新たにされたということで、特にそれによって教育委員会そのものがこれまでよりも後退していくような形になっているということではないと思います。

 また、教育委員については、これまでどおり4年という任期でございます。その中で連続性は保たれていくと認識しております。

 以上です。

○志村委員
 質問に答えていないので、首長さんが任命した人にかわると、不安定になるのではないですか。例えば右から左にかわる場合もあるでしょうし、政治情勢も変わるかもしれない。そういうときに教育が不安定になるのではないかという、その点の認識をお聞きしたいのです。

 それから、教育委員会のいろいろな責任のいじめ問題等があった。その責任の所在が不明確というのは、教育委員会自身の存在が軽視されてきたからです。もっともっと行政から離れた教育委員会自身のしっかりした独立性、自律性といいますか、そういうものが確固としていれば、それは解決する問題でもあったと私は思いますけれども、その点は見解が違ってもいいので、私は教育が不安定になるのではないかという危惧を持つのですけれども、その点はいかがですか。

○新治教育委員会事務局次長
 この教育委員会の改革でどのようになるかということですが、これは、私どもは、今案で示されているものの中では、教育に関しての総合的な会議が持たれる。そこは、首長さんが主宰者ではあるものの、教育委員会も入っていくし、学識経験者等も入って議論をできるという場、それは大綱的な方針を固めていくという場でございます。それに沿って、今度は教育委員会がその権限と責任において具体的な教育施策を組み立てていく。これは現在と変わりないと思っております。現行の地方自治制度におきましても、自治体の長については、その地方公共団体を代表・統括する権限があり、まとめ上げられる。具体的に言えば、教育予算の策定権は首長がお持ちですし、また条例案の提出権も首長がお持ちになっている。これについていえば、教育委員会もそういう意味では、その自治体の長のもとにいるわけでございます。現行制度と余り大きく乖離していないということからしますと、私どもはこの教育の安定性は確保できるものと考えているところでございます。

○志村委員
 新教育長の任期は3年なのです。だから、首長が4年間の任期の中で、途中でかえることができるということもあります。私は、いろいろな政治情勢とか首長の交代などで教育が不安定になると。これは、将来の世代に対する教育という重みでありますから、そういう責任という観点が政治情勢で不安定になるというのは、問題が生まれると思っています。

 今回の、首長に権限を集中させる、大きくするというやり方が、地方のところで既成事実を積み上げていくということによって、こういう政策に承認を与えていくという手法をとっています。この大綱を首長が決めるという仕組みというのは、橋下徹大阪市長がつくった教育基本条例と似ているのです。大阪市ではもう既に実践して、御存じでしょうけれども、市長が教育委員会と協議して基本計画を策定し、学力テストの結果公表など、市長の考え方が教育行政に押しつけられて、競争主義や管理・統制が今強められています。これを全国に広げて、首長による際限のない支配・介入に道を開こうとしています。今、教育委員会事務局次長などもいろいろおっしゃっていますけれども、大阪市を見れば、その実例があると思います。ですから、この教育委員会の制度の改革によって、大阪市のように、区長の意向が反映するという教育行政には中央区はならないと断定できるのかどうかもお聞かせください。

○新治教育委員会事務局次長
 他自治体のお話については私どもが云々する立場ではないとは思いますが、私どもの教育委員会の今の運営の中身を見ますと、教育委員につきましては、識見高く、活発に活動していただいている方たちばかりでございます。その方たちは、たとえ新制度に移っても、その志高く、意欲を持って活動していただけると思っております。したがいまして、制度改革の後、さまざまな教育の会議においても、首長と堂々と教育に関しての議論をしながら、教育委員として言うべきことをきちんと言っていただける、そのような運営がされるのではないかと思っているところでございます。

○志村委員
 今、国で進めようとしているモデルが大阪市だということで、単純な他自治体の問題でないということを指摘させていただきます。

 それから、中央区の教育委員会の皆さんは、本当にすばらしい人たちだと思います。傍聴しても、また会議録を拝見しても、非常に教育のこと、子供たちのこと、そういうことを真摯に議論もされているということでは、私も教育委員会事務局次長がおっしゃったように思います。ただ、その教育委員の方たちにも任期はあるし、さらに新しい教育長を3年ごとに任命もできるという中で、今の教育委員会のよさがこういう形で崩されていく。大阪市のようになっていくのではないかという危惧をどうしても持ってしまいます。

 本来、教育実践や教育行政は、私から言うのもなんなのですけれども、行政と離れて、教育という専門的な性質、それに即してあり方が決められるべきものだと考えます。今回、この政治主導という名のもとで進められている教育委員会制度改革というのは、今ありましたように、今、一生懸命教育委員の皆さんがやっている、それからずっとこれまでやってきた、そういう専門性とか経験の蓄積を考慮しないで、これからそのときどきの政治的な判断で教育方針を決めようという、決められるという、そういう教育と教育行政の政治化とも言えるようなものだと私は思います。ですから、この全体の仕組みを見ると、国がそういう形で進めているという中で、国家による価値の統制と、政治的代表、首長への白紙委任的な、そういう集積かとも思えるという内容を添えさせていただきます。

 今回の教育委員会制度の改悪をさかのぼれば、第一次安倍政権のもとでの教育基本法の改悪になります。第一次安倍政権のときに、教育基本法を変えました。例えば、いわゆる改正といいますけれども、改正前の教育基本法は、第10条で、教育行政について、教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものであるというのが1項にあります。改正後は第16条に教育行政がありまして、教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならないということです。つまり、改正前の教育基本法は、国とか首長とか、政治的な支配に服することなく、本当に教育を直接責任を持ってやるというものだったのが、この安倍政権の中で、国とか地方公共団体の相互の協力の下でやるということに180度変えられてしまいました。

 お聞きしますけれども、改正後の第16条、教育行政についてですけれども、国家権力による教育内容への無制限の介入に道を開くことになると思います。憲法の第13条、すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする、また第19条、思想及び良心の自由は、これを侵してはならない、第23条、学問の自由は、これを保障する、第26条、すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する、このような憲法の諸条項が保障した教育の自由や自主性と、この改正後の教育行政の第16条は矛盾するのではないかと思いますけれども、見解をお聞かせください。

○新治教育委員会事務局次長
 平成18年に教育基本法が60年ぶりに改正されました。それに該当しますところは、昭和22年に制定されて以来、60年間の社会の変化を踏まえながら、新しい教育体制に必要なものを整備していくという観点から改正されたものと思っております。委員御指摘の法条項以外にも、例えば生涯学習教育の条項とか、それから家庭教育の重要さ、これを新たに規定しているところでございます。委員が御指摘されました教育行政に関しましては、確かに第16条のところに規定されまして、国は基本的制度の枠組みや全国的な基準の設定などを行い、また地方はそれぞれの地域の実情に応じて実際の教育を行っていくという趣旨のもとでの第16条の制定と私どもは理解しているところでございます。国においての学校教育の関与のお話もございましたが、例えば学習指導要領については、国が学校教育法等に基づきまして、その法律の委任を受けて文部科学大臣が告示で定めているところでございますが、この法的拘束等々について争われた判例におきましても、国における教育への関与は一定の範囲の中で認められるという最高裁判例も確定している中では、私どもとしましては、国におけるある程度の方針の決め、これは必要なもの。さらに、そのナショナルミニマムの上での各地域で積み上げる、地域ならではの教育の足し上げというものは、今、国及び地方のそれぞれの教育行政が担う役割と私は理解しているところでございます。

○志村委員
 結局この法律なりの解釈の仕方が違うとは思うのですけれども、今、教育委員会事務局次長がおっしゃった判決は、1976年の最高裁の大法廷での判決だと思うのです。ここでは、国家権力による教育内容の介入は、できるだけ抑制的でなければならないと、このように判決しているのです。今はそれを、ある程度国家権力なりが介入できるのだというふうに今言われましたけれども、この教育委員会制度の改定というものは、国を挙げて進めているということは、この最高裁大法廷の判決、今、教育委員会事務局次長が言ったような内容よりも、この国家の権力を抑制させると、そこに重みがあると私は思います。これこそが、さっき読みましたけれども、憲法第13条と第26条から直接に大法廷で導き出しているわけなんです。これは、国会の議論の中でも、政府もこの論理を認めざるを得なかったということを述べさせていただきます。

 教育の目的というのが教育基本法で改悪された跡があります。この教育の目的について、本会議での我が党の小栗議員の一般質問に対して、教育長の答弁ですけれども、こういう答弁でした。義務教育は、教育基本法第5条に定められたとおり、各個人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を培い、また国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として実施されるものと認識しておりますということで、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質とは具体的にどういうことを指すのか、お聞かせいただきたいと思うのです。国家及び社会の形成者ということについては、改正前の教育基本法では、この前に、平和的なという形容詞がつけられているのです。平和的な国家及び社会の形成者としてというのがあったのですけれども、第一次安倍内閣のもとでこの平和的というのが削除されてしまったわけです。そういうことで、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことという、この基本的な資質というのはどういうことを指しているのか、お聞かせください。

○新治教育委員会事務局次長
 第5条のお話が出ておりました。その前提といたしまして、教育基本法の第1条の教育の目的、こちらが一番の根幹の部分かなと思っております。これは、教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えたということで、そういう国民を育成していく。これを期して行うのが教育の目的だということでございますので、まずはそこの部分が根幹と捉えているところでございます。

○志村委員
 大事なところを確認させていただきました。

 中央教育審議会(文科相の諮問機関)が、国家が道徳を押し付ける道徳「教科化」の答申を出そうとしています。いじめ問題の解決を理由にしていますが、どうなのか。

 安倍首相は、いじめ対策に「規範意識を教えることが重要だ」と繰り返し発言しています。「教科化」を提起した教育再生実行会議も、大津市の男子中学生いじめ自殺事件(2011年)をあげました。

「競争主義」

 同事件が起きた中学校は文部科学省指定の「道徳教育実践研究事業」推進校で、「いじめのない学校づくり」を掲げていました。大津市の第三者委員会の報告書は、「道徳教育や命の教育の限界」をあげ、「学校間格差、受験競争の中で子どもたちもストレスを受けている」と述べ、競争主義が社会的背景にあると指摘。「学校の現場で教員が一丸となったさまざまな創造的な実践こそが必要なのではないか」と強調しました。

 日本共産党の宮本岳志衆院議員が昨年6月、いじめ事件で道徳教育が不十分だったと下村博文文科相が述べていることを取り上げ、「規範意識を指導せよと国から命じられても、子どもにも親の心にも響かないと言わざるをえない」とただしました。下村氏は「道徳教育が不十分であったがゆえに、あのような痛ましい事件が起こったとは言っていない」と表明。道徳教育だけでいじめを防げないということを否定できませんでした。

 子どもたちが市民道徳を身につけることは重要です。しかし、その内容を国家が決めて押し付けることは、憲法に照らしても許されないことです。

内心の自由

 しかし、答申案は、道徳を「特別の教科」として強制する体制を敷き、検定教科書を使用させ、評価を行う内容です。評価にあたっては、作文やノート、発言や行動の観察、面接などで資料を収集し、考え方から行動に至るまで全面的な評価を行うよう求めています。これでは「内心の自由」を踏みにじり、国家が個人の発言や行動まで強制することになりかねません。

 答申案は、「特定の価値観を押し付けたり、主体性を持たず言われるままに行動するよう指導したりすることは、目指す方向の対極にあるもの」と言い訳していますが、「道徳の教科化」の中身とは矛盾するものです。


「しんぶん赤旗」2014年10月10日(金)より

 日本共産党の小池晃副委員長(政策委員長)が7日の記者会見で発表した政策「学生が安心して使える奨学金に――奨学金返済への不安と負担を軽減するために」は次の通りです。


“奨学金という借金”が若者の未来を押しつぶす

 「奨学金返済に行きづまり自己破産」「夫婦で奨学金を返済中。子どもをあきらめた」など、ほんらい若者の夢と希望を後押しすべき奨学金が、若者の人生を狂わせるという、正反対の“結果”をもたらす、かつては考えられなかった事態が起きています。

 いま奨学金を借りると、平均的なケースで300万円(月5万円を4年間、入学時50万円など)、多い場合には1000万円(大学院進学の場合など)もの借金を背負って社会人としてのスタートを切ることになります。その一方で、非正規雇用の増大などで卒業後の雇用・収入は不安定になっており、大学・短大などを卒業した30〜50代の3分の1以上が年収300万円以下の賃金(総務省就業構造基本調査)で働いています。こうしたもとで奨学金を借りた既卒者の8人に1人が滞納や返済猶予になっています。奨学金の返済は、期日から1日でも遅れると5%の「延滞金利息」が上乗せされ(2013年度までは10%)、滞納が3カ月以上続けば、金融の「ブラックリスト」に載せられます。

 これは学生生活にも深刻な影響を及ぼしています。「多額の借金」を恐れて奨学金を「借りたくてもがまんする」学生も増えています。「高校の時に奨学金を借りたから、大学に入ったら奨学金は借りられない。毎日深夜までバイトする」など、さらにバイトに追われる学生生活になってしまいます。ブラック企業のような違法・無法な働かせ方を押しつける「ブラックバイト」から学生が抜け出せない一因もここにあります。

奨学金の本来の役割にふさわしい改革を

 日本の大学教育にとって奨学金の役割はますます重要になっています。奨学金は、1998年から2014年の間に、貸与額で4・9倍、貸与人員で3・7倍に急速に拡大し、いまや学生の2人に1人が奨学金を借りています。この間、勤労者の所得は平均年収で60万円も減り、親からの仕送りも平均で月額10万円から7万円に減りました(下宿生=大学生協連調査)。その一方で大学の学費は上がり続け、初年度納入金は、国立で83万円、私立は文系約115万円、理系約150万円にもなり、教育費負担は重く国民生活にのしかかっています。こうして大学進学のためには奨学金に頼らざるを得ない若者が増え続けたのです。

 ところが政府は、この奨学金依存度の高まり、奨学金への期待の高まりに、まともに応えず、もっぱら有利子奨学金の拡大という“奨学金の教育ローン化”で対応してきました。1984年に「無利子奨学金の補完措置」として導入された有利子奨学金は、当初、貸与額の5%だったものが2014年には75%と、「補完」どころか「主流」になってしまいました。

 文部科学省が設置した「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」も「貸与型奨学金の返還の不安を軽減していくことが重要」「(非正規雇用の拡大などは)卒業生の経済的状況にも影響を及ぼしており、奨学金制度もこのような変化を受け止められるように、進化していく必要がある」という報告書を出しています(2014年8月29日)。

 日本共産党は、奨学金返済への不安と負担を軽減し、教育の機会均等を保障するにふさわしい奨学金制度に改革していくために、以下の提案を行います。

1 学生の有利子奨学金を無利子に

 新規に貸与する奨学金を無利子にするとともに、在学中の学生の有利子奨学金を無利子奨学金へと「借り換える」制度をつくり、国が利子補給を行って全員に無利子化を実現します。これに必要な予算は年間1000億円程度です。

 奨学金というなら利子はとらない、これが国の教育行政の最低限の責任ではないでしょうか。文部科学省も“奨学金は無利子が根幹”としてきました。借金返済の負担軽減の第一歩は、本来の姿に戻して負担を減らすことです。

 有利子奨学金は、最大で年利3%の利子負担が生じます。その場合、貸与額300万円であれば85万円、1000万円であれば360万円もの利子負担になります。

 奨学金は、金融商品である「教育ローン」であってはなりません。「教育ローン」の対象は親であり、金融機関は借入者である親の所得や資産を査定して融資を決定します。所得も資産もない学生を何百万円もの借金を負わせて利子を取り立てる「ローン」の対象にすること自体が間違っています。無利子化は、学生の負担と不安軽減のためにも、奨学金制度の本来の趣旨からも、緊急対策として、ただちに実施すべきです。

2 奨学金返済が若者の生活を追いつめないように返済方法を改善する

 大学入学前に、将来の所得を考えて奨学金の借入と返済の計画を立てることは、今日では不可能です。卒業後の所得に対して、奨学金返済が過重となり、若者の生活を押しつぶしてしまう、奨学金が“ローン地獄”への入り口となってしまう事態は、緊急に解決しなければなりません。

(1)既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、生活が困窮する場合の救済措置を講ずる    

 奨学金を返済中の既卒者すべてを対象にした減免制度の創設を提案します。「返済に困ったときのセーフティーネット」をつくることは、現役学生の奨学金への不安を軽減するためにも必要です。

 延滞者の8割が年収300万円未満ですが、現行では10年が上限の返還猶予制度(年収300万円以下などの条件で1年ごとに申請する)があるのみです。10年たてば年収が大幅にアップする保障はありません。「猶予期間の終了で自己破産」などという事態が続出する危険性があります。

 諸外国では「25〜35年間」(イギリス)、「20〜25年間」(アメリカ)の返済期間を経過したり、年齢が65歳に達したら、残額を免除する制度にしています。日本でも、10年という返済猶予期間の上限を撤廃するとともに、25年間などの返済期間や年齢を条件に、所得に応じて残額を免除する制度にします。親の奨学金返済が終わらずに子どもが大学に行けないというような「負の連鎖」を起こさず、老後や次世代に借金を残さないようにします。

(2)延滞金、連帯保証人・保証料を廃止し、返済困難者への相談窓口を充実する

 国の奨学金事業を実施している日本学生支援機構は、返済困難者を相手どって、年間6000件もの裁判を起こしています。現行の返還猶予制度さえ知らされずに、高利の延滞金を徴収され、さらに追い詰められるケースも後を絶ちません。「滞納すれば延滞金や裁判」という脅しの対策をあらため、返済困難者によりそった相談窓口こそ充実すべきです。

 滞納者の事情をまったく考慮せずに一律に課す延滞金はただちに廃止します。奨学金借入時に連帯保証人を求める制度は、親が高齢になった時に連帯保証人としての借金返済を迫られるということが問題になりました。その「改善」策として2004年に導入されたのが毎月の奨学金から保証料を天引きして、実際の奨学金額を減らす制度です。例えば、月額5万円だと2141円の保証料が天引きされ、4年間で奨学金は10万円も減らされます(2014年現在)。経済的に苦しい学生を支援するより、「借金取り立て」を優先させる姿勢をあらため、個人への連帯保証人・保証料徴収を廃止し、政府保証にします。

(3)すべての貸与奨学金を所得に応じた返済制度にする    

 奨学金を無理なく返済できるように、卒業後の進路さえ見当もつかない大学入学前に毎月の返済額が決まる現行のやり方を改め、年収階層別に返済額を決めるなど、貸与奨学金を所得に応じて返済する制度にします。文部科学省の「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」も「所得連動返還型奨学金」を提言していますが、「年収300万円以下は返済猶予」という現行を踏まえ、少ない所得から無理に返済させることのない制度にする必要があります。同時に、特定の学生に限るのではなく、貸与奨学金全体を対象にすべきです。

3 給付奨学金をただちに創設する

 先進国(経済協力開発機構〔OECD〕加盟国)で、大学の学費があり、返済不要の給付奨学金がないのは日本だけです。アメリカでは、最高で年間約60万円、平均約40万円の給付奨学金(連邦ぺル給付奨学金)を全学生の3分の1以上が受給しています。

 ところが日本では、世界でも異常な高学費でありながら、給付奨学金制度の導入が「先送り」され続けています。2012年度予算編成の過程では、文部科学省が給付奨学金制度の導入予算146億円を概算要求に盛り込みましたが、政府予算案ではカットされました。自民党も先の総選挙で「大学における給付型奨学金の創設にとりくみます」という公約をかかげていますが実行していません。文部科学省の「学生の経済的支援の在り方に関する検討会」でも「給付型支援を充実していくことは、我が国の高等教育における重要な課題」としながら「将来的な検討」課題にしています。

 文部科学省の調査でも、「経済的理由」で中退する学生が増えています。給付奨学金の早期導入がいよいよ重要になっています。

 本来、国民の教育を受ける権利を保障するための奨学金は、若者の借金となってしまう貸与制でなく、給付制とすべきです。ただちに給付奨学金制度を創設し、経済的な困難から大学で学ぶことを断念せざるを得ない若者をなくす支援を行いながら、奨学金の基本は給付制となるように制度を拡充していきます。

教育の機会均等を保障し、国際水準の高等教育に

 日本の教育への公的支出は、先進国(OECD加盟国)の中で5年連続の最下位です。政府や財界は、「大学の競争力の強化」などと言いますが、国などの教育への支出が「先進国最低」で、どうやって「競争力を強化」しようというのでしょうか。日本の大学教育は、家計の重い負担で支えられてきましたが、それも限界にきています。

 政府は、2012年にようやく国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」条項を受け入れました。高い学費を値下げする方向に踏み出すとともに、奨学金制度を拡充することは、憲法と教育基本法が定める教育の機会均等への国の責任を果たすことであり、日本政府の国際公約でもあります。日本共産党は、学生、高校生、教育関係者、そして国民のみなさんとともに、学費の無償化に向けた着実な前進と、安心して使える奨学金制度の実現のために、力をつくす決意です。


「しんぶん赤旗」2014年10月8日(水)より

 日本共産党の宮本岳志議員が15日の衆院本会議で行った教育委員会制度「改革」案の質問(要旨)は以下の通り。


 本法案は、教育委員会を首長の支配の下におこうとするものです。教育委員長と教育長を一本化し、首長が直接、教育長を任命するとしています。教育委員会から教育長の任命権も教育長を指揮・監督する権限も奪うものです。では、その教育長を誰が監督するのですか。

 首長が招集権限をもち、首長と教育委員会で組織される総合教育会議を設置し、首長が教育の振興に関する大綱を策定するとしています。大綱は「国の教育振興基本計画の基本的な方針を参酌して定める」としますが、国の方針通りに策定せよということではありませんか。「愛国心教育を推進する」など、教育の内容に踏み込んで首長が策定することも可能なのではありませんか。教育委員会は協議するだけで、大綱に従わなければならないのではありませんか。

 教育委員会は形だけになり、首長が直接教育に介入することを容認し、教育の政治的中立性を脅かすことになるのではありませんか。

 憲法が保障する教育の自由と自主性を侵害するものであり、断じて容認できません。



 地方では、首長による教育への政治介入が問題になっています。

 大阪市では、橋下徹市長が、全職員に対する違法な「思想調査」を行おうとしましたが、市教育委員会が否決し、学校現場を守りました。教育委員会が首長から独立した意思決定機関だからできたのです。

 全国学力テストをめぐり、「平均点を上げるため管理職がカンニングさせる」など弊害が生まれています。しかし一部の首長は、平均点での学校ランクや平均点下位校の校長名公表など「もっと競争せよ」とあおっています。

 教育委員会を首長の下におけば、不当な政治介入を止めることができなくなり、政治介入が助長されるのではありませんか。

 戦後の教育委員会制度は、公選された教育委員が保護者や住民の意見をききながらその自治体の教育のあり方を決めるという民主的な制度として出発しました。しかし1956年に公選制は廃止され、この法律が強行されたのです。それから58年、教育委員会の形骸化が進み事務局が実権をにぎり硬直・閉鎖的な体質が広がったのです。

 現在の教育委員会は、少なからず問題を抱えていると考えます。

 教育委員会は、地方教育行政の意思決定を行う住民代表の合議体としての役割が十分発揮できておらず、教育委員会事務局の独走や事なかれ主義が問題を引き起こしています。背景には、歴代自民党政権が、「日の丸・君が代」「全国学力テスト」など、国の方針通りの教育を学校現場に押し付けるために教育委員会事務局を通じて教育委員会の自主性を奪ってきたことがあります。

 大津市のいじめ自殺事件では、「いじめ」の隠蔽(いんぺい)を行ったのは教育委員会事務局でした。第三者調査委員会の報告書は、住民代表の教育委員たちが「蚊帳の外」におかれていた経過を指摘し、「今重要なことは教育長以下の事務局の独走をチェックすることであり、その一翼を担う存在としての教育委員の存在は決して小さいものではない」と指摘しています。

 求められるのは、住民代表である教育委員会の機能と役割を強める方向での改革です。



 総理は、教育基本法の改悪に続き本法案で教育委員会の独立性を奪い去り、いったい何を進めるのか。露骨な競争教育の推進と、歴史を偽る愛国心教育だと言わねばなりません。

 総理は、侵略戦争への反省を「自虐的」と非難し、太平洋戦争を「アジア解放のための戦争」などと教える特異な教科書を賛美し、その採択を求めてきました。侵略戦争美化と「愛国心」教育など、安倍政権が狙うゆがんだ教育を首長のトップダウンを利用しながら各地に広げようとしているのではありませんか。

 教育とは、子どものための社会全体の営みです。政治が何より行うべきは、教育条件の整備によって子どもの学ぶ権利を保障することであり、政治が教育内容に介入・支配するなどということは決してあってはなりません。


「しんぶん赤旗」2014年4月16日(水)より

 自公両党の教育委員会「改革」案が12日にまとまりました。戦後の教育行政の柱である教育委員会をどう変えようとするのでしょうか。


 大きく変わるのが、首長の権限です。教育行政の基本的方針となる「大綱」は、首長が主宰する「総合教育会議」で、教育委員会と協議して首長が策定するようになります。

「大綱」をタテに

 これまで教育委員会が決めていた教育の方向性が首長の権限のもとに移されるのです。

 重大なことは、「大綱」に首長が何でも盛り込めることです。

 「学校の統廃合を行う」と盛り込めば、首長は同会議を随時招集し、教育委員に対して「どの地域のどの学校から着手するのか」といって方針の執行を迫ることができます。学校の設置・廃止は法律上、教育委員会の権限として残されますが、実際は首長の意向が強く働く仕組みです。

 教科書採択や個別の教職員人事なども教育委員会の「専権事項」としていますが、大綱や方針に縛られる上、同会議で議論することも可能としており、首長の支配・介入が強まることは必至です。

 教育委員長と教育長(事務執行責任者)を統合した新「教育長」を設け、首長が直接、任命することも大きな変化です。現在、教育委員長は教育委員の互選、教育長は教育委員会の任命ですから、首長の支配が強まることになります。新教育長の任期も3年で現行の4年より短くし、首長の任期中に必ず任命できるようになります。

大阪式が全国に

 「大綱」を首長が決める仕組みは、橋下徹・大阪市長がつくった「教育基本条例」と似ています。

 大阪市では首長が教育委員会と協議して「基本計画」を策定。学力テストの結果公表など首長の考えが押し付けられ、競争主義や管理統制が強められています。与党案はこれを全国に広げ、首長による際限のない支配・介入に道を開く危険性を持っています。

 憲法に基づく教育の独立性を侵し、教育のゆがみをいっそう深刻にしかねません。

 新「教育長」の罷免要件については、現行の教育委員と変わらないことになりました。病気など限られた場合しか罷免できないことになります。

 国の関与は、生徒の安全など緊急の場合に限られている文科相の「是正指示」について要件を緩和します。一方、教科書採択への介入が狙われていた「是正要求」は緩和が見送られました。

 安倍内閣が進める「教育再生」は、解釈改憲による集団的自衛権行使など「海外で戦争する国」づくりと一体のものです。

 しかし、政治権力による支配・介入に対しては、党派を超えて「選挙結果で教育が左右される事態はあってはならない」など批判や懸念が広がっています。政治権力による支配・介入を許さない共同がますます重要になっています。 (深山直人)

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「しんぶん赤旗」2014年3月14日(金)より

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