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テーマ:マイホームはるみの死亡事故について《2015(H27)年3月16日 予算特別委員会》


○志村委員
 おはようございます。総括質問を行います。私の持ち時間は103分ということですので、12時13分ごろが予定となっております。答弁によっては早く終わるかもしれません。よろしくお願いします。

 さて、最初はマイホームはるみの死亡事故についてです。2013年9月11日に起きましたマイホームはるみの死亡事故ですけれども、この事故の概要について、少し詳しく説明をしていただければと思います。

○吉田高齢者福祉課長
 マイホームはるみの平成25年9月11日に起きた事故についてでございます。こちらにつきましては、入所されていました高齢者の方の夕食の量が半分程度であったということで、御本人がおなかがすいているのではないかと職員が判断いたしました。そして、夜食といいますか、補食ということでカップケーキが冷蔵庫におやつとして保存しておりましたので、そちらを提供したところ、提供中に利用者の方が誤嚥ということで呼吸停止などの症状が起きまして、職員が救急処置を行ったところでございますが、救急搬送ということで聖路加国際病院のほうに搬送されて、お亡くなりになったという事故でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 当時、区から説明を受けましたけれども、第1に、嚥下機能が低下している利用者のAさんにベテラン職員のBさんが、Aさんがチョコレートを求めたという中でカップケーキをどうして食べさせたのか。第2に、利用者Aさんの口から握り拳大のカップケーキをかき出したというけれども、なぜAさんの異常に気がつくまでカップケーキを1個半食べさせ続けたのか。第3に、なぜ警察が動いたのか。第4に、施設の労働環境はどうだったのか。第5に、区に責任はなかったのかなどの点が明らかになるものではありませんでした。

 1年前の予算特別委員会でこの問題を取り上げた後、私はこの事故をテーマにした区政報告ニュース、お元気ですか684号を発行したところ、4月15日に開かれる福祉保健委員会報告事項として684号のコピーとともに、25中福公第4229号、日本共産党区議団ニュース684号における掲載記事についてという抗議文が資料として委員に送付されました。党区議団は4月14日、死亡事故について数々の疑問が解消されず、事故原因の徹底的な究明と再発防止策が必要であること、また、現在進行中で審議されている重大問題にもかかわらず、一方的に抗議文が資料という扱いで委員会報告されるのは公平性に欠け不適切だと指摘し、福祉保健部長に厳重に抗議するとともに、委員会資料から撤回することを要望しましたが、撤回されませんでした。

 このような不幸な事故が起きた要因とその背景を把握し分析することは、再発防止のために何よりも不可欠ですけれども、わからないことだらけなので、いろいろ調べた結果、おおよその状況を把握できたと思いますので、きょうは区が持っている情報と照らし合わせ、事実の検証と再発防止策を考えてみたいと思います。

 第1のポイントは、なぜベテラン職員がカップケーキを食べさせたのかということです。死亡した利用者のAさんは年齢が86歳、当該施設への入所は平成20年10月ということで、病歴はパーキンソン病、認知症などがあります。要介護度は5。摂食嚥下機能低下があるなどが報告書には書かれてあります。ベテラン職員のBさんは、4年ほどの勤務ということだそうです。

 この報告書は、社会福祉法人賛育会指定管理業務安全対策委員会が平成26年1月7日付で出した報告書ですけれども、ここには事例発生当日、本人は義歯ふぐあいにより義歯を外した状態で食事をしており、利用者のそしゃくや嚥下機能に配慮したおやつの提供ができていなかったと記載されています。なぜこの利用者のそしゃくや嚥下機能に配慮したおやつの提供ができなかったのか。Aさんはチョコレートと言ったのになぜB職員は、嚥下機能が低下しているAさんにカップケーキを与えても大丈夫だと判断したのか、区の見解をお聞かせください。

○吉田高齢者福祉課長
 おやつの件でございますが、食事につきましては、施設のほうで嚥下機能の状態に応じた食事の形態ということで基準がきちんと決まっておりましたが、おやつにつきましては、そこまで正確に嚥下機能に応じた基準が決まっていなかったということが一つ大きな原因でございます。その中で、御本人がおなかがすいているのではないかと判断した職員が、普段からお煎餅ですとかカップケーキ類のようなものを大変好む方で、それを欲しがった場合、ぜひあげてほしいという御家族の御希望がありましたことから、職員がカップケーキをそのとき提供していいのではないかと判断をして与えたというところが一つ大きな原因だと認識してございます。そのために、おやつについての基準をきちんと定めて、現在対応しているところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そのお話だけ聞くと、ベテランの職員が、なぜ嚥下機能が低下している人にカップケーキを与えたのかという疑問が解けなかったんですけれども、今おっしゃるように、普段からカップケーキは食べていたんですね。このマイホームはるみには5年間入所している。ベテランの職員の方は4年間。ですから、B職員もカップケーキは与えていたわけですけれども、しかし、この日はカップケーキを与えて詰まらせてしまった。この報告書では、嚥下機能が低下しているとありますけれども、Aさんの機能の低下が見られたのは事故の二、三日前からだったのではないか。その前までは食べていたと。機能が低下してきたのは二、三日前だったというような報告を区は受けているでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 嚥下機能の低下につきましては、この方は入所して、何回かケアプランを改定してございますが、パーキンソン病もあるということで、低下については以前から指摘されていたということでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そういう中で、この変化ですね。波がある中で、11日当時は嚥下機能が相当低下していたのではないか。そういう中で、B職員はいつものように判断してカップケーキを食べさせようとしたということで、この時期に嚥下機能が低下したという変化を職員は知らなかったのではないかと思いますけれども、そのあたりの分析はいかがでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 嚥下機能につきましては、当日ですとか数日前に急激に低下したというような報告は受けておりませんので、その当時、体調がどの程度か、その体調によっても嚥下機能には大変影響があると思いますが、具体的にどういった時期からどの程度、さらに当日、どの程度低下していたかという詳しい報告は受けていないところでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 この福祉保健委員会の資料で出されたシフト表、B職員の勤務状況を見ますと、9月11日からさかのぼって1週間の間ですけれども、4日がオペレーター夜勤、5日がオペレーター夜勤明け、6日が公休、7日が法定休日日、8・9日が研修で10日が日勤、11日がオペレーター夜勤となっています。つまり、その中で見られるのは、事故前の1週間で、前日10日は日勤ですから夜食は食べさせない。この1週間より前のときにカップケーキは与えたけれども、施設にいなかった間の変化に気がつかないで11日にあげてしまったというのが、理解の仕方としては私たちは納得ができます。このカップケーキというのは、Aさんのためのおやつなのか、それとも共通しているおやつなのか、そのあたりについても区のほうの御認識をお聞かせいただきたいと思います。

○吉田高齢者福祉課長
 おやつについては、さまざまな形態のものがございまして、こうしたカップケーキですとかプリン、ゼリー状のものとか、さまざまなものがございます。こうした中、その人の状態に合ったおやつというものを与えてございますが、このときは、カップケーキにつきましては、この方のためのおやつというよりは、職員が施設のほうで幾つか与えているものの中のおやつということで、カップケーキが冷蔵庫にございましたので、それを与えたという状況でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 福祉保健委員会の資料要求で出された中で、社会福祉法人賛育会介護記録マニュアルというのがあります。これは2014年2月14日作成ですけれども、ここには利用者から貴重な情報の提供があったのに、一人の提供者がそれを抱え込んでしまい、他の従事者と共有しなければどうなるでしょうか。どれが発生してもケアサービスは停滞するし、放置すれば利用者とのトラブルや重篤な事故につながりかねない。そうならないためにも、適切な記録を残し、他のメンバーと共有すると記されています。これはどんな業務においても、またリスクマネジメントとしても当然のことが書かれているのですけれども、もう5年も入所されていて、このベテランの職員の方は4年ぐらいということで、施設で相当一緒に生活している時間が多い中でなぜこのようなことが起きてしまったのか。今まで好物としてお煎餅とかカップケーキを食べていた方が、この日には嚥下機能が以前よりも相当低下してしまっていた。そのことにB職員が気づかないで、1週間前と同じやり方でやってしまったというのは、先ほどの介護記録マニュアルで利用者からの貴重な情報提供があったらちゃんと記録する、または、一人のものにしないというところにつながるのかなと、私としては、それだとなぜベテラン職員がカップケーキを与えてしまったのかということが理解できるということになります。

 第2のポイントですけれども、なぜカップケーキを1個半食べさせ続けたのかということです。この職員のBさんは、シフト表を見るとオペレーター夜勤でした。オペレーター夜勤の勤務内容というのはどういうものでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 マイホームはるみにおきまして、オペレーター夜勤の仕事というものは、おとしより相談センターが各地域3カ所ございますが、こちらが6時で閉じてしまいます。その後、地域の方に何か緊急の事態があったときにおとしより相談センターに御連絡しますと、それがマイホームはるみにつながりまして相談に応じるというような事業を行っております。そういった電話がマイホームはるみにかかってきてございますので、それについて対応する。また、その対応がないときに、介護職員として施設での介護に当たるというような仕事をしているものでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 この日はB職員はそういう仕事をするオペレーター夜勤でした。おやつを提供した場所は、報告書にはちゃんと書いていないのですね。談話コーナーでくつろいでいてということで。このおやつを提供した場所というのはどこなのか。また、後ほど蘇生行為をしたところは監視カメラに映っているとありますけれども、Aさんがおやつを食べているシーンというのは、監視カメラに残っているのでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 おやつを召し上がっていただいていた場所は、オペレーターを行っておりますので、訪問介護ステーションに近い談話コーナーのところで、車椅子に座っていただいて、座位を保って、そこで介助をしていたという状況でございます。

 救急対応した場所は、そちらの場所ではなく、御本人の居室に搬送いたしまして、そこで対応したということでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 結局、おやつを食べさせていた場所というのが、オペレーター用の電話がとれる、介護ステーションのすぐ近くだということです。ですから、B職員というのは本来の任務であるオペレーターとしての電話を気にしながら、また、談話コーナーに集っている入所者の様子を見ながら、介護ステーションの前あたりでAさんにおやつをあげていた。大変集中力と気配りが要るところでおやつを与えていたということになります。確認なのですけれども、このときは電話が鳴っていなかったのか。それとも、電話への対応をしていなかったのか、この点はいかがでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 済みません、先ほど答弁漏れがございましたが、対応しているところの監視カメラの映像はございません。

 また、電話につきましては、オペレーターの仕事でございますが、介助しているときには電話が来ておりませんでしたので、電話の対応はしていないということでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そういういろいろな仕事をする中でB職員はおやつを食べさせていて、利用者のAさんというのは、このときも義歯を外していたのですけれども、日ごろからよくかまずに食べる、飲み込むという食べ方をしていたそうです。そういうことから、いつもおやつを提供していたB職員は、口の中に残っていないということで、コーヒーとケーキをあげた。また、口の中を確認すると残っていないということであげていた。それがいつもの食べ方だったのではないか。しかし、このときは嚥下機能が低下していたために、いつもだったらそれが飲み込めていたのが、このときは大変低下していたためにあげ続けてしまった。ですから、カップケーキ2個あるうち1個とその半分、1個半をずっと食べさせ続けてしまったと思われます。そういうようなことで、なぜ1個半も気がつかないままで食べさせたのかというのが、そういうような流れを想定すれば、納得できるようなことだと私は思います。

 第3のポイントですけれども、なぜ警察が動いたのかということです。これは事故があった後も、施設も区も警察には連絡していませんでしたけれども、委員会の請求した資料を見ますと、9月13日の12時30分、2日後ですけれども、月島警察署から2名が来所し、新聞報道に基づく警察の判断として捜査を行う必要があるため、御遺体を警察預かりとすることが伝えられたと書いてあります。なぜ警察は捜査を行う必要があると判断したのでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 この方の場合、医師法の第21条に基づきまして、死亡確認をした医師が、死体または死因に異常があると認めたときは24時間以内に所管警察に届け出ることになっておりましたが、それがなかったということで、警察のほうは知らなかったということでございますが、区のほうでプレス発表をした新聞記事を見まして、そちらで実際どうだったのかということを施設のほうに確認に来た。そういうような流れで動いたということでございます。

 以上でございます。

○志村委員
 その新聞報道を見て、警察が動かざるを得ないような事例だったということではないかと思います。確認ですけれども、今までも死亡届なり連絡がない場合は、このように警察は動くものなのかどうか、そのあたりの確認もさせていただきたいと思います。またそういう中で、どこまで警察というのは事故の内容を把握したのか、現場検証もしたということですけれども、食べていた談話コーナーとか、あと居室とか、そういう場所も現場検証をしたのでしょうか。今回はこの報告によると、施設の医師も主治医の立ち会いもなくて死亡しているということで、自宅死亡でも警察が検視したりすることもあります。先ほどの警察への届け出というのは医師が出すわけですが、このような施設医師もいなくて、主治医の立ち会いもなくて亡くなったというときは、警察に届けなくてはいけないということではないかと思うのですけれども、そのあたりについても説明してください。

○長嶋高齢者施策推進室長
 警察の捜査が入った理由というのは、今、申し上げたとおり、私どもが一つこういった事故が起きましたという形でプレス発表をしました。警察といたしましては、不審死ということであれば当然調査をしなければいけない。ただ、この方に関しては、いろいろ疾病等もございまして、医師のほうとしては、警察のほうに届け出を医師法に基づいてする必要はないと判断したという形になってございます。ですから、これについては、動かざるを得なかったというよりも、我々がプレス発表をしたことによって、月島警察のほうで再度、こういうのはもう一回調査する必要があるだろうということで動いたという形になってございます。

 以上です。

○志村委員
 そういうことは、例えば、いろいろな高齢者施設で死亡事故などが起こったときも、警察には通常は届けないということになっているんでしょうか。ちゃんとした届け出をしない場合もあって、今回はプレスで警察が気がついて動いたけれども、動かないということも通常はあり得るということなのかどうかも確認させてだくさい。

 それから、施設に医師が配置されているといっても、事故当日は施設にいませんでした。日常的にどの程度、例えばマイホームはるみには医師がいらっしゃるんでしょうか。週何日とか何時間とか、そのあたりについてもお聞かせください。

○和田保健所長
 まず、死亡確認でございますが、心肺停止状態と死亡とは違います。死亡確認というのは医師が行うものでございます。医師以外の者が死亡確認はできません。ですから、その当時、マイホームはるみに医師がいませんでしたので、そこで死亡確認は行っておりません。もし看護師だかと看護助手が死亡確認したら、これは完全な違法でございます。死亡確認をしたのは聖路加国際病院の医師でございます。ですから、そのときに、医師が死因に不審なものがある、あるいは、死因がはっきりしないといった場合、これは先ほど申し上げたように、24時間以内に警察に届け出る。警察は、そういった死因がはっきりしないもの以外は全て不審死扱い、事件性がないかどうかということで調査に入ります。事件性がなければ、それは自然死ということになります。ですから、明らかにもともとその方が持っている持病と死亡の状況がぴったり合えば、それはそれでいい。もし合わなかった場合は、それは不審死ということで事件、あるいは事故扱いということで警察が動くということになるわけでございます。

 以上でございます。

○吉田高齢者福祉課長
 マイホームはるみの配置医師でございます。特別養護老人ホームには、常時配置医師がいるというような規定はございませんが、区のほうで医師についての運営負担金を補助してございまして、マイホームはるみ、マイホーム新川それぞれ1名ずつ医師がおりまして、夜間につきましては、おりませんが、昼間につきましては、いるという状況でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 そのあたり状況がわかりました。この第3のポイント、なぜ警察が動いたのかというのは、今の区の説明でわかりました。

 第4のポイントですけれども、施設の労働環境はどうだったのかというところです。この当日のシフト表を見ますと、事故があった3階にはオペレーター夜勤のB職員と、あと、夜勤の非常勤の2人、それから、2階と4階には、夜勤職員が1人ずついたということです。以前は2階と3階の2フロアだったんですけれども、4階までの3フロア体制になった。これはマイホームはるみの増床のためということですけれども、いつごろからこの3フロア体制になったのか。そういうときに、一つのフロアに1人の夜勤というシフト、これは固定しているのかどうかは定かではないのですけれども、今まで2階、3階の入所者の対応だったのが、もう1階ふえるというところで職員の負担が増加するという認識はあったのか。また、フロアをふやすための職員の増員というか加配というか、そのような対応を区はしたのでしょうか。施設からフロアをふやすことに当たっての要望、職員の要望などが区に出ていなかったのか、その点についてもお聞かせください。

○吉田高齢者福祉課長
 マイホームはるみの改修等によりましてデイサービスを1階に移すというところで、入所施設の中でいろいろ配置を変えたりということをしておりましたが、それぞれ夜間につきましては、1フロア必ず1名の介護職員、それから、先ほど言いましたオペレーターの職員ということで、フリーの職員が1名、それに夜勤の看護師1人ということで、夜間に関しましては5人の体制で取り組んでいたところでございます。こちらの夜勤の職員につきましては、看護師は少し無理なところもありますが、非常勤の職員は配置せず、介護職員につきましては、できる限り常勤職員を配置して体制を整えていたということで、特に区のほうに、体制についてもう少し対応が必要とか、そういうようなお話は来ていなかった状況でございます。

 以上でございます。

○志村委員
 施設の夜勤の実態というのは大変な状況です。当該施設の夜勤は、夕方4時半から翌朝9時半という勤務で、先ほど看護師とオペレーター勤務を入れて5人という答弁がありましたけれども、夜、1人でフロアの利用者の方の対応をする。コールランプが例えば4つ一斉につくときもある。ベッドを離れたときにお知らせするものですけれども、そういうのを1人だから1人ずつ対応していくと、歩き出したりして転倒してしまう、間に合わないという方も生まれるそうです。それから、男性の入所者の中には、男性の職員にはおとなしいのですけれども、女性の職員には暴力的になるというようなこともあり、男性の方に夜勤で首を絞められた女性職員がいた。トラウマになって夜勤もできなくなったためにやめたという方もいらっしゃる。さらに、1人夜勤なので、大変な中で、例えば、虐待とか、何か起こしたい気持ちが、虐待というか自己嫌悪に陥るようなそういう思いが出てくる、それで鬱症状になってしまうということで、ほとんどの方が夜勤を嫌がって、また夜勤がつらくてやめる職員も多いということです。ですから、夜の体制というものもしっかりしなければ、いい福祉のサービスができないなと強く感じました。そのような介護現場の現状について、区はどのように認識しているでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 夜間の体制につきましては、各フロア1名ということで、なかなか複数の方の対応が難しいような状況もあるかと思いますが、そうした場合、各階にいる介護職員に連絡をとりまして応援を頼むですとか、マイホームはるみにつきましては、夜間に必ず看護師がおりますので、そういった対応が必要な場合は、看護師にすぐ来ていただいて一緒に対応する、そういった対応をされていると聞いてございます。

 以上でございます。

○志村委員
 この部分は施設にある意味、丸投げといいますか、何とか施設でやってほしいというスタンスなのかなと感じました。この職場では、残業の抑制というのがあって、残業代が出ないときも多い。ですから、職員の方たち、もちろん非常勤、非正規の方もそうなのですけれども、帰り際、挨拶をしないで帰っていくのだそうです。目を合わせない。そのときに、ちょっと助けてとか手伝ってと言われるのを避けるように帰るというような状況も生まれていることもあるそうです。そういう状況の中では、利用者の方のその日に起こった変化とか、もちろん引き継ぎという形ではあるのでしょうけれども、職場の状況というものがケアサービスにいろいろな影響を及ぼすのではないかと思います。

 このような施設の実態の中で、第5のポイントとして、区の責任はどうなのかという点です。この報告書では、おわりにいうところで、区に対して今回の事例を貴重な教訓として真摯に受けとめ、他の高齢者福祉施設等に対する指導に生かしていただき、あわせて、中央区の福祉施設における安全対策の強化を図っていただくことを心より望むものであると指摘されております。例えば、先ほどの施設の労働環境の改善、そのために区は何ができると考えているでしょうか。

○長嶋高齢者施策推進室長
 労働環境につきましては、今、具体的な数字が手元にないのですが、私どもの施設については、それぞれ指定管理者ということで、区で査定をしながら労働環境自体も定めております。そういった意味で、基準に比べ、あるいは、他の施設に比べて人員配置的には非常に多いだろうと考えてございます。また、看護師も私どもの補助金を出して8名ほど配置をしているという状況になってございます。

 さまざま委員が具体的に、介護施設の現場の大変さ、それについては当然私どもも、それが全ての施設でそういうことをやっている、ひどい状況にあるとは考えておりません。そういった状況については、当然、区としてもそれぞれ指定管理者の利用料金制をとっていますけれども、それ以上に私どもが一般財源を投入して運営に当たっているという形になってございます。ですから、そういった意味で、区としてそれぞれの指定管理者に対して労働条件、その他についても支援をしていると考えているところでございます。

 以上です。

○志村委員
 そういう中で、このような事故も起きた。ここから、委員会の報告書で安全対策の強化を図っていただきたいというところで、指定管理者を公募するときなどに、安全対策の強化のための基準を引き上げる、職員の数も含めて、そのような契約の仕様というのですか、それを拡充するということもできるのではないかと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。

○長嶋高齢者施策推進室長
 まず、マイホームはるみにつきまして、志村委員のほうから、一番最初のときに、嚥下機能の低下の引き継ぎがなされていなかったのではないか、それは多分忙しいからという形で御指摘をされたのだと思っておりますけれども、基本的に、嚥下自体は徐々に徐々に悪化してくる。当然、一日一日の体調によっても変化してくると思っています。ですから、この報告書では、アセスメントしていないおやつについては、それぞれの過去の経験で対応していた、そこが一番大きな問題ではないかということで、要は、組織的に取り組む、それが大切だという形で指摘を受けているところでございます。

 そういったことから、区といたしましても、安全対策という形の中で、きちんと各施設においてもこの教訓を生かすべく通知をするなり、いろいろな行動をとっているところでございます。

 それから、指定管理者の募集につきましては、それぞれ安全管理というものに非常に重点を置いて評価をさせていただいたところでございます。また、施設の人数だけをふやしていくということは私ども考えてございませんが、トータルとして、例えば、マニュアルですとか、あるいはヒヤリハットの対応の仕方ですとか、あるいは、一番大事なのは、それぞれ運営会社の姿勢だと思いますけれども、そういったことを総合的に判断して、より安全な提供といいますか、きちんとした介護ができるという形で今回の指定管理者を選定させていただいたところでございます。

 以上です。

○志村委員
 なぜこの事故が起きたか、その要因と背景を総合的に検証して、それに対する対策、人をふやせば済むかといえば、そうではない問題もあるかもしれません。ですけれども、区の責任、区は一生懸命やっているから、この事故については、施設の問題であって区には全く責任がなかったのかという、そのあたりについての認識もお聞かせいただきたいと思います。

 やはり区として再発防止をどういうことでできるのか、そういうあたりでの分析なりがされているのか、もう一度お聞かせください。

○長嶋高齢者施策推進室長
 区といたしましては、こういった経験、一施設で起きた経験でございますけれども、きっちり原因を分析することは、正直、区の職員だけでできるものではございません。そういった意味で、こういった安全対策の委員会、専門家の方々をしっかりお呼びしてこの原因について究明をしました。また、その究明の結果を施設に反映させるとともに、ほかの施設についても、こういった形でやるようにということで広く周知徹底を図っています。

 また、次の視点といたしまして、区がそれを予測できるかという話になってございます。それについては、委員会で御報告をさせていただきましたけれども、今の評価制度をどうやったら各施設が十分な形でできるのか、その評価のやり方をまた改めて見直させていただいて、今、鋭意それを検討しているという状況になっています。ですから、区といたしましては、当然、介護を専門としている職員というのは、ほとんどいない状態でございますけれども、やはりこういった専門家の方々の意見を十分に伺いながら、どんどん底辺を広げていって、よりよきものにしていく、そういった形でやっていくのが区の責任であろうと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 いろいろ調べる中で、安全対策委員会の報告、内容にはなかなか不十分な部分もある。先ほども若干やり取りをしましたけれども、原因、要因なりを分析するためには、再度調査をする、安全対策の再調査といいますか、いじめの問題で新しい組織ができておりますけれども、そういうところで再検証すべきだと思いますし、これを受けて、介護施設でさまざまな再発防止とか福祉サービスの向上を目指すという中で、区としても内容を打ち出した報告書なども提出してほしい、その2点を要望させていただきます。

 いただいた資料の174に、相談・苦情件数と主な内容が出ています。この中に、施設に入所した日に当事者が死亡した。誤嚥によると聞いたが、食事を担当した職員に、どのように食べさせたのか聞きたいというのがあります。これについて説明をお願いします。

○長嶋高齢者施策推進室長
 そちらの資料につきましては、窓口で本人が訴えてきたものをそのまま記載してございます。ですから、それについては、そういった言い方といいますか、そういう形でこちらのほうにお話があったという形になっています。それにつきましては、私どももそれなりの話し合いをさせていただきまして、今、それぞれ各当事者同士でお話し合いを続けているというような形でございます。

 以上です。

○志村委員
 この施設というのは、どの施設ですか。

○長嶋高齢者施策推進室長
 施設その他具体的な事例につきましては、それを申し上げますと、誰がこの苦情を言ったかというのが多分わかってしまうと思いますので、それにつきましては、お答えは差し控えたいと思ってございます。

○志村委員
 区に苦情が来たということは、区がかかわる高齢者の施設ではないかと思います。これについても、これがもし事故だとすれば、この事故が起きた要因とその背景を把握して分析する。何よりも再発防止のためにちゃんと取り組まなくてはいけないと思います。そういうことで、事実に基づいた検証を行って、この苦情にあることについても報告をしていただきたいと思います。

 それから、マイホームはるみなど賛育会が今、指定管理者になっていますけれども、グループといいますか、賛育会病院の不祥事とか、また、都内の大規模施設で利用者が埋まらないという理由で経営困難に陥っている。そういう中で、病院の看護師さんたちの給料なども下げられているということですけれども、このマイホームはるみの職員の一時金も削減されているのではないか。そのあたりの区の認識はいかがでしょうか。

○吉田高齢者福祉課長
 マイホームはるみにつきまして、職員の給与ですとか一時金、そういったものが支払われないですとか減額されているといったようなことは、ございません。

 以上でございます。

○志村委員
 区はそういう認識なのですか。もしですけれども、このような指定管理者制度の中で、その施設で働いている職員の給与なり一時金が、そのグループの経営が大変だということで賃金などが下がるということは、これはあってはならないことですよね。指定管理者で、区が払っている税金がそのグループに流用されるということにもなるわけですから、もしそういうグループの経営困難で一時金などを削減するということがあってはまずいですよね。いかがですか。

○長嶋高齢者施策推進室長
 企業の運営について、私どものほうで直接それがどの程度のものかという部分については、何とも言いかねるところがございますけれども、私どもとしては、きちんとしたサービスが提供される体制はつくってもらわなければ困るわけで、その中では、当然、処遇とか勤労条件というのもかかわってくると思ってございます。私どもとしては、補助金といいますか出しておりますけれども、あくまでもトータルとしてそこら辺を判断させていただいてございますので、それを一律に定額としてお渡ししているわけではございません。そういった意味で、例えば、指定管理者が利益をふやすためにうちの補助金を利用するというのはできないような仕組みになってございます。ですから、私どもの関心事といたしましては、きちんとサービスができる体制にあるのかどうか、そこら辺については、きちんと調べて対応してまいりたいと考えてございます。

 以上です。

○志村委員
 マイホームはるみの職員の一時金が削減されていないと言っておりますけれども、これが削減されたらどうなのかというのをぜひ調べていただきたいと思います。

 さらに、福祉は人と言いますけれども、いろいろな職場の環境とか、また、人件費が下がるとか、こういう影響がサービスには直結することもあります。ですから、このあたりもしっかり見なくてはいけないと思います。

 介護保険の「要支援1・2」の高齢者(約170万人)向けサービスを介護保険から外して市町村による別のサービスに移行させる制度改悪で、初年度の2015年度中に移行できるのは114自治体(34都道府県)で、全体のわずか7・2%にとどまることが、厚生労働省の調べで4日までに明らかとなりました。介護費用削減を狙った改悪が深刻な矛盾に直面していることを示しています。


 全1579自治体(広域組織を含む)を集計したもので、都道府県別でみると13府県で移行自治体がゼロでした。最も多い大分でも10、東京9、埼玉、神奈川両県が8と続いています。15年度移行の114自治体のうち当初の4月に移行できるのは78でした。

 移行自治体は16年度でも277(17・5%)にとどまり、17年度が最多の1069(67・7%)。時期未定も119(7・5%)ありました。大多数は最終期限の17年度に先送りしており、移行するうえで困難を抱えていることを示しています。

 市区町村に移されるのは、予防通所介護(デイサービス、50万人利用)と予防訪問介護(ホームヘルプ、45万人利用)。これまでヘルパーなど介護専門職が行ってきたサービスを、ボランティアなど非専門職による安上がりサービスに置き換えます。

 サービス事業には予算に上限がつけられ、自治体は給付費の抑制を求められます。自治体や利用者からは「ボランティアなど受け皿がなく、移行は困難」「サービスが低下し、重度化が進む」との声が上がっています。


2015年2月5日(木)「しんぶん赤旗」より

 厚生労働省は25日、特別養護老人ホーム(特養)への入所を希望している待機者が、全国で52万1688人に上るとの調査結果を公表しました。2009年の前回調査より約10万人も増えており、施設不足が深刻化している実態が明らかになりました。

 同省は、特養の新規入所者を原則、要介護3以上の中重度者に限定する法案を今国会に提出しており、入れなくなる要介護1―2の人は17万7526人(34%)にのぼります。在宅サービスも確保されないなかで、必要な介護を受けられない高齢者を大量に生み出す危険性が改めて浮き彫りとなりました。

 待機者のうち、入所要介護5は9万7030人、同4は12万1449人、同3は12万5683人でした。

 待機者の内訳は、在宅が25万7934人、病院など他の施設入所者が26万3754人。 都道府県別では、東京(4万3384人)が最多で、次いで宮城(3万8885人)、神奈川(2万8536人)、兵庫(2万8044人)の順でした。

 13年10月1日時点で都道府県が把握している入所申し込みの状況を集計しました。

解説

政府の責任で抜本増設を

 特別養護老人ホームの入所待機者が4年間で10万人も増えたことは、医療・介護を必要としながら行き場所のない高齢者の急増を示しています。4年間、待機者の調査すらせずに適切な対策を怠ってきた政府の責任は重大です。

 調査では要介護1〜2の特養待機者が17万人以上に上ることも判明しました。この人たちを原則入所の対象外にする安倍内閣の法案は、必要な支援を受けられずに重症化する人を増やし、重度の特養待機者を増やす悪循環を招くだけです。

 これまで政府は、特養ホーム建設への国庫補助を廃止して一般財源化し、施設給付費への国の負担を減らして自治体の負担を増やすなど、特養の抜本増設に背を向けてきました。他方、サービス付き高齢者住宅(サ高住)の建設を促し、訪問看護・介護で対応する政策を推し進めてきました。

 2009年から12年までの4年間に特養の増設は5万7500人分にとどまる一方、サ高住は7万999人分建設されています。その中で特養待機者が10万人も増えたのは、政府の政策が現実に適合していないことを示しています。

 特養入所者の8割は低所得者(住民税非課税)です。医療・介護を必要とする低所得者が入居できる「終(つい)のすみか」が特養しかないのが現状だからです。サ高住の場合、家賃・共済費・食費・生活費に加えて訪問看護・介護の利用料が必要です。低年金・無年金者が増える中、所得に応じて居住費・食費が軽減される特養に入所希望が殺到するのは当然です。

 国庫補助の復活や用地取得への支援などを行い、特養の抜本増設にかじを切るべきです。同時に、特養以外の多様な介護基盤の整備や在宅介護の充実に本腰を入れるなど、あらゆる手だてを講じて待機者解消を進める必要があります。


「しんぶん赤旗」2014年3月27日(木)より

テーマ:桜川敬老館移転後の施設計画について
《2013(H25)年3月25日 予算特別委員会》


○志村委員
 時間の関係で教育に来てしまったので、次は敬老館のほうに戻ると言っては変ですけれども、桜川敬老館が本の森ちゅうおうのほうに移転というんですか、行く予定ですけれども、まず、桜川敬老館を移転した後の施設計画というのはどういうものなのか。近くの人はどうしても、桜川敬老館が近かったので足しげく通っていたんですけれども、新大橋通りを越すとなかなか大変だということで、近場にサロンみたいなものが欲しいなという、そういう声も区の方も聞いていると思うんですけれども、そういう要望などを反映した中身になるのかどうか。それから本の森ちゅうおうのほうでの敬老館、いきいき桜川の内容というものは、どう考えているのか、今、利用している方たちの意向にどう配慮して、今、計画を進めているのかお聞かせください。

○内田副参事(都心再生・計画担当)
 まず、私のほうからは、桜川敬老館の移転の後の計画ということでお話しさせていただきます。

 本の森ちゅうおう計画に伴いまして、桜川敬老館でありますとか、それから郷土天文館、さまざまな施設にあきが出てございます。それの跡利用につきましては、区民ニーズ、施設需要それぞれを見きわめながら具体的に検討してまいりますが、例えばということでございますが、今、桜川敬老館の跡につきましては、非常に地域のニーズの高い特別養護老人ホームの整備などを中心に考えていきたいと考えているところでございます。

 以上です。

○小林高齢者福祉課長
 労働スクエア跡地のほうに移転した後での運営なんですけれども、敬老館につきましては、現状でも60代の方から本当に100歳近くの方まで御利用されているといったような状況がございます。

 そういった中では、当然、今まで利用されている方も同じくまた利用していただきたいということで、特に例えば高齢者の方の中でも、高年齢な方のために浴室であったり、リラックスできるような専用スペース、こういったものも設けます。また一方で、やはり現状、今、敬老館、いきいき館でもそうなんですけれども、やはり生きがいづくりとか健康づくり、こういったものにもかなり力を入れておりますので、今後は図書館、あるいは生涯学習施設のほうとも併設という形になりますので、そこの部分とも連携しながら、より活発にそういった活動も行っていきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 本の森ちゅうおうのほうに行って、今まで利用していた方たちが、敬老館が消えちゃったという、溶け込んじゃって、別に縄張りとかそういうのではないんだけれども、大事にされなくなっちゃったと思わないような工夫というんですか。行って、この広いスペースがいきいき館なんだという、そこに多年代の方たちがという、そのあたりの配慮というのはどんな工夫というか、考えているのかお聞かせいただきたいんですけれども。

○小林高齢者福祉課長
 労働スクエア跡地のほうに移転した場合につきましては、確かに専用スペースという意味では、浴室、あるいはリラックススペース、こういった部分に限定されますけれども、それ以外の生きがいづくり、健康づくりを行う講座系の部分については、共用という形になりますが、一般的にその中でもいきいき館の利用者が主に使われる部分とか、そういったような部分もつくっております。また、いろいろなホワイエとか共同のスペースもございますし、前回の決算特別委員会でも申しましたけれども、まさに高齢者の方にどんどん来ていただいて、全体を占領していただくぐらい来ていただきたい、それぐらいの気持ちでおります。それだけいらっしゃれば、また皆さんも来やすいんじゃないのかなという部分もございますので、よく御説明等もしながら取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。

○志村委員
 占領するぐらい来るというのは、結構口コミが大事だ。いいところだよ、いいところだよと。ですから、口コミ次第になるので、やはりいい施設をつくっていただきたい。ですから、ソフト面にもなる可能性がありますし、レイアウトとかにもなると思うんですけれども、ぜひ、きめ細かく利用者の方たちの声も聞きながら、みんなでつくったんだという、みんなの声を反映した施設になったんだという、そのようなこともちょっと頭の隅に入れていただきたいと思います。

イメージ 1
 厚生労働省は14日、150万人が認定を受ける「要支援」向けの介護保険サービスを廃止し、市町村の事業に全面的に移すとの方針を撤回する考えを、社会保障審議会介護保険部会に示しました。介護サービス費用の4割を占める訪問看護やリハビリなどについては引き続き介護保険によるサービスを継続する一方で、訪問介護(ホームヘルプ)と通所介護(デイサービス)についてはあくまで市町村に移管するとしています。

 撤回方針は、サービス切り捨てや負担に反対する世論と運動に押されたものです。厚労省は、訪問看護などは介護保険から外して市町村に移行しても受け皿がなく専門職が担うべきだとして、市町村に丸投げしてボランティアなどに担わせるという従来方針の破たんを認めました。しかし、訪問・通所介護については切り捨てに固執しています。

 厚労省はさらに、市町村事業に上限を設けて抑え込む方針についても、「上限を超える場合は個別に判断する」として国が追加負担する考えも示しました。これも「抑制だけでなく、財政をしっかり確保すべきだ」との市町村の声に押された格好です。

 委員からは「なぜ訪問介護と通所介護のみを外すのか」(結城康博淑徳大学教授)、「地域格差が生まれる上に、ボランティアにサービスができるのか」(内田千恵子日本介護福祉士会副会長)など、さらなる見直しを求める意見が噴出。事業費の上限についても「行き過ぎた抑制に繋がるおそれがある」(斉藤秀樹全国老人クラブ連合会理事)、「現在のサービス単価以下では事業者が撤退せざるをえない事態になる」(川原四良日本介護クラフトユニオン顧問)と批判が相次ぎました。

道理のなさ露呈 全面撤回こそ

 14日の社会保障審議会介護保険部会で、厚生労働省が要支援者への保険サービス(予防給付)の全廃を撤回したことは、サービス切り捨てに反対する世論と運動に押されたものです。

 約150万人いる要支援者へのサービスを市町村の事業に丸投げして切り捨てる方針を明示してから2カ月。厚労省が具体的な案を出せば出すほど当事者や自治体の反対意見が広がり、方針の転換を余儀なくされた形です。「要支援外し」の道理のなさが浮かび上がっています。

 訪問看護やリハビリ、訪問入浴介護などは全国一律の保険給付として残さなければ支障をきたすというのなら、訪問介護と通所介護だけを保険給付から外していいという理屈は成り立ちません。14日の介護保険部会でも、この矛盾への疑問が相次ぎました。

 厚労省がなおも訪問介護と通所介護を市町村の事業に委ね、事業者への報酬引き下げやボランティアへの丸投げなどでサービスを切り下げる方向に固執していることは、全く理に合いません。

 40歳以上の国民は、介護や支援の必要性が生じれば保険給付を受けられるという前提で介護保険料を支払い続けています。最も利用頻度の高いサービスだけを途中で保険給付から外すなどという約束違反は、保険制度の破たんに等しい暴挙です。

 政策的破たんは「要支援外し」にとどまりません。

 特別養護老人ホームなどの居住費・食費を軽減する補足給付の対象から、一定の金融資産を持つ高齢者を外す問題でも、厚労省は「金融資産を網羅的に把握できる仕組みはない」「正確に把握する仕組みを前提条件とするならば、当面実施の目途は立たない」と認めました。

 これほどの矛盾や問題点が噴き出しているのは、“介護費用の削減ありき”で制度改定の検討を進めてきたからです。「要支援外し」などの改悪案はきっぱり撤回し、介護を受ける人も支える人も安心できる介護制度の確立に転換すべきです。 



「しんぶん赤旗」2013年11月15日(金)より

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