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米国のあらゆる戦争に自衛隊を参戦させる「戦争法案」は26日、衆院で審議入りします。その危険な本質を覆い隠そうと、安倍政権からは、でたらめな議論が目立っています。 |
軍備・米軍・平和
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ドイツは1990年代、侵略戦争を禁止する基本法(憲法)の解釈を変更して、海外派兵を開始し、2001年に米国が始めたアフガニスタン戦争にも地上軍の兵士を派遣しました。しかしその中から、多くの死傷者、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者を出し、社会全体に大きな傷を残しています。安倍政権が憲法9条の解釈変更をし、アメリカの戦争にいつでもどこでも参加できる戦争法案を成立させることを狙っている日本への警告ともいうべき実態を現地に見ました。(ベルリン=片岡正明 写真も) ブーンブーンと、大型バイクの音がベルリン市内に響きました。アフガニスタン戦争に参加した兵士・退役軍人がバイクでデモ行進する「メモリアルラン」が16日に行われました。アフガン戦争の経験者が社会で直面する問題への理解を訴え、兵士・退役軍人の待遇改善を求めて11年に始まったものです。 デモ参加者は最初に、戦後ドイツ軍が発足して以来の戦没者の碑に献花。代表者は「亡くなった兵士は親でもあり、兄弟でもあり、そしてわれわれの兵士仲間でもあった。そしてPTSDで苦しんでいる仲間もいる」と語りました。 ドイツでは、第2次世界大戦後に制定した基本法で、軍の出動は「防衛」などに限られると規定。独軍の活動は北大西洋条約機構(NATO)同盟国の防衛に限られ、NATO域外では活動できないと解釈されてきました。 ところが、1991年の湾岸戦争にドイツが派兵しないことに、米国から強い批判が噴出。当時のコール政権は、域外派兵のための「必要な国内的前提条件をつくる」ことを国際公約にし、基本法の解釈を変更。独軍はNATO域外でも活動可能としたのです。 以後、毎年のように海外派兵を増やし、現在は十数カ国に派兵。特にアフガニスタンでは、2002年から14年末まで国際治安支援部隊(ISAF)に毎年4000〜5000人を派兵しました。世論調査で3分の2の人が反対するにもかかわらず、政府は強行し続けました。現在も850人がアフガン兵士の訓練を任務として残留しています。 しかしアフガン派兵で独軍兵士55人が死亡し、わかっているだけでPTSDの患者が431人となるなどの深刻な結果をもたらしています。 ■軍は変わった 連邦議会(下院)国防委員会に所属する左翼党のクリスティネ・ブッフホルツ議員は、「NATOが初めて集団的自衛権を発動したアフガン戦争への派兵は、独軍を本格的に殺し殺される軍に変えました」といいます。 09年9月にはアフガン北部クンドゥズ州で、独軍大佐が指示した空爆により、民間人91人が巻き添えになり死亡する事件も起きました。ブッフホルツ氏は、これがドイツにとって「1945年後初めての戦争犯罪になる」と指摘します。 「政府はISAFが治安維持や後方支援などの“平和的任務”だといっていましたが、実はISAFは米英の不朽の自由作戦と密接に関係していた。占領軍とみなされて攻撃され、軍事紛争の深みにはまっていったのです」 ■“戻れば治る” PTSDの影響は深刻です。不発弾や地雷処理の専門家としてアフガニスタンに3回派遣された経験を持つロベルト・ゼトラチェクミュラーさん(37)は語ります。 「最初の2002年のときに、不発弾処理で事故に遭いました。友人も含め5人が亡くなり、多くの兵士が負傷。それ以来、花火の破裂音を聞いても当時の爆発をありありと思い出してしまう」 不眠やフラッシュバックの症状からPTSDと診断されたゼトラチェクミュラーさんですが、03年と05年にもアフガン行きを命じられます。 当時はそれが普通で、「現地部隊に戻れば治る」といわれたといいます。しかし病状は悪化し、帰国後、家族とのトラブルや自殺願望、身体の異常が拡大。「医師にこのままでは死んでしまうといわれた」ことと「娘を傷つけてはいけない」という思いから、09年に「初めて本格的な援助を軍に求めた」と語りました。 ■相談に来ない ベルリンの軍病院で医師として働くゲルト・ウィルムント大佐はいいます。 「PTSDは不眠や集中力の低下が続き、自分の感情がコントロールできなくなって暴力をふるったり、うつ病を併発すれば自殺にもつながる病気ですが、当時は治療のやり方がわからなかったのです。03年に多くの死傷者を出した自爆テロ事件を受けて、PTSDの治療の研究が始まりました」 PTSDにかかり、独軍病院などで治療を受けている患者は14年末で431人。しかしドレスデン工科大学の調査では、派遣後12カ月たった兵士の2・9%がPTSDにかかっているとの数字もあり、軍が把握できていない患者は多いといわれます。 ウィルムント氏は「キャリアに傷がつくと思って、相談にこない兵士が多いのは事実です。PTSDにかかっても、軍に何らかの助けを求めるのは50%。さらに精神科医に助けを求めるのはそのうちの10〜20%にすぎません」と認めます。 独政府が退役兵士の実態をつかんでいないのは、独軍が11年7月まで徴兵制だったという事情があるといいます。青年の半分が徴兵を経験しており、誰が兵士だったかという膨大な記録が十分に把握されていないといいます。 「メモリアルラン」を企画する退役軍人の会などは、助けを求める人を掘り起こし、医療・生活の援助につなぐ活動をしています。 前述のゼトラチェクミュラーさんもその1人。「PTSDの退役軍人の中には病気のため離婚したり、暴力事件を起こして刑務所に入ったり、ホームレスになったりする人もいる」と深刻さを語りました。 同氏は現在、軍でアフガンから帰った兵士の相談員の仕事をしながら、中高校の要請にも応じて自分の体験を話しています。 「兵士を派遣したのは政治です。国民が票を入れてつくった政府と議会がわれわれをアフガンに送り、私はPTSDになった。将来の有権者である生徒たちにこのことを知ってもらうことは大事です」 「しんぶん赤旗」2015年5月24日(日)より
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「実に危険な政権だ」「これは国際的な大問題だ」―戦争法案の成立を狙う安倍晋三首相の歴史認識を追及した日本共産党の志位和夫委員長の党首討論(20日)が国内外で衝撃を広げています。安倍首相が志位氏の追及に対し、戦後日本の原点となった「ポツダム宣言」(1945年7月26日)を「つまびらかに読んでおらず、承知していない」と述べ、過去の日本の戦争を「間違った戦争」と認めなかったからです。海外紙も報道し、ネットでの再生回数は、22日までに4万回近くにのぼっています。 「安倍首相がポツダム宣言を“読んでいない”というのは深刻な問題です。なぜならポツダム宣言は、日本の平和の礎だからです。しかし、それ以上の問題は、安倍首相が第2次世界大戦を『間違った戦争』だといっている部分を受け入れていないことにあります」と語るのは、英エコノミスト誌の特派員デービッド・マクニールさん。 20日の討論で志位氏は、日本の過去の戦争を「世界征服」「侵略」と規定した「ポツダム宣言」を示し、「宣言の(間違った戦争という)この認識を認めないのか」と迫りました。そこで飛び出した“読んでいない”答弁―。海外紙でもこの討論は注目され、韓国紙・ハンギョレ新聞22日付は「過去の歴史に蒙昧(もうまい)な安倍首相『ポツダム宣言詳(つまび)らかに承知していない』」の見出しで党首討論の様子を報じ、「日本が過去に犯した戦争を正当化してきた安倍首相の歴史認識を改めて示したものと解釈される」と指摘。中国・新華社の20日付ウェブ版も「安倍首相、ポツダム宣言における日本侵略戦争の定義を明確に認めることを拒否した」と報じました。 マクニールさんは「安倍首相の過去20年来の政治上の信念として一貫していることです」と指摘。「もし安倍首相が、日本が“過ち”と“間違った戦争”をおこしたことを受け入れられないのならば、なぜ、(4月の)米議会でのスピーチでそういわなかったのか。もちろん、そうするならば、アメリカ、中国、その他のアジアの国々との関係を完全にご破算にしてしまうことになるでしょう」と指摘します。 元法政大教授の五十嵐仁さんは自身の21日付ブログで、「安倍首相にとっては、馬鹿にされることよりも、『間違った戦争』だと答えることの方が、ずっと辛(つら)かったということなのでしょう。そのような回答を避けるためには『ポツダム宣言も読んでいないのか』という嘲(あざけ)りさえも、安倍首相にとっては甘受すべきものだったということになります」と解説し、強調します。 「それほどに、安倍首相は『間違った戦争』だったと認めたくないということなのです。この点にこそ、党首討論でのやり取りが示している本質があり、安倍首相の歴史認識が持っている問題点が集約されているということになります」 志位 VS 安倍 党首討論の衝撃 “ポツダム宣言読んでいない”答弁 戦争法案出す資格ない 「ポツダム宣言」は、日本の過去の戦争を「日本国国民を欺瞞(ぎまん)しこれをして世界征服の挙にいづるの過誤」と規定した、戦後政治の原点となるものです。それを「私はまだ、その部分をつまびらかに読んでいない。論評は差し控えたい」と、戦争の善悪をかたくなに口にしない安倍晋三首相―。 「朝日」22日付「天声人語」は「ポツダム宣言は戦後の世界秩序の起点の一つだ。首相はそれも読まずに、『戦後体制(レジーム)からの脱却』を唱えてきたのかという批判が出たのは当然である。基本的な歴史の知識すら欠くのでは、と疑われても仕方がない」と指摘しています。 一方で、右派メディアの中には、「戦前の日本は果たして『世界征服』など目指していたのだろうか」(「産経」22日付)と否定する論調も見られます。果たしてそうか―。 公式文書明記 第2次世界大戦前にも、日本が領土拡大を目的に朝鮮半島を支配し、中国侵略を進めていったことは、日本政府の公式文書で明らかです。 大本営政府連絡会議は1940年9月16日の「日独伊枢軸強化に関する件」で、政府と軍部は、ドイツ、イタリアとともに行った戦争を世界再分割の戦争と位置づけ、日本の取り分をあらかじめ画定しました。日本が領土(「生存圏」)とすべき地域を「皇国の大東亜新秩序建設のための生存圏」として中国、インドからオーストラリア、ニュージーランドまでの広大な地域を指定しています。 この方針に基づいて、日本は、ナチス・ドイツ、イタリアと三国同盟を結び、ドイツ、イタリアが「欧州における新秩序建設」に関し、日本が「大東亜における新秩序建設」に関し、それぞれ「指導的地位」を認めあったのです。まさに「日本がドイツと組んで、アジアとヨーロッパで『世界征服』の戦争に乗り出した」(志位氏)のです。 「全体として」 今回の答弁は、安倍首相一人の考えではありません。礒崎陽輔首相補佐官は党首討論での安倍首相の答弁を受け、「ポツダム宣言」について「一字一句正しいことが書いているかどうかは私はどうかと思う。少し精査してみないと何とも言えない」(20日のBSフジ番組)と否定する発言をしたのです。礒崎氏にとって「ポツダム宣言は(日本が)全体として受け入れたのは明確な事実」(同)というものなのです。菅義偉官房長官も21日の記者会見で「全体として受け入れている」という表現を使いました。これは安倍首相が今夏に発表しようとしている「70年談話」に関して、「村山談話」の核心部分を引き継ぐと明言せず、「全体として引き継いでいる」というごまかしと同じです。 過去の日本の戦争を「間違った戦争」と認めない安倍政権。ジャーナリストの青木理さんは、「安倍首相は『戦後レジーム(体制)からの脱却』を掲げ、日米安全保障体制の強化や集団的自衛権にかんして手をつけ、『戦争法案』をすすめようとしている。それにもかかわらず、ポツダム宣言を読んでいないというのは、首相としての資格が問われる問題です。読んでいなくても、自民党の政治家になれるとは思いますが、そういった人物が首相に就いて、日本の進路を決めようとする状況は、非常に危険です」と指摘。「自衛隊がアメリカの戦争に世界中で加担するという『戦争法案』は、憲法9条を無視しており、なんの道理もありません。それを戦後政治の原点も知らない首相がすすめている危うさを、メディアはもっと警鐘乱打すべきです」と語ります。 異質な政治家 「ポツダム宣言知らない安倍総理落第」。戦争法案反対の声をあげた21日の国会前行動ではこんな手書きプラカードが。国際基督教大学特任教授(政治思想)の千葉眞さん(立憲デモクラシーの会)は訴えました。 「ポツダム宣言を知らない、日本国憲法も知らない。それから矛盾した命題を自分の頭で同居できる。非常に異質なタイプの政治家であるということが、20日の党首討論で明らかになりました。こういう首相が先導する戦争容認の集団的自衛権行使、そしてアメリカに対して忠犬ポチ的にお金を貢ぎ、自衛隊の方々の貴重な命を貢ぐような政権は、日本にあってはならない」 志位氏は党首討論で「戦争の善悪の判断ができない、善悪の区別がつかない、そういう総理が、日本を『海外で戦争する国』につくり変える戦争法案を出す資格はありません」と厳しく批判しました。 「しんぶん赤旗」2015年5月23日(土)より
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安倍晋三首相が20日の党首討論で、「ポツダム宣言」を「つまびらかに読んでいない。論評を差し控えたい」とのべたことが世間に衝撃を与えています。 |
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礒崎陽輔首相補佐官(自民党参院議員)は20日放送のBS番組で、日本が受諾し戦後日本の始まりとなったポツダム宣言(1945年7月26日)について、「一字一句正しいことが書いているかどうかは私はどうかと思う」「少し精査してみないと何とも言えないのではないか」と述べ、宣言を否定するような立場を示しました。 |





