原発問題

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 安倍政権は発足早々、原発の再稼働のみならず、新増設凍結の見直しを公言しています。しかし、東京電力福島第1原発事故は、活断層が縦横に走り、海底には巨大な地震と津波を引き起こすプレート境界が横たわる日本(図)で原発を動かす条件は存在しないことを明らかにしています。

 そのことを明確に示しているのが、原子力規制委員会の専門家チームが行っている原発敷地内を走る破砕帯調査です。これまでに行った3カ所の原発のうち日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)や東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県東通村)の敷地内破砕帯を活断層の可能性が高いと判断しました。

 これらの破砕帯は、これまで電力会社が「活断層ではない」と主張し、経済産業省の旧原子力安全・保安院も追認してきたものです。これまでの審査がいかにずさんであったかを示すものです。

 現在、国内で唯一稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)の調査でも多くの専門家が活断層の可能性を否定できないとしています。規制委の専門家チームは、関電美浜原発(福井県美浜町)、北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の敷地内破砕帯についても、調査を行う予定です。

 規制委の新たな安全基準を策定する専門家の検討会では、近傍の活断層による影響評価の不備など、これまでの審査基準そのものの問題が指摘されています。再稼働や新増設などはありえず、残るすべての原発の活断層調査に取り組むべきです。

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「しんぶん赤旗」2013年1月4日(金)より
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(写真)国内で稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(手前から)の原子炉は三菱重工製です

 原子力規制委員会で安全基準づくりを担当する検討チームに加わる専門家が業界からの寄付の有無を報告した自主申告書(写真)で、企業が提供した資金額の一部が黒塗りで隠されていることがわかりました。この不可解な黒塗りについて、同委員会などは本紙の取材に明確な説明ができず、不透明さが浮き彫りになりました。

 黒塗りがあったのは、山本章夫名古屋大大学院教授の自主申告書です。それによると、原発関連企業5社から委託研究16件がありました。このうち4社については提供した額が記されていましたが、三菱重工の3年分は黒塗りでした。

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 黒塗りにしている理由について、三菱重工は「当社だけ、なぜこうなっているかはわからない」と回答。

 一方、原子力規制委員会は、「金額を公表するのが委員会の基本的立場。こちらの判断で黒塗りをすることはない。三菱重工と山本教授の間で決めた『不利益な情報』に当たるので、黒塗りになった」と説明しました。

 申告書で、山本教授は少なくとも総額3314万円以上の資金を報酬や寄付、委託研究として提供されていました。黒塗りとなっている三菱重工からの資金を加えると、さらにふくらみます。

 これだけ多額の原発マネーの恩恵を受ける山本教授は、今後の原子力規制の骨格づくりにかかわる公正さが求められる立場です。それにもかかわらず、「不利益な情報」として資金提供の実態を伏せることができるとは―。規制委員会が自主申告の目的としている「透明性・中立性」が問われます。


「しんぶん赤旗」2012年11月25日(日)より
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)が14日開いた定例委員会で、国が原発の指針類を作るに当たって、日本電気協会や日本原子力学会などで定めた民間規格を取り入れている問題が議論になりました。委員の1人から、民間規格が原発に深く関わる業界出身者や学者だけで作られている実態が示され、「身内で身内のことを決めていると、とられかねない状況」と批判する声が上がりました。


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(写真)原子力規制委員会が入るビル=東京都港区

 審査に使われている指針類が、業界作成の指針にもとづいている問題は、住民運動団体が「中立性、公平性、公開性が担保されていない」と、繰り返し指摘してきたものです。

 会合では、今後も従来通り、これらの規格を活用するかどうかが議題となりました。事務局の原子力規制庁が、国の原発耐震指針類に、日本原子力学会、日本機械学会、日本電気協会が定めた民間規格を取り入れていた経過を報告。旧経済産業省原子力安全・保安院の職員が、民間規格の策定過程に参加し、投票などの意思決定に関わってきたことなどを説明しました。

 方針案では、今後も民間規格を取り入れることを続け、規制委が民間規格策定過程に参加するものの、投票などの意思決定に関わらないとしました。

 これに対し、島崎邦彦委員長代理が、「三菱重工業、富士電機、日立GEニュークリア・エナジー、東芝…。大林組原子力本部、竹中工務店原子力火力本部、鹿島建設原子力部…」と、日本電気協会が策定した民間規格の一つ、原発耐震設計技術指針を決めた構成メンバーの出身企業を読み上げました。構成メンバーには、ほかに東京電力など電力会社11社も含まれています。

 島崎氏は、構成メンバーの学識経験者も含め「第三者的な人は少なく、非常に一方的」と指摘。国会の事故調査委員会が東京電力福島第1原発事故の教訓として、規制機関が事業者の「とりこ」となっていたと批判していた点にも触れて、「また同じことになると心配している」と述べました。

 また、島崎氏は、民間規格を取り入れるやり方がアメリカの仕組みを参考にしていると説明された点についても「アメリカと日本の安全文化は大違い。同じやり方を持ってきても通用しがたい」と批判。民間規格の策定に参加した経験がある更田(ふけた)豊志委員も、「速記録がない。議事録が公開されているといっても、策定のプロセスを追跡できるかどうか。速記録を残せるように検討してはどうか」と、現状の民間規格の透明性には問題があるとしました。

 こうした議論を受けて、方針の決定は次回以降に見送られました。



規制のあり方根本的変換を
 伊東達也・原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員の話 東京電力福島第1原発事故の後、東電が地震や津波、過酷事故に対する備えを怠っていたことが次々明らかになりました。その背景に、国が原発の安全基準づくりを、原発推進側の企業の代表や学者らが占める民間機関にまかせてきたことがあります。私たちは、推進側のとりこにされた原子力規制のあり方を改めるよう繰り返し要求してきましたが、国は一顧だにしませんでした。規制委員の中から、それについて意見が出されたことは歓迎すべきことだと思いますが、問題は規制のあり方を根本的に変えることであり、そのために私たちもさらにがんばります。


「しんぶん赤旗」2012年11月15日(木)より
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(岩盤の亀裂)が活断層ではないかと指摘されている問題で、原子力規制委員会は7日、専門家を交えた現地調査の結果を検討する2回目の評価会合を開きました。活断層かどうかを決着させるデータがないとして判断を先送りし、調査メンバーによる現地の再調査や、別な場所で新たにトレンチ(溝)を掘ることなどを関電に求めるとしました。


 問題の破砕帯は、2号機と3号機の間を南北に走る「F―6」と呼ばれる破砕帯。真上には、原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に海水を取り込んで冷やす機能を持つ重要施設「非常用取水路」が横切っています。破砕帯が動けば壊れる恐れがあります。

 会合では、関電から前回4日の第1回会合で問題となった大飯原発の北側のトレンチの壁面でF―6破砕帯とは別に見られた地層のずれについて説明を受けました。専門家は、このずれについて、耐震審査指針で活断層とみなされる12万〜13万年前以降に動いた可能性が否定できないことでは一致。しかし、動いた原因が「地滑り的に見える」とする専門家もあり、前回の会合では、活断層かどうかの結論には至りませんでした。

 この日、関電が地層のずれは「地滑り」だと説明したのに対し、専門家から、関電の調査が問題だとする意見が相次ぎました。

 渡辺満久東洋大学教授は、関電がF―6破砕帯と見ているものと別の破砕帯の可能性があると指摘。重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は「F―6破砕帯がどう連続しているのか、イメージできない」「3次元のデータが不足している」として、関電に十分な調査を求めました。

 広内大助信州大学准教授も、関電の説明は「苦しい」などとして、問題のトレンチをさらに掘り下げて観察したいと述べました。

 これらの意見を受けて、島崎邦彦規制委委員長代理は「この問題は(関電が実施した以前の)トレンチ調査の不備で始まった。限られたデータで議論するから決着がつかない。5人の委員が一致して結論を出すのが望ましい」と述べ、以前のトレンチに近い場所でトレンチを掘ってほしいと関電に求めました。

 早くから危険性を指摘してきた渡辺教授は、活断層の可能性が否定できない点ではメンバー全員が一致しているとして、大飯原発の運転を停止したうえで調査するよう求めました。

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「しんぶん赤旗」2012年11月8日(木)より
 原子力規制委員会で原発の新たな安全基準づくりを担当する検討チームに加わる外部有識者6人のうち4人が三菱重工業などの原子力業界から、少なくとも約6000万円の報酬や寄付などの資金を受けていることが6日、本紙の調べでわかりました。厳格な安全基準づくりをになう立場にありながら、原発事故後も事故前と変わらず、原発マネーの恩恵を受けていることはその適格性が問われる重大問題です。


 検討チームは外部有識者(6人)と原子力規制庁(5人)、原子力安全基盤機構(4人)で構成しています。

 規制委員会は2日、外部有識者の自主申告書を公表。申告書では、直近の3〜4年間に原子力関連企業からの報酬や寄付、共同研究の有無とその額を記載しています。

 業界からの原発マネーは申告分で5172万円。本紙が情報公開で調べた分も加えると、少なくとも5896万円にのぼります。

 申告書によると、使途の制約や報告義務がない所属大学を経由した奨学寄付を3人が計1394万円受けていました(表参照)。

 原子炉メーカーの三菱重工は、阿部豊氏に2006年度から毎年100万円を寄付。山口彰氏にも09年度から100万円ずつ寄付していました。三菱重工は阿部、山口の両氏に東京電力福島第1原発事故後も寄付をしていました。

 山口氏は日本原子力発電(原電)から06年度以降、毎年50万円ずつの寄付を受けています。また関西電力との関係が深い原産協関西原子力懇談会も山口氏と山本章夫氏に寄付をしています。

 原発関連企業から報告義務のある年50万円以上の報酬を受け取っていたのは2人。報酬額は不明ですが、山本氏が3社から12件分、少なくとも600万円以上を受け取っています。山口氏も1社から報酬を受けています。

 共同研究や委託研究として4人が、原発業界から8社、計3128万円を受けていました。

 こうした原発業界から寄付などを受ける研究者を委員に任命することは、「中立性、公平性を損ねる」として強い批判があります。

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「しんぶん赤旗」2012年11月7日(水)より

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