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 みずからが支部長や代表を務める政党支部と資金管理団体を使って寄付金を還流させる「迂回(うかい)寄付」が、自民党、日本維新の会、民主党、みんなの党、生活の党の各党政治家に横行しています。所得税の還付を受けるのが狙い。みずからが寄付金を使えるうえ、税還付分がまるまる“利益”として政治家のフトコロに入ってくることになり、政治家の錬金術だという批判もあがっています。(藤沢忠明)


政党支部使い還流・税還付
 租税特別措置法の規定によると、政治家がみずからの資金管理団体や後援会に直接寄付した場合は所得税控除が受けられませんが、政党支部を経由させることで、最大約30%の税控除を受けることができます。

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こうした手法による迂回寄付が次々と発覚しています(表参照)。違法ではないものの、地方議員ふくめ迂回寄付が目立っている維新幹事長の松井一郎大阪府知事が、「脱法的な感覚を納税者に持たれる」とのべざるをえないものです。

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政務三役も

 重大なのは、自民党が、井上信治環境副大臣(衆院東京25区)や、松下新平国土交通政務官(参院宮崎選挙区)といった政務三役が含まれていることです。

 政治資金収支報告書によると、井上氏は、2011年に「自民党東京都第25支部」に計370万円を寄付したうえで、資金管理団体「信政会」に計1000万円を還流。所得税控除で148万円の還付を受けていたといいます。

 松下氏は、08〜09年は「改革クラブ宮崎県第1支部」、自民党に移った10〜11年は「自民党参議院選挙区第1支部」に計4135万円を寄付。同時期に各政党支部から「松下新平後援会」に計3130万円を還流させるという大がかりなもの。上役の公明党・太田昭宏国交相は「国民の疑惑を招かないよう説明してほしいと(松下氏に)申し上げた」というだけです。

 山本幸三元経済産業副大臣(衆院福岡10区)も、09年は「自民党福岡県衆議院比例区第1支部」、10〜11年は「同衆議院第51支部」に計2725万円を寄付、同時期に資金管理団体「山幸会」と「山本幸三後援会」に計2815万円を還流させました。山本氏は、税金を熟知している大蔵省(現財務省)ОBだけに、罪深いものがあります。

 今年の参院選大阪選挙区の自民党候補になった柳本卓治元衆院議員も、衆院議員だった09〜10年に、「自民党大阪府第3選挙区支部」に計1300万円寄付し、資金管理団体「柳栄会」に計2300万円を還流させていました。

 一方、維新は、馬場伸幸国対副委員長(衆院大阪17区)、井上英孝衆院議員(同1区)など。維新兵庫県総支部代表でもある新原秀人衆院議員(比例近畿)は、自民党県議時代、「自民党兵庫県神戸市垂水区第1支部」に本人が、09〜11年に毎年700万円寄付したほか、妻も同時期に1000万円以上寄付し、資金管理団体「新原秀人後援会」に計4324万8449円を還流させていました。

 民主党では、岸本周平前経済産業政務官(衆院和歌山1区)が、10〜11年に「民主党和歌山県第1区総支部」に2764万4520円を寄付、同時期に資金管理団体「周勝会」に計3000万円を還流しました。

 みんなの中西健治参院議員(神奈川選挙区)、生活の森ゆうこ代表代行(参院新潟選挙区)も、迂回寄付が明らかになりました。

増税の一方
 企業・団体献金や政党助成金(税金)を受け取る「第二の財布」となっている政党支部を使った脱法的行為は許されません。国民には、消費税増税などの負担を押し付けようとしており、各党には、いっそうの説明責任が求められています。



「しんぶん赤旗」2013年4月22日(月)

テーマ:先行営業施設の内容について(その4)

《2012(H24)年10月11日 決算特別委員会》


(つづき)

○志村委員
 この中で続いて、同じ議会の中でも、答弁でこういうものがあるのですね。不透水層内で4メートルから6メートルにわたって汚染が検出された区画につきましては、5街区に集中してございます。5街区につきましては、ガスの製造施設が集中的に立地していたことから、ガス工場の操業過程において、何らかの理由で汚染物質が当該区画の土壌に局所的に浸透した可能性が考えられるという見解を専門家からいただいたということなのです。ですから、ここでも東京ガスの由来によって汚染が浸透しているのだということを認めているわけです。これは、ここの部分だけです。

 そのほかにも、ガス工場ですから、いろいろな調査をすれば出てくると思うのですけれども、そういうことも確認しないで、都の言うことだから安全にやっているのではないかという認識のままでいいのでしょうか、いかがですか。

○内田副参事(都市再生・計画担当)
 不透水層、5街区というお話が出ましたけれども、そのガス工場操業由来の汚染があるという御指摘が専門家からもあり、そういった前提で東京都がどのような調査をして、どのような対策をすれば有効であろうかということを専門家会議、技術会議で検証しているわけでございますので、委員おっしゃるとおり、土壌汚染の完璧な除去というのは、この移転の大前提でございますので、区としても必要な説明は当然求めますし、都民へのわかりやすい説明は当然求めてまいりますけれども、そうしたガス工場操業由来の汚染が、不透水層以下も含めてあるであろうということを前提に対策が講じられていくという説明を受けておりますことから、区といたしましては、そういった前提で次の新しい築地のまちづくりといったところに注力しているということでございます。

 以上です。

○志村委員
 対策をとっている、安心だと言っていますけれども、その対策自身がもう結果が指摘されているわけですね。我々区議会も、東京ガスが汚染処理をしている現地を視察もしました。バイオでやっていますよと。それをやったのだけれども、石原都知事が選挙を含めて再調査をしようとやってみたら、大変なものが出てしまったわけですよね。あのときも清水建設がやったのですけれども、今回もまた同じようなあれで清水建設も絡んでいますけれども、そういう処理自身が、もう既に、それじゃ完全にきれいにならないよという工法でもあるということが指摘されています。

 あわせてですけれども、砒素については、これは処理するということになっているのでしょうか。

○内田副参事(都市再生・計画担当)
 砒素につきましても処理の対象に入ってございまして、ガス工場操業由来のものにつきましては、処理対象であると聞いているところでございます。

○志村委員
 都が操業由来ということを認識しなければ、砒素が環境基準を上回って残っていても、それはいいという認識なのですか。

○内田副参事(都市再生・計画担当)
 操業由来かどうかの判断、そうしたところは、東京都が国で示すような基準に従って、東京都の責任において行われるものだと思いますので、そうした一定の基準に基づいて実施される対策について、区は見守り続けるということでございます。

 以上です。

○志村委員
 この砒素は、今、5街区をやっているから5街区の調査になっているのですよ。5街区の南西部にガスをつくるときに、砒素が含まれる化学薬品が大量に使用された作業所があったところだったのですね。それは、都も認めているのです。だけれども、これは東京ガス工場が原因じゃないということで、環境基準の20倍もあるような砒素がわかりながらも、しかし、砒素を残したまま封じ込めるからだと。操業由来じゃない、自然由来だから対策をとらないのだということは、この区の立場から言っても見過ごすことはできないのではないかと思うのだけれども、その点はいかがですか。

○内田副参事(都市再生・計画担当)
 自然由来か操業由来かの判断基準については、国でも一定の基準が示されていると聞いておりますし、専門家にも見解を伺った上での判断と聞いておりますので、区はそれに基づいて実施される都の対策を見守っているというところでございます。

 以上です。

○志村委員
 だから、都はそうだけれども、食の安全の上で、市場をあそこにつくろうということを合意したという。報告書にもあるわけでしょう。砒素については、141地点中、139地点で不透水層内で環境基準超過を確認したと。だけれども、自然由来だから対策はとらないと言っているのですよ。これは、都から見れば、操業由来についてはやりますと、都はその筋でやっているかもしれないけれども、区・都民の立場からすれば、わずか292地点を調査しただけでも139地点で環境基準を超過すると、20倍の場所もあると。そういう砒素はそのままにして市場をつくるということは、合意の立場から言ってもおかしいのではないかと言っているのですけれども、その点はいかがですか。

○内田副参事(都市再生・計画担当)
 委員おっしゃる自然由来の砒素も含めて、ある程度の自然由来の汚染物質が、自然由来ということですので、市場用地にはあるだろうという前提で、ガス工場操業由来の汚染については、これは100%取り除くという方針で、技術・専門家を交えた専門家会議、技術会議で繰り返し議論を重ねて得られました結果に基づいて東京都が対策をするということですので、その状況を注視していくということでございますし、この7月からは、市場関係業界の方々もお入りになった協議会でモニタリングをしていくということでございますので、そういった東京都と業界等の取り組み状況を区は注視していくということでございます。

 以上です。

○志村委員
 なかなかわかってもらえない。自然由来にしろ、操業由来にしろ、環境基準を上回る砒素をそのままにするというのはまずいのではないかと。自然由来だから高くていいということはないと思いますよ。あわせて、ここにあった砒素を使う作業所というのは、横浜市の根岸工場にもあったわけです。根岸工場の下には、砒素が大変たくさん出ているということも都議会の中でも明らかになっているわけです。だから、今、内田副参事が一生懸命、自然由来だからということで都の立場で言うけれども、実際、豊洲の中にはそういう不十分な対策と、あと砒素は自然由来ということで、そのまま猛毒のまま残っている。

 これが、こういうパンフレットで、これは魚の日まつりで、市場で配られましたけれども、図面があります。これを見ても、不透水層と遮水壁で中をきれいにしますと言うけれども、この不透水層自身がざるになっている。お鍋で言えば穴があいているわけです。だから、幾ら浄化しても、どんどん汚れた物質がざるの中に入ってくるということで、このパンフレット自身もごまかしだと思います。あくまでも都を擁護するようなことで、私とすれば区と都との合意は崩れていると思いますし、ここが大事なところだと思うのですね。

 石原都知事は、もともと市場に税金など使う必要はないのだという論者です。しかし、今回、土壌汚染対策工事だけで、建物じゃなくて600億円もかけているのです。市場をつくるために、あり得ないですよ。しかし、なぜかというと、やはりゼネコンが群がっているわけじゃない。談合疑惑も抱えながら。あわせて、築地市場の跡地も、神田とか神田市場の跡のように、あるゼネコンの名前も挙がっていますけれども、ゼネコンもねらっているという中で、今、動いていると私は思います。

 農林水産省は、市場の認可というのは、関係者の理解と汚染の問題を科学的に処理されたという証明、これが前提なんだということも言っているわけです。だから、そういうことを見れば、中央区がこの合意に基づいて汚染問題を追及していくと。それで、このいろいろな結果を明らかにする。あわせて、こういう中で合意を破棄して、現在地での再整備を求める。これをやりさえすれば農林水産省は認可をおろせないのですよ。だから、中央区がキャスチングボートを握っている。こういうことをぜひ自覚していただきたいと思います。市場は、本当にここにあってこそ、場外市場の、また中央区の発展にもなるわけなので、まだまだ、今、土壌汚染をきれいにするという段階でもありますから、そういう点て方向性をしっかりとっていただきたいと思います。

(つづき)

 続けて二木氏は、北朝鮮のミサイル問題や尖閣列島をめぐる緊張が続くもとで憲法9条改定の動きについて問いました。志位氏は憲法9条2項があるために、日本がやれない三つのこと――(1)海外に武力行使の目的をもって部隊を派遣する(2)集団的自衛権を行使する(3)武力行使を伴う国連軍への参加――があるということが政府見解であったことを指摘。「これをはずしたら海外で戦争できる国になります。イラクやアフガンの戦争が起こったときに、米国と一緒に戦争し、人を殺したり、戦死者がでたり、こういう国になっていいんですかというのが問われています」と警鐘を鳴らし、次のように語りました。

北朝鮮問題――いかに外交に知恵を発揮するか
 志位 北朝鮮、中国の問題も出ました。しかし、これらはすべて外交で解決しなければならないとどの国も思っていると思います。ところが日本政府は外交で解決する方策を、例えば尖閣問題で持っているかというと、持っていません。

 北朝鮮問題に対しても、いま米国も韓国も積極的な外交に動いています。日本だけが主体的な外交方針が見えない。外交でいかに抑えていくかということが大事であって、憲法を変えて海外で戦争する話と違うわけです。こういうものを利用して、海外で戦争する国をつくるというのは大間違いだということを言いたいですね。

 二木 もっと冷静なところでやらないと、むこうがこん棒を持ったらもっと大きなこん棒を持ちたくなる、そういうような形ではないだろうなと思う。

 志位 本当にそのとおりです。北朝鮮問題をとっても、この問題を戦争で解決しようと考えている国はどこにもないのです。米国だって戦争を何とか避けようとして、先日、ケリー国務長官が中国、韓国、日本を回って、“北朝鮮が一歩踏み出すなら対話の用意はある”とシグナルを送っています。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領も、対話の門戸を開けています。

 朝鮮半島で戦争ができるかと考えると、できないし、やってはならない。戦争ができないのだったら外交しかない。これはアメリカも韓国もどの国もそう思っています。ここでいかに知恵を発揮するかということだと思います。

「アベノミクス」――政府主導の危険な「投機とバブル」
 話題は安倍政権の経済政策(アベノミクス)に移りました。

 二木氏がアベノミクスについて「いまのところ、円安にふれ、株高にいき、うまく行っているじゃないのと、そのことが、高い内閣支持率を呼んでいると思う」と述べて、志位氏の認識を問いました。

 志位氏は「うまくいっていると言っているのはごく一部です」と指摘し、最近の民放番組が実施した“安倍政権になって暮らしがよくなったと思いますか”との設問に“そう感じる”と答えたのは16%、“感じない”という人が77%に上る実態をあげ、こう述べました。

 志位 暮らしが良くなったという実感がない。円安、株高というが、結局どうなっているか。輸入する食料品や原油、原材料が高騰し、家計が苦しく、中小企業が苦しくなる。負の問題が急速にあらわれています。

 「大胆な金融緩和」で動いたのは、投機マネーです。これで荒稼ぎしようと動き回り始めた。そこにさらに、日銀が、お金をじゃぶじゃぶ流して、これまでの2倍の270兆円ものお金を銀行に流すといっています。それでどうなるかというと、いま日本の内需が冷え込んでいるために、かりに日銀が、銀行まで資金を供給しても、(銀行は)貸出先がないのです。しかし、銀行はお金を寝かせておくわけにはいかず、運用しないといけない。そこで投機に走るわけです。このやり方は政府主導で「投機とバブル」をあおる「禁じ手」に手を出そうというもので、非常に危険で、実害も出始めている。

「アベノミクス」の正体は「五本の毒矢」
 二木 とにかくインフレを起こすと。そのためにサラリーマンの給料をあげて、消費を促進するということでしょうか。

 志位 いやいや、そうなっていないんですよ。彼らの「三本の矢」のなかには「賃上げの矢」というのはないんです。政府がひと時、財界に賃上げの要請をしたのは、労働者の要求が強く、共産党も強力に主張したために、一定のことをやらざるをえなくなった結果であって、「三本の矢」のなかに「賃上げの矢」はないんです。

 私は、「三本の矢」というが、実は「五本の毒矢」だと(スタジオがどっと沸く)。「第一の毒矢」は「大胆な金融緩和」というが、「投機とバブル」をあおるということですから、大破綻がきますよ。

 二木 不動産もあがっていますからね…。

 志位 「第二の毒矢」は、「機動的な財政出動」といいますが、やっていることはムダな公共事業のバラマキですから、残るのは借金だけです。

 「第三(の毒矢)」は、成長戦略といいますが、「多様な正社員」の名で「首切り自由の正社員」をつくる。それ以外の正社員は、「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間規制の適用除外)――「サービス残業」の自由化、残業代を払いませんよというやり方で長時間労働を強いていくと(いうものです)。これが「成長戦略」で言われていることです。

 二木 これは実は毒矢ですよと。あとの二つは何ですか。

 志位 あと二つは、安倍首相が言わないで隠している「毒矢」です。

 「第四の毒矢」は、消費税増税。10%、13・5兆円の負担増です。

 「第五の毒矢」は、社会保障の切り下げです。生活保護切り捨てから始まり、医療費負担増、介護の利用料の引き上げ、年金の引き下げなどがすすめられようとしています。

 この「五つの毒矢」に国民の所得を良くし、内需を良くする矢は一本もない。デフレ不況の根本原因は何かといえば、働く人の所得がずっと落ち続けていることにある。だから消費も増えず、内需が落ち込む。ここにあるわけです。

 二木 そうですね、うん。

賃金を上げ、安定した雇用を増やすことこそ
 志位 ですから、賃金を上げる、安定した雇用を増やすということが大事です。そのために、私たちは具体的に、大企業は内部留保、260兆円も持っていますが、「全部使え」といいませんよ、その1%使っただけで、だいたい8割の大企業で月1万円の賃上げができる。それから、非正規も賃上げをやると(いうのが大事です)。

 最後に、二木氏は番組での議論を総括して、聞き手の松田氏に「なんとなく、もう一つ曲がり角というか、選択肢の角にきているという感じがしますね」と問いかけました。松田氏も「そうですね。アベノミクスも含めて、経済政策は実感として効果があるかどうかだと思う」と述べました。


「しんぶん赤旗」2013年4月17日(水)より

 日本共産党の志位和夫委員長は、15日に放送されたBS11番組「INsideOUT」(インサイドアウト)に出演し、政府が主催する「主権回復の日」式典をどう考えるか、憲法改定や安倍政権の経済政策(アベノミクス)をどうみるかなどについて大いに語りました。聞き手は二木啓孝・BS11解説委員、松田喬和・毎日新聞論説委員、アナウンサーの深津瑠美氏です。


 番組冒頭、二木氏は4月28日(サンフランシスコ条約=サ条約=の発効の日)に政府が「主権回復の日」と位置づけた式典をおこなうことについて「突然でてきたやにみえる」と発言。沖縄が日本から切り離された「屈辱の日」として反発していることにふれた「毎日」(3月31日付)の社説や、都道府県知事のうち本人が式典に出席するのは19都県にとどまっているとの沖縄タイムス(14日付)の報道(表参照)を示しながら、志位氏の見解を問いました。
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サンフランシスコ条約――「領土不拡大」原則からの逸脱
 二木 政府主催なのに(知事)本人出席が19人は意外に少ないと思いますが…。

 志位 国民的合意が全くないということを示していると思います。

 二木 (テロップで)サンフランシスコ条約の関連の条文をピックアップしました。説明してくれませんか。

 志位 いくつか問題点がありますが、第2次世界大戦の戦後処理の大原則は、カイロ宣言、ポツダム宣言で「領土不拡大」――戦争で勝った国も領土を増やしてはいけないということにあったのです。

 ところが、(サ条約)第3条を見てほしい。沖縄、奄美、小笠原を米国の施政権におくと規定しています。これによって沖縄などは切り離された。この日を「屈辱の日」と呼ぶのは当然です。

 それから第2条C項ですが、「千島列島、樺太の一部を放棄」とあります。樺太は日本が日露戦争でとったものですから、返すのは当たり前ですが、千島列島が問題です。

 千島列島は1875年の樺太・千島交換条約で日本領と平和的に確定した領土です。ところが、(ソ連の)スターリンがヤルタ会談で、対日戦に参戦するかわりに、「日本の千島列島を引き渡す」という秘密協定を(米国や英国と)結ぶ。それを(サ条約で)追認して、千島列島を放棄した形になった。これがいまの領土問題の始まりなのです。「領土不拡大」が大原則なのに、ソ連は千島を分捕り、アメリカは沖縄などを施政権のもとにおきました。第2次世界大戦の戦後処理の大原則に反する、大きな逸脱でした。

 二木 サ条約は沖縄の問題がどうしても焦点化するが、よく読むと「北方領土」返還問題もここからスタートしている。

 志位 千島問題を解決しようとしたら、この誤りを是正し、北千島を含めて日本の領土ですから全部返せという交渉を筋をたててやるべきです。

日本を安保で縛った「従属と屈辱の日」
 そのうえで、志位氏は、占領軍が駐留軍と名前だけかえて、米軍として日本に残る根拠条文とされたサ条約第6条が最大の問題と指摘しました。

 二木 (6条は占領終了後)「90日以内」に日本から撤退しなきゃいけない。ただし、米軍は違いますよという話になっている。

 志位 これはポツダム宣言に反しているんです。ポツダム宣言では、連合国は、日本の民主化、非軍事化の仕事を終えたら、ただちに撤退すると書いてあります。ポツダム宣言に違反して、米軍が居残ると(いう仕掛けをつくった)。

 これと一体に結ばれたのが旧安保条約でした。旧安保は、米国が占領下で強権的に奪い取った基地を、そのままそっくり貸与し続けるものでした。4月28日は、サ条約が発効した日でもあると同時に、日米安保条約が発効した日でもある。これを忘れちゃいけないと思います。

 沖縄の人たちにとって「屈辱の日」、日本国民全体にとって「従属の日」―「従属と屈辱の日」として、これは祝うべきじゃない。サ条約で一応、形式上は(日本は)独立国になりましたが、他国の軍隊がこれだけ居座っているわけですから、実体的には従属国です。主権を回復したとはいえない。

 深津氏は「沖縄の人に思いをはせると、『祝う日ではない』というのはその通りですよね」とコメント。二木氏も沖縄の人たちの苦労を考えずに「主権回復」を祝うところに「デリカシーのなさを感じる」と語りました。

 志位氏は、サ条約の後も、「銃剣とブルドーザー」で強引に住民を押しのけ、家をなぎ倒し、基地の拡張が図られてきた沖縄の苦難の歴史を語った上で、次のように述べました。

 志位 これ(式典の話)をやるときめたときに、安倍首相は沖縄のことをまったく考えなかったのでしょうか。沖縄の県議会では超党派で抗議決議があがって、抗議集会もやられます。当然そういうことを考えないといけないのに、考えもしない政府は情けないと思います。

 松田氏は、サ条約が「苦渋の選択」のなかで沖縄だけに偏重した基地を押し付けた形で日本は独立を果たしてきたと述べ、「罪悪感を日本国民全体が持たないと、なかなか沖縄問題は決着に結びつかない」と語ったことを受けて、志位氏はこう答えました。

 志位 この問題は沖縄の人たちにとって「屈辱の日」、日本国民全体にとって「従属の日」だといいました。米軍基地は沖縄だけじゃありません。厚木、横田、横須賀、岩国など、たいへんな被害が本土でもたくさんあります。首都圏に巨大基地をいまでも抱え込んでいる国は日本ぐらいしかないわけです。そういう点で、日本国民全体の問題でもあります。

 そして、安保条約を結んだために、沖縄の人たちは日本国憲法のもとに復帰しようと頑張ったのに、1972年に復帰した先は安保条約のもとへの復帰だったわけです。安保条約があったために、沖縄の基地は、結局本土復帰した後も、いまだに解決しない。ですから、沖縄に対する「屈辱の日」というだけじゃなく、日本国民全体を安保で縛ったのが一番の問題だと思います。

ASEANのような平和の地域共同体を北東アジアに
 続けて二木氏は、冷戦構造の米軍・沖縄の位置付けと、冷戦後の米軍・沖縄の位置は違うという認識を示し、「そういうなかで、嘉手納の問題、普天間の問題をどうするか、日本側がむしろ発信すべきなんだけれども、なかなかそういうのが見えてこない」と指摘しました。

 志位 「米ソ対決」時代は、力対力でしのぎを削るパワーポリティクスが支配するという面がありましたが、それが崩れて世界は変わったわけです。

 たとえば、東南アジアには、かつてはSEATO(東南アジア条約機構)という軍事同盟がありました。この軍事同盟は、ベトナム戦争で、東南アジアの人たちが相互に傷つけあうという経験と反省を経てなくなりました。他方、ASEAN(東南アジア諸国連合)ができています。これは軍事同盟ではないですよね。

 二木 そうですね。

 志位 外部に敵をもたない平和の地域共同体です。それが、東南アジアに広がってきた。ASEANでおこっている平和の流れを北東アジアにも広げていくという発想を持つ必要がある。こういう時代に、まだ軍事同盟に頼っているのは時代遅れだと思いますね。

 二木 「憲法番外地」ともいうべき日米地位協定も、問題ではありませんか。

 志位 地位協定も本当に大きな問題です。地位協定の前の行政協定のときから一貫した問題で、「全土基地方式」があります。“アメリカがのぞむところ、どこでも米軍基地はおけますよ”という取り決めが行政協定以来、ずっとあるわけです。たいへん屈辱的な内容です。

 それから、日本の米軍基地に国外から、米軍がやってくる。たとえば嘉手納基地は、アラスカ、ハワイなどからきます。ところが無通告でくるわけです。日本の嘉手納(基地)から厚木(基地)にいく、こういうのもまったく無通告で勝手に動くわけです。ドイツでしたら、(米軍の部隊がドイツ国内に)入ってくるときも、国内で移動するときも(ドイツ政府の)許可が必要です。日本はまったく自由勝手。こんな植民地的な状態はありません。

「主権回復の日」は改憲論議と一体

 「主権回復の日」をめぐって自民党の狙いがどこにあるのかを問うた二木氏。志位氏は、2011年2月に設立した「4月28日を主権回復記念日にする議員連盟」の設立趣意書(資料参照)を提示し、「主権回復した際に、本来なら直ちに自主憲法の制定と国防軍の創設は、主権国家として最優先手順であった」と読み上げたうえで、こう述べました。

 志位 ここがキーポイントです。主権回復したら直ちに憲法を変え、国防軍を持つべきで、やらなかったのは問題だといっています。逆にいうと、“主権喪失していた時期につくられた日本国憲法は「占領憲法」だからこれは変えないといけない”という改憲(の動き)と一体に出てきた議論だというところをみないといけないと思うのです。

 二木氏は憲法改定を前倒しで進めようとする安倍政権の動きについて、「高い支持率でいけるという判断なんでしょうか」と松田氏に問いかけました。松田氏は「そうでしょうね」と応じたうえで、つぎのような解説を加えました。

 松田 しかし、支持率の中身を見ると、安倍さんの思想に共鳴しているコアな部分と、やわらかい支持、軽い支持層という「二重構造」になっていると思います。ですから6割、7割という高い支持率が集まってくるわけで、全部それが自民党イコール安倍さんの思想に共鳴するということではない。昨日の青森市長選、郡山市長選を見てくると、自民党が苦戦しています。“安倍カラー”に対する不安というか不信というか、少し出ているのかなと見ている。

 二木氏は改憲の発議要件を緩めて、憲法改定をしやすくする96条改定の動きに言及し、見解を問いました。

 志位氏は「96条改定の最大の目標は9条改憲にあります」と指摘したうえで、主権者である国民が国家権力を縛るのが近代の立憲主義の立場だと強調しました。「時の政権が自分の都合のよいように憲法を変えられるようになったら、立憲主義という憲法のあり方の一番大切な部分を大本から壊してしまうことになります」と述べました。

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(つづく)

「しんぶん赤旗」2013年4月17日(水)より
 安倍晋三首相と大手メディア幹部との会食が止まりません。本紙3月31日付で「大手5紙・在京TVトップ 首相と会食」と報じて以降も、4日には曽我豪・朝日新聞政治部長、小田尚・読売新聞論説委員長、田崎史郎・時事通信解説委員らが永田町の高級中国料理店で会食。翌日には、大久保好男・日本テレビ社長が東京・内幸町の帝国ホテル内の宴会場で会食しています。


 会食はいずれも2時間から3時間にもおよんでいます。高級割烹(かっぽう)やフランス料理店などを舞台にした大手メディア幹部との会食は別項のとおりですが、このほかにも「報道関係者」との会食が1月10日(赤坂の日本料理店)、3月13日(赤坂の会員制クラブ)に行われています。

 ある大手紙記者OBは「社長から局長・部長へ、部長からデスク・キャップへと『会食作戦』はエスカレートするかもしれない」と指摘。「こうした会合は割り勘ではないだろう。ジャーナリズムの世界では『おごってもらったら、おごり返せ』とされている。安倍首相にどう、おごり返すのだろうか」と語っています。

 4日は、安倍政権が誕生して100日。「朝日」も「点検100日・安倍政権」という連載を1面トップから開始していました。その検証すべき対象と政治部長が会食・懇談しながら影響はないのか。ちなみに同日夜、日本政治に詳しい米国の政治学者は都内の講演で、安倍政権について論じつつ、「メディアも安倍政権の宣伝紙のようになっている。ひどいのは今日の『朝日』。まったく客観性がなく、安倍首相の言っていることを並べているだけだ」と述べていました。

 政治の最高権力者が何の政治的意図も持たずに接触を求めるはずはありません。欧米では、メディア経営者は現職の政権トップとの接触を控えるのが不文律です。

欧米ではありえない
 門奈(もんな)直樹さん(立教大学名誉教授、メディア研究者)の話 消費税増税の大キャンペーンを張る裏で時の最高権力者と会食し、自らの利権を守る新聞への軽減税率導入を図るなど、日本のメディアは異常だと思います。

 英国では首相とメディア幹部が会食することはまったくない。そんなことをしたら独立性を失うからです。イラク戦争時のBBC(英国放送協会)会長は、就任以前はブレア首相(当時)と刎頸(ふんけい)の間柄でしたが、会長就任と同時に首相からのBBCへの注文を全部暴露しました。それぐらい権力に対して毅然(きぜん)としています。

 欧米のメディア界にはウオッチドッグ(権力を監視する番犬)という用語があります。今の日本のメディアは、誰にでも愛嬌(あいきょう)をふりまくプードルになっています。戦前、権力との妥協の所産として「不偏不党」の用語を使って権力の補完装置になった歴史が日本にはあります。それと似た状況が出てきています。

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「しんぶん赤旗」2013年4月11日(木)より

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