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みずからが支部長や代表を務める政党支部と資金管理団体を使って寄付金を還流させる「迂回(うかい)寄付」が、自民党、日本維新の会、民主党、みんなの党、生活の党の各党政治家に横行しています。所得税の還付を受けるのが狙い。みずからが寄付金を使えるうえ、税還付分がまるまる“利益”として政治家のフトコロに入ってくることになり、政治家の錬金術だという批判もあがっています。(藤沢忠明) 政党支部使い還流・税還付 租税特別措置法の規定によると、政治家がみずからの資金管理団体や後援会に直接寄付した場合は所得税控除が受けられませんが、政党支部を経由させることで、最大約30%の税控除を受けることができます。 こうした手法による迂回寄付が次々と発覚しています(表参照)。違法ではないものの、地方議員ふくめ迂回寄付が目立っている維新幹事長の松井一郎大阪府知事が、「脱法的な感覚を納税者に持たれる」とのべざるをえないものです。 政務三役も 政治資金収支報告書によると、井上氏は、2011年に「自民党東京都第25支部」に計370万円を寄付したうえで、資金管理団体「信政会」に計1000万円を還流。所得税控除で148万円の還付を受けていたといいます。 松下氏は、08〜09年は「改革クラブ宮崎県第1支部」、自民党に移った10〜11年は「自民党参議院選挙区第1支部」に計4135万円を寄付。同時期に各政党支部から「松下新平後援会」に計3130万円を還流させるという大がかりなもの。上役の公明党・太田昭宏国交相は「国民の疑惑を招かないよう説明してほしいと(松下氏に)申し上げた」というだけです。 山本幸三元経済産業副大臣(衆院福岡10区)も、09年は「自民党福岡県衆議院比例区第1支部」、10〜11年は「同衆議院第51支部」に計2725万円を寄付、同時期に資金管理団体「山幸会」と「山本幸三後援会」に計2815万円を還流させました。山本氏は、税金を熟知している大蔵省(現財務省)ОBだけに、罪深いものがあります。 今年の参院選大阪選挙区の自民党候補になった柳本卓治元衆院議員も、衆院議員だった09〜10年に、「自民党大阪府第3選挙区支部」に計1300万円寄付し、資金管理団体「柳栄会」に計2300万円を還流させていました。 一方、維新は、馬場伸幸国対副委員長(衆院大阪17区)、井上英孝衆院議員(同1区)など。維新兵庫県総支部代表でもある新原秀人衆院議員(比例近畿)は、自民党県議時代、「自民党兵庫県神戸市垂水区第1支部」に本人が、09〜11年に毎年700万円寄付したほか、妻も同時期に1000万円以上寄付し、資金管理団体「新原秀人後援会」に計4324万8449円を還流させていました。 民主党では、岸本周平前経済産業政務官(衆院和歌山1区)が、10〜11年に「民主党和歌山県第1区総支部」に2764万4520円を寄付、同時期に資金管理団体「周勝会」に計3000万円を還流しました。 みんなの中西健治参院議員(神奈川選挙区)、生活の森ゆうこ代表代行(参院新潟選挙区)も、迂回寄付が明らかになりました。 増税の一方 企業・団体献金や政党助成金(税金)を受け取る「第二の財布」となっている政党支部を使った脱法的行為は許されません。国民には、消費税増税などの負担を押し付けようとしており、各党には、いっそうの説明責任が求められています。 「しんぶん赤旗」2013年4月22日(月)
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日本共産党の志位和夫委員長は、15日に放送されたBS11番組「INsideOUT」(インサイドアウト)に出演し、政府が主催する「主権回復の日」式典をどう考えるか、憲法改定や安倍政権の経済政策(アベノミクス)をどうみるかなどについて大いに語りました。聞き手は二木啓孝・BS11解説委員、松田喬和・毎日新聞論説委員、アナウンサーの深津瑠美氏です。 番組冒頭、二木氏は4月28日(サンフランシスコ条約=サ条約=の発効の日)に政府が「主権回復の日」と位置づけた式典をおこなうことについて「突然でてきたやにみえる」と発言。沖縄が日本から切り離された「屈辱の日」として反発していることにふれた「毎日」(3月31日付)の社説や、都道府県知事のうち本人が式典に出席するのは19都県にとどまっているとの沖縄タイムス(14日付)の報道(表参照)を示しながら、志位氏の見解を問いました。 二木 政府主催なのに(知事)本人出席が19人は意外に少ないと思いますが…。 志位 国民的合意が全くないということを示していると思います。 二木 (テロップで)サンフランシスコ条約の関連の条文をピックアップしました。説明してくれませんか。 志位 いくつか問題点がありますが、第2次世界大戦の戦後処理の大原則は、カイロ宣言、ポツダム宣言で「領土不拡大」――戦争で勝った国も領土を増やしてはいけないということにあったのです。 ところが、(サ条約)第3条を見てほしい。沖縄、奄美、小笠原を米国の施政権におくと規定しています。これによって沖縄などは切り離された。この日を「屈辱の日」と呼ぶのは当然です。 それから第2条C項ですが、「千島列島、樺太の一部を放棄」とあります。樺太は日本が日露戦争でとったものですから、返すのは当たり前ですが、千島列島が問題です。 千島列島は1875年の樺太・千島交換条約で日本領と平和的に確定した領土です。ところが、(ソ連の)スターリンがヤルタ会談で、対日戦に参戦するかわりに、「日本の千島列島を引き渡す」という秘密協定を(米国や英国と)結ぶ。それを(サ条約で)追認して、千島列島を放棄した形になった。これがいまの領土問題の始まりなのです。「領土不拡大」が大原則なのに、ソ連は千島を分捕り、アメリカは沖縄などを施政権のもとにおきました。第2次世界大戦の戦後処理の大原則に反する、大きな逸脱でした。 二木 サ条約は沖縄の問題がどうしても焦点化するが、よく読むと「北方領土」返還問題もここからスタートしている。 志位 千島問題を解決しようとしたら、この誤りを是正し、北千島を含めて日本の領土ですから全部返せという交渉を筋をたててやるべきです。 日本を安保で縛った「従属と屈辱の日」 そのうえで、志位氏は、占領軍が駐留軍と名前だけかえて、米軍として日本に残る根拠条文とされたサ条約第6条が最大の問題と指摘しました。 二木 (6条は占領終了後)「90日以内」に日本から撤退しなきゃいけない。ただし、米軍は違いますよという話になっている。 志位 これはポツダム宣言に反しているんです。ポツダム宣言では、連合国は、日本の民主化、非軍事化の仕事を終えたら、ただちに撤退すると書いてあります。ポツダム宣言に違反して、米軍が居残ると(いう仕掛けをつくった)。 これと一体に結ばれたのが旧安保条約でした。旧安保は、米国が占領下で強権的に奪い取った基地を、そのままそっくり貸与し続けるものでした。4月28日は、サ条約が発効した日でもあると同時に、日米安保条約が発効した日でもある。これを忘れちゃいけないと思います。 沖縄の人たちにとって「屈辱の日」、日本国民全体にとって「従属の日」―「従属と屈辱の日」として、これは祝うべきじゃない。サ条約で一応、形式上は(日本は)独立国になりましたが、他国の軍隊がこれだけ居座っているわけですから、実体的には従属国です。主権を回復したとはいえない。 深津氏は「沖縄の人に思いをはせると、『祝う日ではない』というのはその通りですよね」とコメント。二木氏も沖縄の人たちの苦労を考えずに「主権回復」を祝うところに「デリカシーのなさを感じる」と語りました。 志位氏は、サ条約の後も、「銃剣とブルドーザー」で強引に住民を押しのけ、家をなぎ倒し、基地の拡張が図られてきた沖縄の苦難の歴史を語った上で、次のように述べました。 志位 これ(式典の話)をやるときめたときに、安倍首相は沖縄のことをまったく考えなかったのでしょうか。沖縄の県議会では超党派で抗議決議があがって、抗議集会もやられます。当然そういうことを考えないといけないのに、考えもしない政府は情けないと思います。 松田氏は、サ条約が「苦渋の選択」のなかで沖縄だけに偏重した基地を押し付けた形で日本は独立を果たしてきたと述べ、「罪悪感を日本国民全体が持たないと、なかなか沖縄問題は決着に結びつかない」と語ったことを受けて、志位氏はこう答えました。 志位 この問題は沖縄の人たちにとって「屈辱の日」、日本国民全体にとって「従属の日」だといいました。米軍基地は沖縄だけじゃありません。厚木、横田、横須賀、岩国など、たいへんな被害が本土でもたくさんあります。首都圏に巨大基地をいまでも抱え込んでいる国は日本ぐらいしかないわけです。そういう点で、日本国民全体の問題でもあります。 そして、安保条約を結んだために、沖縄の人たちは日本国憲法のもとに復帰しようと頑張ったのに、1972年に復帰した先は安保条約のもとへの復帰だったわけです。安保条約があったために、沖縄の基地は、結局本土復帰した後も、いまだに解決しない。ですから、沖縄に対する「屈辱の日」というだけじゃなく、日本国民全体を安保で縛ったのが一番の問題だと思います。 ASEANのような平和の地域共同体を北東アジアに 続けて二木氏は、冷戦構造の米軍・沖縄の位置付けと、冷戦後の米軍・沖縄の位置は違うという認識を示し、「そういうなかで、嘉手納の問題、普天間の問題をどうするか、日本側がむしろ発信すべきなんだけれども、なかなかそういうのが見えてこない」と指摘しました。 志位 「米ソ対決」時代は、力対力でしのぎを削るパワーポリティクスが支配するという面がありましたが、それが崩れて世界は変わったわけです。 たとえば、東南アジアには、かつてはSEATO(東南アジア条約機構)という軍事同盟がありました。この軍事同盟は、ベトナム戦争で、東南アジアの人たちが相互に傷つけあうという経験と反省を経てなくなりました。他方、ASEAN(東南アジア諸国連合)ができています。これは軍事同盟ではないですよね。 二木 そうですね。 志位 外部に敵をもたない平和の地域共同体です。それが、東南アジアに広がってきた。ASEANでおこっている平和の流れを北東アジアにも広げていくという発想を持つ必要がある。こういう時代に、まだ軍事同盟に頼っているのは時代遅れだと思いますね。 二木 「憲法番外地」ともいうべき日米地位協定も、問題ではありませんか。 志位 地位協定も本当に大きな問題です。地位協定の前の行政協定のときから一貫した問題で、「全土基地方式」があります。“アメリカがのぞむところ、どこでも米軍基地はおけますよ”という取り決めが行政協定以来、ずっとあるわけです。たいへん屈辱的な内容です。 それから、日本の米軍基地に国外から、米軍がやってくる。たとえば嘉手納基地は、アラスカ、ハワイなどからきます。ところが無通告でくるわけです。日本の嘉手納(基地)から厚木(基地)にいく、こういうのもまったく無通告で勝手に動くわけです。ドイツでしたら、(米軍の部隊がドイツ国内に)入ってくるときも、国内で移動するときも(ドイツ政府の)許可が必要です。日本はまったく自由勝手。こんな植民地的な状態はありません。 「主権回復の日」は改憲論議と一体 志位 ここがキーポイントです。主権回復したら直ちに憲法を変え、国防軍を持つべきで、やらなかったのは問題だといっています。逆にいうと、“主権喪失していた時期につくられた日本国憲法は「占領憲法」だからこれは変えないといけない”という改憲(の動き)と一体に出てきた議論だというところをみないといけないと思うのです。 二木氏は憲法改定を前倒しで進めようとする安倍政権の動きについて、「高い支持率でいけるという判断なんでしょうか」と松田氏に問いかけました。松田氏は「そうでしょうね」と応じたうえで、つぎのような解説を加えました。 松田 しかし、支持率の中身を見ると、安倍さんの思想に共鳴しているコアな部分と、やわらかい支持、軽い支持層という「二重構造」になっていると思います。ですから6割、7割という高い支持率が集まってくるわけで、全部それが自民党イコール安倍さんの思想に共鳴するということではない。昨日の青森市長選、郡山市長選を見てくると、自民党が苦戦しています。“安倍カラー”に対する不安というか不信というか、少し出ているのかなと見ている。 二木氏は改憲の発議要件を緩めて、憲法改定をしやすくする96条改定の動きに言及し、見解を問いました。 志位氏は「96条改定の最大の目標は9条改憲にあります」と指摘したうえで、主権者である国民が国家権力を縛るのが近代の立憲主義の立場だと強調しました。「時の政権が自分の都合のよいように憲法を変えられるようになったら、立憲主義という憲法のあり方の一番大切な部分を大本から壊してしまうことになります」と述べました。 (つづく) 「しんぶん赤旗」2013年4月17日(水)より
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安倍晋三首相と大手メディア幹部との会食が止まりません。本紙3月31日付で「大手5紙・在京TVトップ 首相と会食」と報じて以降も、4日には曽我豪・朝日新聞政治部長、小田尚・読売新聞論説委員長、田崎史郎・時事通信解説委員らが永田町の高級中国料理店で会食。翌日には、大久保好男・日本テレビ社長が東京・内幸町の帝国ホテル内の宴会場で会食しています。 会食はいずれも2時間から3時間にもおよんでいます。高級割烹(かっぽう)やフランス料理店などを舞台にした大手メディア幹部との会食は別項のとおりですが、このほかにも「報道関係者」との会食が1月10日(赤坂の日本料理店)、3月13日(赤坂の会員制クラブ)に行われています。 ある大手紙記者OBは「社長から局長・部長へ、部長からデスク・キャップへと『会食作戦』はエスカレートするかもしれない」と指摘。「こうした会合は割り勘ではないだろう。ジャーナリズムの世界では『おごってもらったら、おごり返せ』とされている。安倍首相にどう、おごり返すのだろうか」と語っています。 4日は、安倍政権が誕生して100日。「朝日」も「点検100日・安倍政権」という連載を1面トップから開始していました。その検証すべき対象と政治部長が会食・懇談しながら影響はないのか。ちなみに同日夜、日本政治に詳しい米国の政治学者は都内の講演で、安倍政権について論じつつ、「メディアも安倍政権の宣伝紙のようになっている。ひどいのは今日の『朝日』。まったく客観性がなく、安倍首相の言っていることを並べているだけだ」と述べていました。 政治の最高権力者が何の政治的意図も持たずに接触を求めるはずはありません。欧米では、メディア経営者は現職の政権トップとの接触を控えるのが不文律です。 欧米ではありえない 門奈(もんな)直樹さん(立教大学名誉教授、メディア研究者)の話 消費税増税の大キャンペーンを張る裏で時の最高権力者と会食し、自らの利権を守る新聞への軽減税率導入を図るなど、日本のメディアは異常だと思います。 英国では首相とメディア幹部が会食することはまったくない。そんなことをしたら独立性を失うからです。イラク戦争時のBBC(英国放送協会)会長は、就任以前はブレア首相(当時)と刎頸(ふんけい)の間柄でしたが、会長就任と同時に首相からのBBCへの注文を全部暴露しました。それぐらい権力に対して毅然(きぜん)としています。 欧米のメディア界にはウオッチドッグ(権力を監視する番犬)という用語があります。今の日本のメディアは、誰にでも愛嬌(あいきょう)をふりまくプードルになっています。戦前、権力との妥協の所産として「不偏不党」の用語を使って権力の補完装置になった歴史が日本にはあります。それと似た状況が出てきています。 「しんぶん赤旗」2013年4月11日(木)より
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