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憲法では国民の「知る権利」が保障されていると思いますが、それとの関係はどうなるのでしょうか。


 「知る権利」とは、国に対して情報の提供を求める権利や、国家の妨害を受けずに自由に情報を受け取る権利をいいます。国民主権の原理や基本的人権である「表現の自由」から説明されます。

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回答も「黒塗り」

 「秘密保護法案」で政府は「知る権利」を明記するといっていますが、本当に「知る権利」を尊重し、擁護するものではありません。「秘密保護法案」の概要や原案を読む限り、軍事・外交・テロ活動などの情報統制強化や、国民監視につながる基本的人権の抑圧、国家安全保障会議などでの活用を目的にしているからです。

 実は、政府の情報は今でも「秘密」だらけです。米軍が日本に核兵器を持ち込む日米核密約、アメリカに日本を売り渡す環太平洋連携協定(TPP)交渉、首相や官房長官らが領収書なしで使える内閣官房機密費、在外公館のワイン購入に関する情報に至るまで政府は秘密にし、国民の「知る権利」を侵害しつづけています。

 政府の「秘密保全法制」の検討経過について「しんぶん赤旗」が情報公開請求したところ、「黒塗り」の文書が返送されてきました(写真)。秘密保護法案そのものが闇に隠されています。

国民監視の活動

 それどころか、自衛隊の秘密漏えい防止を目的とする自衛隊情報保全隊が、国民個人の名前・住所・学歴・所属団体・所属政党などを収集し、文書にまとめる活動をしています。自衛隊のイラク派兵の際には、著名な映画監督や集会、デモ、学習会、日本共産党員作家の小林多喜二の展示会まで監視されました。

 国民の「知る権利」というなら、自衛隊情報保全隊による監視活動を直ちにやめ、情報公開法の改正、公文書管理法の改正に着手すべきです。「秘密保護法案」は提出すべきではありません。


「しんぶん赤旗」2013年10月7日(月)より
 安倍内閣は秋の臨時国会へ「秘密保護法案」を提出しようとしています。安倍首相が「日米同盟強化のため」と強調するこの法案で、何を目指すのか、国民にどのような影響があるのかをQ&Aで考えていきます。




「秘密保護法」の対象になる「秘密」ってなんですか?



 政府の原案では、国の安全保障に関わる(1)軍事(2)外交(3)外国の利益を図る目的で行われる特定有害活動の防止(4)テロ活動の防止―の4分野が対象です(図)。各分野で秘密にする「事項」をリスト(別表)にして“絞り込む”方式ですが、秘密にするかどうかは行政機関の長(閣僚など)次第。何が秘密かも「秘密」―という事態になりかねません。

紀香さんの懸念

 女優の藤原紀香さんは9月、自身のブログにこうつづりました。

 「もし国に都合よく隠したい問題があって、それ(法律)が適用されれば、私たちは知るすべもなく、しかも真実をネットなどに書いた人は罰せられてしまう…なんて恐ろしいことになる可能性も考えられるというので、とても不安です」

 法案の本質をついた指摘です。秘密を漏らした国家公務員に加え、秘密を知ろうとするメディアや一般国民にもこれまでにない重罰を科そうというのが法案の狙いです。

 「国家機密にあたる範囲が曖昧なのが問題なのだと思います」

 藤原さんは別の問題点も指摘しています。

 法案は、例えば(1)軍事のリストでは10項目を列挙。中身をみると「自衛隊の運用、これに関する見積もり、計画、研究」などとあります。これでは、自衛隊の活動についての非常に広範な情報が秘密の対象になります。

運用で膨大な量

 この軍事リストは現在の自衛隊法が定める「防衛秘密」と同じもの。「防衛秘密」の場合、法律で決められている10項目が運用にあたって233項目に細分され、それにしたがって指定された3万752件という膨大な量の秘密が保有されています(2011年時点)。

 リストが秘密を“絞り込む”どころか、政府の裁量でいくらでも増やせるというこの仕組みで、(4)テロ活動防止の分野では原発関連の情報なども「秘密」になりえます。国家の恣(し)意(い)的運用を防ぐ歯止めはありません。

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「しんぶん赤旗」2013年10月6日(日)より

 「『安倍カラー』米で全開」(「読売」)「首相 自信の演説連発」(「毎日」)など、全国紙は、先月下旬の安倍晋三首相の米国訪問を大々的に報じました。首相も、集団的自衛権の行使容認など海外で米国と肩を並べて戦争できる国づくりへ強い意欲を示し、「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、そう呼んでもらいたい」(ハドソン研究所での講演)と高揚感にあふれていました。

 ところが、米国の主要紙では、同研究所での講演は無視され、国連総会での演説も雑報扱い。オバマ米大統領との会談も実現しませんでした。

 「(安倍首相の)強烈なメッセージにもかかわらず、ワシントンはなぜ冷淡なのか」―。こうした米国内の冷ややかな反応について、米国の経済誌『フォーブス』が分析記事をウェブサイトに掲載しています。

 安倍首相の訪米は、国連総会出席などのため先月25日から27日まで行われました。ところが、通常ならセットされるはずのオバマ米大統領との会談はありませんでした。「安倍の“集団安全保障”への強い要求にもかかわらず、オバマとの会談は実現できなかった」と題する『フォーブス』誌の記事は、「オバマは安倍をわざわざ避けたと思われ、その結果、恥をかかせた」と述べます。

 日米首脳会談はなぜ持たれなかったのか。

 その理由として、記事は、安倍首相が日本の防衛政策を根本的に転換することになる集団的自衛権行使のため日本国憲法を再解釈することを“使命”とし、中国の台頭と軍事力拡大をその口実に挙げていることを指摘しています。

 記事は、「安倍首相の構想が日本自身の安全保障にとって危険で余計であるだけでなく、大部分の日本人の思いとあまりにもかけ離れている」と指摘。首相の構想が米国防総省の“中国脅威”派に歓迎されることは疑いないが、同省内ではそれとは明確に異なる新しい考えが注目され始めていると強調しています。

 記事によると、2010年にオバマ政権が打ち出した「アジアへのリバランス(再均衡)」は、米国が同地域でいっそう軍事的優位に立つという戦略です。しかし、今年8月のヘーゲル米国防長官と中国の常万全国防相との会談では、中国側が「リバランス」について、現在でも米国優位にある力関係を本当の意味でバランス(均衡)のとれたものにするという意味として理解したいと求め、米側もこれを一定受け入れたと伝えられています。

 記事は、「この新しい米中戦略対話は、安倍と日本の保守主義者を不安にさせている」と指摘。集団的自衛権行使容認の動きなど安倍首相の構想はそうした米中関係の転換に対抗するものであり、「間違ったものだ」と断じています。
 (洞口昇幸=ワシントン、榎本好孝)

「しんぶん赤旗」2013年10月3日(木)より

 2014年度軍事費の概算要求で安倍政権は、「離島防衛」を前面に押し出して、事実上の海兵隊部隊の早期創設方針を示しました。

強襲能力向上

 これまで陸上自衛隊では、西部方面普通科連隊(長崎県佐世保市)が中心になって米海兵隊との共同訓練を重ね、上陸訓練などのノウハウを吸収。国民の目を避けるように“海兵隊化”を進めてきました。

 しかし、今回示された「離島防衛」の方針は、水陸両用車を配備する「水陸両用準備隊」の陸自への編成に加え、上陸部隊を作戦地まで運ぶ強襲揚陸艦の準備、制空権を確保するための戦闘機の能力強化など、海・空の戦力・輸送力を統合して自衛隊全体の強襲上陸作戦能力の向上を図るものです。オスプレイ導入の検討もこうした“海兵隊化”の文脈に位置づけられた既定路線とみることができ、これまでの一部の陸自部隊の強化とは次元が異なります。

 金田秀昭・元海自護衛艦隊司令官はかつて講演でこう述べています。

 「陸自は上陸作戦だけでは海兵隊になれない。輸送艦が強襲揚陸艦のような役割を果たし、戦闘機が近接航空支援をやる。海兵隊化とは自衛隊の文化を根本から変えることだ」

 重大なのは、「防衛」を建前にしてはいるものの、「離島」を「他国の海岸線」に置き換えれば、これがそのまま海外への侵攻能力の強化につながることです。“海兵隊化”とは自衛隊の侵略的変質を意味します。

 軍事費総額は4兆8928億円(SACO・米軍再編関係経費含む)、13年度比で1390億円(2・9%)の増と、過去10年にない大幅な伸びを求めています(グラフ)。自衛官実員は3自衛隊合計で519人の増で、定員数も190人増やします。年末までに見直す「防衛大綱」では、このような軍拡路線が方針化される見込みが濃厚です。

ツケは国民に

 「離島防衛」を強く打ち出すこれらの軍備強化が、尖閣諸島の領有権をめぐって対立する中国を刺激することは必至です。小野寺五典防衛相はあくまで自国防衛のためであり、「周辺国に丁寧な説明が必要だ」(29日会見)と強調しますが、そもそも尖閣問題でも北朝鮮問題でも重要な立場にある中国や韓国とは、政権自身の歴史認識が障害となって首脳会談どころか、まともに2国間会談ができていないのが現状です。

 外交関係が滞る中での軍拡が、隣国に不信と懸念を与えることは避けられず、いくら「防衛」の必要性を強調しても、それは対話を遠ざけ、軍拡競争の悪循環につながります。それは国民にとって、外交停滞のツケを軍事費として税金で負担するという何の利益もない道であり、侵略戦争の反省をふまえ、他国に軍事的脅威を与えないという日本国憲法の掲げる理念とも正反対の道です。

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「しんぶん赤旗」2013年8月31日(土)より

 参院選挙での圧勝から1カ月―。安倍内閣の大暴走が加速しています。

 ―沖縄米軍普天間基地へのオスプレイの追加配備、海外での武力行使を可能とする集団的自衛権の行使をめぐる政府憲法解釈の変更へ向けた強硬な動き。

 ―終戦の日には、安倍晋三首相が靖国神社に代理を派遣し「玉串料」を奉納。戦没者追悼記念式典の式辞では「アジアへの加害責任への反省」「不戦の誓い」を削除。

 ―消費税増税へ強引に「景気回復」を宣言し地ならしを進め、医療、介護、年金、保育など社会保障のあらゆる分野での制度改悪と負担増へ向けた「プログラム法案」骨子の閣議決定。

 ―国民にはまったく内容を知らせないまま秘密交渉を続ける環太平洋連携協定(TPP)では、年内妥結の方向で米側に協力。

 ―原発問題では、汚染水の危機に手をこまねきながら再稼働反対の国民多数の世論を無視して再稼働に突き進む。

 自民党中堅議員の一人は言います。「3年間は選挙がない。選挙を気にせずどんどんやることができる。今回はまさに『黄金の3年』になるか、『真っ黒』になるかはともかく、やるとすれば一番の実行のチャンスだ。安倍首相はやりたくてうずうずしている。集団的自衛権も憲法改正も靖国も、頭の中はいっぱいだ」

一気に解釈改憲

 しかし、これらの問題は、危機的な矛盾を激化させつつあります。

 集団的自衛権の行使の憲法解釈変更をめぐっては、容認派の小松一郎駐仏大使を強引に法制局長官に当てる人事を閣議決定(8日)。首相の私的懇談会の報告を受け、一気に解釈変更に踏み切る体制の整備と受け止められています。

 これに対して最高裁判事に転出した山本庸幸(つねゆき)前法制局長官が、「過去半世紀ぐらい(行使は許されないという)その議論でずっときた」「集団的自衛権というのは、そもそもわが国が攻撃されていないというのが前提になっているので、これについて従来の解釈では(行使は)難しいと思っている」と、異例の政府批判の発言をして注目を集めました(20日)。他の元法制局長官経験者も各種メディアで政府批判を強めています。

 改憲派の自民党・山崎拓元副総裁も「長官を代えて解釈を変える手法は、スポーツの試合で自分に有利なように審判を代えるようなもの」(「毎日」20日付夕刊)と批判しました。

安倍内閣で「醜い国」に

 靖国参拝や終戦の日の式辞からの不戦の誓いの削除など歴史問題をめぐっては、アジア諸国だけでなく欧米からも批判と不信が強まっています。

 英誌エコノミストの記者で長年日本を拠点に海外に記事を発信しているジャーナリストのデビッド・マクニール氏は、「私も韓国でインタビューを重ねてきたが、旧日本軍の犯罪行為の証拠はたくさんあり、隠すのはばかばかしい。これでは『美しい国』ではなく『醜い国』になる。私だけでなく日本にいる多くの外国特派員がそう見ている」と述べます。

 日本のマスメディア関係者の一人は、「アメリカも日中韓の関係悪化を厳しく見ている。日韓関係を悪くすることは北朝鮮への対応で連携が機能せず、日中関係を悪くすることは、尖閣での緊張を高め偶発的衝突の危険を高める」と述べます。9月初旬のG20(主要20カ国首脳会議)でも日中、日韓の首脳会談開催の見通しは立っていません。

 環太平洋連携協定(TPP)では、交渉に正式参加したのに、「守る」としてきた農産物5品目の例外化の交渉にすら入れていません。一方で、参加国に厳しい守秘義務が課された結果、交渉経過に関する情報が得られず、20日の自民党部会では「(経過を)公表しないなら議論できない」(細田博之幹事長代行)など自民党内からも不満が噴出。保利耕輔・同党農林水産戦略調査会顧問は、「守秘義務があるから言えないということなら、与党として政府を支えきれなくなる」と批判しました。

 消費税増税へ向けて政府は選挙直後の「月例経済報告」で「景気回復」を宣言(7月23日)。財務省を先頭に政府・与党内では“増税断行”の声が強まっています。

 しかし、安倍首相の経済ブレーンといわれる浜田宏一エール大学教授、本田悦朗内閣参与(静岡県立大学教授)などは、「デフレからの脱却が明確でない状況で増税すべきでない。増税見送りを」と発言しており、意見対立が表面化。「1%ずつの増税」という主張も出されていますが、「法改正も必要だし、そんな複雑なことはできない。内閣参与が、勝手なことを言っている」(自民党議員)など、内紛状態になっています。

 原発問題では、福島第1原発事故の現場における汚染水による地下水汚染と海への流出に加え、汚染水貯蔵施設からの漏水で「レベル3」の「重大事象」に発展しています。「事故収束」宣言を取り消し、事故対策を抜本的に見直し再構築するきっきんの課題があります。

暴走したら「つぶれる」

 なぜ暴走のたびに矛盾が激化するのか…。それはどの問題でも国民の信任を受けておらず、多数世論に逆行しているからです。「毎日」(7月27、28日)の世論調査では、集団的自衛権の行使をできるように「したほうがいいと思わない」が51%という結果がでました。

 消費税増税でも「毎日」調査で「予定どおり引き上げるべきだ」が26%に対し、「先送り」が36%、「現在の5%を維持」が35%。「読売」8月11日付では、「予定通り引き上げ」は17%にとどまり、「引き上げ時期は柔軟に」が56%、5%維持が25%となりました。

 原発再稼働についても、共同通信が参院選直後(7月22、23日)に実施した世論調査で58・3%が「反対」しています。

 こうした状況のもと、自民党議員の一人は「不安」を口にします。

 「安倍首相にはやりたいことがたくさんある。消費税もあるしいろんな課題がある。しかし、まずしっかり足元を固め、一つ一つ支持を得られるような形でやっていかなければ…。いっぺんにやったらつぶれる」

「徹底的に追及して」

 その一方で、安倍内閣の暴走に対し正面対決する日本共産党に期待が高まっています。

 「ブラック企業を追及してほしい」「東京電力の責任をもっと追及して」「内部留保の活用による雇用の拡大を実現してほしい」「このすばらしい憲法を変えてはならない」「介護保険の保険料が高すぎる。何とかして」「麻生副総理の『ナチス発言』を徹底的に追及し辞任に追い込んでほしい」―。日本共産党本部には選挙後も、多くの要求が寄せられています。ある香川県の支持者は「自民大勝とはいえ、真っ向から対決し筋を通す共産党の勝利は何十倍もの価値がある。何かが変わりそうです」とメールを寄せました。(中祖寅一)


「しんぶん赤旗」2013年8月26日(月)より


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