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質屋を装い、弱い立場の高齢者をねらい撃ちして金を貸し、法外な高金利を取り立てる新手口のヤミ金融「偽装質屋」が各地に進出しています。東京都、埼玉県、群馬県など関東地方でも被害が広がりはじめています。 (竹腰将弘) 店側は、「年金は受給しているか」と確認したうえ、「質草は何でもいいから適当に持ってきてくれ。預金通帳と印鑑を持ってくるように」と指示しました。 質物鑑定なし 女性は古い腕時計2個を質草として用意し、2月27日に店に行きました。何の審査も、質物の鑑定もなしに4万円が借りられました。そのさい、次回の年金支給日に元本と利息を一括して返済することを約束させられ、年金を受給している口座から自動引き落としをするための書類に署名させられました。 次回の年金が振り込まれた4月15日、口座から返済金が自動引き落としされました。元本に利息1万800円が上乗せされた5万800円。融資日から返済日までは48日間。この間の利率は27%、年利に換算すれば207%になります。 2010年6月に改正貸金業法が完全実施され、上限金利は年20%に引き下げられました。「偽装質屋」は、質屋にだけ認められている特例金利の計算方法を使い、貸金業者の上限の10倍以上の高金利をかぶせているのです。 2010年を前後して、九州地方を中心にしたヤミ金グループが、質屋の特例金利109・5%に目をつけ、質屋を偽装して金を貸す新手口をとりはじめました。 彼らは、ほかからは金を借りられない年金生活者を相手にします。年金額を見て、その範囲内で貸すので、とりはぐれることはありません。「質草が必要」というのは、質屋を装うための形だけのことです。無価値の質草でも金を貸し、福岡県の偽装質屋では質草をもたない客に「100円ショップで何か買ってきて」と指示した例もあります。 2カ月に1回の年金支給日には、銀行口座からの自動引き落としか、来店させ直接集金する方法で、確実に元本と高い利息を回収します。 相談が相次ぐ 被害が先行した九州各県の消費者センターには、11年11月以降、「質を流してくれない」「執ような取り立てに困っている」などの相談が相次ぎ、12年5、10月には福岡、熊本両県で被害者が集団提訴。同10、11月には福岡、大分両県警が、大手偽装質屋グループを貸金業の無登録営業と超高金利の疑いで摘発しました。偽装質屋は、質屋営業ではなく、ヤミ金融による犯罪行為という社会的認知が広がっています。しかし、九州以外の各地に、新たな「偽装質屋」の触手がのびはじめているのです。 前出の女性は、「利息がずいぶん高いなとは感じていたけれど、質屋だから大丈夫だと思っていた」といいます。 女性の相談にあたった司法書士は「社会的に弱い立場の人から異常な高金利を取り立て、被害者は一度これに入ると抜け出せなくなる仕組みで、きわめて悪質だ」と話しています。 質屋の特例高金利 質屋営業の金利の上限は、質草の鑑定・保管の手間がかかること、3カ月までの短期・小額金融であることから出資法の特例とされています。質屋営業法では、年利109・5%、貸付期間のわたる月数での利息計算を認めています。 「しんぶん赤旗」2013年5月4日(土)より
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生活
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大手メディアなどは、株高・円安を安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の成果などと持ち上げます。安倍首相は「アベノミクス」について「三本の矢」と表現します。「三本の矢」とは、(1)大胆な金融緩和(2)機動的な財政運営(3)投資を促進する成長戦略―の三つのこと。そこには、危険な罠(わな)が潜んでいます。 物価上昇目標と金融緩和で、所得は増えずに石油や食料品などが上がれば、暮らしに大打撃です。不要不急の大型工事推進を中心にした財政出動は財政危機をより深刻化させます。「成長戦略」「規制緩和」の名で解雇を自由化すれば、貧困と格差はさらに拡大し、「デフレ不況」をさらに悪化させます。 「アベノミクス」の「毒」は「三本の矢」だけではありません。生活保護、年金をはじめとした社会保障の大改悪や、みせかけの「景気上向き」で消費税大増税の来年4月からの実施を強行しようとしています。 「しんぶん赤旗」2013年3月28日(木)より
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日本共産党の山下芳生議員は25日の参院総務委員会で、死別や離別によってシングルマザーになった女性に適用される寡婦控除(所得控除)が「非婚の母」に適用されないのは不合理だとして、法改正を待たずに「寡婦」と見なして適用するよう求めました。 山下氏は、日弁連が見なし適用を求める要望書を提出していることを紹介したうえで、「非婚の母」が受ける経済的な不利益を強調。 年収201万円ほどの沖縄県那覇市在住の非婚の母・Bさんの場合、控除がないため年間31万3千円も負担が重くなることなどを示して「同じ母子世帯でも婚姻歴があるか否かだけで差別を受け、経済的にいっそう追い込まれる」と指摘しました。 山下氏は、子どもの被害も大きく、親世代の経済格差が子ども世代にも再生産されると強調。岡山市、千葉市、札幌市などの政令市では寡婦控除を見なし適用し、保育料の減免措置を自治体負担で行っていることを示し、国が財政支援し、適用を促すよう提案しました。 新藤義孝総務相は「実情を知れば、お気の毒という思いはある。実態を把握してみたい」としながらも、「まず自治体や各省が支援制度を設けたりして適切な対応ができるよう期待する」と答えました。 「しんぶん赤旗」2013年3月26日(火)より
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安倍晋三首相が交渉参加を表明した環太平洋連携協定(TPP)によって、農林水産業をはじめ、地域経済が壊滅的な影響を受けることが14道県の試算によって浮き彫りになりました。(別表) 14道県の試算は、15日に政府が発表した統一試算の方法(注)に準拠したもの。政府の試算方法の変化で、多くの試算では影響額が縮減していますが、それでも農林水産業の生産額が半減するところが出ています。 なかでも食料自給率が210%の北海道では、自給率が89%へと激減。農林水産業全体の生産への影響は4762億円で、農家は2・3万戸も減少し、半減となります。政府試算は、農林水産物の生産額減少のみですが、北海道は地域経済や雇用への影響も試算。11万2千人の雇用が失われ、地域経済も7383億円減となるなど、壊滅的な影響を受けることを示しています。 また、三重県は農業生産額が57%減少、首相の地元・山口県で48%の減少となります。鳥取県について地元紙は「試算対象となった12品目の生産額(516億円)が半減するという厳しい試算結果になった」(日本海新聞)と伝えています。 岩手県では小麦100%減、米50%減、豚肉70%減。県議会予算特別委員会では日本共産党の斉藤信県議が「岩手の農業の基幹品目が壊滅的な影響を受ける。水産もサケ・マスで57%(55億円)減。復興どころではない。こういう影響が与えられるTPPは、絶対に撤回させて阻止しなければならない」(19日)と発言しました。 各県ともに、米の生産額は3〜6割近く減少。米どころ茨城県では469億円(49%)もの減です。和歌山県のミカンや高知県のマグロ・カツオなど、地元の産業と雇用が依存する特産品がいずれも重大な影響を受けることは避けられません。 一部の県は、農林水産業の「多面的機能」=水利や自然環境保護、観光資源などの役割が影響を受ける損失額を試算。島根県は644億円、山口県は473億円、宮崎県は266億円の損失を見込んでいます。 (注)政府の統一試算方法 関税率10%以上で国内生産額10億円以上の33品目の農林水産物について、TPPの交渉参加既存11カ国との貿易を対象に試算したもの。関税の即時撤廃が前提で、非関税措置撤廃や追加的な農業対策などは計算に入れません。各道県は、域内の実情に合わせた生産額などの独自の基準で対象品目を絞っています。 「しんぶん赤旗」2013年3月25日(月)より
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低所得者層は、実収入の減少で、生活費がまかなえない実態が広がっています。 総務省「家計調査」によると、収入を五つの区分に分けたもっとも低い第1分位では、月額の平均収入が2000年の26万8132円から11年の22万4977円へと4万3000円、16%以上減少しました。 しかし、所得が低く、ギリギリの生活をしている場合、収入が減少したからといって食費や家賃などの支出を簡単には減らせません。第1分位の世帯では00年の段階で可処分所得に対する消費支出の割合、消費性向はすでに100%を超える104・7%でした。11年には消費性向がさらに拡大し、121・7%となっています。 可処分所得とは、実収入から税や社会保険料を除いた額のことです。一般に家計の判断で使える金額とされています。可処分所得を超えた部分の消費支出は、預貯金などを取り崩して充てていると考えられます。 2番目に所得の低い第2分位では、収入の低下ほど消費支出を減らせないため、消費性向は75・4%から80・0%へと4・6ポイントも上昇しています。 一方でもっとも収入の高い第5分位の平均収入は月額91万146円から84万5604円へと7%ほど減少しています。しかし、もともと家計にゆとりがあったため、消費支出を「節約」することができます。その結果、消費性向は00年の64・5%から63・6%へと0・9ポイント下落。その分だけ預貯金や有価証券の購入など、資産にまわす額が増えたと考えられます。 安倍晋三内閣は現行5%の消費税を14年4月に8%、15年10月に10%へと引き上げることを狙っています。逆進性をもつ消費税を増税すれば、ギリギリの生活をしている低所得者層の生活はますます苦しくなります。消費税増税を中止するとともに、低所得者層のふところをあたためる施策をとってこそ、家計消費は伸び、日本経済全体がよくなることをデータは示しています。(清水渡) 「しんぶん赤旗」2013年2月21日(木)より
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