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安倍政権は「緩やかに回復」というが 景気の低迷 明白


 内閣府が24日に公表した月例経済報告は、景気の基調判断を一部下方修正したものの、「緩やかに回復している」との表現に固執しました。政府の判断とは裏腹に、日本経済の低迷は鮮明です。この状態のまま10月に消費税増税を強行すれば、国民の暮らしも日本経済も破綻することは明らかです。(金子豊弘、清水渡)


冷え込み 所得も消費も

 2019年1〜3月期の国内総生産(GDP)は、民間シンクタンクなどの予測を裏切り、0・5%増となりました。しかし、大幅な輸入減により、外需が伸びたという「みせかけ」の経済成長です。主要項目である個人消費、企業の設備投資、輸出はいずれもマイナスでした。

 とりわけ、GDPの6割を占める個人消費の減少は深刻です。個人消費は、14年4月に安倍晋三政権が消費税増税を強行して以降、低迷を続けてきました。1〜3月期のGDPでも0・1%の減少となりました。相次ぐ食料品値上げが消費者心理を冷え込ませました。

 スーパーの売上高は4月、前年に比べて1%の減。この間の推移を見ても、3月こそわずかに上回ったものの、前年同月割れを続けています。

 消費低迷の背景にあるのが所得の減少です。3月の毎月勤労統計では実質賃金が3カ月連続で減少しました。名目賃金の低下に加え、物価上昇が影響しました。

 食料品を中心とする物価上昇については、昨年11月に、政府が“消費税増税前の値上げは「便乗値上げ」とはみなさない”とする文書を発表。文書には便乗値上げを取り締まる消費者庁やカルテルを取り締まる公正取引委員会も名を連ねます。政府はこの文書を業界団体を通じて各企業に普及しています。政府の「値上げけしかけ」が、実質賃金を下落させ、消費者心理を冷え込ませています。

 個人消費の減少を背景に、企業の設備投資も冷え込んでいます。景気の先行指標とされる機械受注は18年10〜12月期、19年1〜3月期と2期連続で前期比マイナスとなりました。

 個人消費と企業の設備投資という2大推進力が減少するもとで、政府がいくら取り繕っても「景気回復」には程遠いことは明白です。


米中対立 日本にも暗雲

 米中の経済対立の激化が世界経済を混乱させています。

 「世界経済は危険な場所にいる」

 経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長が警告します。OECDは、21日に発表した世界経済見通しで、2019年の見通しを3月時点と比べ0・1ポイント低い前年比3・2%に引き下げました。米中による関税引き上げと中国経済の減速が主因です。ローレンス・ボーンOECDチーフエコノミストは「脆弱(ぜいじゃく)なグローバル経済が、貿易摩擦によってさらに不安定になる。成長率は横ばいだが経済は弱く、非常に深刻なリスクの兆しが見えている」と警告します。19年の日本の成長率は予測も0・7%(3月時点は0・8%)と下方修正しました。

 トランプ米政権は10日、2000億ドル(約22兆円)分の中国製品に対する関税を10%から25%へ引き上げました。さらに13日には、中国からのほぼすべての輸入品(3000億ドル)への追加関税案を発表しました。同日、中国も報復措置を発表。米国による追加関税措置と報復の応酬は一段と激化しています。

 グリア事務総長は「高まる貿易の緊張が緩和しなければ、世界経済見通しのシナリオは、いっそう悪化することになりかねない」と指摘します。

 米中摩擦は、すでに日本の貿易に大きな影響を及ぼしています。4月の貿易統計速報によると、中国向けの輸出は、前年同月比で6・3%減の1兆2329億円となり2カ月連続で減少しました。通信機(55・1%減)半導体等製造装置(41%減)などの輸出が大きく減りました。

 5月の月例経済報告は、「輸出や生産の弱さが続いている」と指摘せざるをえませんでした。

 輸出頼みの日本経済にとって、世界経済の先行き悪化は致命傷になりかねず、内需を冷え込ませる消費税率の10%への増税は日本経済自滅の道です。


共産党「三つの提案」 暮らし応援

 今、必要なのは消費税増税ではなく、くらしを応援する政治です。日本共産党は、くらしに希望を届ける「三つの提案」をしています。

 「三つの提案」は、(1)8時間働けばふつうにくらせる社会を(2)くらしを支える社会保障を(3)お金の心配なく学び、子育てができる社会を―の三つが柱。この実現に必要な財源、7・5兆円は、消費税増税ではなく、大企業と富裕層を優遇してきた税制を是正し、応能負担の税制を実現することと、「思いやり」予算など税の無駄遣いを廃止することで賄えます。


ー2019年5月25日(土) しんぶん赤旗ー

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 世界の大企業トップ10の総売上額が世界180カ国・地域政府の歳入を上回る―。衝撃的な事実が国際援助団体、オックスファムの調査でわかりました。


 調査は2015年の統計と民間調査データをもとに、大企業の売上高と国・地域政府の歳入を比較したものです。国・地域政府の下位180カ国には、インドネシアや南アフリカ、ポーランドなどが含まれます。

 大企業側では小売業世界最大手の米ウォルマート社の4821億3000万ドルがトップ。日本企業ではトヨタ自動車が2365億9200万ドルで8位に入りました。

 調査によると企業上位10社の売上高合計の2兆8566億ドルに対して、下位180カ国・地域政府の歳入合計は2兆8091億7000万ドルと大企業側が上回りました。

世界トップ10の大企業 最低賃金・税逃れ・優遇税制

ばく大な売上高支える

 世界の下位180カ国に匹敵する売上高を上げている世界トップ10の大企業―。一体どのような経営で莫大(ばくだい)な売上高を支えているのでしょうか。

 ウォルマートでは、多くの労働者が最低賃金の水準で働かされています。ウォルマートには団体交渉の手続きについて定めた全国労働関係法(NLRA)に基づいた合法的に使用者と交渉できる労働組合はありません。労働政策研究・研修機構のリポートによると、かつて「食肉販売部門の労働者が労働組合によって組織され、合法的な団体交渉権を手にしたことがかつてあったが、その際に経営側は食肉販売そのものを取りやめることで、労働組合との交渉を阻止した」とされています。

 米民間団体「公平な税金のための米国人」(ATF)の報告によると、米ウォルマート社が、世界各地にある15カ所のタックスヘイブン(租税回避地)に78の子会社や支店をつくり、760億ドル(約9兆3600億円)相当の資産を置いて課税を逃れています。

 売上高が9位の米アップル社は欧州各国で得た利益を法人税率の低いアイルランドの子会社に移転するなどで、各国での徴税を回避。アイルランドにおけるアップルの法人実効税率は0・005%にすぎません。

 日本で1位、世界でも8位の売上高を誇るトヨタ自動車は、08年度から12年度の5年間にわたって法人税を1円も払っていませんでした。生産を海外に移転し、海外子会社からの配当を非課税にする制度や研究開発減税など大企業優遇税制を受けていたからです。

 極度に達している格差と貧困を解決するためには、大企業のもうけのしくみにメスを入れ、ふさわしい社会的責任を果たすことが必要です。
 (清水渡)


「しんぶん赤旗」2017年2月3日(金)より
 大企業の内部留保が初めて300兆円を突破したことがわかりました。財務省が1日発表した7〜9月期の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業がため込んだ内部留保は301・6兆円でした。安倍政権が発足する直前、2012年7〜9月期の263・2兆円から38・4兆円もの増加です。

 内部留保は「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざす安倍晋三政権下で急増しています。

 内部留保が急増する一方、大企業が保有する土地や工場など有形固定資産は減少しました。同じ3年間に有形固定資産は135・8兆円から130・6兆円へと5・2兆円もの減少です。同じ期間に現金・預金と取り崩し可能な有価証券(流動資産分)を合わせた手元資金は5・8兆円も増えました。


 内部留保 企業があげた利益から配当や税金を払った後、ため込んだ部分。利益の残りである利益剰余金、企業の資本取引から生じた資本剰余金、引当金から成ります。

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「しんぶん赤旗」2015年12月3日(木)より
 政府が30日発表した9月の各種経済統計は、家計消費支出の落ち込み、勤労者世帯の実収入の減少など、家計に厳しい経済状況を浮き彫りにしました。日銀が同日発表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、「2016年度前半ごろ」としていた2%の物価上昇目標の達成時期を「16年度後半ごろ」に先送り。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の立ち往生ぶりがいよいよ鮮明になりました。

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 総務省が同日発表した9月の家計調査(速報)によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は27万4309円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0・4%減になりました。マイナスは2カ月ぶりです。同省は、消費支出の基調判断を「足元では横ばいの状況となっている」とし、前月までの「このところ持ち直している」から後退させました。

 勤労者世帯の実収入は1世帯当たり41万5467円と実質で1・6%減少し、6カ月ぶりにマイナスとなりました。過去最高を更新している大企業のもうけが家計には及ばないことを改めて示しました。

 9月の全国消費者物価指数(2010年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103・4となり、前年同月比0・1%下落しました。日銀が「異次元の金融緩和」を導入した13年4月以降では初めての2カ月連続のマイナスとなりました。

 日銀が発表した10月の「展望リポート」では、物価上昇が2%程度に達する時期を従来の見通しから半年先送りしました。成長率見通しも下方修正。15年度の実質GDP(国内総生産)の伸び率は政策委員の見通しの中央値で1・2%。これまでの見通し1・7%を下回りました。

 自民党の新しいスローガンは「経済で、結果を出す」です。しかし、看板政策の「デフレからの脱却」は行き詰まり、壁に突き当たっています。統計数値は、八方ふさがりの「結果」がすでに出ていることを示しています。


「しんぶん赤旗」2015年10月31日(土)より
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 大企業は2014年度、過去最高の利益をあげ、内部留保や株主への配当を増やしています。とりわけ外国人株主への配当が国内投資家をはるかに上回り、2年間で1・7倍と、最も増えていることが本紙の調べで分かりました。アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)によって最ももうけたのが、マネーゲームに熱狂する海外投機筋だったことが浮き彫りになりました。


 集計対象企業の社員の2年間の賃金(1人当たり年収)上昇率はわずか4・4%。実質賃金の算出に使われる物価上昇率(持ち家の帰属家賃を除く)4・6%を下回り、実質ではマイナスです。大企業があげた巨額の利益は、労働者、国民に還元されていません。

 上場企業ならびに有価証券報告書を提出した非上場企業のうち、2014年度の連結経常利益が50億円以上で、しかも12年度に比べて利益が増加した企業830社について、有価証券報告書をもとに集計。安倍政権が発足した12年度から14年度までの2年間を比較しました。

 配当金総額はこの間、2兆3200億円、47・8%増と大幅に増えました。集計対象企業の社員の給与総額は7600億円増。給与総額の増加額の3倍が株主に配分されました。

 うち、海外投資家に対する配当は67・2%増。国内企業は42・7%増、国内個人投資家は30・4%増と、いずれも海外投資家にはるかに及びませんでした。

 日本の上場企業の株式のうち30%以上は、海外投資家が保有しています。東京証券取引所で行われる株取引も、最近は70%以上が海外投資家によるものです。多くは短期間の利益を狙って、すばやく売買する投資です。日本の経済成長を支える投資ではありません。

 安倍首相は13年9月に訪米した際、ニューヨーク証券取引所で「バイ・マイ・アベノミクス(私のアベノミクスを買ってください)」と海外投資家に呼びかけました。また、海外マネー呼び込みのために法人税を減税。日銀に金融緩和を実施させ、公的年金資金も株投資につぎ込んで株価つり上げに躍起になってきました。


「しんぶん赤旗」2015年10月18日(日)

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