F・P・ツィンマーマン

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                                                                                              写真:NHK交響楽団HPより転載

2013年2月22日、ドイツの指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュさんが逝去されました。
長らくバイエルン国立歌劇場の音楽監督を務められたサヴァリッシュさんと言えば、
リヒャルト・シュトラウス、とりわけそのオペラ作品のスペシャリストとしての名声誉れ高く、
またシュターツカペレ・ドレスデンとのシューマン交響曲全集をはじめ、数々の名録音を
残された点においても、まさに世界的マエストロのおひとりでした。

もちろん、私たち日本人にとっては、1964年の初共演以来、NHK交響楽団の指揮台に立つ
サヴァリッシュさんの姿が、もっともなじみ深く、親しみのある記憶に違いありません。
特に、みそにとっては、息子や孫ぐらいの年の差の若いソリストのコンチェルトを
ガッチリとサポートするサヴァリッシュさんの姿が、とても印象深く思い出されます。
なかでも、やはりドイツ生まれの名ヴァイオリニスト、フランク・ペーター・ツィンマーマン
との共演は、忘れ難いものですね。

そんなふたりの幸せな共演が録音されています。
ベルリン・フィル定期のライヴ録音、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲。

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ブラームスの前座には、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番が収録されています。
モーツァルトのほうは、セッション録音。

EMI GERMANY RED LINE
ツィンマーマン/ブラームス&モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲


【収録情報】
1. モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
2. ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.77

 フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)

 録音時期:1995年1月
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー

いずれも素晴らしい名演です。
モーツァルトは、セッション録音らしい丁寧で端正な演奏。
ツィンマーマンのソロは、引き締まったプロポーションですが、細身ではあるけれど、
ちょっとムチッとした肉付きのある音。いわゆるツィンマーマンらしい音です。
ウィーン風のしなやかなフレージング、アーティキュレーションとも違うし、
“ピリオド・スタイル”とはもちろん異なる、ドイツっぽいモーツァルトですね。
柔軟さはあるものの、輪郭、骨格がしっかりとしたモーツァルトです。
きれいなヴィブラートがしっかりかかっていて、2楽章なんてすべての音に
ヴィブラートがかかってる感じ。う〜、なつかしいね、こういうモーツァルト。
でも、音程感覚の素晴らしさには、ほんとうに感心してしまう! 
美しい! 抜群の安定感! うまい! 
(・・・いまのツィンマーマンだったら、どんなモーツァルトを弾くかしら?)

サヴァリッシュ率いるベルリン・フィルも、音質・音響ともに、よくソロとマッチしています。
手綱を引き過ぎず、ゆとりのあるサウンドと的確な和声感で、ソロのメロディに色と厚みを
加えています。木管の出し入れも実に真っ当。ごもっとも。そして美しい。
むしろ、ちょっと気になるのは、ツィンマーマンのソロがず〜っと表にいること。
ときどき裏に回ろうよ、フランク! これ、モーツァルトだよ。

一方、ブラームスは、すさまじい熱演、力演ですね。
ソリスト渾身のライヴに、オケも真正面から応えて、すごくヒートアップしてる。
これ、本当にサヴァリッシュが指揮してるの?と思うほど、派手に、ゴージャスに鳴ってます。
1楽章の展開部後半から再現部、そしてコーダにおけるトゥッティのスパークぶりは、
ちょっと笑ってしまうほどエキサイトしてます! このライヴ、凄かったに違いない!

ツィンマーマンの1楽章は、かなりテンポ設定を変えていて、改めて聴くと、
ちょっと意外でした。でも緩急のコントロールは非常に的確で、推進力に富み、
ゆったりしても少しももたつかない。この構築力はさすがです。

2楽章も決して緩慢になることなく、それでいてたっぷりと歌っていて、
男のロマンチシズムを感じさせます。

3楽章も、進むにしたがって激しくスパークしていきます。
ハンガリー舞曲調のプレスト楽章ですが、ツィンマーマン、サヴァリッシュ、
ベルリン・フィルのそれは、あくまで北ドイツ的な情趣。感情が激しく昂揚しますが、
どこか律儀で堅気なところが残っていて、質実剛健そのもの。
リズムの輪郭がはっきりしていて、アクセントの打ち込みも妥協なく明晰。
クライマックスに向けた加速は躍動感に満ちています!
ここで聴こえてくるのは、ハンガリーでもなければ、ウィーンでもなく、
ブラームスの故郷、北ドイツはハンブルクの風情でしょうか。

昨年、アナ・チュマチェンコ先生が、芸大と桐朋でこの楽章をレッスンされていたとき、
「この楽章は北ドイツ的な喜びなのです」と仰っていたのを思い出します。
まさに先生が仰っていたことを、ありありと実感させてくれるツィンマーマンの演奏です。

この演奏を聴いていると、ドイツが誇る当代随一のヴァイオリニストと、
世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルとの真剣勝負を愉しむマエストロの
上気した興奮を感じさせられます。あの冷静沈着なサヴァリッシュ先生のね。

素晴らしいCDです。長年廃盤になっていましたが、昨年廉価盤で復刻したのは
本当に喜ばしい限りです。

サヴァリッシュさん、すばらしいCDを遺してくれてありがとうございました!

みそ

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