ヴィクトリア・ムローヴァ

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ヴィクトリア・ムローヴァのバッハ新録音。ヴァイオリン協奏曲集。
このCD、いいですよ。ここのところ、毎日のように聴いて楽しんでます!

J.S.バッハ:
・ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV.1041
・ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV.1042
・ヴァイオリン協奏曲ニ長調 BWV.1053(原曲:チェンバロ協奏曲第2番ホ長調)
・ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲ハ短調 BWV.1060(原曲:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲/2台のチェンバロのための協奏曲)

 ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン)
 アカデミア・ビザンチナ
 オッターヴィオ・ダントーネ(指揮、チェンバロ)

冒頭に収録されているホ長調の第2番を聴くだけでも、ほんとうに価値あるCDです。
このE-durのコンチェルト、なんてことないシンプルな曲ですが、一切の無駄のない、
すべての音符が「天の配剤」を思わせる、完成された美しさ。
溌剌と、そしてエレガントに、そして美しい和声感で弾くのって、すごく難しいのよ。

ムローヴァさん、さすがね。見事ね。完璧ね。
ガット弦とピリオド弓。いつもの仕様で臨むバッハ演奏。ピッチは普通だと思います。
E-durでは、かなりスラーを多用していることに、ちょっと驚きました。でも、すごくきれい。
滑らかな、大小さまざまな弧を描く、しなやかなフレージング。
その中で、ひとつひとつの音は粒立ちよく、楽しげに並んでいます!うまいね。
かなりクレッシェンド・デクレッシェンドの切り替えが細かく、いろんな小技を繰り出す
演奏ではありますが、イヤな感じはしません。音楽的な抑揚の範囲内だと思います。

そして、バッハのコンチェルトはいずれも、トゥッティがただの伴奏になることはありません。
全体で1つです。ソロ・パートとの対位法的な絡み、アンサンブル全体で醸し出す和声感、
バスの合いの手がしっかり効いてはじめて生まれる響きの厚み。舞踏的なリズム。
みんなの息がぴったり合ってこそ、バロック・アンサンブルの粋な愉悦を味わえるのです。

今回、ダントーネ率いるアカデミア・ビザンチナは、しっかりとソリストを引きたてつつも、
アンサンブル全体を視野に収めつつ、ソロとの有機的な対話を実現しています。
個人的には、レイチェル・ポッジャーと一緒にコンチェルト録音しているブレコン・バロックのように、
各パート1人のスタイルがけっこう好きなんですけど、最近ね。
(だって、アンサンブルの有機性、機能性が際立ち、パート間の掛け合いの妙がすごくリアルだもん)

とにかく、このCD、とても気に入りました。
みなさんにも、ぜひお勧めしたいです!

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ヴァイオリニストのヴィクトリア・ムローヴァと言えば、
1990年代の半ば以降、バロックや古典派の作品に積極的に取り組んできました。
それも、自分のストラドにガット弦を張り、バロック弓やクラシック弓を用いて、
いわゆる“ピリオド風”なアプローチで演奏するという、当時としてはけっこう踏み込んだ
試みを始めた先駆けのひとりでした。

モダン楽器を完璧に操ることができるという意味で、鉄壁のテクニックを誇ってきたムローヴァが
新たな領域に足を踏み入れたことに少なからず驚きを覚えましたし、それを歓迎した人も
違和感を感じた人も多かったかもしれません。

みそは正直、ムローヴァの新路線?にあまり興味も持たず、長い間ちゃんと聴いてみることも
してませんでした。ところが、9月末ごろに、たまたまこのCDを中古ショップで見つけて、
「いっちょ、聴いてみるか」と思い立ち、買ってみたところ、「なかなかいいじゃん!」って
驚いちゃった。

ムローヴァ/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1番、第3番、第4番

【収録情報】
モーツァルト:
・ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調K.207
・ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
・ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218
 ヴィクトリア・ムローヴァ(ヴァイオリン、指揮)
 エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団

 録音時期:2001年7月
 録音場所:ロンドン、セント・ジュード・チャーチ
 録音方式:デジタル(セッション)

なるほど。
たぶん、ピッチはほんのり低めで、クラシック弓を使ってるであろう素朴な響きがしています。
開放弦を多用し、デュナーミクの幅も抑え気味。音程の取り方は、バロック的というより、
クラシカル。なので、モダン演奏を聴き慣れた人にも、あまり違和感を感じないかと思います。
歌い方も基本的にモデレートで、ラディカルな感じでは全然ありません。気品があります。
ややおとなし過ぎる感のあるカヴァコスのモーツァルトよりも、より積極的な表現。
(ついでに、マンゼの演奏と比較してみるのも面白いですよ。)

さてムローヴァさん、細かい音型のアーティキュレーションは、ノン・ヴィブラートで非常にクリア。
一方、長い音やフレージングの要所要所で柔らかいヴィブラートがかかり、とてもきれい。
ということで、いまモーツァルトを勉強している若い子たちにも聴いてもらいたい演奏で、
いい意味でスタンダードになりうるバランス感があります。とても参考になると思います!

聴いてて、「ムローヴァさん、ちょっと明るくなったかしら?」と思ったりしました。
彼女の若いころの演奏を聴くと、鉄壁なテクニック&凍てつく氷のような音の透明度の裏に、
何とも言えない、幸薄そうな、儚げな雰囲気が漂っていて、満面の笑みを想像させるような
明るさとはかけ離れていました。(ごめんねムローヴァさん、こんなこと言って。

でも、このモーツァルトには、純粋にモーツァルトを弾く喜びみたいなものが感じられて、
「よかったね〜」って思えてきます。ピリオドに手を出したり、かと思えばジャズに
手を出したりして、自分の好きなようにヴァイオリンを弾いてきた日々を通じて、
彼女はちょっとずつ癒されてきたのかな。そう思うと、すごく大事なプロセスだったの
ロンド楽章などは、もっともっと笑顔が弾けてくれたいいのに!って思いますが、
音楽がクールなのは、彼女の持ち味でもありますし、ま、いっか。

なお、ちょっと面白いのは、
3番、4番、1番という順番で収録されている3曲のうち、1番がもっとも分厚く聴こえるの。
音楽がこゆいのよ。ヴィブラートもいちばんかかってるように聴こえるし。ボウイングも
たっぷりしてるし。でも、もちろん昔懐かしいムチムチしたテイストとは違いますけどね。

ということで、廉価盤も出たことですし、よかったらお手にとって聴いてみてください!

みそ

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10月のN響B定期で、チェ・イェウンさんのショスタコーヴィチ・ヴァイオリン協奏曲第1番
を聴きました。指揮はN響首席客演指揮者のアンドレ・プレヴィンです。

以来、ここのところ、よくこのCDを聴いています。
ヴィクトリア・ムローヴァのヴァイオリン、プレヴィン指揮ロイヤル・フィルの、
ショスタコーヴィチ第1番、プロコフィエフ第2番というコンチェルトCD。

すばらしい演奏です。ムローヴァさんの完璧なテクニックと氷のリリシズム。
怖いほど容赦なきリアリズム、完全封鎖のごとき鉄のフォルマリスム。
一方、このショスタコーヴィチのもうひとつの魅力は、プレヴィン率いるオケ・パート。
プレヴィンは、エッジを逆立てて痛みを演出することはないし、重低音で打ちのめすような
ショスタコーヴィチにはしません。どこまでも発音は明快ですが、過剰なアクセントはしません。
非常に緻密に構築されたオケ・パートを、丁寧に、血の通ったアンサンブルに仕上げています。
純粋に、音楽的な内容の豊かさを知らしめてくれるのです。
これほどまでに聴かせるオケ・パートはあまり他にはありません。プレヴィンの真骨頂です。

残念ながら、先日のN響定期では、もう往時のようなリードや統率力はなくなってしまって、
ソロとオケがなかなか一体感を作れず、少々残念ではありましたが、
それでもプレヴィンのヴィジョンは、かつてのままであったことを、
このCDを聴いて改めて確認することができました。

ほんとにお年を召されたプレヴィン。かつての輝きは失われてしまったかもしれないけど、
やっぱりプレヴィンの音楽は大好き。表現の方向性にすごく共感します。
ついでに一言。ムローヴァさん! そろそろクロス・オーバーのお遊びは終わりにしません?
いまならどんなふうにショスタコーヴィチを弾くのか、とても興味があります。帰ってきて!

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この冬の東京芸大のヴァイオリン科の入試課題曲は、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番。
こわいね〜。ぜんぶ丸分かりになっちゃうもんね。ヴァイオリンを弾くことに関するすべてが。
ど真ん中直球勝負ですなあ、芸大さん。

それにしても、この曲の名演奏って、最近どうなのかしら。
アッカルドとかウト・ウギとか、昔の(今も現役か・・・)お家芸的な名演奏&名録音って
確かにあるけど、最近の若い人の、これぞパガニーニっての、あんまりありませんね。
ヒラリー・ハーンなんかも録音してますし、このブログではハンガリーの俊英、クルストフ・バラティ
CDを紹介したりしましたが、正直、「ああ、パガニーニ!」って感じはしませんね。
前者はすごい運動性だけど器械体操みたいだし、後者はすさまじく真面目だし・・・。

で、ヴィクトリア・ムローヴァのCD。これ、持ってなかったのですが、最近廉価版が出たので、
買ってしまった。もちろん、聴く前から、どんな演奏か想像つくんです。ラテンの陽気なアモーレや、
ふざけたオチャラケとはまったく無縁なパガニーニ・・・。

怖いです。氷のような冷ややかさ。ダイヤモンドのような極北の光は、地中海とは別世界。
すごいね。完璧だね。もう唖然とするテクニック。愕然とするほど透明な美音。放射する倍音。
アモーレなんて微塵もなく、恋の女神の矢ではなく、女スパイのマシンガンに射ち抜かれるよう。
はぁ、厳しい世界をヴァイオリン一本で生き抜いてきたのね・・・。あなた、ほんとうにエライわ!
こういうの聴くと、アメリカの小娘もハンガリーの田舎坊やも、顔を洗って出直しておいでって感じ?
ほんと、震え上がるほどの完全無欠な、青白く燃えあがる「鉄のパガニーニ」です。

おまけに、カップリングされてる、ヴュータンの第5協奏曲も、完璧かつ恐るべきクールさ。
フランコ・ベルギーの甘ったるいロマンチズムは、氷の微笑で凍てついております。
ここまでくると、もう笑えます。おそれいりました。

なお、オケは、マリナー率いるアカデミー室内管弦楽団。
情熱的でしかも非常に良いサウンドの、迫真のサポート。このころのアカデミーが最高ね。

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miso
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