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なんだって、ゆっくり弾くのは難しいですが、シューベルトをゆっくり弾くのはとっても難しい。
そんなことを、先日ちらっと書きました。
ヴァイオリン作品のみならず、ピアノ・ソナタだって、リートだってそうですよね。
音楽的に、エレガントに、そして間延びせずにゆっくり弾く(歌う)って、ほんとうに至難の業。
そこで、ぜひ皆さんにも聴いていただきたいのが、バロック・ヴァイオリンの雄、
アンドリュー・マンゼのシューベルト・ソナタ集。これが、本当に素晴らしいのです。
みそにとっては、アナ・チュマチェンコ先生のシューベルトとともに、大切なCDです!
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集
・ソナタ ニ長調 D-dur D.384,Op.137-1
・ソナタ イ短調 A-moll D.385,Op.137-2
・ソナタ ト短調 G-moll D.408,Op.137-3
・ソナタ イ長調 A-dur D.574,Op.162
アンドルー・マンゼ(Vn)リチャード・エガー(Fp)
録音時期:2006年 録音方式:デジタル(セッション)
マンゼの演奏はいずれも、すごくゆっくりというわけではありません。ちょっと遅めという感じ。
アレグロ楽章などはちょうどいいテンポ感で、もっとゆっくり弾く人だって少なくないはず。
ただ、中間楽章(2楽章や3楽章のアンダンテやメヌエットなど)の、ほんのり緩めのテンポが
何とも温かくて、和やかで、睦まじくて、ときに切なくて、たまらないのです。
特に、G-mollの2楽章のアンダンテとか、3楽章のメヌエット&トリオとかを、
こういう遅めのテンポで品よく歌えるのって、ほんと、すごいと思う。
このメヌエットって最近、スピーディ&スリリングに、駆け抜けていく演奏が多いですよね。
でもマンゼは急がない!トリオとの柔らかなつながりを意識しながら、しなやかなボウイングで、
音色とリズム、デュナーミクに変化をつけてしっとり歌います。センスいいなぁ〜!うまいなぁ〜!
マンゼの演奏は、完全なノン・ヴィブラートではありませんが、とにかく右手のボウイングで、
こんなにも豊かに、多彩に、自在に表現できることの素晴らしさに、ほれぼれしてしまいます。
あと、解釈のセンスの良さも。こういう演奏家はとても貴重で大切な存在です。
でも、最近は指揮活動ばかりで、もうヴァイオリンを弾かないなんて悪い噂も聞こえてきます。
ダメです! ピリオドとかモダンといった差を越えて、こんなにヴァイオリンを愛する人に、
多くの示唆やヒントを与えてくれる演奏家は、そういるもんじゃありません!
ヴァイオリンを辞めないで! みそは、あなたのヴァイオリンがもっと聴きたいのです!
みそ
P.S. この素晴らしいシューベルトの演奏は、リチャード・エガーさんの、これまた見事な
フォルテピアノなくしては語れません。素晴らしいです!
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