今年5月に結婚したばかりのガイドの李さん。
「ローンは何処から来たかシッテマスカ?」
「・・・・・・?」
「日本からですよ」
「へぇ・・・本当?」
日本の月賦はアメリカを真似たと思っていたけど。
「ローンを中国語に直すと、鳥の首を絞めて、殺さずに羽を毟るの意味です」
李さんは膝の上で、羽を毟る仕草をして、破顔一笑。
蘇州近郊に新居のマンションを購入したと言う李さん。
「わたしも毎月羽を毟られてますネ」
どなたかが、
「中国の大卒初任給はどのくらい?」
「日本円で4万くらいデス。今は中国も厳しいデス。一流大卒で就職率は90パーセント。二流・三流大だと70パーセントくらいデス。会社は大学の勉強だけでは使い物にならないデス。専門学校を出て、少し使い物にナリマス」
何処も厳しい雇用状況。
李さんも、大学を卒業後に日本語の専門学校に通ったと言いました。
3ヶ月で、日本語の読み書きを覚え、それ以降は中国語を一切禁止され、違反が規定を超えると退学措置がとられると言いました。
李さんは殆どの日本語を理解しているように思えます。
しかし・・・イントネーションが怪しくて、しかも、かなりの早口。
もっとゆっくりと丁寧な発音をしたらよいのにと思うのですが・・・
何故か、凄いスピード。
しかし・・・
私達が連れ込まれた、お土産品購入場所。
お土産屋さんと言えないのは、
日本で言う所の小さなお土産屋さんではないからです。
無錫の淡水パールショップは、従業員は公務員だと言うし、
蘇州の刺繍ショップは、写真と見紛うそれはそれは精緻な刺繍で、「世界一の刺繍ですよ。二番目は何処と思いますか?」
蘇州の刺繍が世界一だと先に宣言されて、
口惜し紛れに「日本!」と力んでみたら、
「そうです!」
李さんも力強く力み返してくれました。
「三番目がフランス刺繍ですヨ」
しかし・・・・
蘇州刺繍の現物を目の当たりにすれば、
世界一も認めざるを得ないのでありました。
日本の皇室ご一家の刺繍もありました。
案内の女性が「今日この刺繍を日本の方が買われましたよ。80万円です」と指差したのは、虎の刺繍。
しかもこの刺繍、裏と表で表情が一変するのです。
薄い絹に施された刺繍。
あの仕掛けは一体どうなっているのか全く理解出来ません。
シルクの真綿を使った寝具工場にも行きました。
此方では小さな真綿を4人の女性たちで四隅を引っ張り、それを布団の大きさにまで広げて、布団を仕上げています。
観光客向けパフォーマンスですが、私達にも、それを体験させてくれます。
此方は夏掛け用布団が日本円で7千円。
私はこれを一枚自分用に購入。
次なるは、低反発ならぬラテックスを使った高反発寝具の工場にも連れ込まれ、
此方では、7千円の枕を売り込まれ、殆どの人が購入しました。
しかしです。
7千円と言う値段は日本人には適当な値段と言えるかもしれませんが、
大卒初任給4万円の国で、7千円の枕を買える人がどの程度居るのかと考えると、日本人は結構なカモなのかもしれないと思えます。
李さんは、マンションのローンで羽を毟られ、
日本人観光客は、中国人の商魂に羽を毟られているのかも知れませんね。