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さまざまな事を考えた。
夕凪《ユウナギ》のこと、日記のこと、『家族』のこと、そして江茉《エマ》のこと。
考えている内に、いつの間にか着いていた。
目の前にある、神雅の家紋『烏と百足』が描かれたフスマの奥が集会場になっている。
「第12支隊・『亥』のハヤト。入る!」
声を出してもう一度、覚悟を決めて中に入る。
集会場は座布団が左右5対並んでいおり、すでにそれぞれ十二支会の隊長が座っていた。
空いているのは手前の1つのみ。
おそらくここに「座れ」という事だろう。
前方の『辰』の席には江茉《エマ》の姿もあり、その変わらない様子を見て少なからず安堵できた。
「遅い!みな、暇じゃないんだ!さっさと始めるぞ」
いつまでも座らない迅人《ハヤト》の様子に、第2支隊『丑』の隊長である副統主が口調を荒立てた。
「まあまあ、いいじゃない。『その時』を少しでも先送りにしたい、気持ちを察してあげて?」
その声は並んだ席ののさらに奥、スダレの掛かっている上座から。
スダレで姿は見えないが、そこに座れるのは十二支会の統主だけ、と決まっている。
第1支隊『子』の流山莉凰《ナガレヤママオ》だ。
「・・・それでは、シンガハヤトの処分を言渡す!」
完全に座ったのを確認した副総主は、処分の言渡しを開始した。
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