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「ウリィノコドゥ・・・」
それは町の中、うなり声をあげてキョロキョロと何かを探していた。
長い杖を持つ、その姿は老人のようだ。
だが、皮膚が堅そうな甲殻で覆われた姿は、まさしく異形の『鬼』だ。
気付かれないようにしかし素早く背後に近付く。
「・・・アレラド?」
だが、おれの間合いに入るわずか前、身軽に距離を取られてしまった。
鬼はその血走った目で威嚇する。
「アナドタヤハゲアモ!!」
「もし帰る所があるんなら、すぐに帰れ!」
それは最後の警告だ。
鬼に言葉が通じる訳もない。
「、オイフ・・・」
しかし、何かを呟いたと思った瞬間、鬼の持っていた杖から激しい炎が迸った。
「うゎ、っち!」
右の手甲でガードするがシュゥ…、という音を立て、防いだ鎧を溶かす。
「なんなんだ!その技は!?」
神雅流にも『鴉』で炎を起こす技の使い手はいる。
だが、鋼鉄で出来た鎧を溶かすほどに、激しい炎は不可能なはず。
人間が持つ『氣』は絶対的に少ない。
こんな炎を放とうとすれば、体中の『氣』を使い切ってしまう。
氣=生命力はなくなれば、戦うことは難しくなるだろう。
だが、この鬼は相変わらず威嚇している。
(どういう事だ、この鬼は何をした・・・?)
それを探ろうとするが、構えを取らない鬼から原理を解明する事は難しそうだ。
間合いをはかりつつ、打開の手段を考える。
「オタヂアナキク!?」
さっきは不意を突かれたが、あれは食らうのはまずい。
しかし、かといって躱せば炎は、後ろの町を焼くだろう。
これ以上、生まれ育った町を破壊したくはない。
「、エクチオタモ、オイフ!」
だが、鬼は再び何かを呟きはじめる。
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