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神雅のつぶやき、

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1話-白虎 4

 いったい、どれだけの所へ連れて行かれたのだろうか。

 俺の地元には劣るが歴史の深いこの土地の、名所という名所を全て廻ったのではないだろうか?

 すでに日は傾き始めている。

 で今いるのは、ルシャナ仏坐像のある『東大寺』。

「そう、ここが正式名称『東京大学』寺!」

「いやいや、この『東大』はこのままで正解なんだよ!?」

 赤猫《アカネ》の馬鹿らしい会話は本当に楽しい。

「いや〜、それにしても本当にデカいな〜!」

 俺たちの目の前には、この寺の代名詞『ルシャナ仏坐像』がある。

「俺たちの街にも、こんなの造りたいなっ!」

 いつまでたっても赤雉《セキジ》のこういう、童心忘れないところは大好きだ。

 それから仏坐像の周り、また中を見回った。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか?」

 赤雉《セキジ》はやっと、『それ』を提案してくれ、俺はやっと安堵の息をつくことができた。

「おい、お前ら!この辺の者じゃないな!?」

 その時、俺たちの背後から声を掛けてきた、一団がいた。

 ビチャ・・・

 嫌な音と共に、江茉《エマ》は倒れた。

「くっ・・・う・・・」

 意識はあるようだが、すでに戦闘は出来ないだろう。

 莉凰《マオ》の実力は俺の、俺たちの予想を大きく超えていた。

 その第3の腕はしだいに莉凰《マオ》の体を離れ、懐かしい人物の姿になった。

 後ろの影と元を同じ夕凪《ユウナギ》、その人であった。

「・・・そういう事か」

 俺の中で矛盾に感じていたことが晴れた。

 白虎《ハクト》は「殺戮者がユウナギと名乗った」と言っていた。

 莉凰《マオ》は「自分が殺戮を行った」と白状した。

 もし、莉凰《マオ》が夕凪《ユウナギ》と名乗ったとしたら、なぜいままで正体がばれなかったのか。

 だが、神鶴の『鵬』によって分身を、変わり身を創れるのであれば。

 しかし、それは同時に脅威以外の何者でもなかった。

(万策、尽きた、か・・・)

 江茉《エマ》に出来なかった事を、俺がヤれるのか・・・?

 それは果てしなくゼロに近い。

 このままでは逃げる事もできず、このままでは確実に殺されるだろう。

 駆け出した時の勢いはしだいに失われていき、すでに止まる寸前だった。

「そのまま、駆け抜けろ」

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