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神雅のつぶやき、

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1話-白虎 5

 この寺も有名な観光名所であるため、きっと彼らは修学旅行かなにかで来た学生なのだろう。

 どこかの学校の制服を着た少年少女3人がそこに立っていた。

「聞いてんのか!?」

 たしかに『この辺の者』ではないが、ここへは良く来ている否定もしにくく黙っていた。

「んで?何の用だ?いい時間だから帰りたいのだが」

「はっ!?そんなの決まってんだろ?旅行先での『決闘』。定番だろ?」

 『決闘』?

 そんな事いう奴がこの世界にまだ残っていたんだな・・・。

「バカじゃないのか?決闘が法律で禁止されているのしらないのか?」

 たしかにこの国は『武術』によって発展し、それからか古くは出先での『決闘』が行うのが恒例行事になっていたようだ。

 だが、数十年前に起こった『第3次世界大戦』。

 核やミサイルといった科学兵器が禁止された後の世界では、『武術』による戦争だった。

 それが終着した後、世界では『武術』の監視が厳しくなり、現在でも『武術』は国に根付き続けているが、当然以前のような『私闘』はできなくなった。

「だが、1つだけ『抜け穴』があるだろう?」

1話-白虎 4

 いったい、どれだけの所へ連れて行かれたのだろうか。

 俺の地元には劣るが歴史の深いこの土地の、名所という名所を全て廻ったのではないだろうか?

 すでに日は傾き始めている。

 で今いるのは、ルシャナ仏坐像のある『東大寺』。

「そう、ここが正式名称『東京大学』寺!」

「いやいや、この『東大』はこのままで正解なんだよ!?」

 赤猫《アカネ》の馬鹿らしい会話は本当に楽しい。

「いや〜、それにしても本当にデカいな〜!」

 俺たちの目の前には、この寺の代名詞『ルシャナ仏坐像』がある。

「俺たちの街にも、こんなの造りたいなっ!」

 いつまでたっても赤雉《セキジ》のこういう、童心忘れないところは大好きだ。

 それから仏坐像の周り、また中を見回った。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか?」

 赤雉《セキジ》はやっと、『それ』を提案してくれ、俺はやっと安堵の息をつくことができた。

「おい、お前ら!この辺の者じゃないな!?」

 その時、俺たちの背後から声を掛けてきた、一団がいた。

1話-白虎 3

「だがしかし、今日ここに連れてきてもらった事には、ホント感謝してるよ」

 それが白虎《ハクト》は率直な感想の気持ちだった。

「ビャッコ…」

 そんな言葉に心うたれたのか、赤雉《セキジ》も言葉を失った。

「よし、そこまで言うならとことん付き合ってもらうぞ!夜はまだまだ、これからだ!」

 しかし、そんなしんみりした雰囲気をぶち壊したのも、また赤雉《セキジ》だった。

「ばっ、ちょっと待て!別にそんな、無理しなくても良いんだぞ?」

 時刻はまもなく4時。夜というにはまだまだ早い。

 これを言った赤雉《セキジ》には毎度、『深夜』まで付き合わされ、大変な目にあった事を思い出したが、時すでに遅く、赤猫《アカネ》と赤雉《セキジ》に連れ回される事になった。

1話-白虎 2

「白虎《ハクト》!」

「!?」

「それはマジに言っているのか!?お前にだったら赤猫《アカネ》をやってもいい、と思ってるんだがなぁ〜?」

 赤雉《セキジ》が急に大きな声で呼んだから何事かと思ったが、どうやらまた悪ふざけのようだ。

「マジだ。俺は別に赤猫《アカネ》の事なんて何とも思ってないよ」

「ひっど〜い…。前、お嫁さんにしてくれるって言ってくれたのに…」

 俺が赤雉《セキジ》に言い返していると、横から赤猫《アカネ》が割って入って、さらに場をかき回す。

「いったい、いつの話をしてるんだ…?」

「3つの時」

「いや、まじめに答えなくて良いんだが…」

 昔から、こんな馬鹿馬鹿しい会話を交わしている。

 しかし俺は自然とこんな関係が嫌いにはなれず、むしろずっと続けば良い、そう思った。

1話-白虎 1

『10枚百円』

 観光客向けの高めの値段の安い煎餅を、鹿は美味しそうに食べた。

 神鶴白虎《カミヅルハクト》は鹿に煎餅をあげながら、ただボーっと眺めていた。

 ここは産まれ育った都の隣の、とある公園。

 なんども訪れたここには、相変わらず多くの鹿が闊歩している。

 今さら特に驚くべき事もなく、とりあえず保護動物であるこの鹿の腹は満たされることはあるのだろうか、と実験してみている。

 果たして、宇宙のような食欲は限界が見えず、先に小遣いをはたいて買った煎餅が切れそうだ。

「おぉーい、ビャッコ!お前はもう少しこう…楽しそうに遊べないのか?」

 急に後ろから肩を組んできた馴れ馴れしい男は神鶴赤雉《セキジ》。『ビャッコ』とは俺のあだ名だ。

 コイツと俺は一応親類で幼い頃からつるんでいる、いわゆる幼なじみだ。

 『一応』というのは、いったい何親等離れているのか俺は知らないが、ただ俺は宗家で、赤雉《セキジ》は分家だからだ。

 今日は赤雉《セキジ》が道場を持ち、その初給料で旅行に行くと言うので、連いて来た。

「アカネを見習えよ。あんなに楽しそうにしてくれてるじゃないか」

 見た先には少女が一人、鹿に囲まれていた。

 赤雉《セキジ》の実妹である赤猫《アカネ》は鹿に囲まれて楽しそうに、というよりあれは…

「ちょ、大丈夫か?」

 白虎《ハクト》は素早く駆け寄ると、赤猫《アカネ》の周りにいた鹿を追い払い、助け出した。

「はぁ、はぁ」

 赤猫《アカネ》は荒れた息を落ち着けると、言葉を紡いだ。

「ビャッコ…。もし私が助からなかった時は、同じ墓で眠らせて?」

「なぁ〜に、アホな事言ってんだ?すこしスカートがかじられただけじゃないか」

 どうやら餌をあげている最中に囲まれ、その催促する鹿にやられたらしい、スカートには鹿の唾液がベットリと着いていた。

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