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神雅のつぶやき、

目指せ!1週間1回以上更新!

書庫.SS-壱楽章-

本編【UNiV.SchicksalSymphonie】――ユナイヴ.シックザールシンフォニー

兄・夕凪《ユウナギ》を探すため、弟の迅人《ハヤト》と従兄妹の江茉《エマ》が異界を旅し2人の成長を描くバトルアクション・ファンタジー。

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 しかし、強盗の体は砂という『流動体』。

 物理的な攻撃が効かないのは先ほどまでの戦いで実証されている。

(いったいヤツをどうやれば…)

 その時、髪からポタポタと落ちる、江茉《エマ》が放った『鴉』の水。

(流動体……水……)

 それは江茉《エマ》からのメッセージだったのかもしれない。

(水も、流動体!?……だったら!)

 すぅ…

 大きく空気を吸い込む。

「うおおぉっぉぉぉぉおぉぉっぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉぉおぉ!!」

 肺と胃に溜まった空気が全てなくなるまで、すべて吐き出す。

「な、なんなんだっ!?気でも狂ったk」

 強盗はその叫びを聞き、『身構えた』。

「神雅流奥義破城双掌《はじょうそうしょう》!!」

 俺はその一瞬の隙を見逃さず、奥義を打ち込んだ。

 バシャァッ!

 俺は後頭部に軽い衝撃を受けて、失いかけていた意識を取り戻した。

(・・・これは、水?)

「ちょっと、ハヤト!なにやってるの、しっかりしなさいよ!」

 『水』は俺たち『神雅一族』のみに発現する力『鴉』によって放出されたもの。

 これをユニバーシティでは『超能力』と呼ばれる魔術だと、この数週間で学んだ。

 『自身が理解できない魔術』『コントロールできない魔術』『未完成な魔術』、それが超能力。

 効果、副作用、使い方。それらを理解できない『鴉』をここまでコントロールできるのは外功の扱いに長けている江茉《エマ》だからこそ。

「アンタの力はそんなものなの?弱いんだから出しおしみなんてしてんじゃないわよ!」

 江茉《エマ》の『鴉』のおかげで、俺はすっかり目が覚めた。

(それにしたって、少し水の量が多いんじゃないか?エマよ・・・)

 俺の周りにはすっかり水たまりが出来ていた。

「早く、斬りをつけなさい!」

 言われるまでもなく、そのつもりだ。

 見れば俺の手にあったはずの『枷』もいつの間にか、解かれていた。

(・・・ここは・・・?)

 俺は夢の中にいた・・・。

「・・・ひもじいよ・・・」

 広い広い荒廃した砂漠。

 こんな場所、俺の記憶の中にはない。では・・・

「・・・ひもじいよ・・・だったら・・・」

 砂漠でうずくまっていた少年は立ちあがった。

(!?)

 その姿はさっきまで戦っていた強盗だった。

(・・・そうか、この夢はアイツの・・・)

 この夢の主人公は俺ではなく、少年。

 だから、ここでは俺は干渉できない。

 干渉できない俺はだから、ななめ上空からの三人称視点でしかない。

「・・・だったら」

 少年は歩き出した。

「・・・だったら・・・奪ってやる」

 それが少年の原点で原動力。

 それがユニバーシティへやってきた理由。

 それが世界から外れた理由。

「ふんっ。もしもの時の逃走用に用意しといた魔術だったんだが・・・武術、か?そんな低次元な技を使うやつが執事隊とは、これから金を奪うのも楽になりそうだ」

「・・・武術が低次元、だと?」

 知らない世界の知らない敵に無用心に攻撃してしまった後悔と、強盗の言葉に苛立ってしかたない。

「事実だろ?そんなただの突き、まるで獣と同じじゃないか」

「くそっ・・・またか!」

 ここは『魔術』と『科学』が高度に発展した世界・ユニバーシティ。

 魔術の前に武術は効かず、科学の前に武術は無力だった。

 だから、テンショーに来てから同じことを何度言われただろうか・・・

「低次元だというなら、お前はココまでだ」

「そんな状態でまだ何かするつもりか?痛い目見たくなければおとなしく見てた方がいいぞ?おい、早く袋に金を詰めろ!」

 両腕を拘束された俺を見下し、油断している隙を逃すわけはない。

 すぅ、はぁ、すぅ、はぁ。

 俺は静かに呼吸をくりかえし、体に氣を満たす。

 だが、

「おえぇっ、」

 限界、だ。

 呼吸法で吸い込んだ空気はひどく濁っていて、もう立っていられない。

 空の腹から昇って来た『なにか』で、口の中が酸っぱい。何も食べてなくて正解だった。

 対策法その2。

『被害を最小限に抑えるため、さっさと終わらせる』

 俺は右腕を垂らす神雅流の『構え』をする。

 間合いはわずか。

 強化された今の俺ならば、銃の弾よりも早く相手の懐に入り込める。

「破城拳!」

 破城拳は神雅流の基本技であり、亜人には大したダメージはないだろう。

 だが、それでいい。

 目的は『押し出す』ことだ。・・・だが。

「・・・どうなってるんだ!?」

 俺の腕はズボッ、という音とともに強盗の体を貫いてしまった。

 破城拳にはそこまでの威力はないはずだし、当然そんなつもりはない。

「バカが!そんな低次元な技が効くと思っていたのか?」

 しかし、そんな俺の心配をよそに強盗は平然としており、よく見ると、貫いた強盗の体は砂になっていた。

 その瞬間、俺はそれが敵の策略なのだと理解し、腕を引き抜こうとする。

「・・・Lock on Rock《施錠》!」

 だが、強盗がなにかをつぶやくと、引き抜いた右腕は左腕と岩で出来た手錠で拘束されてしまった。

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