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6月7日(木)、撮影3日目。
同じく、ウナの家での撮影。
前回撮りきれなかった室内シーンの残りを撮影したあと、
家の庭でのアクションシーン。
しかも、雨シーンだから、俳優たちの苦労は想像を絶するものとなった。
ヤクザ役3人と、ヒド。
それを部屋の中から涙ながらに見るしかできないウナ・・・
そういう設定のもと準備が進められる。
かなり激しいアクションシーンがあるため、
リハーサルがしっかりと行われる。
雨の中のシーンとのこともあり、
しっかりした流れ、お互いの呼吸のタイミングがないと、
NGが出続けてしまう。
それよりは、しっかりと時間をかけてリハーサルするのがいい。
前回同様、監督はこういうふうに倒れるんだ、
こういう感じで殴られるんだと、
自ら手本になるため、濡れた地面にひざをついたり、
手をついたり、倒れたり体を使って、詳しく説明してくれた。
それを見てるすべての人が、監督!!服が汚れるよ!!
ほら、ズボンがそんなに泥だらけになった!!
と、心の中で心配するが、その真剣な演技指導をとめられるものはいないし、
とめる理由も見当たらない。
家の中から外にでてのアクションシーンということで、
NGが出たら、服を交換しなければならない。
最初から濡れていたらだめだし、泥だらけだとだめだから。
なので、衣装チームはNGを想定して、同じ衣装を何着も準備する。
アクションシーンの難しいところは、
実際に殴ったり蹴ったりするわけじゃないから、
それをうまくごまかすことができるのかという部分。
殴ってるふりをする、蹴ってるふりをする。
でも、そこで中途半端にしてしまったら、
カメラにはすぐに、あ、これは、うそ見え見えだ・・・
ちんけなアクションシーンだな、とばれてしまう。
実際に蹴ったり殴ったりしないとしても、
アクションシーンで消耗する体力は計り知れない。
しかも、雨まで降っているのだから。
何度も何度もNGがでて、現場の雰囲気はどんどん
マイナス方向に進んでいく。
俳優たちが苦労している。体力は大丈夫か。
やればやるほど、体は動かなくなっていくはずだ。
怪我したらどうしようか、と。
でも、いい絵を撮るためには、観客に息を呑んで見てもらうためには、
ここで妥協するわけにはいかない。
監督も、心を鬼にして、もう一度やろうと、指示をだす。
何度目かのテイクで、ヤクザ役のパンチがハギュンさんの左顎に直撃した!!
もちろんそこで、カット!!と中断するわけにはいかないし、
雨の中、激しいアクションの中では、殴られたか、どうかなんて、
スタッフ側からすると、判断できない。
それくらいに、すべてが実際に殴る蹴るの連続のようにも見える。
最後までの流れが終わったあと、ハギュンさんが苦痛の表情。
すぐに氷で冷やし、現場の誰もが心配するが、
ハギュンさんは、みんなを心配させまいと、笑顔で大丈夫だと答える。
次こそは、次こそは、成功してくれ!と誰もが祈る。
俳優の変わりに殴られたり蹴られたりすることもできないこの状況で、
自分たちにできることは、ただただ祈るのみ。
彼らの真剣ですばらしい演技をこの目でしっかりと見守ることのみ。
レディー、アクション!!!
ヤクザたちの怒鳴り、ヒドをののしる台詞、ヒドの悲痛の叫び・・・
これは、映画の撮影だ。これは、演技だ。これは、作り物だ。
と自分に言い聞かせようとしても、そういう考えを消滅させる
ヤクザとヒドがそこにいた。
そこだけが、別に空間になったかのような不思議な気持ち。
映画館のスクリーンが、立体的にこの場にいきなり現れたかのような感覚。
いや、自分たちの世界のこのヤクザとヒドのいる世界は、別世界なのか。
現実世界なら、もうやめよう、つらくて見てられないよ、
ととめてしまうかもしれない。
涙がでそうになった。
痛々しくてヒドの姿に現場にいる誰もが感動したのは間違いない。
庭から、家の中を見ると、そこには、ウナが窓越しに
嗚咽を漏らしながら、泣いている。
恋人を助けたいが、どうしようもないウナ。
左手が動くたびに、照明に照らされ光るカップルリングが
悲しみをさらにアップさせた。
撮影3日目にして、この感動。
9月の頭まで、こういう感動をいくつ体験していくのだろうか。
自分の中の感動メーターがいつ、はちきれてしまうのだろうか。
感動しすぎて、仕事にならなかったらどうしようか(笑。
いや、こういうことは、なかなか体験できるものじゃない、
裏に潜んだ数々の感動が2時間にぎゅっと凝縮された「ザ・ゲーム」、
早くみなさんにお届けしたい。
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今回、ヤクザ役で登場した3人を軽く紹介。
キム社長役は、チョ・チョンホさん。
映画を始め、演劇界でも活躍してる彼は、小学3年生のお父さん。
映画界では、まだまだ新人ではあると思うが、
いいキャラクターをもってると思う。
今回の映画をきっかけに、まだ別の顔もたくさん見たいと思う。
ヤクザ2役は、チェ・ウクさん。
彼のオーディションには、自分が付き合っていたため、
配役が決まったときは、かなりうれしかった。
自分が見てるなか、涙を流す演技を披露してくれて、
そういう体験ははじめてだったので、感動してしまった。
彼は、日本映画「パッチギ2」の韓国シーン?に出演している。
ヤクザ3は、シン・ヒジュンさん。
演劇界を中心に活躍している俳優さん。
笑ったらすごくやさしく見えるが、普段は、すごくミステリアスな
表情をしているようにも見える。
俳優としては、そういうミステリアスな部分が観客の興味を引いていいと思う。
アクションもできる役者さんとして、今後に期待したいと思う。
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