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「私は夢見ている。
四人の小さな私の子供たちが彼らの皮膚の色ではなくその性格の内容 で判断される国に住める日が来ることを。」
1963年6月28日 マーティン・ルーサー・キング牧師
2009年1月20日、ついにオバマ大統領が誕生した。
地球史上、世界最強の国家に、初めて肌の色が白くない人間が大統領の椅子まで登りつめた。
この若き黒人を第44代大統領に選んだことには特別な意味がある。
最初の奴隷をアフリカから連れてきた1619年以来の長く悲しい黒人差別の罪を、ようやく償うことになるからだ。
(NEWSWEEKより)
決められた学校にしか入ることを許されず、レストランからは入店を拒否され、トイレは白人と別々にされ、警官は黒人を眼の敵にした。
だが彼らは耐えた。
少しずつ、少しずつ社会は流れを変え、黒人牧師、マーティン・ルーサー・キングの訴えにより議会を動かした。
1964年、人種差別を禁ずる公民権法をリンドン・ジョンソン大統領が署名した。
しかし、法律で禁じたとはいえ、人々の心を変えるのには時間がかかった。
勤勉、忍耐、努力などでひとつひとつ誤解と心の壁を崩していった。
…そして44年後、一人の黒人の若者が大統領になった。
幸いなことに、俺は今まで「人種差別」を見たことがない。
人口のほぼ全てが大和民族の日本に住んでいるからだ。
しかし東京・歌舞伎町で働いていた頃、やはり自分の中にも「差別」があるのだと感じた。
マナーが悪く、やかましく、自分勝手な中国人。
一緒に働いたらそんな誤解は吹っ飛んでしまった。
みんなすてきな人が多かった。
体が大きく、言葉があまり通じず、学のなさそうな怖い黒人。
本当は彼らは気さくで明るく、とてもフレンドリーだ。
(危険な店を経営しているという前提はあったのだけど)
こんなエピソードがある。
数ヶ月前、会社帰りに自転車を停めてある歌舞伎町を歩いていた。
そうしたら道の途中、突然声をかけられた。
「久しぶり!何してるの?」
以前、歌舞伎町の酒屋でアルバイトをしていた頃、ある黒人が新しくバーを開くので、色々と準備等で手伝ったことがある。(俺は黒人担当にさせられていた)
ビールのサーバー、ビールの生樽、種々のグラス…。
その彼が俺に気づき、声をかけたのだ。
もうその時は酒屋を辞めて半年以上経ち、今の姿格好もスーツにコートを羽織ってと、見た目では気づかないはず。
でも彼は気づいた。
気づいてくれた。
(髪型で気づいたかもしれないけどw)
嬉しかった。
俺も開店準備にがんばったから、彼も何か感じていたんだろう。
だからこそ覚えていたのかもしれない。
少し話をし、彼の店に連れて行かれそうになったが、なんとか断る。
(色んな国籍の女性が下着で接待するバー。何度か店に品物を納めた時に見たことがある。目のやり場に困るのです)
長々と書きましたが、自分の中にもやはり差別と偏見はあり、それを経験によって少しずつなくしていきました。
日本ですらこうなのだから、アメリカなんかではもっとすごいのでしょう。
そのアメリカが、人種差別を乗り越えたという歴史的瞬間を生きている内に見られたのは、とても幸せです。
でもまだまだ差別や偏見はあり、世界中で苦しんでいる人がいるのです。
それでも、少しずつ人類は前へ進んでいるのだと、その成果が2009年1月20日に現れたのだと信じています。
これからもまた、世界が良い方向に進んでいきますように―。
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