上山信一の『見えないものを見よう』

未来は誰にもわからない。しかし洞察を深めれば、現実が変えられるかもしれない

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11月23日午後、SFCの秋の研究発表大会@東京ミッドタウンにお出かけください。以下のセッションのほか数々のセッションや展示、実演があります。
1、慶應SFCの上山ゼミの公開セミナー(18時から)
学生たちが、研究成果をもとに「2050年の未来」を洞察します。
 東京ミッドタウン(六本木) タワー4F カンファレンスROOM9 入場無料
詳細はhttps://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/
ゼミ学生&会場のみなさんとのジャムセッション「2050年の世界を洞察する−AI・ デジタル万能主義を超えて」
何が社会を動かし、時代の流れを紡ぎ出していくのでしょうか。歴史の担い手は、経済・政治、思想、あるいは英雄とされがちです。これらは確かに社会の基盤(OS:オペレーションシステム)を形成してきました。しかし現実を見ると自動車、保険、軍隊などのいわばアプリケーションソフト(AS)の役割の大きさに気づきます。本セッションでは、ローマ帝国から現代に至る「インフラ」「技術」「金融」などの歴史・事例を紐解き、これからのポスト産業社会の姿を考え、未来への提言を行います。

2.上山信一のミニ講演「おかしなことはどうやって変えるのか」16時ー16:15
東京ミッドタウン・イーストB1F ホール https://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/pitch/p07-4/
SFCには改革を先導するDNAがあります。故加藤寛先生は国鉄の民営化に、竹中平蔵先生は郵政民営化に参画され、科学技術分野でも革新的研究の成果が次々と出ています。講師も長年、大企業の改革を手がけ、最近では「大阪維新」や「東京五輪」の会場&予算の見直しをプロデュースしてきました。しかし改革は外科手術にも似て、摩擦や副作用をもたらします。不安に揺れる人々を説得しつつ、難所を切り抜ける。戦いの連続です。このピッチでは“改革屋“の仕事の舞台裏に皆さんをお誘いします。

 いきなりABBAネタになるが、新作映画の”MANMA MIA here we go again” のサウンドトラック盤に映画で使われなかった”The Day Before You Came” が入っている。聞いてみたらメリル・ストリープが情感豊かに歌い上げ、すばらしい出来ではないか。
 独身女性が恋人に会う前の単調な日々を「当時はその単調さにすら気づいていなかった」と歌うラブソングだが詩に漂う虚無感がすさまじく、芸術的。そしてえらく長い曲だ。
 この曲は82年にABBA最後の曲としてシングルリリースされたが、詩が暗いというか、おそらく芸術的過ぎて一部の国以外ではあまりヒットせずに終わった。たぶんABBA末期の多くの曲と同様に世の中の先を行き過ぎてしまったのだろう。その後にリリースされた”THE ALBUMS”のBOXでも最後のBONUSのCDにかろうじて入っていて、なんだか忘れられがちだった。
 私も新作を聴いた36年前は「なんか暗い、理屈っぽい」と聞き流した。しかし今回のサントラ盤では60代のメリルが母国語の英語で歌い、情感豊かな素晴らしい出来になった。
 当時はアグネサがソロで歌い、もちろん彼女はとてもうまかったが20代のきれいな声にこの詩は向いていなかった。そもそも単なる日常の繰り返しといううんざりした感じを彼女が歌うのをファンも求めなかっただろう。僕ら当時のABBAファンの多くも20代。「サインすべき書類が山のように」というオフィスワーカーの単調な毎日の気分がまだわからなかった。だが、今や僕らもこの曲の虚無感がずきずきわかる年になった。まさにグッドタイミング、メリルのおかげで名曲がよみがえった。
 それにしてもビョルンとベニーはやっぱり天才だ。当時20代のイケイケのヤングアーティストがなぜ独身会社員の内心のひそかな悲哀を知っていたのか。しかもそれをなぜラブソングに使おうと思ったのか(明るくないし)。資本主義に勝てるのは愛しかない?とでも考えたのか?いや当時、彼らはむしろソ連の脅威を気にしていたはずだが・・。ともあれ、みなさん、一度、この曲聞いてみてください。英語のヒアリングの勉強教材としても最高です。ちなみにメリルストリープのABBAソングではあと、WINNERが出色の出来です。あれもおすすめ。

The Day Before You Came の英語歌詞と和訳
I must have left my house at eight because I always do
いつもと同じように8時に家を出たはず、の私
My train, I’m certain, left the station just when it was due
確かに時間通りに駅を発った電車
I must have read the morning papers going into town
街へと向かう電車の中で朝刊に目を通したはず
And having gotten through the editorials, no doubt I must have frowned
ある記事を読んで眉をひそめたはず

I must have made my desk around a quarter after nine
9時15分にはデスクに着いたはず
With letters to be read, and heaps of papers waiting to be signed
デスクには手紙やら、サインするべき書類が山のように積まれている
I must have gone to lunch at half past twelve or so
12時半頃にはランチに出かけたはず
The usual place, the usual bunch
いつもの場所、いつもと同じような顔ぶれ
And still on top of this I’m pretty sure it must have rained
さらに、確かなのは雨も降っていたということ
The day before you came
あなたが現れる前日のこと

I must have lit my second cigarette at half past two
2時半には2本目のタバコに火を点けたはず
And at the time I never even noticed I was blue
その時は自分が落ち込んでるなんて気づかなかった
I must have kept on dragging through the business of the day
おそらく、一日中落ち込んだ気分を引きずっていたんだろう
And without really knowing anything I hid a part of me away
自分では気づきもしないうちに、自分の一部を隠していた

At six I must have left, there’s no exception to the rule
6時には出社したはず、例外なく
A matter of routine, I’ve done it ever since I finished school
習慣となっている、学校を卒業して以来ずっと繰り返してきた事
The train back home again
電車に揺られて自宅へ戻る
Undoubtedly I must have read the evening papers then
間違いなく夕刊にも目を通しただろう
Oh yes, I’m sure my life was well within its usual frame
お決まりの枠組みの中での私の人生に不満はなかった
The day before you came
あなたが現れる前日までの話

I must have opened my front door at eight o’clock or so
8時頃には正面ドアを開けて戻ったはず
And stopped along the way to buy some Chinese food to go
途中で中華料理をテイクアウトして
I’m sure I had my dinner watching something on TV
テレビを見ながら夕食をとり
There’s not a single episode of House of Cards that I have failed to see
それは、1話もかかさず見ている「ハウス・オブ・カード」

I must have gone to bed around a quarter after ten
10時15分すぎには寝床についたはず
I need a lot of sleep, and so I like to be in bed by then
十分な睡眠が必要だから、その頃までにはベッドに入りたい
I must have read a while
しばらく読書をしたはず
The latest Margaret Atwood book or something in that style
マーガレット・アトウッドの最新作だったか、その類の本を
It’s funny, but I had no sense of living without aim
笑ってしまうけれど、目的なく生きてるという実感さえなかった
The day before you came
あなたが現れる前の日まで

And turning out the light
電気を消し
I must have yawned and settled in for yet another night
あくびをし、夜を終えたはず
And rattling on the roof I must have heard the sound of rain
屋根が音を立てていた、雨の音だったに違いない
The day before you came
あなたが現れる前の日のこと
11月23日午後、SFCの秋の研究発表大会@東京ミッドタウンにお出かけください。以下のセッションのほか数々のセッションや展示、実演があります。
1、慶應SFCの上山ゼミの公開セミナー(18時から)
学生たちが、研究成果をもとに「2050年の未来」を洞察します。
東京ミッドタウン(六本木) タワー4F カンファレンスROOM9 入場無料
詳細はhttps://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/
ゼミ学生&会場のみなさんとのジャムセッション「2050年の世界を洞察する−AI・ デジタル万能主義を超えて」
何が社会を動かし、時代の流れを紡ぎ出していくのでしょうか。歴史の担い手は、経済・政治、思想、あるいは英雄とされがちです。これらは確かに社会の基盤(OS:オペレーションシステム)を形成してきました。しかし現実を見ると自動車、保険、軍隊などのいわばアプリケーションソフト(AS)の役割の大きさに気づきます。本セッションでは、ローマ帝国から現代に至る「インフラ」「技術」「金融」などの歴史・事例を紐解き、これからのポスト産業社会の姿を考え、未来への提言を行います。

2.上山信一のミニ講演「おかしなことはどうやって変えるのか」16時ー16:15
東京ミッドタウン・イーストB1F ホール https://orf.sfc.keio.ac.jp/2018/pitch/p07-4/
SFCには改革を先導するDNAがあります。故加藤寛先生は国鉄の民営化に、竹中平蔵先生は郵政民営化に参画され、科学技術分野でも革新的研究の成果が次々と出ています。講師も長年、大企業の改革を手がけ、最近では「大阪維新」や「東京五輪」の会場&予算の見直しをプロデュースしてきました。しかし改革は外科手術にも似て、摩擦や副作用をもたらします。不安に揺れる人々を説得しつつ、難所を切り抜ける。戦いの連続です。このピッチでは“改革屋“の仕事の舞台裏に皆さんをお誘いします。

 前回は、今後の公的インフラの民営化の中心はおそらく上下水道になるが、実現に向けては、個々の地域事情、そして首長と議会の二元代表制の政治状況によっては一筋縄ではいかないといった事情を解説した。今回はその上で、現実に各自治体がどうすれば民営化を進められるのか、具体策を提案したい。なお、以下は筆者が大阪府、大阪市、東京都、新潟市等各地の上下水道事業の現状分析にかかわった経験に基づく共通的考察である。
 
●個々の自治体で具体的にどう進めていくか
 
上下水道の民営化の対象と範囲は個々の自治体が置かれた状況に合わせて考えていく。「民営化」というとかつての国鉄や郵政、大阪市営地下鉄のように事業体全体、つまり水道局や下水道局全体を丸ごと株式会社にするイメージがある。だがこれは誤解である。
 
上下水道の民営化は、事業体の一部(例えば浄水場、処理場、管路などの一部施設)について行われる場合がほとんどである。丸ごと株式会社化する、あるいはコンセッションにしても事業全体を民間企業に委ねる例はまれである。なぜなら事業全体となると公共性が極めて高い。災害時対応を含む民営化に伴うリスクを管理する必要がある。また、全ての機能を民間に委ねると、自治体側が契約更新時の発注能力や技術の目利き力を失ってしまう可能性がある。だから一部機能を行政機関に残しておくべきという判断もある。
 
●民営化対象の切り出しと手法の選択
 
さて、水道も下水道も施設は大きく「管路」と「施設(浄水場、下水処理場、ポンプ場など)」に分かれる。これらに適用される民営化の手法には、前回解説したコンセッション(公共施設等運営権制度)や、包括委託、部分委託などがある。その上でさらに施設建設や運営ではPFI を使う場合もあり、まさにケースバイケースである。
 
さらに実際の民営化の検討プロセスでは、多種多様な施設、場所、機能について、具体的に受け手となる民間事業者がいるかどうか、そこの能力はどうかも精査する必要がある。その洞察の上に事業全体をどう切り分け、どの部分(施設、場所、機能)にどういう民営化手法を適用するかを設計する。そのうえで競争入札を経て実際の事業者が現れ、条件が整ったときにやっと民営化が実現する。
 
地域によっては受け手となる事業者が現れない場合もある。例えば古くて大きな「A浄水場」が老朽化していて高コストだったとする。どこも自信がなくて受け手が現れなかった場合には、例えば「A浄水場」と新しい「B浄水場」を抱き合わせで包括委託に出してみる、といった臨機応変の工夫が必要だ。最終的には例えば7つの下水処理場のうち2つはコンセッション、3つは直営、1つは廃止、1つは包括委託といったまだら模様の答えになることもあるだろう。管理運営形態は公共性、競争性そして持続性の3つの視点からベストミックスを探求する。
 
ちなみに、管路については従前から地元の事業者が日常的な維持管理や改修を受託している(部分委託)。だが、さらなる効率化を目指すなら、例えば広いエリア全体の管路の維持管理はもとより、更新までセットで丸ごと大手企業に30年間にわたって任せるといった手法(包括委託)がありうる。この場合、民営化の対象となる業務は実は現場作業ではなく、個別工事の地元業者への発注業務となる。実際、多くの自治体では技術職員が不足し、民営化の準備作業をやる職員すら足りない。冗談のような話だが「民営化の作業自体を民営化したい・・」といったつぶやきすら耳にする。要は民営化イコール現場の作業の外出しというかつての常識、固定観念は捨てる必要がある。
 
このように民営化の対象は、目に見える施設や設備の維持管理だけではなく、改修や更新の作業、そして設計や事業運営そのものまで含まれる。納税者からすれば下水道局は税金の対価として約束したサービス、例えば「毎月〇〇円の料金で床下浸水の確率が0.3%に抑えられる」などの成果を出してくれればいい。公共工事で性能発注という言葉があるが、インフラの民営化も同じである。住民から見たアウトカム(成果)とバリューフォーマネー(直営時代と比べた改善効果の差分)を最大化する方法を現実的かつ柔軟に考えていく。
 
●まずは現状の“見える化”から始める
 
その意味で個々の自治体が最初に行うべき作業は、ひたすら現状分析の評価、つまり数字による“見える化”である。その上で、今の設備、人員、予算を抱えたまま事業運営していくと将来どうなるかをシミュレーションする。政策評価と将来予測が大切だ。例えばある自治体の例でいうと、ここは最近、下水道事業の将来予測をした。すると今のやり方をずっと続けた場合、人口減少と収入減に加え、老朽化に伴う設備更新費用がかさみ、15年後から大幅な赤字に陥るとわかった。それだけではない。道路の陥没やポンプの故障がじわじわ増えていた。ところが維持管理の予算と人員は増やせていない。そもそも設備更新作業を発注する職員の数すら足りない。さらに維持管理費の増額要求の作業すらままならないくらい人手が不足していた。
 
こうして将来の事業と収支の絵姿を“見える化”していくと、おのずから危機回避のための早めの打ち手が分かってくる。例えばある市では、規模の大きな古い浄水場の運営はなるべく早く民間企業に任せ、その延長線で設備更新もその企業に委ねるのが得策とわかった。この自治体の場合、過去にも民営化の議論があった。しかしその時は「再雇用職員を使えば外注より安い」「職員の雇用は守ろう」といった議論で沙汰やみになったらしい。だが今や問題は毎年の維持管理費ではなく、将来の設備更新費用と技術者の不足が問題だとわかってきた。
 
このように事実と数字をもとに現実を見据えていくと、民営化といっても多種多様ということがわかる。上下水道の場合、民営化とはもはや役所では対応できない設備更新に民間の技術、資金、人材を導入すること、そしていいパートナー企業を早めに確保するために日常の維持管理の段階からその企業にお願いし、日常の運営のなかから準備を始めてもらうのがよい、といった新しい公民連携の姿が見えてくる。
 
80年代のステレオタイプ論からの脱却
 
このように多くの自治体の上下水道の民営化は、これまでの国鉄、郵政などの民営化とは目的と内容が異なる。空港コンセッションの場合はまだ国鉄民営化に似ていた。管制を除く、空港の事業と施設のほぼ全部を民営化する作業だった。しかし上下水道は違って、むしろ逆である。そこでは公務員の余剰ではなく、技術者の不足が問題である。また、経費の節約が課題ではなく、前倒しを含む投資の最適化が課題になっている。
 
●早い者勝の世界
 
さらに言えば、上下水道の民営化は自治体間の競争でもある。リスクに早く目覚めた自治体はいいパートナー企業を確保し、早くからWIN-WIN関係が構築できる。ところが何もしないでいると、どこの企業からも相手にされない。挙げ句の果てに、高い金を払ってあまり能力が高くない企業に助けを求め、苦労することになる。あるいは隣接する市区町村に救いを求めたり、不利な条件のもとで事業を経営統合される運命になりかねない。
 
「地元の水は自分で管理したい」という市町村は多い。それならば、今の段階から維持管理に企業の参画を仰いでおくに越したことはない。設備更新をどうするかはその上で改めて考えればよい。上下水道の民営化は、多かれ少なかれ、程度の差こそあれ、全ての自治体で考えなければならないテーマなのである

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上山信一
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